JPH01301831A - スティオンタブ用Al合金板及びその製造方法 - Google Patents
スティオンタブ用Al合金板及びその製造方法Info
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- JPH01301831A JPH01301831A JP13390288A JP13390288A JPH01301831A JP H01301831 A JPH01301831 A JP H01301831A JP 13390288 A JP13390288 A JP 13390288A JP 13390288 A JP13390288 A JP 13390288A JP H01301831 A JPH01301831 A JP H01301831A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明はビール缶、炭酸飲料缶等のタブ材に係り、更に
詳しくは、曲げ性及び繰り返し曲げ性に優れた低コスト
のステイオンタブ付エンド用タブ材並びにその製造方法
に関するものである。 (従来の技術) 現在、ビール缶、炭酸飲料缶等々の飲料缶の開口方法に
は1缶切りなどの器具を使わずに手で容易に開缶できる
イージーオープンエンドが用いられている。このイージ
ーオープンエンドとしては開口時に缶体からタブが離れ
るパーシャルオープンエンド及びフルオープンエンドと
、開口時に缶体からタブが離れないステイオンタブ付エ
ンド及びブツシュオンタブエンドとがある。 従来、後者のステイオンタブ付エンドは特に欧米にて進
められており、そのためのタブ材にはAA5082、A
A5042等の成分を有するAl金合金用いられており
、鋳塊を均、質化処理及び熱間圧延した後、高冷間圧延
され、その後、仕上焼鈍にて強度を調整する製造方法に
て製造されている。例えば、米国特許節3,502,4
48号明細書に開示されているように、仕上冷延率を8
5%以上と高くする方法である。タブ材はこの工程後に
仕上焼鈍が施される。 (発明が解決しようとする課M) ところで、上記の如く欧米にて進められている従来のス
テイオンタブ材は、国内で主に製造されているパーシャ
ルオープンエンド用タブ材に比べて低強度であるため、
板厚が厚く、コスト高の問題がある。 また、このステイオンタブ材は比較的Mgの添加量が多
く、高冷間圧延されるため、仕上焼鈍による強度調整が
必須である。しかし、仕上焼鈍は比較的高温(280℃
程度)で行われるため、圧延油の焼付を防止する目的で
通常脱脂処理が施され、更には仕上焼鈍温度の範囲が狭
く、また焼鈍温度の精度が重要となるために焼鈍設備も
精度の良いものが必要となる等、国内のパーシャルオー
プンエンド用タブ材に比べて製造コストが高くなるとい
う問題がある。 このように、従来のステイオンタブ材は、国内のパーシ
ャルオープンエンド用タブ材に比べて素材コストが高く
なる。このことは、缶公害の点ではステイオンタブ付エ
ンドの方が有利なものの、国内で採用されない要因の1
つとなっている。 一方、近年、ステイオンタブの薄肉化に伴い、比較的強
度が高いことがステイオンタブ材として重要な特性の1
つとなってきた。しかし、従来の製造方法では、高冷間
圧延を要するため、結晶粒が庸平伸長粒となり、圧延方
向に対するOo、45°、00°方向の曲げ加工性並び
に繰り返し曲げ性の特性に異方性が生じるという問題が
ある。 特に圧延方向に対し0°に曲げ及び繰り返し曲げ変形を
受けた場合、割れが生じ易い。 すなわち、ステイオンタブはエンドとリベット加工で結
合され、タブを引き上げることによりエンドのスコア一
部が裂かれて缶内に押し下げられるが、この時、タブは
曲げ変形を受ける。特に裂かれた部分を押し下げる場合
、タブを繰り返し上下させて行われる場合があり、この
時にタブは繰り返し曲げ変形を受け、割れが生じてタブ
が取れてしまう場合がある。これを防止するには繰り返
し曲げ性を向上することが必要である。 この点、従来は繰り返し曲げ性については特に配慮され
ておらず、キャンボディ材、キャンエンド材、キャンタ
ブ材として単に曲げ加工性(180°密着曲げ)が評価
されているだけである。 本発明は、かへる状況のもとでなされたものであって、
特に繰り返し曲げ性に優れ、また高強度で曲げ加工性も
優れたステイオンタブ用Al合金板を比較的低コストで
得られる技術を提供することを目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者らは、曲げ加工性及
び繰り返し曲げ性を向上させるべく化学成分調整、組織
並びに製造条件等について総合的に研究を重ねた。 その結果、Mgの含有量が従来材レベルの場合とそれよ
りも少ないレベルの場合により、他の成分調整1組織、
製造工程をそ九ぞれ異にする固有の条件に規制するなら
ば、所期の材料特性が得られることが判明した。 すなわち、従来材とほぼ同等のMg量の場合には、結晶
粒が小さいほど曲げ加工性及び繰り返し曲げ性が優れ、
また冷間圧延率が少ないほど等軸に近い結晶粒となり、
前記特性の圧延方向に対する異方性が小さいことを見出
した。そのためには、Mg以外の他の成分調整と共に、
製造条件、特に均質化処理温度及び冷間圧延率を規制す
ることが必要であり、これにより曲げ加工性と繰り返し
曲げ性を向上させることができ、併せて仕上焼鈍温度を
比較的低くでき、温度公差も従来条件と比べて広くでき
、また焼鈍設備も通常の設備で対応できることが判明し
た。 このような知見に基づき、更に観点を変え、従来材の素
材コストが高いことに着目し、製造コストを低下させる
べく鋭意研究を重ねた。 その結果、仕上焼鈍工程を省略することにより製造コス
トの低減が可能であるが、そのためにはM g iを従
来材のレベルよりも少なく適度にコントロールする必要
があり、併せてMg以外の他の成分調整と共に製造条件
、特に冷間圧延率を規制することにより、金属間化合物
の生成が少なく、結晶粒を小さくでき、優れた繰り返し
曲げ性が得られ、ステイオンタブ材としての強度も満足
し得ることが判明した。 すなわち、本発明に係る曲げ加工性及び繰り返し曲げ加
工性に優れたステイオンタブ用Al11合金板は、Mg
:3.5〜5.5%を含み、必要に応じて更にSi≦0
.30%、Fe≦0.40%、Cu≦0゜20%、Mn
≦0.20%、Cr≦0.25%、Zn≦0.15%、
Zr≦0.15%及びTi≦0.20%のうちの1種又
は2種以上を含み、残部がAl及び不可避的不純物から
なり、仕上焼鈍により強度調整されており、圧延板表面
からみた結晶粒幅が20μm以下であることを特徴とす
るものである。 また、その製造方法は、上記化学成分を有するAl合金
の鋳塊を450〜550℃で均質化処理した後、熱間圧
延及び冷間圧延し、更に中間焼鈍後、圧延率20〜55
%で冷間圧延し、その後中間焼鈍することを特徴とする
ものである。 更に、本発明に係る繰り返し曲げ性に優れたステイオン
タブAff合金板は、Mg:1.5〜3.5%、Si:
0.02〜0.10%及びFe:0.05−0.20%
を含み、必要に応じて更にCu≦0.20%。 Mn≦0.20、 Cr≦0.25%、 Zn≦0.3
0%及びTi≦0.20%の1種又は2種以上を含み。 残部がAl及び不可避的不純物からなり、圧延板表面か
らみた金属間化合物の面積率が1.5%以下で、圧延板
費用面からみた結晶粒幅が20μm以下であることを特
徴とするものである。 また、この製造方法は、上記化学成分を有するAl合金
の鋳塊を均質化処理した後、熱間圧延及び冷間圧延を行
い、更に中間焼鈍後、圧延率55〜85%で冷間圧延し
、仕上焼鈍を省略することを特徴とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学成分の限定理由を説明する。 Mg: Mgは強度を付与する重要な元素であり、所定量の添加
により、ステイオンタブ材として使用し得る強度を確保
する必要がある。 すなわち、仕上焼鈍を行う場合には、少なくとも3,5
%以上添加しないとステイオンタブ材としての強度が低
く使用できない、しかし、5.5%を超えて過多に添加
されると強度が高すぎることによる成形加工性の低下を
招くので、好ましくない、したがって、この場合のMg
量は3.5〜5゜5%の範囲とする。 一方、仕上焼鈍を省略する場合には、少なくとも1.5
%以上添加しないとステイオンタブ材としての強度が得
られず、しかし3.5%を超えて過多に添加されると強
度が高すぎることによる成形加工性の低下を招くと共に
仕上焼鈍が必要となるので、避けるべきである。したが
って、この場合のMg量は1.5〜3.5%の範囲とす
る。 Fc: Feの添加は結晶粒微細化に大きな効果を示し。 その添加量が多いほど微細化される6しかし、過多に添
加されると結晶粒微細化には有効なものの、金属間化合
物の数が多くなって繰り返し曲げ性の低下を招くので好
ましくない。但し、このような効果のために許容し得る
上限は仕上焼鈍工程の有無により異なり、仕上焼鈍を行
う場合には0.40%以下、仕上焼鈍なしの場合には0
.20%以下に規制する。なお、いずれの場合も、0.
05%以下ではその効果が殆どなく、更には高純度のA
l地金が必要となるので、0.05%以上が望ましい。 Si: Siの添加はFeと同様、結晶粒微細化、強度向上に効
果を示す。しかし過多に添加されると金属間化合物、特
にMgzsiが多く生成され、繰り返し曲げ性の低下を
招くので好ましくない。但し、このような効果のために
許容し得る条件は仕上焼鈍の有無により異なり、仕上焼
鈍を行う場合には0.30%以下、仕上焼鈍なしの場合
には0.10%以下に規制する。なお、いずれの場合も
、0゜02%以下ではその効果が少なく、更には高純度
地金が必要となるので、0.02%以上が望ましし)。 Cu : Cu添加は強度向上に効果を示す。しかし、0゜20%
を超えて過多に添加されると強度が高すぎることによる
成形加工性の低下及び耐食性が劣化する。したがって、
Cu量は0.20%以下とする。 Mn、Cr: Mn、Crの添加は強度向上及び結晶粒微細化に大きな
効果を示す。しかし、Mnが0.20%を超え、Crが
0.25%を超えて過多に添加されると巨大晶出物生成
及び晶出物の数が多くなり、曲げ性の低下を招くため、
好ましくない。したがって、M n Jtは0.20%
以下、Cr量は0.25%以下とする。 Zn: Znの添加は曲げ加工性、張り出し性等の成形性を向上
させる効果がある。これは、圧延板表面からみた(Mn
Fe) A Q 、の金属間化合物の晶出物を小さく
する効果があるためである。しかし、過多に添加される
と耐食性の低下を招くので好ましくない。したがって、
Zn量は0.30%以下とする。 Ti、Zr: Ti、Zrはそれぞれ組織を安定化させるための有効な
元素であるものの、その添加量が多いと巨大化合物を生
成し1曲げ加工性を低下させるので、Ti量は0.20
%以下、Zr量は0.15%以下とする。 なお、本発明においては、Mgの含有は必須であるが、
上記の他の元素は仕上焼鈍の有無により必須又は任意添
加元素とするものである。 すなわち、仕上焼鈍を行って曲げ加工性と繰り返し曲げ
性をともに向上させる場合には、上記の他の元素のSi
、 Fe、 Cu、Mn、 Cr、 Zn、 Zr及び
Tiのうちの少なくとも1種を必要に応じて添加するこ
とができる。 また、仕上焼鈍を省略して繰り返し曲げ性を向上させる
場合には、上記の他の元素のうち、Si及びFeを必須
添加元素とするが、その他のCu。 Mn、Cr、Zn及びTiのうちの少なくとも1種を必
要に応じて添加することができる。 次に、本発明の製造方法について説明する。 上記の化学成分を有するA1合金は、常法により溶解、
鋳造し、得られた鋳塊に均質化処理を施した後、熱間圧
延する。これらの条件は特に制限されない。但し、仕上
焼鈍を行う場合には、均質化処理は450〜550℃の
温度で行う必要がある。これは、加熱温度が450℃未
満では均質化が不充分であると共に熱間圧延時に耳割れ
が発生する原因となり、また550T:を超えるとバー
ニングを発生し、表面状況を劣化させるので好ましくな
いためである。 更に、冷間圧延後、中間焼鈍を行う。ここで中間焼鈍条
件は特に制限しないが、完全再結晶にあることが必須で
あり、結晶粒の観点からすれば連続焼鈍(CAL)の使
用が好ましい。CAL条件としては加熱、冷却速度を1
00℃/分以上とし、到達温度380〜550℃で、保
持時間は10分以内が良い。 中間焼鈍後の冷間圧延率は、強度、結晶粒及び曲げ加工
性或いは繰り返し曲げ性に影響するので。 仕上焼鈍の有無に対応してコントロールする必要がある
。 すなわち、仕上焼鈍を行う場合には、仕上焼鈍により強
度調整するが、冷間圧延圧延率が20%未満では曲げ加
工性及び繰り返し曲げ性は優れるものの、必要な強度が
得られず、また強度の向上のためには冷間圧延率の増大
が必要なものの、55%を超えると圧延直後の強度が高
くなるため、その後の仕上焼鈍温度が高くなり、更には
結晶粒が膚平伸長粒となるため、曲げ加工性、繰り返し
曲げ性の異方性が大きくなるので、好ましくない。 したがって、冷間圧延率は20〜55%の範囲とする。 一方、仕上焼鈍を省略する場合には、冷間圧延率により
強度調整するが、冷間圧延率が55%未満では曲げ加工
性及び繰り返し曲げ性は優れるものの、必要な強度が得
られず、また強度の向上のためには冷間圧延率の増大が
必要なものの、85%を超えると圧延直後の強度が高く
なるため、その後に仕上焼鈍を必要とすることとなり、
コスト高となり、更には結晶粒が篇平伸長粒となるので
好ましくない。したがって、冷間圧延率は55〜85%
の範囲とする。 この冷間圧延後、Mgの含有量が多い(3,5〜5.5
%)場合には、仕上焼鈍を行って強度調整をする必要が
ある。この場合、仕上焼鈍温度は目的とする強度を得る
ためにその都度室められるものであり、ここでは特に制
限しないが、260℃以下の如く低い温度で目的の強度
達成が可能である。 したがって、焼鈍コストの低減を図ることができると共
に、温度公差も従来より広くでき、焼鈍設備も通常の設
備で対処できる効果がある。 一方、Mgの含有量が少ない(1,5〜3.5%)場合
には、冷間圧延で強度調整されるので、仕上焼鈍工程を
省略できる。したがって、製造コストを大幅に低減でき
る効果は大きい。 以上の製造工程により、曲げ加工性、更には繰り返し曲
げ性の向上に寄与する組織が得られる。 すなわち、仕上焼鈍を行う場合も省略する場合も、結晶
粒度は小さいほど曲げ加工性及び繰り返し曲げ加工性に
優れるので、その板表面から観察される結晶粒幅は20
μI以下が好ましい。 また、特に仕上焼鈍を省略する場合には、板表面からみ
た金属間化合物の面積占有率は少ないほど繰り返し曲げ
性に優れるので、その面積占有率は1.5%以下が好ま
しく、望ましくは1.2%以下が良い繰り返し曲げ性を
示す。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例1 第1表に示す化学成分を有するAl合金を常法により溶
解、鋳造し、得られた鋳塊に500℃の温度で3時間保
持する均質化処理を施し、熱間圧延により5IllIl
厚とした。 その後、冷間圧延により0.83mm厚にしてCAL焼
鈍(加熱冷却速度700℃/min、到達温度450℃
、保持時間2秒)を施し、次いで冷間圧延により製品厚
さ0.5+amとした。 更に強度を一定にするために本発明例No1〜Nα4に
は240℃X2hr、比較例Ha 5には250’CX
2hrの仕上焼鈍を実施した。 得られた材料についてのベーキング(200℃X 20
m1n)後の機械的性質1曲げ加工性、繰り返し曲げ性
及び結晶粒幅を第2表に飛す。 なお、バーング処理は、タブ材は塗装後成形されること
を想定して塗装した場合と同じ条件とした。曲げ加工性
は、第1図に示すように、o″方向圧延方向)に、或い
は90°方向に対しての180°密着曲げを実施して1
曲げ部でのクラックの発生程度によりO(優)→O−+
0→Δ(劣)で評価した。繰り返し曲げ性は、第2図に
示すように、IIIIlのRを有する保持具2で材料板
1を保持して20m+i高さに突出させ、90’に曲げ
て戻すサイクルを1サイクルとして破断回数を求めて評
価した。 第2表より明らかなとおり、本発明例Nα1〜Nα4は
いずれもステイオンタブ材としての強度が得られている
と共に、曲げ加工性及び繰り返し曲げ性に優れている。 一方、比較例Nα5は強度は本発明例と同等であるもの
の、曲げ加工性及び繰り返し曲げ性が劣っている。 各側とも結晶粒幅はいずれも20μm以下である。
詳しくは、曲げ性及び繰り返し曲げ性に優れた低コスト
のステイオンタブ付エンド用タブ材並びにその製造方法
に関するものである。 (従来の技術) 現在、ビール缶、炭酸飲料缶等々の飲料缶の開口方法に
は1缶切りなどの器具を使わずに手で容易に開缶できる
イージーオープンエンドが用いられている。このイージ
ーオープンエンドとしては開口時に缶体からタブが離れ
るパーシャルオープンエンド及びフルオープンエンドと
、開口時に缶体からタブが離れないステイオンタブ付エ
ンド及びブツシュオンタブエンドとがある。 従来、後者のステイオンタブ付エンドは特に欧米にて進
められており、そのためのタブ材にはAA5082、A
A5042等の成分を有するAl金合金用いられており
、鋳塊を均、質化処理及び熱間圧延した後、高冷間圧延
され、その後、仕上焼鈍にて強度を調整する製造方法に
て製造されている。例えば、米国特許節3,502,4
48号明細書に開示されているように、仕上冷延率を8
5%以上と高くする方法である。タブ材はこの工程後に
仕上焼鈍が施される。 (発明が解決しようとする課M) ところで、上記の如く欧米にて進められている従来のス
テイオンタブ材は、国内で主に製造されているパーシャ
ルオープンエンド用タブ材に比べて低強度であるため、
板厚が厚く、コスト高の問題がある。 また、このステイオンタブ材は比較的Mgの添加量が多
く、高冷間圧延されるため、仕上焼鈍による強度調整が
必須である。しかし、仕上焼鈍は比較的高温(280℃
程度)で行われるため、圧延油の焼付を防止する目的で
通常脱脂処理が施され、更には仕上焼鈍温度の範囲が狭
く、また焼鈍温度の精度が重要となるために焼鈍設備も
精度の良いものが必要となる等、国内のパーシャルオー
プンエンド用タブ材に比べて製造コストが高くなるとい
う問題がある。 このように、従来のステイオンタブ材は、国内のパーシ
ャルオープンエンド用タブ材に比べて素材コストが高く
なる。このことは、缶公害の点ではステイオンタブ付エ
ンドの方が有利なものの、国内で採用されない要因の1
つとなっている。 一方、近年、ステイオンタブの薄肉化に伴い、比較的強
度が高いことがステイオンタブ材として重要な特性の1
つとなってきた。しかし、従来の製造方法では、高冷間
圧延を要するため、結晶粒が庸平伸長粒となり、圧延方
向に対するOo、45°、00°方向の曲げ加工性並び
に繰り返し曲げ性の特性に異方性が生じるという問題が
ある。 特に圧延方向に対し0°に曲げ及び繰り返し曲げ変形を
受けた場合、割れが生じ易い。 すなわち、ステイオンタブはエンドとリベット加工で結
合され、タブを引き上げることによりエンドのスコア一
部が裂かれて缶内に押し下げられるが、この時、タブは
曲げ変形を受ける。特に裂かれた部分を押し下げる場合
、タブを繰り返し上下させて行われる場合があり、この
時にタブは繰り返し曲げ変形を受け、割れが生じてタブ
が取れてしまう場合がある。これを防止するには繰り返
し曲げ性を向上することが必要である。 この点、従来は繰り返し曲げ性については特に配慮され
ておらず、キャンボディ材、キャンエンド材、キャンタ
ブ材として単に曲げ加工性(180°密着曲げ)が評価
されているだけである。 本発明は、かへる状況のもとでなされたものであって、
特に繰り返し曲げ性に優れ、また高強度で曲げ加工性も
優れたステイオンタブ用Al合金板を比較的低コストで
得られる技術を提供することを目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者らは、曲げ加工性及
び繰り返し曲げ性を向上させるべく化学成分調整、組織
並びに製造条件等について総合的に研究を重ねた。 その結果、Mgの含有量が従来材レベルの場合とそれよ
りも少ないレベルの場合により、他の成分調整1組織、
製造工程をそ九ぞれ異にする固有の条件に規制するなら
ば、所期の材料特性が得られることが判明した。 すなわち、従来材とほぼ同等のMg量の場合には、結晶
粒が小さいほど曲げ加工性及び繰り返し曲げ性が優れ、
また冷間圧延率が少ないほど等軸に近い結晶粒となり、
前記特性の圧延方向に対する異方性が小さいことを見出
した。そのためには、Mg以外の他の成分調整と共に、
製造条件、特に均質化処理温度及び冷間圧延率を規制す
ることが必要であり、これにより曲げ加工性と繰り返し
曲げ性を向上させることができ、併せて仕上焼鈍温度を
比較的低くでき、温度公差も従来条件と比べて広くでき
、また焼鈍設備も通常の設備で対応できることが判明し
た。 このような知見に基づき、更に観点を変え、従来材の素
材コストが高いことに着目し、製造コストを低下させる
べく鋭意研究を重ねた。 その結果、仕上焼鈍工程を省略することにより製造コス
トの低減が可能であるが、そのためにはM g iを従
来材のレベルよりも少なく適度にコントロールする必要
があり、併せてMg以外の他の成分調整と共に製造条件
、特に冷間圧延率を規制することにより、金属間化合物
の生成が少なく、結晶粒を小さくでき、優れた繰り返し
曲げ性が得られ、ステイオンタブ材としての強度も満足
し得ることが判明した。 すなわち、本発明に係る曲げ加工性及び繰り返し曲げ加
工性に優れたステイオンタブ用Al11合金板は、Mg
:3.5〜5.5%を含み、必要に応じて更にSi≦0
.30%、Fe≦0.40%、Cu≦0゜20%、Mn
≦0.20%、Cr≦0.25%、Zn≦0.15%、
Zr≦0.15%及びTi≦0.20%のうちの1種又
は2種以上を含み、残部がAl及び不可避的不純物から
なり、仕上焼鈍により強度調整されており、圧延板表面
からみた結晶粒幅が20μm以下であることを特徴とす
るものである。 また、その製造方法は、上記化学成分を有するAl合金
の鋳塊を450〜550℃で均質化処理した後、熱間圧
延及び冷間圧延し、更に中間焼鈍後、圧延率20〜55
%で冷間圧延し、その後中間焼鈍することを特徴とする
ものである。 更に、本発明に係る繰り返し曲げ性に優れたステイオン
タブAff合金板は、Mg:1.5〜3.5%、Si:
0.02〜0.10%及びFe:0.05−0.20%
を含み、必要に応じて更にCu≦0.20%。 Mn≦0.20、 Cr≦0.25%、 Zn≦0.3
0%及びTi≦0.20%の1種又は2種以上を含み。 残部がAl及び不可避的不純物からなり、圧延板表面か
らみた金属間化合物の面積率が1.5%以下で、圧延板
費用面からみた結晶粒幅が20μm以下であることを特
徴とするものである。 また、この製造方法は、上記化学成分を有するAl合金
の鋳塊を均質化処理した後、熱間圧延及び冷間圧延を行
い、更に中間焼鈍後、圧延率55〜85%で冷間圧延し
、仕上焼鈍を省略することを特徴とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学成分の限定理由を説明する。 Mg: Mgは強度を付与する重要な元素であり、所定量の添加
により、ステイオンタブ材として使用し得る強度を確保
する必要がある。 すなわち、仕上焼鈍を行う場合には、少なくとも3,5
%以上添加しないとステイオンタブ材としての強度が低
く使用できない、しかし、5.5%を超えて過多に添加
されると強度が高すぎることによる成形加工性の低下を
招くので、好ましくない、したがって、この場合のMg
量は3.5〜5゜5%の範囲とする。 一方、仕上焼鈍を省略する場合には、少なくとも1.5
%以上添加しないとステイオンタブ材としての強度が得
られず、しかし3.5%を超えて過多に添加されると強
度が高すぎることによる成形加工性の低下を招くと共に
仕上焼鈍が必要となるので、避けるべきである。したが
って、この場合のMg量は1.5〜3.5%の範囲とす
る。 Fc: Feの添加は結晶粒微細化に大きな効果を示し。 その添加量が多いほど微細化される6しかし、過多に添
加されると結晶粒微細化には有効なものの、金属間化合
物の数が多くなって繰り返し曲げ性の低下を招くので好
ましくない。但し、このような効果のために許容し得る
上限は仕上焼鈍工程の有無により異なり、仕上焼鈍を行
う場合には0.40%以下、仕上焼鈍なしの場合には0
.20%以下に規制する。なお、いずれの場合も、0.
05%以下ではその効果が殆どなく、更には高純度のA
l地金が必要となるので、0.05%以上が望ましい。 Si: Siの添加はFeと同様、結晶粒微細化、強度向上に効
果を示す。しかし過多に添加されると金属間化合物、特
にMgzsiが多く生成され、繰り返し曲げ性の低下を
招くので好ましくない。但し、このような効果のために
許容し得る条件は仕上焼鈍の有無により異なり、仕上焼
鈍を行う場合には0.30%以下、仕上焼鈍なしの場合
には0.10%以下に規制する。なお、いずれの場合も
、0゜02%以下ではその効果が少なく、更には高純度
地金が必要となるので、0.02%以上が望ましし)。 Cu : Cu添加は強度向上に効果を示す。しかし、0゜20%
を超えて過多に添加されると強度が高すぎることによる
成形加工性の低下及び耐食性が劣化する。したがって、
Cu量は0.20%以下とする。 Mn、Cr: Mn、Crの添加は強度向上及び結晶粒微細化に大きな
効果を示す。しかし、Mnが0.20%を超え、Crが
0.25%を超えて過多に添加されると巨大晶出物生成
及び晶出物の数が多くなり、曲げ性の低下を招くため、
好ましくない。したがって、M n Jtは0.20%
以下、Cr量は0.25%以下とする。 Zn: Znの添加は曲げ加工性、張り出し性等の成形性を向上
させる効果がある。これは、圧延板表面からみた(Mn
Fe) A Q 、の金属間化合物の晶出物を小さく
する効果があるためである。しかし、過多に添加される
と耐食性の低下を招くので好ましくない。したがって、
Zn量は0.30%以下とする。 Ti、Zr: Ti、Zrはそれぞれ組織を安定化させるための有効な
元素であるものの、その添加量が多いと巨大化合物を生
成し1曲げ加工性を低下させるので、Ti量は0.20
%以下、Zr量は0.15%以下とする。 なお、本発明においては、Mgの含有は必須であるが、
上記の他の元素は仕上焼鈍の有無により必須又は任意添
加元素とするものである。 すなわち、仕上焼鈍を行って曲げ加工性と繰り返し曲げ
性をともに向上させる場合には、上記の他の元素のSi
、 Fe、 Cu、Mn、 Cr、 Zn、 Zr及び
Tiのうちの少なくとも1種を必要に応じて添加するこ
とができる。 また、仕上焼鈍を省略して繰り返し曲げ性を向上させる
場合には、上記の他の元素のうち、Si及びFeを必須
添加元素とするが、その他のCu。 Mn、Cr、Zn及びTiのうちの少なくとも1種を必
要に応じて添加することができる。 次に、本発明の製造方法について説明する。 上記の化学成分を有するA1合金は、常法により溶解、
鋳造し、得られた鋳塊に均質化処理を施した後、熱間圧
延する。これらの条件は特に制限されない。但し、仕上
焼鈍を行う場合には、均質化処理は450〜550℃の
温度で行う必要がある。これは、加熱温度が450℃未
満では均質化が不充分であると共に熱間圧延時に耳割れ
が発生する原因となり、また550T:を超えるとバー
ニングを発生し、表面状況を劣化させるので好ましくな
いためである。 更に、冷間圧延後、中間焼鈍を行う。ここで中間焼鈍条
件は特に制限しないが、完全再結晶にあることが必須で
あり、結晶粒の観点からすれば連続焼鈍(CAL)の使
用が好ましい。CAL条件としては加熱、冷却速度を1
00℃/分以上とし、到達温度380〜550℃で、保
持時間は10分以内が良い。 中間焼鈍後の冷間圧延率は、強度、結晶粒及び曲げ加工
性或いは繰り返し曲げ性に影響するので。 仕上焼鈍の有無に対応してコントロールする必要がある
。 すなわち、仕上焼鈍を行う場合には、仕上焼鈍により強
度調整するが、冷間圧延圧延率が20%未満では曲げ加
工性及び繰り返し曲げ性は優れるものの、必要な強度が
得られず、また強度の向上のためには冷間圧延率の増大
が必要なものの、55%を超えると圧延直後の強度が高
くなるため、その後の仕上焼鈍温度が高くなり、更には
結晶粒が膚平伸長粒となるため、曲げ加工性、繰り返し
曲げ性の異方性が大きくなるので、好ましくない。 したがって、冷間圧延率は20〜55%の範囲とする。 一方、仕上焼鈍を省略する場合には、冷間圧延率により
強度調整するが、冷間圧延率が55%未満では曲げ加工
性及び繰り返し曲げ性は優れるものの、必要な強度が得
られず、また強度の向上のためには冷間圧延率の増大が
必要なものの、85%を超えると圧延直後の強度が高く
なるため、その後に仕上焼鈍を必要とすることとなり、
コスト高となり、更には結晶粒が篇平伸長粒となるので
好ましくない。したがって、冷間圧延率は55〜85%
の範囲とする。 この冷間圧延後、Mgの含有量が多い(3,5〜5.5
%)場合には、仕上焼鈍を行って強度調整をする必要が
ある。この場合、仕上焼鈍温度は目的とする強度を得る
ためにその都度室められるものであり、ここでは特に制
限しないが、260℃以下の如く低い温度で目的の強度
達成が可能である。 したがって、焼鈍コストの低減を図ることができると共
に、温度公差も従来より広くでき、焼鈍設備も通常の設
備で対処できる効果がある。 一方、Mgの含有量が少ない(1,5〜3.5%)場合
には、冷間圧延で強度調整されるので、仕上焼鈍工程を
省略できる。したがって、製造コストを大幅に低減でき
る効果は大きい。 以上の製造工程により、曲げ加工性、更には繰り返し曲
げ性の向上に寄与する組織が得られる。 すなわち、仕上焼鈍を行う場合も省略する場合も、結晶
粒度は小さいほど曲げ加工性及び繰り返し曲げ加工性に
優れるので、その板表面から観察される結晶粒幅は20
μI以下が好ましい。 また、特に仕上焼鈍を省略する場合には、板表面からみ
た金属間化合物の面積占有率は少ないほど繰り返し曲げ
性に優れるので、その面積占有率は1.5%以下が好ま
しく、望ましくは1.2%以下が良い繰り返し曲げ性を
示す。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例1 第1表に示す化学成分を有するAl合金を常法により溶
解、鋳造し、得られた鋳塊に500℃の温度で3時間保
持する均質化処理を施し、熱間圧延により5IllIl
厚とした。 その後、冷間圧延により0.83mm厚にしてCAL焼
鈍(加熱冷却速度700℃/min、到達温度450℃
、保持時間2秒)を施し、次いで冷間圧延により製品厚
さ0.5+amとした。 更に強度を一定にするために本発明例No1〜Nα4に
は240℃X2hr、比較例Ha 5には250’CX
2hrの仕上焼鈍を実施した。 得られた材料についてのベーキング(200℃X 20
m1n)後の機械的性質1曲げ加工性、繰り返し曲げ性
及び結晶粒幅を第2表に飛す。 なお、バーング処理は、タブ材は塗装後成形されること
を想定して塗装した場合と同じ条件とした。曲げ加工性
は、第1図に示すように、o″方向圧延方向)に、或い
は90°方向に対しての180°密着曲げを実施して1
曲げ部でのクラックの発生程度によりO(優)→O−+
0→Δ(劣)で評価した。繰り返し曲げ性は、第2図に
示すように、IIIIlのRを有する保持具2で材料板
1を保持して20m+i高さに突出させ、90’に曲げ
て戻すサイクルを1サイクルとして破断回数を求めて評
価した。 第2表より明らかなとおり、本発明例Nα1〜Nα4は
いずれもステイオンタブ材としての強度が得られている
と共に、曲げ加工性及び繰り返し曲げ性に優れている。 一方、比較例Nα5は強度は本発明例と同等であるもの
の、曲げ加工性及び繰り返し曲げ性が劣っている。 各側とも結晶粒幅はいずれも20μm以下である。
【以下余白1
犬】n14
第1表に示したNα1の化学成分を有するAl金合金つ
き、実施例1の場合と同様にして熱間圧延板(板厚5m
m)を製造し、これを冷間圧延によりそれぞれ0.59
+na+(比較例A)、1.25mm(比較例B)の板
厚とし、次いでCAL焼鈍(実施例1と同じ条件)を施
し、その後冷間圧延により製品厚さQ、5mn+とした
。 また、第1表に示したNα1の化学成分を有するAα合
金につき、実施例1の場合と同様の均質化処理を施し、
熱間圧延により3mm厚さとし、その後製品厚さQ 、
5111mまで直通冷間圧延した(比較例C)。 更に、上記比較例B−C,に対し1強度を一定とするた
めに比較例Bには250℃X2hr、比較例Cには26
0℃X2hrの仕上焼鈍を実施した。なお、比較例Aに
対しては仕上焼鈍は実施しなかった。 得られた材料についてのベーキング(200℃X 20
m1n)後の機械的性質、曲げ加工性、繰り返し曲げ性
及び結晶粒幅を、実施例1における本発明例Nα1と対
比し、第3表に示す。なお、各特性の評価方法及び基準
は実施例1の場合と同様である。 第3表より明らかなとおり、比較例Aは曲げ加工性と繰
り返し曲げ性に優れているものの、仕上焼鈍を実施しな
いため、ステイオンタブ材としての強度が得られず、タ
ブ抜は等の問題を生じ、実用上問題がある。比較例B及
びCはステイオンタブ材としての強度は得られているも
のの1曲げ加工性と繰り返し曲げ性ともに劣っている。 特に冷間圧延率が83%と高い従来製造条件の比較例C
は結晶粒幅が大きく、曲げ加工性並びに繰り返し曲げ性
が最も劣っている。 一方、本発明例Nα1は実施例1で考察したように、所
定の強度が得られ、曲げ加工性、繰り返し曲げ性のいず
れも優れている。 [以下余白] ヌJ1生y 第4表に示すh1〜Nα3の化学成分を有するAl金合
金鋳塊に均質化としてとして500℃の温度で3時間保
持した後、熱間圧延にて5mm厚とした。 その後、冷間圧延にて1.67mm厚としてCAL焼鈍
(加熱冷却速度700℃/min、到達温度450℃、
保持時間2秒)を施し、その後冷間圧延にて製品厚さ0
.5mmとした。 一方、第1表に示すN(14は、上記方法にて製造した
熱間圧延板を冷間圧延にて3 、3 mm厚とし、同様
のCAL焼鈍を施した後、冷間圧延にて製品厚さ0.5
II+1とした。その後、265℃で2時間の仕上焼鈍
を施した。 得られた各材料についてのベーキング(200’CX
20 m1n)後の機械的性質、繰り返し曲げ性、金属
間化合物の面積占有率及び結晶粒幅を第5表に示す、な
お、各特性の評価方法及び基準は実施例1の場合と同様
である。 第5表より、本発明例のNα2は仕上焼鈍を行わない例
であり、従来材Nα4と同等の性能を有している。しか
し、比較材のNα1は、仕上焼鈍を行わない例であるが
、金属間化合物の面積占有率は少ないものの、結晶粒幅
が大きく、繰り返し曲げ性に劣っている。一方、比較材
&3は同様に仕上焼鈍を行わない例であるが、結晶粒幅
は小さいものの、金属間化合物の面積占有率が大きく、
繰り返し曲げ性に劣る。なお、Nα4の従来材は繰り返
し曲げ性が優れているものの仕上焼鈍を必要とする。
き、実施例1の場合と同様にして熱間圧延板(板厚5m
m)を製造し、これを冷間圧延によりそれぞれ0.59
+na+(比較例A)、1.25mm(比較例B)の板
厚とし、次いでCAL焼鈍(実施例1と同じ条件)を施
し、その後冷間圧延により製品厚さQ、5mn+とした
。 また、第1表に示したNα1の化学成分を有するAα合
金につき、実施例1の場合と同様の均質化処理を施し、
熱間圧延により3mm厚さとし、その後製品厚さQ 、
5111mまで直通冷間圧延した(比較例C)。 更に、上記比較例B−C,に対し1強度を一定とするた
めに比較例Bには250℃X2hr、比較例Cには26
0℃X2hrの仕上焼鈍を実施した。なお、比較例Aに
対しては仕上焼鈍は実施しなかった。 得られた材料についてのベーキング(200℃X 20
m1n)後の機械的性質、曲げ加工性、繰り返し曲げ性
及び結晶粒幅を、実施例1における本発明例Nα1と対
比し、第3表に示す。なお、各特性の評価方法及び基準
は実施例1の場合と同様である。 第3表より明らかなとおり、比較例Aは曲げ加工性と繰
り返し曲げ性に優れているものの、仕上焼鈍を実施しな
いため、ステイオンタブ材としての強度が得られず、タ
ブ抜は等の問題を生じ、実用上問題がある。比較例B及
びCはステイオンタブ材としての強度は得られているも
のの1曲げ加工性と繰り返し曲げ性ともに劣っている。 特に冷間圧延率が83%と高い従来製造条件の比較例C
は結晶粒幅が大きく、曲げ加工性並びに繰り返し曲げ性
が最も劣っている。 一方、本発明例Nα1は実施例1で考察したように、所
定の強度が得られ、曲げ加工性、繰り返し曲げ性のいず
れも優れている。 [以下余白] ヌJ1生y 第4表に示すh1〜Nα3の化学成分を有するAl金合
金鋳塊に均質化としてとして500℃の温度で3時間保
持した後、熱間圧延にて5mm厚とした。 その後、冷間圧延にて1.67mm厚としてCAL焼鈍
(加熱冷却速度700℃/min、到達温度450℃、
保持時間2秒)を施し、その後冷間圧延にて製品厚さ0
.5mmとした。 一方、第1表に示すN(14は、上記方法にて製造した
熱間圧延板を冷間圧延にて3 、3 mm厚とし、同様
のCAL焼鈍を施した後、冷間圧延にて製品厚さ0.5
II+1とした。その後、265℃で2時間の仕上焼鈍
を施した。 得られた各材料についてのベーキング(200’CX
20 m1n)後の機械的性質、繰り返し曲げ性、金属
間化合物の面積占有率及び結晶粒幅を第5表に示す、な
お、各特性の評価方法及び基準は実施例1の場合と同様
である。 第5表より、本発明例のNα2は仕上焼鈍を行わない例
であり、従来材Nα4と同等の性能を有している。しか
し、比較材のNα1は、仕上焼鈍を行わない例であるが
、金属間化合物の面積占有率は少ないものの、結晶粒幅
が大きく、繰り返し曲げ性に劣っている。一方、比較材
&3は同様に仕上焼鈍を行わない例であるが、結晶粒幅
は小さいものの、金属間化合物の面積占有率が大きく、
繰り返し曲げ性に劣る。なお、Nα4の従来材は繰り返
し曲げ性が優れているものの仕上焼鈍を必要とする。
ス】1生先
実施例3の第4表に示したNα2の化学成分を有するA
l金合金ついて実施例3と同様にして得た熱間圧延板を
冷間圧延にて0.91mm(比較例A)、3.8mm(
比較例B)の板厚とし、CAL焼鈍(実施例3と同じ条
件)を施した後、冷間圧延にて製品厚さQ 、 5 r
trmとした。 得られた各材料のベーキング(2oO℃X20w1n)
後の機械的性質、繰り返し曲げ性及び結晶粒幅を、実施
例3の本発明例Nα2と対比し、第3表に示す。 第3表より、比較例Aは繰り返し曲げ性に優れているも
のの、ステイオンタブ材としての強度が得られておらず
、タブ抜は等の問題を生じ、実用上問題がある。比較例
Bは強度が高すぎることによる繰り返し曲げ性の低下を
生じ、実用できない。 一方、本発明例気2は実施例3で考察したように。 強度が得られ、繰り返し曲げ性が優れている。 【以下余白1 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、ビール缶、炭酸
飲料缶等のステイオンタブ材おいて、曲げ加工性及び繰
り返し曲げ性を向上可能にするものであるので、現有材
において問題とされている曲げ加工及び繰り返し曲げ時
の割れ発生を極力少なくシ、更には高強度薄肉化に対し
ても充分対応でき、安定性、コストの製造面でも優れて
いる。 更には、Mg量を少なくした場合には、現有材において
コスト高の要因となる仕上焼鈍を省略できるので、低コ
スト化が可能となり、なおかつ繰り返し曲げ性が現有材
と同等以上の性能を有する材料を提供することができる
。
l金合金ついて実施例3と同様にして得た熱間圧延板を
冷間圧延にて0.91mm(比較例A)、3.8mm(
比較例B)の板厚とし、CAL焼鈍(実施例3と同じ条
件)を施した後、冷間圧延にて製品厚さQ 、 5 r
trmとした。 得られた各材料のベーキング(2oO℃X20w1n)
後の機械的性質、繰り返し曲げ性及び結晶粒幅を、実施
例3の本発明例Nα2と対比し、第3表に示す。 第3表より、比較例Aは繰り返し曲げ性に優れているも
のの、ステイオンタブ材としての強度が得られておらず
、タブ抜は等の問題を生じ、実用上問題がある。比較例
Bは強度が高すぎることによる繰り返し曲げ性の低下を
生じ、実用できない。 一方、本発明例気2は実施例3で考察したように。 強度が得られ、繰り返し曲げ性が優れている。 【以下余白1 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、ビール缶、炭酸
飲料缶等のステイオンタブ材おいて、曲げ加工性及び繰
り返し曲げ性を向上可能にするものであるので、現有材
において問題とされている曲げ加工及び繰り返し曲げ時
の割れ発生を極力少なくシ、更には高強度薄肉化に対し
ても充分対応でき、安定性、コストの製造面でも優れて
いる。 更には、Mg量を少なくした場合には、現有材において
コスト高の要因となる仕上焼鈍を省略できるので、低コ
スト化が可能となり、なおかつ繰り返し曲げ性が現有材
と同等以上の性能を有する材料を提供することができる
。
第1図(a)、(b)は180°密着曲げによる曲げ加
工性の判定を説明する図で、(a)はO°方向曲げの場
合、(b)は90″方向曲げの場合であり。 第2図は90°繰り返し曲げの要領を説明する図である
。 第1図 (Q) (b) 第2図
工性の判定を説明する図で、(a)はO°方向曲げの場
合、(b)は90″方向曲げの場合であり。 第2図は90°繰り返し曲げの要領を説明する図である
。 第1図 (Q) (b) 第2図
Claims (6)
- (1)重量%で(以下、同じ)、Mg:3.5〜5. 5%を含み、残部がAl及び不可避的不純物からなり、
仕上焼鈍により強度調整されており、圧延板表面からみ
た結晶粒幅が20μm以下であることを特徴とする曲げ
加工性と繰り返し曲げ性に優れたスティオンタブ用Al
合金板。 - (2)前記Al合金が更にSi≦0.30%、Fe≦0
.40%、Cu≦0.20%、Mn≦0.20%、Cr
≦0.25%、Zn≦0.35%、Zr≦0.15%及
びTi≦0.20%のうちの1種又は2種以上を含んで
いるものである請求項1に記載のAl合金板。 - (3)請求項1又は2に記載の化学成分を有するAl合
金の鋳塊を450〜550℃で均質化処理した後、熱間
圧延及び冷間圧延し、更に中間焼鈍後、圧延率20〜5
5%で冷間圧延し、その後仕上焼鈍することを特徴とす
る曲げ加工性と繰り返し曲げ加工性に優れたスティオン
タブ用Al合金板の製造方法。 - (4)Mg:1.5〜3.5%、Si:0.02〜0. 10%及びFe:0.05〜0.20%を含み、残部が
Al及び不可避的不純物からなり、仕上焼鈍を施すこと
なく冷間圧延で強度調整されており、圧延板表面からみ
た金属間化合物の面積率が1.5%以下で、圧延板表面
からみた結晶粒幅が20μm以下であることを特徴とす
る繰り返し曲げ性に優れたスティオンタブ用合金板。 - (5)前記Al合金が更にCu≦0.20%、Mn≦0
.20%、Cr≦0.25%、Zn≦0.30%及びT
i≦0.20%の1種又は2種以上を含んでいるもので
ある請求項4に記載のAl合金板。 - (6)請求項4又は5に記載の化学成分を有するAl合
金の鋳塊を均質化処理した後、熱間圧延及び冷間圧延を
行い、更に中間焼鈍後、圧延率55〜85%で冷間圧延
し、仕上焼鈍を省略することを特徴とする繰り返し曲げ
性に優れたスティオンタブAl合金板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13390288A JPH01301831A (ja) | 1988-05-31 | 1988-05-31 | スティオンタブ用Al合金板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13390288A JPH01301831A (ja) | 1988-05-31 | 1988-05-31 | スティオンタブ用Al合金板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01301831A true JPH01301831A (ja) | 1989-12-06 |
JPH0341539B2 JPH0341539B2 (ja) | 1991-06-24 |
Family
ID=15115772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13390288A Granted JPH01301831A (ja) | 1988-05-31 | 1988-05-31 | スティオンタブ用Al合金板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01301831A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN104046855A (zh) * | 2013-03-15 | 2014-09-17 | 中国钢铁股份有限公司 | 耐弯曲高强度铝镁合金制造方法 |
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