JPS646651Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗植付装置を、四連リンク機構を介
してかつ流体圧シリンダにより対車体昇降操作自
在に連結した田植機に関する。

上記田植機では、例えば植付姿勢の変化を抑制
させるため及び載置した苗の損傷を防止させるた
め等の目的により、苗植付装置をその姿勢を大き
く前後に変化させることのない状態で昇降させる
ようにすることになるが、この結果、機体前後長
が苗植付装置昇降全範囲においてかなり大なるも
のとなり、倉庫内への格納時や運搬車に積載する
時等に不便があつた。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、必要に応じて機体前後長さを短縮操作でき
るようにすると共に、そのために前記シリンダに
対する配管系の損傷やコストアツプを伴わせない
ようにする事を目的とする。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図に示すように、左右前輪１，１、左右後
輪２，２、エンジン３、運転席４等を備えた四輪
駆動型の車体の後部に、４枚のマツト状苗を横方
向に並べて載置した状態で一定ストロークで横往
復移動される傾斜苗のせ台５、前記各マツト状苗
の下端部より順次一株分ずつの苗を取出して植付
ける４個の植付爪６…、左右一対の整地用フロー
ト７，７等を備えた苗植付装置８を連結し、もつ
て、機体進行に伴い４条の苗を植付けるよう構成
してある。

前記運転席４の前部にハンドル１６を設け、こ
のハンドル１６の右横側部に、左右の後輪２，２
に対する操作クラツチの操作ペダル１８，１８を
配置し、ハンドル１６による操向操作とペダル１
８による操向操作の同時的操作によつて、車体を
急旋回操作できるようにしてある。

前記ペダル１８，１８のうち、ハンドル１６側
のもののペダル揺動軸芯Ｐを車体左右方向に向わ
せ、他方のものの軸芯P₁を、横外側ほど車体後
方に向わせ、着座状態においてペダル踏込み方向
が足の長手方向に沿うようにして、ペダル１８，
１８の踏み換えを踵を動かさずにできるように、
かつ、足の滑りを生じ難くして安全に、ペダル操
作できるようにしてある。

前記苗植付装置８を車体後部に連結するに、側
面視でほぼ平行四連のリンク機構９の前部リンク
１０と下部リンク１１の枢支連結軸１７を車体後
部に直接的に枢支連結し、前部リンク１０と上部
リンク１３の枢支連結軸１９と車体側ブラツケツ
ト２４にわたつてリンク２３を設け、前記苗植付
装置８を後部リンク１２に対して前後向き軸芯
P₂まわりで対車体ローリング自在に取付けると
共に、前記下部リンク１１を車体に対して昇降操
作する油圧シリンダ１４を設け、もつて、苗植付
装置８を、植付深さ一定化のため、及び路上走行
時等において地面との接当を回避させるために、
昇降操作できるように、かつ、耕盤の凹凸に伴う
車体のローリングにかかわらず苗植付装置８をほ
ぼ水平姿勢に維持できるようにしてある。

前記前部リンク１０とそれに対する上部リンク
１３の枢支軸１９に、前部リンク１０よりも長い
リンク２１を解除自在に枢支連結し、このリンク
２１を上部リンク１３にピン２２で取付けると共
に、その連結解除状態において前記リンク２１を
枢支軸１９から取外し、このリンク２１を下部リ
ンク１１に連結するためのピン２０を設け、前記
シリンダ１４による苗植付装置８の持上げ状態に
おいて前記リンク２１を下部リンク１１に連結す
る事により、前部リンク１０と下部リンク１１の
相対姿勢を拘束させるようにして、前記シリンダ
１４による苗植付装置８の持上げ状態で前記四連
リンク機構９を機械的に固定する機構１５を構成
してある。

前記リンク２３と車体側ブラツケツト２４の連
結部において、前記ブラツケツト２４に係止ピン
２５を設け、前記リンク２３に前記ピン２５を係
入する車体前後方向の長孔２６を形成し、その長
孔２６とピン２５とによつて、前記苗植付装置８
の自重下降揺動に抗する状態で前記リンク２３を
ブラツケツト２４に係止連結させるようにし、そ
して前記ピン２５をボルトにしてそれとナツトと
により、前記リンク２３をブラツケツト２４に固
定する機構２７を構成し、更に、前記シリンダ１
４を四連リンク機構９に対して解除自在に連結し
て、もつて、前記四連リンク機構９に対する固定
機構１５の作用状態、かつ、シリンダ１４の連結
解除状態、更にリンク固定機構２７の作用解除状
態において、前記苗植付装置８を四連リンク機構
９と共にその下方の連結軸１７まわりで車体側に
回動させる事ができるようにしてある。

そして、前記長孔２６の車体長手方向後端側に
上方やや前方に向う切欠部２８を連設して、前記
四連リンク機構９の車体側への回動に伴つて前記
切欠部２８をリンク２３の自重下降揺動によつて
ピン２５に係入させるようにし、もつて、車体側
に回動させた苗植付装置８をその姿勢で係止保持
させるようにしてあり、かつ、その状態でリンク
固定機構２７を作用状態に切換える事によつて、
苗植付装置８を機械的に固定できるようにしてあ
る。

尚、前記ピン２５をリンク２３に設け、前記長
孔２６をブラツケツト２４に設け、かつ、その長
孔２６の車体前後方向前端側に、前記リンク２３
の自重下降揺動によつて前記ピン２５を係入する
切欠部２８を設け、もつて、前記ピン２５を長孔
２６に沿わせて移動自在に、かつ、移動終端にお
いて前記移動を阻止させるように構成するも良
く、あるいは、それらの構成を下部側の連結軸１
７と車体とにわたつて設けると共に、上部側の連
結軸１９を車体に直接枢支連結させるも良い。

以上要するに本考案は、冒記した田植機におい
て、前記シリンダ１４による持上げ状態で前記四
連リンク機構９を機械的に固定する機構１５を設
けると共に、前記シリンダ１４を前記四連リンク
機構９に対して解除自在に連結し、前記四連リン
ク機構９の車体側部分に枢支連結したリンク２３
と車体を、その一方に付設のピン２５を他方に形
成の長孔２６に係入して連結し、前記固定機構１
５の作用状態でかつ前記シリンダ１４の連結解除
状態において前記ピン２５の長孔２６に対する移
動に伴つて前記四連リンク機構９の車体側への回
動を許容するように構成し、前記四連リンク機構
９の車体側への回動に伴つて前記リンク２３の自
重下降揺動により前記ピン２５を前記長孔２６の
長手方向への移動が阻止されるように係止する切
欠部２８を前記長孔２６の一端側に設け、前記四
連リンク機構９の苗植付姿勢において前記リンク
２３を車体に固定する機構２７を作用解除操作自
在に設けてある事を特徴とする。

即ち、上述したように、四連リンク機構９を車
体側に回動させると共に、その回動に伴つて四連
リンク機構９を係止固定させる事により、前後に
長い車体後部に連結の四連リンク機構９とそれに
連結の苗植付装置８を車体側に格納させる事がで
き、車体全長の大巾短縮を達成できて、倉庫内へ
の格納や運搬等によつて極めて便利になつた。

そして例えば、シリンダ１４を四連リンク機構
９に連結したままで格納状態に切換えさせる構造
をとる事が考えられるのであるが、この場合、シ
リンダ１４の回動を許容させるための長い可撓管
が必要で、それの他物に対する引つ掛りによる損
傷やコストアツプを伴いがちになる。

しかし、前記シリンダ１４を四連リンク機構９
に対して連結解除させる事によつて、可撓管の長
さを苗植付装置８の昇降にとつて必要なばけで済
み、コストアツプ等を伴わせずに機体を必要に応
じてコンパクトに切換えさせる事ができる。

更に、苗植付装置８の格納姿勢を、リンク２３
の自重下降揺動によつて自動的に係止保持させる
ものであるから、例えば、リンク２３をピン連結
する構造に比べて操作性に優れるものであり、全
体として、簡単な改造によつて冒記目的を達成で
きるようになつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の実施例を示し、第
１図は全体側面図、第２図及び第３図はリンクの
作用状態切換え説明図、第４図はリンク部分の破
断平面図、第５図は操縦部の平面図である。 ８……苗植付装置、９……四連リンク機構、１
４……シリンダ、１５，２７……固定機構、２３
……リンク、２５……ピン、２６……長孔、２８
……切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗植付装置８を、四連リンク機構９を介してか
   つ流体圧シリンダ１４により対車体昇降操作自在
   に連結した田植機であつて、前記シリンダ１４に
   よる持上げ状態で前記四連リンク機構９を機械的
   に固定する機構１５を設けると共に、前記シリン
   ダ１４を前記四連リンク機構９に対して解除自在
   に連結し、前記四連リンク機構９の車体側部分に
   枢支連結したリンク２３と車体を、その一方に付
   設のピン２５を他方に形成の長孔２６に係入して
   連結し、前記固定機構１５の作用状態でかつ前記
   シリンダ１４の連結解除状態において前記ピン２
   ５の長孔２６に対する移動に伴つて前記四連リン
   ク機構９の車体側への回動を許容するように構成
   し、前記四連リンク機構９の車体側への回動に伴
   つて前記リンク２３の自重下降揺動により前記ピ
   ン２５を前記長孔２６の長手方向への移動が阻止
   されるように係止する切欠部２８を前記長孔２６
   の一端側に設け、前記四連リンク機構９の苗植付
   姿勢において前記リンク２３を車体に固定する機
   構２７を作用解除操作自在に設けてある事を特徴
   とする田植機。