JPH0422981B2 - - Google Patents
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- JPH0422981B2 JPH0422981B2 JP63022311A JP2231188A JPH0422981B2 JP H0422981 B2 JPH0422981 B2 JP H0422981B2 JP 63022311 A JP63022311 A JP 63022311A JP 2231188 A JP2231188 A JP 2231188A JP H0422981 B2 JPH0422981 B2 JP H0422981B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22F—CHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
- C22F1/00—Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
- C22F1/04—Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
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- Organic Chemistry (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Rigid Containers With Two Or More Constituent Elements (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は主としてDRD缶に適する包装用アル
ミニウム合金の製造方法に関するものである。 (従来の技術及び解決しようとする課題) ビール、炭酸飲料等の飲料缶或いは食缶等に用
いられるアルミニウム缶は、DRD(Drawn and
Redrawn:絞り・再絞り)加工或いはDI(Drawn
and Ironed:絞り・しごき)加工のいずれかに
よつて作られており、前者の加工方式により得ら
れたものをDRD缶、後者の加工方式により得ら
れたものをDI缶と称されている。 DRD缶は、通常、板厚0.20〜0.25mmの缶であ
り、これを製造する代表的な工程としては、塗装
コイル→ドロープレス(抜絞り加工)→リドロ−
プレス→ビーデイングプレス(必要に応じて、サ
イドビード、ネツクビード加工)からなる工程で
ある。この際、素材のアルミニウム合金として
は、以下(1)〜(4)の特性を備えていることが特に重
要である。 (1) 必要な缶底強度を得るための素材強度、 (2) 表面外観を損なう歪模様(「アルミニウムの
基礎と工業技術」軽金属協会発行(1986)
p.139参照)が発生しないこと、 (3) 再絞り後の耳の発生が小さいこと、すなわ
ち、方向性が小さいこと、 (4) エンドとの巻き締め部のフランジ加工性に優
れること。 ところが、従来、要件(1)のために多量のMgを
添加したアルミニウム合金は(2)の欠点が現れてし
まい、冷間圧延率を高くすると耳の高い材料とな
つて要件(3)を満足しないという欠点があつた。こ
のため、DRD缶として必要な要件(1)〜(4)を同時
に満足する材料が強く要求されていた。 本発明は、かゝる要請に応えるべくなされたも
のであつて、主としてDRD缶としての上記要件、
特に高強度で表面歪模様がなく、且つ方向性の低
い包装用アルミニウム合金を製造する方法を提供
することを目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、アルミ
ニウム素材の製造条件について鋭意研究を重ねた
結果、化合成分の調整と共に均質化熱処理、熱間
圧延、中間焼鈍の各条件を規制して特定サイズ、
量の金属間化合物分散粒子(dispersoids)を有
する組織とし、これに適正な仕上冷延することに
より可能であることを見出したものである。 すなわち、本発明は、Mg:1.2〜1.8%、Mn:
0.7〜1.5%及びCu:0.05〜1.0%を必須成分として
含有し、更にFe:0.7%以下、Si:0.4%以下、
Zn:0.5%以下、Cr:0.05%以下及びTi:0.05%
以下のうちの1種又は2種以上を含有し、残部が
Al及び不純物からなるアルミニウム合金鋳塊に
均質化熱処理、熱間圧延、中間圧延、中間焼鈍及
び仕上冷延を施すに際し、500〜600℃の均質化熱
処理温度、270〜600℃の熱間圧延温度、350〜550
℃の中間焼鈍温度を適正に組合せて、中間焼鈍後
において直径が5×102〜1×104Åの金属間化合
物分散粒子を体積分率で1〜3%有する組織を得
て、その後冷間圧延率40〜50%の仕上冷延を施す
ことを特徴とする高強度で表面歪模様がなく且つ
低方向性を特徴とする包装用アルミニウム合金硬
質板の製造方法を要旨とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) 従来、包装用アルミニウム合金硬質板の製造に
おいて金属間化合物の晶出物(constituents)の
量(面積率)や大きさ等について制御する開発思
想はあつたが、本発明は、これとは異なり、分散
粒子(dispersoids)と呼ばれる金属間化合物を
制御する新たな開発思想に基づくものであつて、
分散粒子のサイズと量(体積分率)を所定の値に
制御したものである。 なお、以下において「金属間化合物」とは金属
間化合物の分散粒子(dispersoids)を意味して
いる。 次に、本発明における科学成分の限定理由につ
いて説明する。 Mg: Mgは強度を付与する元素であるが、1.2%未満
では十分な強度が得られず、また1.8%を超える
と成形中に缶表面に歪模様が発生し易くなり、缶
の美感を著しく低下させるので好ましくない。し
たがつて、Mg量は1.2〜1.8%の範囲とする。 Mn: Mnは強度の付与とAlとの金属間化合物(Mn、
Fe)Al6の形成に必要な元素であるが、0.7%未満
では十分な強度を付与できず、体積分率で1%以
上の属間化合物を形成できない。またMnが1.5%
を超えると粗大な金属間化合物(>1×104Å)
が多くなり、所望のサイズ(5×102〜1×104
Å)の金属間化合物の割合が3%を超えてフラン
ジ成形性が低下する。したがつて、Mn量は0.7〜
1.5%の範囲とする。 Cu: Cuは強度を付与するために必要な元素である
が、0.05%未満では十分な効果が得られず、また
1.0%を超えると強度が高くなつて、強度の調整
が難しくなると共に耐食性が劣化するので好まし
くない。したがつて、Cu量は0.05〜1.0%の範囲
とする。 以上の各元素を必須成分として含有するが、本
発明では以下の元素Fe、Si、Zn、Cr及びTiのう
ちの1種又は2種以上を適量で含有させる。 Fe: Feは強度の付与に効果があるほか、(Fe、Mn)
Si3Al12の晶出物として成形時の焼き付き防止の
効果をもたらすと同時に前述のMnと(Mn、Fe)
Al6の金属間化合物を形成する元素である。しか
し、0.7%を超えると粗大な金属間化合物(Mn、
Fe)Al6が形成し、所望のサイズ(5×102〜1
×104Å)で且つ所望の体積分率(1〜3%)の
ものが得られない。したがつて、Fe量は0.7%以
下とする。 Si: Siは前述の(Fe、Mn)Si3Al12の晶出物として
成形時の焼付防止効果をもたらす元素であるが、
0.4%を超えると粗大な晶出物が発生し、成形性
を損うことになる。したがつて、Si量は0.4%以
下とする。 Zn: Znは強度をもたらす元素であるが、0.5%を超
えると耐食性が劣化するので、Zn量は0.5%以下
とする。 Cr、Ti: Cr、Tiはともに組織を微細に制御するために
添加される元素であるが、それぞれ0.05%を超え
ると粗大な金属間化合物が発生し、成形性を損う
ので、Cr量、Ti量は各々0.05%以下とする。 次に本発明の製造方法について説明する。 上述の化学成分を有するアルミニウム合金は常
法により溶解、鋳造して鋳塊とする。鋳塊は例え
ばDC鋳造法による造塊される。 得られた鋳塊には500〜600℃の温度で均質化熱
処理を施す必要がある。この均質化熱処理はミク
ロ偏析の均質化と所望の金属間化合物の形成を目
的とするものである。しかし、500℃未満では十
分なる均質化熱処理(ミクロ偏析の均質化)と所
望の金属間化合物(Mn、Fe)Al6(直径5×102
−1×104Å、体積分率1〜3%)の形成ができ
ず、また600℃を超えると共晶融解等の恐れがあ
るので、好ましくない。なお、加熱時間は特に制
限しないが、上記温度で3〜24時間の範囲が望ま
しい。 次いで、出炉後、600〜270℃の温度で熱間圧延
を行い、約2〜5mmの熱間圧延板とする。この
際、270℃未満の温度で圧延が実施されると冷間
歪が導入され、十分均一な熱間未再結晶組織が得
られない。なお、上限温度600℃は均質化熱処理
温度の上限値600℃により規定される値である。 その後、中間圧延(冷間圧延)を行い、350〜
550℃の温度で中間焼鈍を実施し、軟質材とする。
中間焼鈍温度は、350℃未満では十分な軟質材が
得られず、550℃を超えると異常粗大粒の発生を
招くので、350〜550℃の範囲とする。なお、中間
焼鈍の加熱時間は350〜400℃の温度域では2〜4
時間必要であるが、連続焼鈍炉を使用する高温処
理の場合は、例えば500℃で0.5〜10秒の加熱時間
を目安とするのがよい。 上記製造工程により、本発明の特徴とする所望
の金属間化合物を有する組織が得られる。 主な金属間化合物としては(Mn、Fe)Al6で
あり、冶金学的には分散粒子(Dispersoids)に
属するものが中心であり、前述のように、化学
成分(特にMn、Fe量)、均質化熱処理、及び
熱間圧延温度の最適な組合せが肝要であり、こ
れによつて始めて平均直径5×102〜1×104Åで
且つ体積分率1〜3%のものが得られる。サイズ
が5×102Å未満では材料の強度が高くなりすぎ、
成形性を低下させることになり、また1×104Å
より大きいものが多くなること成形加工中に割れ
等が発生する恐れがあるので好ましくない。ま
た、体積分率が1%未満では組織を十分細かくす
ることができず、3%を超えると成形加工性を低
下させるので好ましくない。したがつて、金属間
化合物の寸法、量は上述の通りとする。 最後に、以上の所望の金属間化合物を有する軟
質材に冷間圧延を付与して硬質材とするのである
が、40%未満の冷間圧延率では十分な強度が得ら
れない。一方50%を超える冷間圧延率では、冷間
圧延により優先方向に結晶粒が配向する集合組織
が発達し、材料に方向性が生じることとなり、缶
に成形する時に約3%以上の耳高となり、成形後
のトリミングの増加が必要となつて製品価値を著
しく低下させる。よつて、仕上冷延の冷間圧延率
は40〜50%の範囲とする。 以上の工程により厚さ約0.20〜0.25mmの板材が
得られる。この板材は、通常の方法により、塗装
後、2〜3回の絞りを行うDRD加工で所要の缶
に成形される。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 第1表に示す化学成分を有する厚さ600mmのア
ルミニウム合金鋳塊をDC鋳造法にて溶製し、面
削後、575℃×6hrの均質化熱処理を施し、550〜
300℃の温度で熱間圧延を行つて厚さ3.5mmのホツ
トコイルとした。 次いで、中間圧延で0.40mmtのコイルとし、連
続焼鈍炉で500℃×3secの中間熱処理を施し、仕
上冷延(冷間加工率45%)にて0.22mmtの硬質板
とした。 得られた材料について、金属間化合物のサイズ
及び量を透過型電子顕微鏡観察により調べ、また
製造まま及び塗装熱処理(200℃×20min)後の
機械的性質を調べると共に、耳率、表面歪模様、
フランジ加工性についても評価した。その結果を
第1表に併記する。 なお、耳率はポンチ径40mmφ、絞り率40%にて
求めた、また表面歪模様とフランジ加工性は○
(良)、〓、●(不良)の印を付して評価した。 第1表より、本発明例No.1〜No.5のアルミニウ
ム合金板はいずれも、本発明範囲内のサイズ、量
の金属間化合物を有し、高強度で表面歪模様がな
く、耳率及びフランジ加工性に優れた特性を有し
ていることがわかる。一方、比較例は高強度を示
すものの、表面歪模様が生じ、殆どが耳率やフラ
ンジ加工性が劣つている。
ミニウム合金の製造方法に関するものである。 (従来の技術及び解決しようとする課題) ビール、炭酸飲料等の飲料缶或いは食缶等に用
いられるアルミニウム缶は、DRD(Drawn and
Redrawn:絞り・再絞り)加工或いはDI(Drawn
and Ironed:絞り・しごき)加工のいずれかに
よつて作られており、前者の加工方式により得ら
れたものをDRD缶、後者の加工方式により得ら
れたものをDI缶と称されている。 DRD缶は、通常、板厚0.20〜0.25mmの缶であ
り、これを製造する代表的な工程としては、塗装
コイル→ドロープレス(抜絞り加工)→リドロ−
プレス→ビーデイングプレス(必要に応じて、サ
イドビード、ネツクビード加工)からなる工程で
ある。この際、素材のアルミニウム合金として
は、以下(1)〜(4)の特性を備えていることが特に重
要である。 (1) 必要な缶底強度を得るための素材強度、 (2) 表面外観を損なう歪模様(「アルミニウムの
基礎と工業技術」軽金属協会発行(1986)
p.139参照)が発生しないこと、 (3) 再絞り後の耳の発生が小さいこと、すなわ
ち、方向性が小さいこと、 (4) エンドとの巻き締め部のフランジ加工性に優
れること。 ところが、従来、要件(1)のために多量のMgを
添加したアルミニウム合金は(2)の欠点が現れてし
まい、冷間圧延率を高くすると耳の高い材料とな
つて要件(3)を満足しないという欠点があつた。こ
のため、DRD缶として必要な要件(1)〜(4)を同時
に満足する材料が強く要求されていた。 本発明は、かゝる要請に応えるべくなされたも
のであつて、主としてDRD缶としての上記要件、
特に高強度で表面歪模様がなく、且つ方向性の低
い包装用アルミニウム合金を製造する方法を提供
することを目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、アルミ
ニウム素材の製造条件について鋭意研究を重ねた
結果、化合成分の調整と共に均質化熱処理、熱間
圧延、中間焼鈍の各条件を規制して特定サイズ、
量の金属間化合物分散粒子(dispersoids)を有
する組織とし、これに適正な仕上冷延することに
より可能であることを見出したものである。 すなわち、本発明は、Mg:1.2〜1.8%、Mn:
0.7〜1.5%及びCu:0.05〜1.0%を必須成分として
含有し、更にFe:0.7%以下、Si:0.4%以下、
Zn:0.5%以下、Cr:0.05%以下及びTi:0.05%
以下のうちの1種又は2種以上を含有し、残部が
Al及び不純物からなるアルミニウム合金鋳塊に
均質化熱処理、熱間圧延、中間圧延、中間焼鈍及
び仕上冷延を施すに際し、500〜600℃の均質化熱
処理温度、270〜600℃の熱間圧延温度、350〜550
℃の中間焼鈍温度を適正に組合せて、中間焼鈍後
において直径が5×102〜1×104Åの金属間化合
物分散粒子を体積分率で1〜3%有する組織を得
て、その後冷間圧延率40〜50%の仕上冷延を施す
ことを特徴とする高強度で表面歪模様がなく且つ
低方向性を特徴とする包装用アルミニウム合金硬
質板の製造方法を要旨とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) 従来、包装用アルミニウム合金硬質板の製造に
おいて金属間化合物の晶出物(constituents)の
量(面積率)や大きさ等について制御する開発思
想はあつたが、本発明は、これとは異なり、分散
粒子(dispersoids)と呼ばれる金属間化合物を
制御する新たな開発思想に基づくものであつて、
分散粒子のサイズと量(体積分率)を所定の値に
制御したものである。 なお、以下において「金属間化合物」とは金属
間化合物の分散粒子(dispersoids)を意味して
いる。 次に、本発明における科学成分の限定理由につ
いて説明する。 Mg: Mgは強度を付与する元素であるが、1.2%未満
では十分な強度が得られず、また1.8%を超える
と成形中に缶表面に歪模様が発生し易くなり、缶
の美感を著しく低下させるので好ましくない。し
たがつて、Mg量は1.2〜1.8%の範囲とする。 Mn: Mnは強度の付与とAlとの金属間化合物(Mn、
Fe)Al6の形成に必要な元素であるが、0.7%未満
では十分な強度を付与できず、体積分率で1%以
上の属間化合物を形成できない。またMnが1.5%
を超えると粗大な金属間化合物(>1×104Å)
が多くなり、所望のサイズ(5×102〜1×104
Å)の金属間化合物の割合が3%を超えてフラン
ジ成形性が低下する。したがつて、Mn量は0.7〜
1.5%の範囲とする。 Cu: Cuは強度を付与するために必要な元素である
が、0.05%未満では十分な効果が得られず、また
1.0%を超えると強度が高くなつて、強度の調整
が難しくなると共に耐食性が劣化するので好まし
くない。したがつて、Cu量は0.05〜1.0%の範囲
とする。 以上の各元素を必須成分として含有するが、本
発明では以下の元素Fe、Si、Zn、Cr及びTiのう
ちの1種又は2種以上を適量で含有させる。 Fe: Feは強度の付与に効果があるほか、(Fe、Mn)
Si3Al12の晶出物として成形時の焼き付き防止の
効果をもたらすと同時に前述のMnと(Mn、Fe)
Al6の金属間化合物を形成する元素である。しか
し、0.7%を超えると粗大な金属間化合物(Mn、
Fe)Al6が形成し、所望のサイズ(5×102〜1
×104Å)で且つ所望の体積分率(1〜3%)の
ものが得られない。したがつて、Fe量は0.7%以
下とする。 Si: Siは前述の(Fe、Mn)Si3Al12の晶出物として
成形時の焼付防止効果をもたらす元素であるが、
0.4%を超えると粗大な晶出物が発生し、成形性
を損うことになる。したがつて、Si量は0.4%以
下とする。 Zn: Znは強度をもたらす元素であるが、0.5%を超
えると耐食性が劣化するので、Zn量は0.5%以下
とする。 Cr、Ti: Cr、Tiはともに組織を微細に制御するために
添加される元素であるが、それぞれ0.05%を超え
ると粗大な金属間化合物が発生し、成形性を損う
ので、Cr量、Ti量は各々0.05%以下とする。 次に本発明の製造方法について説明する。 上述の化学成分を有するアルミニウム合金は常
法により溶解、鋳造して鋳塊とする。鋳塊は例え
ばDC鋳造法による造塊される。 得られた鋳塊には500〜600℃の温度で均質化熱
処理を施す必要がある。この均質化熱処理はミク
ロ偏析の均質化と所望の金属間化合物の形成を目
的とするものである。しかし、500℃未満では十
分なる均質化熱処理(ミクロ偏析の均質化)と所
望の金属間化合物(Mn、Fe)Al6(直径5×102
−1×104Å、体積分率1〜3%)の形成ができ
ず、また600℃を超えると共晶融解等の恐れがあ
るので、好ましくない。なお、加熱時間は特に制
限しないが、上記温度で3〜24時間の範囲が望ま
しい。 次いで、出炉後、600〜270℃の温度で熱間圧延
を行い、約2〜5mmの熱間圧延板とする。この
際、270℃未満の温度で圧延が実施されると冷間
歪が導入され、十分均一な熱間未再結晶組織が得
られない。なお、上限温度600℃は均質化熱処理
温度の上限値600℃により規定される値である。 その後、中間圧延(冷間圧延)を行い、350〜
550℃の温度で中間焼鈍を実施し、軟質材とする。
中間焼鈍温度は、350℃未満では十分な軟質材が
得られず、550℃を超えると異常粗大粒の発生を
招くので、350〜550℃の範囲とする。なお、中間
焼鈍の加熱時間は350〜400℃の温度域では2〜4
時間必要であるが、連続焼鈍炉を使用する高温処
理の場合は、例えば500℃で0.5〜10秒の加熱時間
を目安とするのがよい。 上記製造工程により、本発明の特徴とする所望
の金属間化合物を有する組織が得られる。 主な金属間化合物としては(Mn、Fe)Al6で
あり、冶金学的には分散粒子(Dispersoids)に
属するものが中心であり、前述のように、化学
成分(特にMn、Fe量)、均質化熱処理、及び
熱間圧延温度の最適な組合せが肝要であり、こ
れによつて始めて平均直径5×102〜1×104Åで
且つ体積分率1〜3%のものが得られる。サイズ
が5×102Å未満では材料の強度が高くなりすぎ、
成形性を低下させることになり、また1×104Å
より大きいものが多くなること成形加工中に割れ
等が発生する恐れがあるので好ましくない。ま
た、体積分率が1%未満では組織を十分細かくす
ることができず、3%を超えると成形加工性を低
下させるので好ましくない。したがつて、金属間
化合物の寸法、量は上述の通りとする。 最後に、以上の所望の金属間化合物を有する軟
質材に冷間圧延を付与して硬質材とするのである
が、40%未満の冷間圧延率では十分な強度が得ら
れない。一方50%を超える冷間圧延率では、冷間
圧延により優先方向に結晶粒が配向する集合組織
が発達し、材料に方向性が生じることとなり、缶
に成形する時に約3%以上の耳高となり、成形後
のトリミングの増加が必要となつて製品価値を著
しく低下させる。よつて、仕上冷延の冷間圧延率
は40〜50%の範囲とする。 以上の工程により厚さ約0.20〜0.25mmの板材が
得られる。この板材は、通常の方法により、塗装
後、2〜3回の絞りを行うDRD加工で所要の缶
に成形される。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 第1表に示す化学成分を有する厚さ600mmのア
ルミニウム合金鋳塊をDC鋳造法にて溶製し、面
削後、575℃×6hrの均質化熱処理を施し、550〜
300℃の温度で熱間圧延を行つて厚さ3.5mmのホツ
トコイルとした。 次いで、中間圧延で0.40mmtのコイルとし、連
続焼鈍炉で500℃×3secの中間熱処理を施し、仕
上冷延(冷間加工率45%)にて0.22mmtの硬質板
とした。 得られた材料について、金属間化合物のサイズ
及び量を透過型電子顕微鏡観察により調べ、また
製造まま及び塗装熱処理(200℃×20min)後の
機械的性質を調べると共に、耳率、表面歪模様、
フランジ加工性についても評価した。その結果を
第1表に併記する。 なお、耳率はポンチ径40mmφ、絞り率40%にて
求めた、また表面歪模様とフランジ加工性は○
(良)、〓、●(不良)の印を付して評価した。 第1表より、本発明例No.1〜No.5のアルミニウ
ム合金板はいずれも、本発明範囲内のサイズ、量
の金属間化合物を有し、高強度で表面歪模様がな
く、耳率及びフランジ加工性に優れた特性を有し
ていることがわかる。一方、比較例は高強度を示
すものの、表面歪模様が生じ、殆どが耳率やフラ
ンジ加工性が劣つている。
【表】
【表】
Claims (1)
- 1 重量%で(以下、同じ)、Mg:1.2〜1.8%、
Mn:0.7〜1.5%及びCu:0.05〜1.0%を必須成分
として含有し、更にFe:0.7%以下、Si:0.4%以
下、Zn:0.5%以下、Cr:0.05%以下及びTi:
0.05%以下のうちの1種又は2種以上を含有し、
残部がAl及び不純物からなるアルミニウム合金
鋳塊に均質化熱処理、熱間圧延、中間圧延、中間
焼鈍及び仕上冷延を施すに際し、500〜600℃の均
質化熱処理温度、270〜600℃の熱間圧延温度、
350〜550℃の中間焼鈍温度を適正に組合せて、中
間焼鈍後において直径が5×102〜1×104Åの金
属間化合物分散粒子を体積分率で1〜3%有する
組織を得て、その後冷間圧延率40〜50%の仕上冷
延を施すことを特徴とする高強度で表面歪模様が
なく且つ低方向性を特徴とする包装用アルミニウ
ム合金硬質板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2231188A JPH01198454A (ja) | 1988-02-02 | 1988-02-02 | 高強度で表面歪模様がなく且つ低方向性を特徴とする包装用アルミニウム合金硬質板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2231188A JPH01198454A (ja) | 1988-02-02 | 1988-02-02 | 高強度で表面歪模様がなく且つ低方向性を特徴とする包装用アルミニウム合金硬質板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01198454A JPH01198454A (ja) | 1989-08-10 |
JPH0422981B2 true JPH0422981B2 (ja) | 1992-04-21 |
Family
ID=12079194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2231188A Granted JPH01198454A (ja) | 1988-02-02 | 1988-02-02 | 高強度で表面歪模様がなく且つ低方向性を特徴とする包装用アルミニウム合金硬質板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH01198454A (ja) |
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JP2006152371A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Furukawa Sky Kk | 鋳造割れ性に優れた食缶用アルミニウム合金 |
JP5000917B2 (ja) * | 2006-04-03 | 2012-08-15 | 古河スカイ株式会社 | 多段加工性に優れた電池ケース用アルミニウム合金圧延板の製造方法 |
JP2015045076A (ja) * | 2013-08-29 | 2015-03-12 | 三菱アルミニウム株式会社 | 表面特性に優れる飲料缶ボディ用アルミニウム合金板 |
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JPS63149348A (ja) * | 1986-12-11 | 1988-06-22 | Kobe Steel Ltd | 包装用アルミニウム合金の製造方法 |
-
1988
- 1988-02-02 JP JP2231188A patent/JPH01198454A/ja active Granted
Patent Citations (5)
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JPH01198454A (ja) | 1989-08-10 |
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