JPH032108Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は脱穀装置から排出される穀粒を袋詰め
したり、揚送排出して運搬車に積込んだりするこ
とができるコンバインにおける籾処理装置に関す
る。

(ロ) 従来技術 従来のコンバインには穀粒タンクをホツパー型
にして脱穀装置の側部に架設すると共にその下部
に袋詰め部を設けて籾処理部となし、この籾処理
部に補助者を同乗させて袋詰め作業を行なう二人
作業タイプと、機台上の脱穀装置の反対側に穀粒
タンクを設置し、該穀粒タンクに充填された穀粒
をその底部の移送螺旋で移送すると共に移送終端
の揚穀装置で揚穀して道路上に駐車させた運搬車
に積込む一人作業タイプとがあつた。

前記既知のコンバイン中、二人作業タイプのコ
ンバインは、作業中に一人が都合で作業すること
ができなくなると、籾ホツパーが満杯になる度毎
に作業を中断して袋詰め作業を行なわなければな
らず、また、一人タイプのコンバインは乾燥機が
満杯になるとバラ籾の保管ができなくなり、作業
を中断せずるを得なかつた。

このような問題点を解決する手段として揚穀筒
の吐出口の下方に籾袋を吊下げた状態で収容する
ことが可能でかつＶ字状底板を有する籾タンクを
設け、外側板を外方へ開くことができるようにし
たものは実開昭50−154381号公報により提案され
た。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記籾タンク内に籾袋を吊下げる方式は、袋詰
時に籾袋の下部がＶ字状底板に接触しないように
すると、満杯時に籾袋重量がきわめて大になるの
で袋掛け杆を強大なものに構成する必要があり、
かつ、籾袋を取出す時、袋口の鳩目を袋掛け杆か
ら外す作業が困難であつた。

袋詰する際にその下部が傾斜した底板に支持さ
れるようにすると、満杯になつた籾袋を引出す
時、傾斜した底板が障害になる等の問題点があつ
た。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、機台上の一側に脱穀装置を搭載し、
他側に袋詰可能な籾ホツパーを架設したコンバイ
ンにおいて、前記籾ホツパーの下方の機台上に、
穀粒排出装置が付設されていて横断面がＶ字状を
なす底板を有する籾タンクを設け、該籾タンクの
外側板の下部を開閉可能に枢支して袋詰作業時の
補助フロアーにすると共に前記底板の外側の斜板
を傾斜姿勢と略水平な袋受姿勢とに変換可能に枢
支して籾充填時には、斜板を略水平にして籾袋の
下部を支持し、籾袋が満杯になつた時には、上記
略水平になつた斜板を案内にして籾袋を容易に引
出すことができるようにして前述の問題点を解決
した。

(ホ) 作用 一人作業時は籾ホツパーの下部に設けた籾タン
クの外側板を上昇回動させて閉じた状態にセツト
すると、籾ホツパーはもとよりその下部の籾タン
クにも穀粒を充填してそれらが満杯になるまで作
業を続行することができ、満杯になつたならば従
来の一人作業タイプと同様に道路に駐車させてあ
る運搬車に穀粒を積込み、また、二人作業時には
前記籾タンクの外側板を外側方へ回動することに
より補助フロアーになし、斜板を略水平になして
一つの予備の袋をその上に移動して籾ホツパー内
に穀粒を袋詰し、籾袋が満杯になつた時袋口を外
側方へ引張ると、籾袋の下部は略水平にした斜板
に支持されているので、袋掛け杆から簡単に外し
て斜板上を滑らせながら容易に引出すことができ
る。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は走行装置２を有する機台３上に搭載した脱穀
装置であつて、その前方には刈取装置４と穀稈搬
送装置５とからなる前処理装置を設け、前記機台
３上の脱穀装置１の他側上部には、下部に漏斗状
取付部６ａ……を有する籾ホツパー６を架設し、
その前部に操作盤７及び操縦席８を設け、後部に
はエンジン９を搭載してある。

また、前記籾ホツパー６下方の機台３上には底
板がＶ字状になつた籾タンク１０を取付けてあ
り、該籾タンク１０の底部には前後方向の移送螺
旋１１及びそれを収納した受樋１２を設け、移送
螺旋１１の移送終端となる籾タンク１０の前部に
は揚送筒１３が二箇所で折曲される揚穀スロワー
１４を左右傾動可能に装着し、前記底板を構成す
る外側の斜板１５の下端を第２図及び第３図に示
すように受樋１２の外側上部に回動自在に螺着
し、前記斜板１５の下方の機台３上に該斜板１５
を水平状に受止める受台１６を固着し、籾タンク
１０の外側板１７はその下部の前後を前記機台３
の外側上部に支軸１８で回動自在に軸支すると共
に前側板１０ａと後側板１０ｂとにボルト１９…
…により着脱可能に装着されており、前記斜板１
５は前側板１０ａ、後側板１０ｂ及び外側板１７
にボルト２０……により着脱可能に螺着されてい
る。

２１は前記受樋１２の開口部を開閉するシヤツ
ターであつて、リンク２２及びロツド２３等を介
して操縦部に設けたシヤツターレバー２４に連動
連結してあり、前記脱穀装置１及びその揚穀筒２
５に取付けた前後方向の支持部材には籾ホツパー
６の漏斗状取出部６ａ……の前後に臨む袋掛杆２
６……を突設してある。

次に前記移送螺旋１１の駆動装置及びその安全
装置を第４〜６図について説明すると、移送螺旋
１１の軸１１ａを第６図に示すように横方向の軸
２７に傘歯車を介して連動させ、該軸２７のＶプ
ーリー２８は前記エンジン９のＶプーリー２９に
Ｖベルト３０を介して駆動され、前記軸２７の軸
受部にボス３１を遊嵌した揺動アーム３２にはタ
イトプーリー３３を軸支してある。

また、上記ボス３１から下方へ向けて突設した
アーム３４はスプリング３５とワイヤー３６を介
して前記シヤツターレバー２４に隣接するクラツ
チレバー３７に連動連結してあり、前記アーム３
４にクラツチ切り状態で当接するストツパー３９
の基部は第５図に示す如く機台２の横方向部材に
支軸３８により横傾動自在に枢支されており、該
ストツパー３９の中間部は前記外側板１７に連杆
４０で連動連結してある。

前述のコンバインにおいて、二人作業を行なう
時は第３図及び第５図に示す如くボルト１９…
…、２０……を抜取つて籾タンク１０の外側板１
７を外側方へ回動することにより略水平状になす
と共に斜板１５も水平になし、袋掛杆２６に籾袋
を開口してセツトし、籾ホツパー６の漏斗状取付
部６ａ……に設けたシヤツターを開き、前記外側
板１７を補助フロワーとして補助者を同乗させて
補助者は水平になつた外側板１７上で袋詰めする
従来と同様な二人作業を行なう。

その際、前記外側板１７を外側方へ回動する
と、第５図において鎖線で示す位置にあつたスト
ツパー３９が連杆４０を介して引張られるので、
実線で示すように起立して第４図に示すクラツチ
切り状態になつているアーム３４の前面に対向
し、二人作業中に誤つてクラツチレバー３７を入
操作しても揺動アーム３２は作動せず、移送螺旋
１１のクラツチが入ることがない。

また、一人作業を行なう時は前記外側板１７を
第２図に示す如く起立回動すると共に斜板１５を
所定の位置まで上昇回動させてボルト１９……、
２０……でそれぞれ螺着すると、それまで袋受板
になつていた斜板１５及び補助フロアーになつて
いた外側板１７がそれぞれ本来の状態に復帰し、
前記ストツパー３９は外側板１７の起立回動に連
動して第５図に鎖線で示す位置へ退避する。

この状態で漏斗状取出部６ａのシヤツターを開
いて刈取脱穀作業を行なうと、揚穀筒２５で揚穀
された穀粒は籾ホツパー６に入り、それが漏斗状
取出部６ａ……を通つて籾タンク１０に流入す
る。

そして、該籾タンク１０が満杯になると、それ
に次いで籾ホツパー６に充填され、この籾ホツパ
ー６も満杯になつたならば機体を運搬車に接近さ
せて前記揚穀スロワー１４の揚送筒１３を一連に
伸ばすと共に外側方へ傾動してクラツチレバー３
７により前記タイトプーリー３３をＶベルト３０
に圧接して移送螺旋１１を駆動し、次いでシヤツ
ター２１を開くと籾タンク１０及び籾ホツパー６
に収納された穀粒が運搬車の荷台に揚送排出され
る。

(ト) 考案の効果 本考案は前述のように構成したので、一人作業
時と二人作業時とに籾処理作業形態を変換する
時、大型で重量の大なる籾タンク１０を機台３上
に積込んだり、降したりする必要が全くなく、単
に外側板１７を開閉するだけですみ、疲労を軽減
しながら作業能率を向上することができる。

しかし、前記外側板１７は一人作業時には籾タ
ンク１０の構成部材になり、また二人作業時には
補助フロアーとなり、二人作業時に不可欠であつ
た補助フロアーを省略し、コストダウンと機体重
量の軽減を図ることができる。

また、籾タンク１０内の穀粒を籾袋に充填する
時、籾袋は略水平にした斜板１５により支持され
るので、袋掛杆２６を格別強固に構成する必要が
なく、また、満杯になつた籾袋を取出す時、袋口
を袋掛杆２６から容易に取外し、斜板１５を滑ら
せながら容易に引出すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの斜視図、第２図は一人作業
時の要部の一部断面を示す正面図、第３図は二人
作業時の同上正面図、第４図は移送螺旋駆動装置
の側面図、第５図は同上正面図、第６図は同上平
断面図である。 １は脱穀装置、３は機台、６は籾ホツパー、１
０は籾タンク、１１は移送螺旋、１５は斜板、１
７は外側板、３３はタイトプーリー、３９はスト
ツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台３上の一側に脱穀装置１を搭載し、他側に
   袋詰可能な籾ホツパー６を架設したコンバインに
   おいて、前記籾ホツパー６の下方の機台３上に、
   穀粒排出装置が付設されていて横断面がＶ字状を
   なす底板を有する籾タンク１０を設け、該籾タン
   ク１０の外側板１７の下部を開閉可能に枢支して
   袋詰作業時の補助フロアーにすると共に前記底板
   の外側の斜板１５を傾斜姿勢と略水平な袋受姿勢
   とに変換可能に枢支したことを特徴とするコンバ
   インにおける籾処理装置。