JPH0355536B2 - - Google Patents

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JPH0355536B2
JPH0355536B2 JP62127685A JP12768587A JPH0355536B2 JP H0355536 B2 JPH0355536 B2 JP H0355536B2 JP 62127685 A JP62127685 A JP 62127685A JP 12768587 A JP12768587 A JP 12768587A JP H0355536 B2 JPH0355536 B2 JP H0355536B2
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【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は成形加工用アルミニウム合金板の製造
技術に係り、より詳しくは、ビール、炭酸飲料等
の缶の成形加工時に均一に変形し易い高成形性で
高強度のアルミニウム合金板及びその製造法に関
するものである。 (従来の技術) 一般に、ビール缶、炭酸飲料缶などの缶蓋用の
アルミニウム材にはJIS5082、5182合金等が使用
さており、その一般的な製造法としては、アルミ
ニウム合金鋳塊に均質化熱処理を施した後、熱間
圧延を行い、次いで冷間圧延及び/又は中間焼鈍
を必要に応じた後、仕上冷間圧延により所定の板
厚の冷延板とし、場合により仕上焼鈍を施してア
ルミニウム合金硬質板を得ている。その後は、缶
蓋用の主成形加工を行い、塗装焼付した後、一般
的には(1)シヤル(ベーシツク・エンド)加工、(2)
多段張出し加工、(3)スコア加工、(4)リベツト加
工、(5)シーミング等の成形加工が行われる。 そしてこのように成形加工された缶蓋として
は、(1)開缶性、(2)耐圧性、(3)タブ抜け性、(4)耐食
性等が優れている品質特性が要求される。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、近年、コストダウンの観点からこの
種の缶蓋用アルミニウム合金も薄肉高強度化が図
られてきており、このことは加工性の低下或いは
開缶性の低下を招き、各種のトラブルが生じてい
る。また、缶蓋の成形条件の面からは生産性向上
のために高速化が進み、更に加工性の低下を促し
ている。いずれにしても缶蓋材の成形性の改善が
強く望まれているところである。 例えば、スコア加工においては、アルミニウム
合金の高強度化に伴つてスコアダイスの圧入時に
クラツクが発生し易くなるが、このクラツクは内
容物の漏れにつながるため、スコア残厚を薄くで
きないという事情がある。しかし乍ら、スコア残
厚を厚くすると開缶性が悪くなる恐れがある。 この点、従来より、この種のアルミニウム材と
しては、概ね単に化学成分を調整するという研究
指向であつたが(例、米国特許第3502448号明細
書)、これでは一層の高強度薄肉化に対応するこ
とができないため、圧延板の組織面での適正化を
指向する研究が進められてきている(例、特公昭
62−9177号公報)。しかし乍ら、未だ充分に対応
できるアルミニウム材は見い出されていない。 本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、薄肉
高強度化及び高速成形化のもとで、成形性の低下
を防止できるアルミニウム合金板とその製造法を
提供することを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者らは、従来
のこの種のAl合金について化学成分の調整によ
り高強度化を図りつつ、新たな観点から成形性低
下の防止等を可能にする方策を研究したところ、
成形性、特にスコア加工性とこの加工に伴う転位
移動との関連性に着目するに至り、その結果、材
料の製造工程条件を制御することにより、圧延板
の結晶状況を成形性の向上並びに高速成形化に耐
え得る状態に変化させることが可能であることを
見い出し、ここに本発明をなしたものである。 すなわち、本発明は、Mg:3.0〜5.5%及び
Mn:0.1〜1.0%を含有し、残部がAl及び不可避
的不純物からなるアルミニウム合金軟質板であつ
て、亜結晶粒で覆われた領域が面積率で30%以上
であり、或いは更に圧延板表面の結晶粒子最大幅
が30〜50μmであることを特徴とする高強度、高
成形性アルミニウム合金板を要旨とするものであ
る。 また、該高強度、高成形性アルミニウム合金板
の製造法に係る本発明法は、Mg:3.0〜5.5%及
びMn:0.1〜1.0%を含有し、残部がAl及び不可
避的不純物からなるアルミニウム合金の鋳塊につ
き、450〜550℃の均質化熱処理を施した後、熱間
圧延を行い、その後の仕上冷間圧延及び仕上焼鈍
に際して、仕上冷間圧延率75〜90%とし、及び仕
上焼鈍温度200〜250℃で1時間以上保持する条件
にて実施することにより、圧延板表面と結晶粒最
大幅を30〜50μmとし、亜結晶粒で覆われた領域
が面積率で30%以上にすることを特徴とするもの
である。 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 まず、本発明におけるアルミニウム合金の化学
成分限定理由を説明する。 Mgは強度の向上に大きな効果を与える元素で
あるので、適量を添加する必要がある。Mgの含
有量が3.0%未満ではビール、炭酸飲料用等の缶
の蓋として要する強度が不足し、また5.5%を超
えると強度は高くなるものの、加工性が低下す
る。したがつて、Mgの含有量は3.0〜5.5%の範
囲とする。 Mnは強度の向上、結晶粒の微細化に効果があ
る元素であるので、適量を添加する必要がある。
Mn含有量が0.1%未満ではこれらの効果が少な
く、また1.0%を超え多量に添加すると、粗大な
金属間化合物の成長を招き、特に缶蓋のように多
段張出し加工を要する場合には割れ発生の起点と
なる。したがつて、Mnの含有量は0.1〜1.0%の
範囲とする。 なお、上記組成のアルミニウム合金には不純物
が随伴され得るが、不純物の量は本発明の効果を
損なわない限度で許容することができる。例え
ば、Siは0.3%以下、Feは0.6以下、Cuは1.0%以
下、Crは0.3%以下、Tiは0.2%以下、Znは1.0%
以下、Zrは0.2%以下に規制するのが望ましい。 次に、上記化学成分を有するアルミニウム合金
に対して、従来と同様、溶解、鋳造、均質化熱処
理、熱間圧延を施し、次いで冷間圧延及び中間焼
鈍を必要に応じて施し、仕上冷間圧延を行う。 但し、本発明では、亜結晶粒の面積占有率或い
は圧延板表面の結晶粒最大幅が特定の値となるよ
うな条件にて製造プロセスを適用することが肝要
である。特に亜結晶粒の面積占有率と結晶粒最大
幅の双方を規制するには殊に仕上冷間圧延率と仕
上焼鈍条件を共に規制するのが好ましい。 ここで、まず、圧延板表面の結晶粒に関して説
明する。 結晶粒は、通常の成形性を問題にする場合には
小さくした方がよいケースが多い。しかし、本発
明者らの実験研究によれば、スコア加工の場合に
は逆であることが判明した。 すなわち、スコア加工の場合、圧延方向に対し
て0°、45°、90°方向等でランダムに加工されるた
め、あらゆる方向に均一に変形されるのがよい。
一般に金属材料は加工を受ける時に転位の移動を
伴うが、この場合、結晶粒界は転位移動の際に障
害物となるため、結晶粒界を通過する確率が低い
方が転位が移動し易い。したがつて、スコア加工
の方向を考慮すると、結晶粒が大きい方が均一に
変形し易いことになる。 この点、通常、高強度が要求されるので仕上冷
間圧延率を高くしている場合が多く、結晶粒は圧
延方向に延びている。したがつて、スコア加工で
は圧延方向に対して直角方向に転位が移動する場
合が問題となるが、圧延方向と直角な方向で結晶
粒が大きい方が均一に変形し易くなり、クラツク
の発生が少なくなり、スコア残厚を薄くできるの
で開缶性を向上できる。第1図のa、bに示す結
晶粒の場合、圧延方向(図中、矢印)に直角な方
向で結晶粒が大きいaの場合の方がbの場合より
も均一に変形し易い。 そのため、本発明においては、圧延板表面に結
晶粒の大きさについて、結晶粒最大幅、特に圧延
方向と直角な方向における最大幅が30〜50μmの
範囲となるように規制するものである。この最大
幅が30μmより小さいと不均一変形が生じ、スコ
ア残厚を薄くできず、また50μmを超えるとスコ
ア加工性はよいものの、大きすぎて通常の多段張
出し加工、リベツト加工で割れが発生するので、
好ましくない。 次に、亜結晶粒に関して説明する。 仕上冷間圧延後のミクロ組織は結晶粒が圧延方
向に延びた組織を呈しているが、これを本発明者
らがTEM(透過電子顕微鏡)等により拡大して観
察した結果、結晶粒の中に更に転位が絡み合い、
且つ転位密度の高い領域が転位密度の低い領域を
囲んだ、いわゆるセル状組織を呈していることが
認められた。そこで、このセル状組織と製造プロ
セスとの関連性について実験研究したところ、セ
ル状組織は、通常の塗装焼付(例、200℃×
20min)では消えないが、更に高い温度或いは長
時間焼鈍すると、いわゆる回復が起こり、このセ
ル壁の転位がほぼ整理されて亜結晶粒を呈するよ
うになることが認められた。そして、スコア加工
時に転位が移動する場合を考察してみると、セル
状組織の場合にはセル壁がその障害物となつて不
均一変形を起こし易いが、亜結晶粒(1〜2μm)
の場合には転位の移動がスムーズに行われ、均一
に変形し、スコア加工性に優れることが判明し
た。 したがつて、本発明では、上記知見に基づき、
亜結晶粒を形成するために塗装焼付前の段階(す
なわち、仕上冷間圧延後)で比較的高温の200〜
250℃で1時間以上保持する熱処理(仕上焼鈍)
を施するのである。なお、仕上焼鈍温度は要求さ
れる強度に応じてその範囲内で適宜選定されるも
のである。 この仕上焼鈍により得られた材料においては、
亜結晶粒で覆われた領域が少なくとも30%あれ
ば、均一変形を起こし、優れたスコア加工性が得
られる。なお、一般に亜結晶粒の面積占有率が同
一の場合でも、強度が高いほど不均一変形を起こ
し易いが、上記範囲に亜結晶粒面積占有率をコン
トロールすれば、薄肉高強度の場合でもスコア加
工性の低下を防止できる。また一般に高速成形の
際にも不均一変形を起こし易い傾向にあるが、上
記範囲に亜結晶粒面積占有率をコントロールすれ
ば、高速成形が可能となる。 次に、本発明法の製造工程条件について説明す
る。 まず、前述の化学成分を有するアルミニウム合
金を常法により溶解、鋳造して鋳塊を得て、鋳塊
に均質化熱処理を施して熱間圧延を行うが、均質
化熱処理の温度は熱間圧延性に大きな影響を与え
るので、450〜550℃の温度で均質化熱処理を行う
必要がある。450℃未満では均質化が不充分であ
ると共に熱間圧延時に耳割れを発生する原因とな
り、また550℃を超えるとバーニング等を発生し、
表面状況を劣化させるので、好ましくない。な
お、保持時間は、温度により異なるものの適宜決
定することができ、例えば、500℃以上であれば
保持時間0時間であつても問題はない。 また、熱間圧延条件は特に限定されず、通常の
条件で差し支えない。例えば、熱延開始温度を
400〜500℃とし、熱延終了温度はホツトコイル厚
2〜8mmであれば280〜350℃とすればよい。 熱間圧延後は、冷間圧延或いは中間焼鈍を必要
に応じて行い、仕上冷間圧延を行う。この場合、
中間焼鈍条件は特に制限されず、急速加熱冷却及
び徐加熱徐冷のいずれでもよいが、完全に再結晶
させることは必要である。 仕上冷間圧延では、その圧延率が上記圧延板表
面の結晶粒最大幅並びに強度に影響を及ぼすの
で、コントロールする必要がある。仕上冷間圧延
率は、75%未満では結晶粒が粒状となり、結晶粒
最大幅が上記範囲30〜50μmより小さくなり、ま
た90%を超えると強度が高くなりすぎて加工性の
低下を招くので、75〜90%の範囲とする。 仕上冷間圧延後は、塗装焼付前の段階で仕上焼
鈍を施す。この仕上焼鈍は前述の如く亜結晶粒の
形成に重要な工程であり、200〜250℃で1時間以
上保持する条件で行う必要がある。この条件は化
学成分及び必要強度により若干異なるものの、
200℃未満ではその効果が少なく、250℃を超える
と急激な強度低下を招くので好ましくなく、また
保持時間が1時間未満では工業上安定性に欠ける
ので好ましくない。 なお、上記製造工程条件のコントロールに際し
ては、圧延板表面の結晶粒最大幅の規制を主とす
るときは特に冷間仕上圧延率を、また亜結晶粒の
面積占有率の規制を主とするときは仕上焼鈍条件
を重点的にコントロールすればよいが、両者の条
件の規制併用するのが好ましい。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 第1表に示す化学成分(wt%)を有するアル
ミニウム合金を常法により溶解、鋳造し、得られ
た鋳塊に520℃×3hrの均質化熱処理を施した後、
熱間圧延により、4.5mm厚とした。その後、冷間
圧延により1.8mm厚とし、中間焼鈍(第2表の条
件)及び仕上冷間圧延により0.3mm厚とした。仕
上冷間圧延率は83%である。 得られた0.3mm材は2通りに取扱われ、一方は
そのままにし、他方は第2表に示す条件の仕上焼
鈍を施した後、いずれにもベーキング(200℃×
20min)を施した。 ベーキング後の各材料について、機械的性質を
調べると共に、TEM10000倍の観察により亜結晶
粒面積占有率を測定し、またスコア加工試験を行
つた後、外観観察によりくびれ、微小割れ等の発
生状況を調べた。これらの結果を第2表に併記す
る。なお、スコア加工試験は平板に交角50°、ス
コア底部幅30μmのダイスをプレスにて圧入し、
スコア加工部を肉眼観察して評価した。 第2表より明らかなとおり、本発明例の2B及
び2Cはいずれも亜結晶粒面積占有率が30%以上
を呈し、且つスコア加工でもくびれの兆候すらな
く優れたスコア加工性を示している。一方、亜結
晶粒面積占有率が30%未満の比較例はいずれも本
発明例よりもスコア加工性に劣り、特に、比較例
3Bは30%以上を呈したものの、巨大晶出物によ
るくびれが発生していた。
【表】
【表】 比較例 第3表に示す化学成分(wt%)を有するアル
ミニウム合金を常法により溶解、鋳造し、得られ
た鋳塊に500℃×4hrの均質化熱処理を施した後、
熱間圧延(312℃)により6mm厚とした。次いで、
冷間圧延により第4表に示す板厚とし、同表に示
す条件で中間焼鈍を施した後、同表に示す仕上冷
間圧延率で製品厚0.3mmとした。 その後、焼付塗装を想定し、ベーキング(200
℃×20min)を施した。 ベーキング後の各材料について、機械的性質を
調べると共に結晶粒最大幅を測定し、またスコア
加工試験後の外観観察によりくびれ、微小割れ等
を調べ、更に多段張出し性を調べた。これらの結
果を第4表に併記する。 なお、スコア加工試験な実施例1と同様の要領
で行なつて第4表(注)に示す基準でスコア加工
性を評価した。結晶粒幅については、材料を圧延
方向に直角に切断し、この方向の結晶粒を光学顕
微鏡100倍で観察してその最大幅を結晶粒最大幅
とした。また多段張出し性については、6φ→4φ
→3.2φのポンチにて連続して張出し小径化して同
表(注)に示す基準で評価した。 第4表より明らかなとおり、比較例のNo.1−2
及びNo.1−3は高強度を有し、且つスコア加工
性、多段張出し性の加工性が良好である。これに
対し、比較例2〜5はいずれもスコア加工性、多
段張出し性のいずれか或いは双方が劣り、従来か
ら使用されている中強度材に相当する比較例No.1
−4及びNo.4(JIS5082相当)は、前者はスコア加
工でくびれが生じ、後者はスコア加工性は良好で
あるものの多段張出しでくびれが生じた。
【表】
【表】 実施例 2 第5表に示す化学成分(wt%)を有するアル
ミニウム合金を常法により溶解、鋳造し、得られ
た鋳塊に480℃×4hrの均質化熱処理を施した後、
熱間圧延により4mm厚とした。次いで、冷間圧延
により1.5mm厚とし、40℃/hr昇降温速度、350℃
×2hrの中間焼鈍を施した後、仕上冷間圧延(圧
延率80%)により0.3mm厚とした。更に40℃/hr
の昇降温速度、220℃×2hrの仕上焼鈍を施した
後、塗装焼付を想定して200℃×20minのベーキ
ングを施した。 ベーキング後の各材料について、機械的性質を
調べると共に亜結晶粒面積占有率及び結晶粒最大
幅を測定し、またスコア加工性を調べた。これら
の結果を第6表に示す。 なお、亜結晶粒面積占有率は実施例1と同じ要
領で測定し、結晶粒最大幅は比較例と同じ要領で
測定した。またスコア加工性は実施例1と同じ要
領及び基準で評価した。 第6表から明らかなとおり、本発明範囲内の結
晶粒最大幅及び亜結晶粒面積占有率を有する本発
明例No.2は、スコア加工性に優れると共に必要強
度(σ0.2>29Kgf/mm2)を充分に満足している。
一方、比較例No.1はスコア加工性に優れているも
のの、強度が不足しており、また比較例No.3は強
度は高いものの、結晶粒最大幅及び亜結晶粒面積
占有率が不満足であつてスコア加工性に劣つてい
る。
【表】
【表】 実施例 3 実施例2に用いた第5表中の供試材No.2のアル
ミニウム合金の4mm厚の熱延板を冷間圧延により
第7表に示す板厚とし、これに第7表に示す条件
で中間焼鈍を施した後、仕上冷間圧延により製品
厚0.3mmとした。次いで、第7表に示す条件で仕
上焼鈍を施した後、塗装焼付を想定した200℃×
20minのベーキングを施した。 ベーキング後の各材料について、機械的性質を
調べると共に、実施例2と同じ領域で結晶粒最大
幅及び亜結晶粒面積占有率を測定し、スコア加工
性を評価した。これらの結果を第8表に示す。 第8表から明らかなとおり、本発明範囲内の製
造条件で仕上冷間圧延率75〜90%及び仕上焼鈍条
件(200〜250℃に1時間以上保持)を満たす製造
工程Eのものは、必要強度(σ0.2>29Kgf/mm2
を満たし且つスコア加工性に優れている。一方、
比較例のものは必要強度を満たさないか或いはス
コア加工性を満足しておらず、特に、仕上冷間圧
延率が低いと仕上焼鈍温度が高くともスコア加工
性が不満足か(比較例B)或いは強度が不足し
(比較例C)、仕上冷間圧延率が適切であつても仕
上焼鈍温度が適切でないとスコア加工性が不満足
か(比較例D)或いは強度が不足し(比較例F)、
逆に仕上冷間圧延率が高すぎてもスコア加工性が
不満足か(比較例G、H)或いは強度が不足して
いる(比較例)。
【表】
【表】 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、缶蓋用
等のアルミニウム材として、その化学成分を調整
すると同時に、製造条件の規制、特に仕上冷間圧
延率及び/又は仕上焼鈍条件をコントロールする
ことによつて結晶粒最大幅及び/又は亜結晶粒面
積率の適正化を図るので、高強度であるにも拘ら
ず加工性が高く、特にスコア加工性或いは多段張
出し性に優れたアルミニウム合金硬質板を提供す
ることができる。したがつて、各種の飲料缶蓋に
適用した場合に高強度薄肉化が可能となり、近年
の省資源、省エネルギーの要請に応える効果が大
きい。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bは圧延板の圧延方向及びこれと直
角な方向における結晶粒の大きさの状況を示す説
明図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%で(以下、同じ)、Mg:3.0〜5.5%及
    びMn:0.1〜1.0%を含有し、残部がAl及び不可
    避的不純物からなるアルミニウム合金軟質板であ
    つて、亜結晶粒で覆われた領域が面積率で30%以
    上であることを特徴とする高強度、高成形性アル
    ミニウム合金板。 2 Mg:3.0〜5.5%及びMn:0.1〜1.0%を含有
    し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアル
    ミニウム合金軟質板であつて、亜結晶粒で覆われ
    た領域が面積率で30%以上であり、且つ圧延板表
    面の結晶粒最大幅が30〜50μmであることを特徴
    とする高強度、高成形性アルミニウム合金板。 3 Mg:3.0〜5.5%及びMn:0.1〜1.0%を含有
    し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアル
    ミニウム合金の鋳塊につき、450〜550℃の均質化
    熱処理を施した後、熱間圧延を行い、その後の仕
    上冷間圧延及び仕上焼鈍に際して、仕上冷間圧延
    率75〜90%とし、及び仕上焼鈍温度200〜250℃で
    1時間以上保持する条件にて実施することによ
    り、圧延板表面の結晶粒最大幅を30〜50μmと
    し、亜結晶粒で覆われた領域を面積率で30%以上
    にすることを特徴とする高強度、高成形性アルミ
    ニウム合金板の製造法。
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