JPH03207839A - 延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム合金板の製造法 - Google Patents
延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム合金板の製造法Info
- Publication number
- JPH03207839A JPH03207839A JP168090A JP168090A JPH03207839A JP H03207839 A JPH03207839 A JP H03207839A JP 168090 A JP168090 A JP 168090A JP 168090 A JP168090 A JP 168090A JP H03207839 A JPH03207839 A JP H03207839A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cap
- aluminum alloy
- strength
- alloy
- annealing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 34
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 10
- 238000000137 annealing Methods 0.000 claims abstract description 36
- 238000005097 cold rolling Methods 0.000 claims abstract description 17
- 229910000765 intermetallic Inorganic materials 0.000 claims abstract description 9
- 230000000087 stabilizing effect Effects 0.000 claims description 5
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 claims description 4
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 claims description 3
- 239000012535 impurity Substances 0.000 claims description 3
- 230000006641 stabilisation Effects 0.000 abstract description 10
- 238000011105 stabilization Methods 0.000 abstract description 10
- 239000000463 material Substances 0.000 abstract description 9
- 238000000034 method Methods 0.000 abstract description 9
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 abstract description 4
- 238000005098 hot rolling Methods 0.000 abstract description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 6
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 5
- 238000007789 sealing Methods 0.000 description 4
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 3
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 3
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 3
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 2
- 239000011888 foil Substances 0.000 description 2
- 238000000265 homogenisation Methods 0.000 description 2
- 238000009864 tensile test Methods 0.000 description 2
- 230000037303 wrinkles Effects 0.000 description 2
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000000956 alloy Substances 0.000 description 1
- 235000013361 beverage Nutrition 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 235000014171 carbonated beverage Nutrition 0.000 description 1
- 238000009749 continuous casting Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 210000005069 ears Anatomy 0.000 description 1
- 239000003973 paint Substances 0.000 description 1
- 239000006104 solid solution Substances 0.000 description 1
- 238000005482 strain hardening Methods 0.000 description 1
- 230000003746 surface roughness Effects 0.000 description 1
- 238000009966 trimming Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Closures For Containers (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム
合金板の製造法に係り、更に詳しくは、特に,変形能が
高く,耐術撃性に優れ、しかも密封性と開栓性が良好な
中強度キャップ用アルミニウム合金板の製造法に関する
ものである。 (従来の技術及び解決しようとする課題)従来から、キ
ャップ等の材料としてアルミニウム及びアルミニウム合
金が多く用いられている。 これらの用途に使用されるアルミニウム及びアルミニウ
ム合金板には、引き裂かれるか、引きちぎれ易いという
特性が第一に要求される。これは、キャップを開栓する
対象者の性別、年齢層の幅が不特定であることから、誰
にでも容易に開栓できなければならないからである。 本出願人は、先に、特開昭60−145346号に示す
ように、比較的強度が低く(引張強さでおよそ20kg
/am”以下)、引き裂き性に優れたアルミニウム合金
板を提案した。 しかしながら、近年、ビン入り飲料の普及化、多様化に
伴い、上記の優れた切り裂き性に加え,炭酸飲料等のガ
ス圧、或いは充填時の温度変化による内圧変動に耐える
強度を持ちながら、落下或いは衝撃時にキャップ全体が
変形してキャップが外れても内容物が流出しないこと、
つまり、衝撃力を一部で吸収できる延性(変形能)を持
つキャップ用アルミニウム合金板が必要となってきた。 この点,従来のキャップ用アルミニウム合金板は、機械
的性質において、伸びが4〜6%であり、十分な延性を
持つものではなかった。 また、本出願人は、先に,特願昭63−110063号
に示すように、引き裂き性に優れた中強度アルミニウム
合金板(引張強さでおよそ20〜26kg/am”)も
提案した. しかしながら、素材強度から比較すると、引き裂き性が
優れていても、強度自体が高いため、引き裂き力が絶対
量では大きくなっていた。 前述の如く、キャップ用アルミニウム合金は、引き裂き
力が低い方がよい。そのため,引張強さでおよそ15〜
17kg/一一を目安とするアノレミニウム合金が必要
であった.しかも,前述の従来のキャップ用アルミニウ
ム合金板と同様に十分な延性を持つものでなくてはなら
ない。 キャップ用アルミニウム合金板が用いられる一例として
、リングプルキャップについて説明すると、このキャッ
プ材に要求される一般的な品質特性としては、 ■絞り加工性(シェル成形)が良好なこと、■ガス圧を
かけて密封する場合、或いは内圧が変化する場合、その
内圧に耐える強度(密封性)を有すること、 ■スコア(切込み溝)より切り裂いて開けるリングプル
キャップとして使用する場合、引きちぎれ性が良く、且
つスコアより脱線しないこと,■耳の発生が少ないこと
, ■フローマーク、肌荒れ等の外観上の商品価値を下げな
いこと、 ■自動販売機等で扱われた場合、或いは落下させた場合
、衝撃による変形がキャップ全体に拡がらず、一部のへ
こみだけで抑えられること、等が要求される。 一般に素材強度が高ければ、引き裂き力も高くなるので
、キャップ用アルミニウム合金としては、密封性と切り
裂き性のバランスがとれた強度(弓張強さがおよそ15
〜17kg/問”)を有し,且つ高延性(伸び率で9%
以上)の素材が必要となる。 本発明は、か\る要求を満たす中強度で延性に優れたキ
ャップ用アルミニウム合金板の製造法を提供することを
目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は,アルミニウム合
金板の製造法について鋭意検討した結果、特定量のSL
.Fe及びMnを必須或分とし、中間焼鈍温度、中間焼
鈍後の冷延の圧延率と安定化焼鈍温度をコントロールす
る製造法により、可能であることが判明し,ここに本発
明をなしたものである。 すなわち、本発明は、0.1%≦Si≦0.6%、0.
1%≦Fe≦0.7%及び0.8%≦Mn≦1.0%を
必須成分として含有し、残部がAffi及び不純物から
なるアルミニウム合金鋳塊を均質化処理した後、熱間圧
延し、その後、冷間圧延を行ない、更に400〜500
℃の温度で、金属間化合物の大きさが30μ璽以下とな
る中間焼鈍を施した後、圧延率30〜60%で冷間圧延
し、次いで200〜250℃で安定化焼鈍することを特
徴とする延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム合
金板の製造法を要旨とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学或分の限定理由について説明
する。 Si: Sjは絞り性の向上,強度の向上、耳率の低下の効果を
持つ元素であるが、0.1%未満ではこのような効果が
得られないので、SL量は0.1%以上が必要である。 しかし,0.6%を超えると絞り性等の加工性が劣化す
る(例えば、しわ発生)ので、Si量の上限は0.6%
とする。 Fe: Feは金属間化合物の大きさや存在割合に非常に重要な
元素であるが、含有量が0.1%未満では(Fe. M
n)A Q,等の金属間化合物の生成が助長されなく,
引きちぎれ性が悪くなるので、0.l%以上が必要であ
る。しかし,0.7%を超えると、絞り性等の加工性が
失なわれるので、Fe量の上限は0.7%とする. Mn: MnはFeと共に(Fe. Mn)A Q等の金属間化
合物を生成し、引きちぎれ性を良好にする効果がある。 また、Mnは強度の向上効果を有する元素である。しか
し、0.8%未満では密封性、つまり強度を必要とする
キャップ材としては効果が少ないので、0.8以上が必
要である.但し、1.0%を超えて含有すると強度が高
くなりすぎ,威形性が低下するので望ましくない。した
がって、Mn量の上限は1.0%とする。 なお、上記成分以外に不純物を含有し得るが、Cu.M
g,Cr.Zn.Tiを含有する場合は、それぞれ0.
05%以下であれば、本発明法で得られる延性に優れた
中強度のキャップ用アルミニウム合金板の特性を変える
ことがないので、それぞれ0.05%まで許容される。 次に製造法について説明する。 上記化学成分を有するアルミニウム合金の鋳塊は、常法
により均質化処理した後、熱間圧延後、中間焼鈍を行う
.中間焼鈍は,400℃未満では、一般にバッチ式の焼
鈍炉が用いられるため,昇温速度の影響で結晶粒の粗大
化を招き、キャップ加工時に肌荒れを起こす.一方、5
00℃を超えると、Mnの固溶化が進み、強度が上昇し
すぎる。 また,更に高温域では、結晶粒の粗大化やバーニングの
危険性がある.したがって、中間焼鈍の温度は400〜
500℃の範囲とする。但し、金属間化合物の大きさが
30μ一を超えるとキャップ加工時に肌荒れを起こすの
で、金属間化合物の大きさが30μ園以下となるように
する.これには、加熱冷却時間を100℃/win以上
に設定できる連続式の加熱炉(CAL)を用いれば十分
である。 なお、CALの場合、保持時間は10秒以内で十分であ
る。 中間焼鈍後、冷間圧延を行うが、冷間圧延率が30%未
満では密封性に必要な強度が得られない。 また、60%を超えると,圧延直後の強度が高くなり、
最終的に必要とする強度,延性を得るために安定化焼鈍
温度を高くしなければならず、温度交差が少なくなる。 この場合,わずかな温度条件の違いにより、素材が軟化
直前であったり、軟化状態であったりし、強度が不安定
となり好ましくない。また60%を超えると異方性が大
きくなって耳率が上昇するので好ましくない。したがっ
て、中間焼鈍後の冷間圧延率は30〜60%の範囲とす
る。 この冷間圧延後,安定化焼鈍を行うが、安定化焼鈍の条
件は、中間焼鈍後の冷間圧延率と必要強度の関係にて決
められるものである。但し、安定化焼鈍温度が200℃
未満では,キャップ塗装焼付時のベーキング(190〜
200℃)により強度の低下を招くことになり、常に一
定のベーキング条件(温度・時間)でない限り安定した
強度が得られない。また延性も少なく、キャップ加工時
に割れ、しわなどを発生することになる.一方,250
℃を超えると,軟化し始め,急激な強度低下となる。ま
た、結晶粒粗大化となり、肌荒れを起こし,キャップと
しての商品価格を下げる.したがって、安定化焼鈍は2
00〜250℃の温度で行う必要がある。 なお,実際の絞り加工においては、トリミング量を低減
するためにできる限りの低方向性(低耳率)が要求され
るが、これは均質化処理条件、熱間圧延条件,中間焼鈍
条件等を低方向性となるように適宜決定すればよい。 また,本発明法で得られるアルミニウム合金板は主とし
てリングプルキャップ等の中強度キャップ用は勿論のこ
と、箔容器或いは簡易開放缶(イージーオープン缶)等
の蓋に適用しても同様の効果が期待できる.すなわち、
箔容器或いは簡易開放缶の蓋の場合には、多段張出加工
性、リベット成形性が要求されるが、これに対しても問
題なく戒形できる。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す. 失嵐舊1 第1表に示す化学或分を有するアルミニウム合金につい
て半連続鋳造法により厚さ55mmに造塊し、50mm
厚に面削した後、510℃の温度で4時間加熱の均質化
処理を施し、500〜300℃の熱間圧延で3mm厚の
熱間延板とした。次いで、冷間圧延により0.50+m
+*厚とし,480℃の温度で中間焼鈍を実施した後、
再び冷間圧延により0.25+g+m厚とした(冷間加
工率50%)。その後、230℃で安定化焼鈍を行った
。 得られたアルミニウム合金板について、引張試験、引裂
き試験によって機械的性質を調べると共に、キャップに
加工し、これを容器に装着し内圧をかけてキャップが外
れる時の圧力を測定し、また高さ50cmからの落下テ
ストによるキャップの変形程度を調査した。それらの結
果を第l表に併記する。 第1表より明らかなように,本発明例で得られたアルミ
ニウム合金板は、中強度キャップとしての所望の機械的
性質(引張強さ,伸び、引き裂き強度)を有し、延性が
あって変形能が高く、落下時等の変形が小さくて耐衝撃
性に優れ,しかも密封性と開栓性が良好である。 これに対し,本発明範囲外の化学或分を有する比較例は
、中強度キャップとしての特性のいずれかが満足してい
ない。
合金板の製造法に係り、更に詳しくは、特に,変形能が
高く,耐術撃性に優れ、しかも密封性と開栓性が良好な
中強度キャップ用アルミニウム合金板の製造法に関する
ものである。 (従来の技術及び解決しようとする課題)従来から、キ
ャップ等の材料としてアルミニウム及びアルミニウム合
金が多く用いられている。 これらの用途に使用されるアルミニウム及びアルミニウ
ム合金板には、引き裂かれるか、引きちぎれ易いという
特性が第一に要求される。これは、キャップを開栓する
対象者の性別、年齢層の幅が不特定であることから、誰
にでも容易に開栓できなければならないからである。 本出願人は、先に、特開昭60−145346号に示す
ように、比較的強度が低く(引張強さでおよそ20kg
/am”以下)、引き裂き性に優れたアルミニウム合金
板を提案した。 しかしながら、近年、ビン入り飲料の普及化、多様化に
伴い、上記の優れた切り裂き性に加え,炭酸飲料等のガ
ス圧、或いは充填時の温度変化による内圧変動に耐える
強度を持ちながら、落下或いは衝撃時にキャップ全体が
変形してキャップが外れても内容物が流出しないこと、
つまり、衝撃力を一部で吸収できる延性(変形能)を持
つキャップ用アルミニウム合金板が必要となってきた。 この点,従来のキャップ用アルミニウム合金板は、機械
的性質において、伸びが4〜6%であり、十分な延性を
持つものではなかった。 また、本出願人は、先に,特願昭63−110063号
に示すように、引き裂き性に優れた中強度アルミニウム
合金板(引張強さでおよそ20〜26kg/am”)も
提案した. しかしながら、素材強度から比較すると、引き裂き性が
優れていても、強度自体が高いため、引き裂き力が絶対
量では大きくなっていた。 前述の如く、キャップ用アルミニウム合金は、引き裂き
力が低い方がよい。そのため,引張強さでおよそ15〜
17kg/一一を目安とするアノレミニウム合金が必要
であった.しかも,前述の従来のキャップ用アルミニウ
ム合金板と同様に十分な延性を持つものでなくてはなら
ない。 キャップ用アルミニウム合金板が用いられる一例として
、リングプルキャップについて説明すると、このキャッ
プ材に要求される一般的な品質特性としては、 ■絞り加工性(シェル成形)が良好なこと、■ガス圧を
かけて密封する場合、或いは内圧が変化する場合、その
内圧に耐える強度(密封性)を有すること、 ■スコア(切込み溝)より切り裂いて開けるリングプル
キャップとして使用する場合、引きちぎれ性が良く、且
つスコアより脱線しないこと,■耳の発生が少ないこと
, ■フローマーク、肌荒れ等の外観上の商品価値を下げな
いこと、 ■自動販売機等で扱われた場合、或いは落下させた場合
、衝撃による変形がキャップ全体に拡がらず、一部のへ
こみだけで抑えられること、等が要求される。 一般に素材強度が高ければ、引き裂き力も高くなるので
、キャップ用アルミニウム合金としては、密封性と切り
裂き性のバランスがとれた強度(弓張強さがおよそ15
〜17kg/問”)を有し,且つ高延性(伸び率で9%
以上)の素材が必要となる。 本発明は、か\る要求を満たす中強度で延性に優れたキ
ャップ用アルミニウム合金板の製造法を提供することを
目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は,アルミニウム合
金板の製造法について鋭意検討した結果、特定量のSL
.Fe及びMnを必須或分とし、中間焼鈍温度、中間焼
鈍後の冷延の圧延率と安定化焼鈍温度をコントロールす
る製造法により、可能であることが判明し,ここに本発
明をなしたものである。 すなわち、本発明は、0.1%≦Si≦0.6%、0.
1%≦Fe≦0.7%及び0.8%≦Mn≦1.0%を
必須成分として含有し、残部がAffi及び不純物から
なるアルミニウム合金鋳塊を均質化処理した後、熱間圧
延し、その後、冷間圧延を行ない、更に400〜500
℃の温度で、金属間化合物の大きさが30μ璽以下とな
る中間焼鈍を施した後、圧延率30〜60%で冷間圧延
し、次いで200〜250℃で安定化焼鈍することを特
徴とする延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム合
金板の製造法を要旨とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学或分の限定理由について説明
する。 Si: Sjは絞り性の向上,強度の向上、耳率の低下の効果を
持つ元素であるが、0.1%未満ではこのような効果が
得られないので、SL量は0.1%以上が必要である。 しかし,0.6%を超えると絞り性等の加工性が劣化す
る(例えば、しわ発生)ので、Si量の上限は0.6%
とする。 Fe: Feは金属間化合物の大きさや存在割合に非常に重要な
元素であるが、含有量が0.1%未満では(Fe. M
n)A Q,等の金属間化合物の生成が助長されなく,
引きちぎれ性が悪くなるので、0.l%以上が必要であ
る。しかし,0.7%を超えると、絞り性等の加工性が
失なわれるので、Fe量の上限は0.7%とする. Mn: MnはFeと共に(Fe. Mn)A Q等の金属間化
合物を生成し、引きちぎれ性を良好にする効果がある。 また、Mnは強度の向上効果を有する元素である。しか
し、0.8%未満では密封性、つまり強度を必要とする
キャップ材としては効果が少ないので、0.8以上が必
要である.但し、1.0%を超えて含有すると強度が高
くなりすぎ,威形性が低下するので望ましくない。した
がって、Mn量の上限は1.0%とする。 なお、上記成分以外に不純物を含有し得るが、Cu.M
g,Cr.Zn.Tiを含有する場合は、それぞれ0.
05%以下であれば、本発明法で得られる延性に優れた
中強度のキャップ用アルミニウム合金板の特性を変える
ことがないので、それぞれ0.05%まで許容される。 次に製造法について説明する。 上記化学成分を有するアルミニウム合金の鋳塊は、常法
により均質化処理した後、熱間圧延後、中間焼鈍を行う
.中間焼鈍は,400℃未満では、一般にバッチ式の焼
鈍炉が用いられるため,昇温速度の影響で結晶粒の粗大
化を招き、キャップ加工時に肌荒れを起こす.一方、5
00℃を超えると、Mnの固溶化が進み、強度が上昇し
すぎる。 また,更に高温域では、結晶粒の粗大化やバーニングの
危険性がある.したがって、中間焼鈍の温度は400〜
500℃の範囲とする。但し、金属間化合物の大きさが
30μ一を超えるとキャップ加工時に肌荒れを起こすの
で、金属間化合物の大きさが30μ園以下となるように
する.これには、加熱冷却時間を100℃/win以上
に設定できる連続式の加熱炉(CAL)を用いれば十分
である。 なお、CALの場合、保持時間は10秒以内で十分であ
る。 中間焼鈍後、冷間圧延を行うが、冷間圧延率が30%未
満では密封性に必要な強度が得られない。 また、60%を超えると,圧延直後の強度が高くなり、
最終的に必要とする強度,延性を得るために安定化焼鈍
温度を高くしなければならず、温度交差が少なくなる。 この場合,わずかな温度条件の違いにより、素材が軟化
直前であったり、軟化状態であったりし、強度が不安定
となり好ましくない。また60%を超えると異方性が大
きくなって耳率が上昇するので好ましくない。したがっ
て、中間焼鈍後の冷間圧延率は30〜60%の範囲とす
る。 この冷間圧延後,安定化焼鈍を行うが、安定化焼鈍の条
件は、中間焼鈍後の冷間圧延率と必要強度の関係にて決
められるものである。但し、安定化焼鈍温度が200℃
未満では,キャップ塗装焼付時のベーキング(190〜
200℃)により強度の低下を招くことになり、常に一
定のベーキング条件(温度・時間)でない限り安定した
強度が得られない。また延性も少なく、キャップ加工時
に割れ、しわなどを発生することになる.一方,250
℃を超えると,軟化し始め,急激な強度低下となる。ま
た、結晶粒粗大化となり、肌荒れを起こし,キャップと
しての商品価格を下げる.したがって、安定化焼鈍は2
00〜250℃の温度で行う必要がある。 なお,実際の絞り加工においては、トリミング量を低減
するためにできる限りの低方向性(低耳率)が要求され
るが、これは均質化処理条件、熱間圧延条件,中間焼鈍
条件等を低方向性となるように適宜決定すればよい。 また,本発明法で得られるアルミニウム合金板は主とし
てリングプルキャップ等の中強度キャップ用は勿論のこ
と、箔容器或いは簡易開放缶(イージーオープン缶)等
の蓋に適用しても同様の効果が期待できる.すなわち、
箔容器或いは簡易開放缶の蓋の場合には、多段張出加工
性、リベット成形性が要求されるが、これに対しても問
題なく戒形できる。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す. 失嵐舊1 第1表に示す化学或分を有するアルミニウム合金につい
て半連続鋳造法により厚さ55mmに造塊し、50mm
厚に面削した後、510℃の温度で4時間加熱の均質化
処理を施し、500〜300℃の熱間圧延で3mm厚の
熱間延板とした。次いで、冷間圧延により0.50+m
+*厚とし,480℃の温度で中間焼鈍を実施した後、
再び冷間圧延により0.25+g+m厚とした(冷間加
工率50%)。その後、230℃で安定化焼鈍を行った
。 得られたアルミニウム合金板について、引張試験、引裂
き試験によって機械的性質を調べると共に、キャップに
加工し、これを容器に装着し内圧をかけてキャップが外
れる時の圧力を測定し、また高さ50cmからの落下テ
ストによるキャップの変形程度を調査した。それらの結
果を第l表に併記する。 第1表より明らかなように,本発明例で得られたアルミ
ニウム合金板は、中強度キャップとしての所望の機械的
性質(引張強さ,伸び、引き裂き強度)を有し、延性が
あって変形能が高く、落下時等の変形が小さくて耐衝撃
性に優れ,しかも密封性と開栓性が良好である。 これに対し,本発明範囲外の化学或分を有する比較例は
、中強度キャップとしての特性のいずれかが満足してい
ない。
【以下余白1
大1l44
第1表に示したM1のアルミニウム合金(化学或分が本
発明範囲内)について、実施例1で得られた熱間圧延板
を第2表に示す冷間圧延条件及び中間焼鈍条件で0.2
5llI1厚とし、更に第2表に示す温度で安定化焼鈍
を行った。得られたアルミニウム合金板について実施例
1と同様に引張試験、引裂試験で機械的性質を調べた。 その結果を第2表に示す。 第2表より、本発明例&1は、実施例1での本発明例N
n 1と同じであり、優れた結果が得られているのに対
し、比較例Na2〜恥6はいずれも良好な結果が得られ
ていない。 すなわち、NLl2は、中間焼鈍後の冷間圧延率が小さ
すぎるため、強度が不足している。NQ3は,中間焼鈍
後の冷間圧延率が大きすぎるため、引き裂き性が劣り、
耳率も高い。&4は、中間焼鈍温度を低くするため、バ
ッチ式の炉を用いた例であり、そのため金属間化合物が
大きくなり、肌荒れが生じたlkt5は,安定化焼鈍温
度が低すぎるため, 延性が劣り、 恥6は、 逆に安定化焼鈍温度が 高すぎるため, 肌荒れが生じ、 強度も低い。 [以下余白】 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、特定量のSi.
Fs及びMnを必須成分として成分調整すると共に、中
間焼鈍条件、中間焼鈍後の冷間圧延率、安定化焼鈍温度
をコントロールするので、変形能が高く、耐衝撃性に優
れ、しかも密封性と開栓性が良好な中強度キャップ用ア
ルミニウム合金板を得ることができる。
発明範囲内)について、実施例1で得られた熱間圧延板
を第2表に示す冷間圧延条件及び中間焼鈍条件で0.2
5llI1厚とし、更に第2表に示す温度で安定化焼鈍
を行った。得られたアルミニウム合金板について実施例
1と同様に引張試験、引裂試験で機械的性質を調べた。 その結果を第2表に示す。 第2表より、本発明例&1は、実施例1での本発明例N
n 1と同じであり、優れた結果が得られているのに対
し、比較例Na2〜恥6はいずれも良好な結果が得られ
ていない。 すなわち、NLl2は、中間焼鈍後の冷間圧延率が小さ
すぎるため、強度が不足している。NQ3は,中間焼鈍
後の冷間圧延率が大きすぎるため、引き裂き性が劣り、
耳率も高い。&4は、中間焼鈍温度を低くするため、バ
ッチ式の炉を用いた例であり、そのため金属間化合物が
大きくなり、肌荒れが生じたlkt5は,安定化焼鈍温
度が低すぎるため, 延性が劣り、 恥6は、 逆に安定化焼鈍温度が 高すぎるため, 肌荒れが生じ、 強度も低い。 [以下余白】 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、特定量のSi.
Fs及びMnを必須成分として成分調整すると共に、中
間焼鈍条件、中間焼鈍後の冷間圧延率、安定化焼鈍温度
をコントロールするので、変形能が高く、耐衝撃性に優
れ、しかも密封性と開栓性が良好な中強度キャップ用ア
ルミニウム合金板を得ることができる。
Claims (1)
- 重量%で(以下、同じ)、0.1%≦Si≦0.6%、
0.1%≦Fe≦0.7%及び0.8%≦Mn≦1.0
%を必須成分として含有し、残部がAl及び不純物から
なるアルミニウム合金鋳塊を均質化処理した後、熱間圧
延し、その後、冷間圧延を行ない、更に400〜500
℃の温度で、金属間化合物の大きさが30μm以下とな
る中間焼鈍を施した後、圧延率30〜60%で冷間圧延
し、次いで200〜250℃で安定化焼鈍することを特
徴とする延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム合
金板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP168090A JPH07100843B2 (ja) | 1990-01-09 | 1990-01-09 | 延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム合金板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP168090A JPH07100843B2 (ja) | 1990-01-09 | 1990-01-09 | 延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム合金板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03207839A true JPH03207839A (ja) | 1991-09-11 |
JPH07100843B2 JPH07100843B2 (ja) | 1995-11-01 |
Family
ID=11508228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP168090A Expired - Lifetime JPH07100843B2 (ja) | 1990-01-09 | 1990-01-09 | 延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム合金板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07100843B2 (ja) |
-
1990
- 1990-01-09 JP JP168090A patent/JPH07100843B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07100843B2 (ja) | 1995-11-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0414183B2 (ja) | ||
US4325755A (en) | Formable aluminum alloy sheet product | |
JP3998387B2 (ja) | 缶蓋用アルミニウム合金硬質板の製造方法 | |
JP5596337B2 (ja) | リングプル型キャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JP4294448B2 (ja) | 高強度キャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JP5480688B2 (ja) | Ppキャップ用アルミニウム合金板およびその製造方法 | |
JPH03207839A (ja) | 延性に優れた中強度キャップ用アルミニウム合金板の製造法 | |
JP2783311B2 (ja) | 開缶性に優れた負圧缶ステイオンタブ式エンド用Al合金板とその製造方法 | |
JP3850542B2 (ja) | カーリング性及び巻き締め性が優れたアルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JP5080150B2 (ja) | 開栓性、耳率に優れた高強度キャップ用アルミニウム合金板の製造方法 | |
JP3248803B2 (ja) | 開缶性に優れたフルオープンエンド用Al合金板とその製造方法 | |
JP3411840B2 (ja) | 缶エンド用アルミニウム合金板 | |
WO2022239694A1 (ja) | リングプル型キャップ用のアルミニウム合金板およびその製造方法 | |
JPH0987790A (ja) | 缶蓋用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JPS6232264B2 (ja) | ||
JP2579865B2 (ja) | 負圧缶ステイオンタブ式エンド用Al合金板及びその製造方法 | |
JP2000273593A (ja) | 開缶性が優れたアルミニウム合金板の製造方法 | |
JPS63125646A (ja) | 開缶性に優れたアルミニウム合金板の製造法 | |
JPH07820B2 (ja) | 成形後のスプリングバックの少ない包装用アルミニウム合金箔 | |
JPH0325497B2 (ja) | ||
JPH0422981B2 (ja) | ||
JPS62207849A (ja) | 高成形性包装用アルミニウム合金板およびその製造法 | |
JPH10280078A (ja) | キャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JPH0355536B2 (ja) | ||
JPH02117704A (ja) | キャンエンド用アルミニウム合金板の製造方法 |