JPH058823Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は穀稈を刈取脱穀するコンバインの脱穀
装置から排出される穀粒を収納する穀粒タンクに
関する。

(ロ) 従来技術 従来、機台上に脱穀装置と穀粒タンクを搭載
し、該穀粒タンクの外側に開口部を設け、該開口
部の下側に、上下に斜面を有する補助タンクを枢
着して外方へ突出させた使用状態と内方へ回動さ
せた収納状態になるようにし、前記開口部の上縁
に、補助タンクを収納した時に残る開口部を塞ぐ
板を蝶着し、格納時又は路上走行時に、補助タン
クを穀粒タンク内に押し込んで止着するようにし
たコンバインは既に提案した。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知のコンバインにおける穀粒タンクの補
助タンクは、穀粒を排出する場合、底部に設けた
排出螺旋により排出する外はなく、袋詰め又は別
途取出すことができなかつた。

そこで、穀粒タンク内の穀粒を袋詰めすること
ができるように補助タンクの下側の傾斜部に排出
樋を設けたところ、補助タンクの下部を中心とし
て回動して穀粒タンク内に収納すると、排出樋が
外側方へ突出し、路上走行時、又は格納時に障害
物に衝突して破損した。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、機台上に脱穀装置と穀粒タンクを搭
載し、該穀粒タンクの外側に開口部を設け、該開
口部に、上下に斜面を有する補助タンクを枢着し
て外方へ突出させた使用状態と内方へ回動させた
収納状態になるようにしたコンバインにおいて、
前記補助タンクの上部を前記開口部の上部に回動
可能に吊設し、この補助タンクを収納した時に残
つた開口部を閉鎖する蓋を、補助タンクの上側の
斜面上に重合止着し、下側の斜面には、穀粒を排
出する排出樋を装着することにより前述の問題点
を解決した。

(ホ) 作用 刈取脱穀作業中、補助タンクを穀粒タンクから
張出させてセツトすると、穀粒の収容量を増大す
ることができ、その際、蓋は補助タンクの上側の
斜面上に重合止着してあるので、作業の障害にな
ることがない。

また、路上走行時、又は格納時には補助タンク
を穀粒タンク内へ向けて押し込むと、補助タンク
は上部を中心として内方へ回動し、下側の斜面に
装着した排出樋も穀粒タンク内に収納される。こ
の状態で下方に残つた開口部を蓋で閉鎖する。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は走行装置２を有する機台３上の一側寄りに搭
載した脱穀装置であつて、その他側には前方から
順に操作盤４、操縦席５、穀粒タンク６及びエン
ジン７を配設してあり、前記脱穀装置１の前方に
は刈取装置と穀稈搬送装置とからなる前処理装置
８を昇降可能に装着し、後部にはカツタ又は結束
装置等の排藁処理装置９を取付けてある。

また、前記穀粒タンク６は下方の固定部６ａと
その上に乗架していて外側の支点軸１０を中心と
して外側方へ傾動する可動部６ｂとで構成してあ
り、中間部は外方へ傾動させた状態を保持するワ
イヤー１１で連結され、固定部に突設したピン１
２には可動部６ｂの下部に枢着した係止レバー１
３のフツク部が係脱し、下降傾斜した底板１４の
低部には穀粒を揚送して排出筒１５に通ずる移送
螺旋１６を設けてあり、前記固定部６ａと揚穀筒
１７との間に形成される空間には移送螺旋１６の
駆動機構１８及び脱穀装置１の伝動帯２０等の伝
動機構を介装してある。

更に、前記穀粒タンク６の可動部６ｂの外側に
は大きな開口部２２を設けてあり、その上縁には
上下に斜面２３，２４を有する補助タンク２１を
支軸２６により回動自在に吊設されており、下部
の斜面２４には収納された補助タンク２１を引出
す左右一対の取手２７，２７と、シヤツター２８
及びゴム筒２９を有する排出樋３０と、袋掛杆３
１とを付設してある。

そして、前記補助タンク２１の上部の斜面２３
には２枚の板を折り畳み可能に連結してなる蓋３
２の一端を蝶番３３……により取付け、他端は蝶
ねじ３５，３５により着脱可能に止着してあり、
前記開口部２２の両側には補助タンク２１を穀粒
タンク６に係止するレバー３６，３６を枢着して
ある。

前述のコンバインにおいて、刈取脱穀作業を行
なう場合は、取手２７，２７を持つて前記補助タ
ンク２１を第１図に実線で示す如く外側方へ引張
り出し、レバー３６，３６を回動して係止し、図
示してないが前記移送螺旋１６上のシヤツターを
閉じておく。

而して、前処理装置８で刈取搬送した穀稈は脱
穀装置１により脱穀処理され、その選別装置で選
別された穀粒は揚穀筒１７により穀粒タンク６に
投入され、それが固定部６ａから可動部６ｂへと
堆積し、その量が増大するにつれて補助タンク２
１にも充填される。

このようにして穀粒タンク６が満杯になつた
時、穀粒を運搬車に積込む場合は、機体を運搬車
に寄せ、排出筒１５を起立させてその吐出口を運
搬車の荷台上に臨ませ、移送螺旋１６及び排出筒
１５内のオーガーを回転駆動してから移送螺旋上
のシヤツターを開くと穀粒タンク６内の穀粒は揚
送されて荷台に積込まれる。

また、袋詰めする場合は袋掛杆３１，３１に掛
けた穀粒袋の口にゴム筒２９を入れ、補助タンク
２１のシヤツター２８を開くと、穀粒は排出樋３
０から流出して袋詰めされる。

作業が終つて路上走行する時、又は格納する時
は、レバー３６，３６を回動して係止を解き、補
助タンク２１を第１図に鎖線で示す如く穀粒タン
ク６内に押し込むと、下側の斜面に突設した排出
樋３０も穀粒タンク６内に侵入するから、この状
態で前記レバー３６，３６を回動すると、その先
端が補助タンク２１の側部に設けた凹部３７，３
７に係合して止着される。

次いで、蝶ねじ３５，３５を抜き取つて蓋３２
を展開すると共に垂下させ、下端を開口部２２の
下縁に蝶ねじ３８，３８で螺着すると補助タンク
２１の下部のａからｂに亘る開口部が蓋３２によ
り閉鎖される。

更に、移送螺旋１６、固定部６ａと脱穀装置１
との間の伝動機構又は脱穀装置１の内部を掃除窓
３９から整備する場合は、係止レバー１３，１３
を回動してピン１２，１２から離脱させ、上方の
取手４０を引張ると、移送螺旋１６への伝動ベル
ト等を外さなくとも穀粒タンク６の可動部６ｂが
第１図に鎖線で示すように外側方へ大きく回動
し、ワイヤー１１によりその傾斜姿勢が保持され
るから、前記各部の整備を容易に行なうことがで
きる。

(ト) 考案の効果 本考案は、機台上に脱穀装置１と穀粒タンク６
を搭載し、該穀粒タンク６の外側に開口部２２を
設け、該開口部２２に、上下に斜面を有する補助
タンク２１を枢着して外方へ突出させた使用状態
と内方へ回動させた収納状態になるようにしたコ
ンバインにおいて、前記補助タンク２１の上部を
前記開口部２２の上部に回動可能に吊設し、この
補助タンク２１を収納した時に残つた開口部を閉
鎖する蓋３２を、補助タンク２１の上側の斜面上
に重合止着し、下側の斜面には、穀粒を排出する
排出樋３０を装着したので、路上走行時、又は、
格納時等に補助タンク２１を穀粒タンク６内に向
けて押すと、補助タンク２１は上部を中心として
穀粒タンク６内へ回動して収納され、同時に、補
助タンク２１の下側の斜面に設けた排出樋３０も
補助タンク６と共に一体回動させて穀粒タンク６
内に収納させることができる。

また、補助タンク２１及び排出樋３０を穀粒タ
ンク内に収納した状態で、上側の斜面に取付けた
蓋３２を降ろすことにより補助タンク２１の下方
に残つた開口部を完全にかつ容易に閉鎖して排出
筒３０を防護することができる。

更に、穀粒タンク６に充填された穀粒を揚送排
出して運搬車に積み込むことなく、袋詰め等別途
取出す場合は、前記排出樋３０を利用して自在に
取出すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は穀粒タンクの正面図、第２図は同上側面
図、第３図はコンバインの側面図である。 １……脱穀装置、６……穀粒タンク、２１……
補助タンク、２２……開口部、３２……蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台上に脱穀装置１と穀粒タンク６を搭載し、
   該穀粒タンク６の外側に開口部２２を設け、該開
   口部２２に、上下に斜面を有する補助タンク２１
   を枢着して外方へ突出させた使用状態と内方へ回
   動させた収納状態になるようにしたコンバインに
   おいて、前記補助タンク２１の上部を前記開口部
   ２２の上部に回動可能に吊設し、この補助タンク
   ２１を収納した時に残つた開口部を閉鎖する蓋３
   ２を、補助タンク２１の上側の斜面上に重合止着
   し、下側の斜面には、穀粒を排出する排出樋３０
   を装着したことを特徴とするコンバインにおける
   穀粒タンク。