JP3260227B2 - 結晶粒制御により成形性及び焼付硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金板及びその製造方法 - Google Patents

結晶粒制御により成形性及び焼付硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形性及び焼付硬化性に
優れたAl−Mg−Si系合金板及びその製造方法に関
し、特に自動車部品、家庭用電気機器部品、機械部品等
に適している。
【0002】
【従来の技術】自動車部品、家庭用電気機器部品、機械
部品等の軽量化を目的に使用されているAl合金として
は、Al−Mg−Si系合金やAl−Mg系合金などが挙げ
られる。ここで、熱処理型合金であるAl−Mg−Si系
合金は、自動車パネル材としての用途において、塗装ラ
インにおける焼付塗装時の硬化性が注目されている。
【0003】このAl−Mg−Si系合金における従来の
製造工程に関しては、従来、“軽金属”Vol.30、N
o.11、p.609や、特願昭62−267714号な
どで提案されている。
【0004】しかし、従来の製造工程では、Al−Mg−
Si系合金について熱間圧延後に冷間圧延、溶体化熱処
理を行い、その後に焼付塗装処理を施しても、著しい強
度の向上が見られず、また、溶体化熱処理後の従来材
は、結晶粒径が45μm以上と一般的に大きく、かつ、
その変動係数も大きいことにより、Al−Mg系合金に比
べて成形性が悪い。
【0005】ここで、変動係数とは、(結晶粒径の標準
偏差)/(平均結晶粒径)と定義され、変動係数が大きい
と結晶粒径のばらつきが大きく、変動係数が小さいと結
晶粒径のばらつきが小さいことを意味する。
【0006】また、結晶粒径を微細化させるために、熱
間圧延後に溶体化熱処理、水焼入れし、バッチ炉による
中間焼鈍を行う工程もあるが、結晶粒径が微細化されて
も変動係数が大きく、十分な成形性が得られていない。
また、この工程においてバッチ炉による中間焼鈍の代わ
りに連続焼鈍炉による急速冷却を行った工程もあるが、
冷間加工率を制御しておらず、結晶粒径及びその変動係
数は大きくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】Al合金を自動車用部
品、家庭用電気機器部品、機械部品等に使用する際に
は、プレス加工や曲げ加工などが必要である。よって、
それらの成形加工に十分対応できる成形性(伸び、エリ
クセン値等)が必要であり、かつ、加工後の製品として
十分な強度も併せて備えている必要がある。
【0008】しかし、従来のAl−Mg−Si系合金にお
いては、成形性を重視すると強度が不足し、高強度化す
ると成形性が著しく低下するなど、強度と成形性を適度
に併せ持った合金板及びその製造方法が存在しない。上
述のように、Al−Mg−Si系合金において熱間圧延後
に溶体化熱処理、中間焼鈍を行うことにより、結晶粒を
微細化させて成形性を向上させる工程があるが、所定の
冷間加工が必要であり、冷間加工率が不足すると顕著な
微細化が期待できず、たとえ結晶粒径が微細化されて
も、このような工程を用いると、結晶粒径の変動係数は
むしろ大きくなる傾向にある。
【0009】これらのことより、特に自動車部品として
は、CAFE規制により自動車の軽量化が進められる
中、Al合金間使用及びその薄肉化が検討されており、
この要求に対応するためにも、微細結晶粒径を有し、且
つ変動係数が小さく、それにより成形性及び焼付塗装性
に優れたAl−Mg−Si系合金の製造工程を確立する必
要がある。
【0010】本発明は、このような要請に応えるべく、
従来材よりも成形性及び焼付硬化性に優れたAl−Mg−
Si系合金板を提供し、また、その製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者は、Al−Mg−Si系合金において時効硬
化による強度付与と成形性向上策について鋭意研究を重
ねた。
【0012】まず、Al−Mg−Si系合金の強化機構は
次のような時効硬化機構に基づくものである。
【0013】本発明においても、Al−Mg−Si系合金
において、成形性を重視しつつ上記の強化機構により適
度な強度を付与するために、Mg、Siの添加量を規制す
ることにより、β’−Mg2Siの析出による強度向上を
図った。
【0014】一方、成形性を向上させるためには、ま
ず、合金組織の結晶粒を微細化させる添加元素としてM
nを加え、かつ、熱間圧延材に所定の中間熱処理を施す
ことにより、合金中の析出物を微細に均一分散させ、結
晶粒を制御することにより、結晶粒の微細化とその変動
係数の低下を図ることができることを見出した。
【0015】特に、熱間圧延と冷間圧延の間に施す中間
熱処理が重要であって、加熱速度300℃/分にて45
0〜520℃の温度で0〜10秒保持するという熱処理
を施し、その後、45%以上の冷間圧延を行うことによ
り、結晶粒径30μm以下、変動係数0.38以下に制御
することが可能になった。これは従来技術とは全く異な
る知見である。
【0016】そして、この中間熱処理を加えた以下の製
造工程とすることにより、成形性及び焼付塗装性に優れ
たAl−Mg−Si系合金板が製造できることを見出し
た。鋳塊⇒均質化熱処理⇒熱間圧延⇒中間熱処理⇒冷間
圧延(45%以上)⇒溶体化処理⇒急冷⇒最終熱処理
【0017】すなわち、本発明は、必須成分としてM
g:0.3〜1.0%、Si:0.5〜2.0%を含有し、そ
のMg/Si比が1以下であり、更にMn:0.05〜1.
0%、Fe:0.5%以下を含有し、残部がAlと不純物
からなる組成を有し、平均結晶粒径が30μm以下で、
かつ、結晶粒径の変動係数が0.38以下であることを
特徴とする成形性及び焼付硬化性に優れたAl−Mg−S
i系合金板を要旨としている。
【0018】また、その製造方法は、上記の組成を有す
るAl−Mg−Si系合金鋳塊について、バーニング温度
以下の温度で均質化熱処理した後、熱間圧延を行い、そ
の後、熱間圧延材のまま、加熱速度300℃/分以上で
450〜520℃の温度で0〜10秒間保持の中間熱処
理を行い、次に、圧下率45%以上の冷間圧延を行い所
望の板厚にし、最後に溶体化処理として、加熱速度30
0℃/分以上で500〜580℃の温度に急速加熱し、
この温度域に10秒以上保持した後に直ちに急冷し、更
に最終熱処理として50〜120℃の温度に1〜48時
間保持することにより、平均結晶粒径30μm以下、結
晶粒径の変動係数0.38以下を得ることを特徴として
いる。
【0019】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。まず、本
発明における化学成分の限定理由について説明する。
【0020】Mg:Mgはそれ自体の固溶体強化と、Si
と共に析出物β'−Mg2Siを生成することにより、素材
の強度向上に付与するものである。しかし、0.3%未
満では、十分な強度(以下、強度とは、素材(T4)及び
170℃の焼付塗装処理を施した後の強度をいう。)が
得られず、また、1.2%を超えて添加すると、鋳造時
に平衡相Mg2Siが晶出物として成長し、伸びの低下が
見られ、成形性を著しく低下させる。よって、Mg含有
量は0.3〜1.0%の範囲とする。
【0021】Si:SiはMgと共に析出物β'−Mg2Si
を生成し、その析出硬化により強度を向上させる元素で
ある。しかし、0.5%未満では十分な強度が得られ
ず、また、2.0%を超えると平衡相Mg2Siが晶出し、
伸びが低下し、よって、成形性が著しく低下する。した
がって、Si含有量は0.5〜2.0%の範囲とする。
【0022】但し、Mg量とSi量の比(Mg/Si)が1以
下になるように成分を調整する必要がある。Mg/Si比
を1以下とすることにより、焼付塗装処理中に効率的に
β'−Mg2Siが生成され、強度向上が期待でき、また、
素材の経時変化による成形性の低下を抑制することがで
きる。
【0023】Mn:Mnは分散粒子として適正サイズのM
nAl6を析出し、合金組織の結晶粒の粗大化を抑制する
ことにより結晶粒径を微細化させ、これにより、成形性
向上に寄与する元素である。しかし、0.05%未満で
は分散粒子MnAl6の析出が不足することから結晶粒が
微細化されず、成形性の向上が見られない。また、1.
0%を超えて添加すると粗大な晶出物を生成し、成形性
を低下させる。よって、Mnの含有量は0.05〜1.0
%の範囲とする。
【0024】Fe:Feは強度を向上させる効果は小さい
が、含有量が多くなると晶出物の生成が著しく、成形性
を低下させることになる。よって、Feの含有量は0.5
%以下とする。
【0025】不純物はできるだけ少ないことが好まし
い。特に不純物としてのTi、Cu、Cr、Znは以下のよ
うに規制するのが望ましい。
【0026】Ti:Tiは鋳塊の結晶粒を微細化させ、か
つ成形性を向上させる元素であるが、0.1%を超えて
含有すると、粗大な晶出物を生成し、成形性を低下させ
るので、Tiの含有量は0.1%以下とする。
【0027】Cu:Cuは時効析出物θ'−CuAl2により
強度を付与する元素であるが、0.1%を超えて含有す
ると耐食性の低下が著しい。よって、Cuの含有量は0.
1%以下とする。
【0028】Cr、Zr:Cr、Zrは、均質化熱処理時に
生成される析出物により結晶粒を制御できる元素である
が、0.05%を超えて含有すると成形性の低下が著し
い。よって、Cr、Zrの含有量はそれぞれ0.05%以
下とする。
【0029】本発明における結晶粒径に関しては、上記
組成を有する合金において、平均結晶粒径が30μmよ
りも大きくなると、成形性が低下すると共に、成形後に
肌荒れが発生するなどの問題が生じ、かつ、平均結晶粒
径が30μm以下であってもその変動係数が0.38より
も大きいと成形性、特に張出し性が低下する。したがっ
て、平均結晶粒径は30μm以下、変動係数は0.38以
下であることが必要である。
【0030】次に本発明の製造工程について説明する。
【0031】まず、上記組成のAl合金鋳塊にバーニン
グ温度以下の温度で均質化熱処理を施し、直ちに熱間圧
延を行って、鋳塊組織を展伸材組織に加工する。
【0032】その後、熱間圧延材のまま、加熱速度30
0℃/分以上にて450〜520℃の温度に0〜10秒
間保持の中間熱処理を施す。ここで、中間熱処理温度が
450℃より低く、又は450〜520℃の温度でも1
0秒より長い保持の場合は、成形性が所望のレベルに達
せず、逆に熱処理温度が520℃よりも高い場合は、1
0秒以下の保持時間においても成形性が低下する。ま
た、この際の加熱速度が300℃/分よりも遅い場合
は、450〜520℃で0〜10秒間保持の条件を満た
しても、強度、成形性ともに十分な値が得られず、たと
え結晶粒径が微細化されても変動係数が大きくなってし
まう。したがって、中間熱処理条件は、300℃/分以
上の加熱速度にて450〜520℃の温度で0〜10秒
間保持することとする。なお、0〜10秒間保持後の冷
却は水焼入れが望ましい。これは、徐冷を行うと平衡相
のMg2Siが析出してしまい、顕著な焼付硬化性を期待
できないのに対し、水焼入れによる急速冷却を行うこと
によりMg、Siを十分に固溶させて、焼付硬化性を向上
させることができるためである。なお、冷却速度は早い
ほどよいが、水冷以外に強制空冷であっても良い。
【0033】この中間熱処理によって析出物が生成さ
れ、次の冷間圧延中にこれらの析出物の回りに高密度の
転位が生成され微細結晶粒になる。この冷間圧延の際
に、圧下率が45%未満では十分な転位密度が得られ
ず、所望の微細結晶粒組織が得られない。したがって、
冷間圧延は45%以上の圧下率で行う必要がある。
【0034】この冷間圧延後、溶体化処理として300
℃/分以上の加熱速度にて500〜580℃の温度に急
速加熱し、この温度域に10秒以上保持した後、直ちに
急冷し、更に最終熱処理として50〜120℃の温度に
1〜48時間保持する。
【0035】ここで、溶体化処理条件が500℃未満若
しくは500〜580℃で10秒未満の保持の場合は、
冷却後に最終熱処理(50〜120℃×1〜48時間保
持)を行い、更に焼付塗装処理(例、170℃×20分)
を行っても、析出物の生成が不足することにより十分な
強度が得られない。また、溶体化処理温度が580℃を
超える場合には、冷却後に最終熱処理(50〜120℃
×1〜48時間保持)を行い、更に、焼付塗装処理(例、
170℃×20分)を行うことにより高強度が得られる
が、T4状態での成形性が低下する。また、溶体化処理
の際の加熱速度が300℃/分より遅いと、500〜5
80℃で10秒間保持の処理を行っても十分な強度と成
形性が得られず、結晶粒径、変動係数も大きくなる。
【0036】なお、溶体化処理後の冷却は、強制空冷に
より行う。これは、強制空冷により急速冷却を行うこと
により、Mg、Siを十分に固溶させ、焼付塗装温度にて
これが中間相β´−Mg2Siを形成し、焼付硬化性を向
上させるためであり、その冷却過程で次の最終熱処理と
して所定の温度で所要時間保持するのに好都合でもあ
る。なお、強制空冷に代えて、より冷却速度の早い水冷
を用いても良い。
【0037】更に、溶体化処理後の冷却後に行なう最終
熱処理条件が、50℃未満の温度若しくは50〜120
℃の温度であっても保持時間が1時間未満では、焼付塗
装処理を行っても十分な強度が得られず、また、50〜
120℃の温度であっても48時間よりも長く保持する
と、T4状態での成形性が低下する。
【0038】この状態(T4材)において、本発明材の結
晶粒は、平均結晶粒径30μm以下、その変動係数が0.
38以下の特性を満たすので、成形性に優れ、この後に
焼付塗装処理を行うことにより高強度化し、焼付硬化性
に優れた合金板が得られる。
【0039】次に本発明の実施例を示す。
【0040】
【実施例1】表1示す化学成分を有するAl合金つい
て、通常の方法で溶解、鋳造し、得られた鋳塊につい
て、540℃の温度に4時間保持する均質化熱処理を施
した後、熱間圧延を行った。この板を300℃/分の加
熱速度にて500℃で10秒保持し、即水焼入れを行
い、その後、冷間圧延(圧下率88%)を行った。次に中
間熱処理として300℃/分の加熱速度にて530℃に
40秒保持後に強制空冷を行い、最後に50℃の温度に
2時間保持を行った。得られた素材の平均結晶粒径とそ
の変動係数、並びに強度及び成形性を表1に併せて示
す。
【0041】ここで、引張試験はJIS5号試験片を用
い、引張速度5mm/分で行った。またエリクセン試験は
JISB法に準じて行った。更に、平均結晶粒径の測定
は、試料の圧延方向に対して平行断面のエメリーペーパ
ーによる研磨及びバフ研磨後、電解エッチングを施した
サンプルにおいて、面積計量法に基づく画像解析によっ
て行った。変動係数は(結晶粒径の標準偏差)/(平均結
晶粒径)にて求めた。強度と成形性の評価については、
強度は、加工硬化を想定し、2%のストレッチングと焼
付塗装処理を行った試料の、そのT4状態からの耐力の
増分(焼付硬化)が80N/mm2以上のものを○(優)と
し、成形性は、高成形性を目標とし、エリクセン値が
9.9mm以上のものを○(優)とした。
【0042】表1において、本発明例No.1〜4は十分
な強度と成形性が得られており、その平均結晶粒径は3
0μm以下、標準偏差は0.38以下である。一方、比較
例No.5〜11は、強度、成形性のいずれか若しくは両
方とも満足できる特性を示しておらず、平均結晶粒径が
本発明条件を満たしていても、変動係数が本発明範囲外
である。
【0043】
【表1】
【0044】
【実施例2】合金組成としてMg:0.8%、Si:1.0
%(Mg/Si比:0.8)、Mn:0.15%、Fe:0.1
3%を含有し、残部がAlと不純物からなるAl−Mg−
Si系合金(本発明範囲内の組成)を通常の方法で溶解、
鋳造し、得られた鋳塊について、540℃の温度に4時
間保持する均質化熱処理を施した後、熱間圧延を行っ
た。その後、表2に示すように、加熱速度0.6〜30
0℃/分にて400〜600℃の温度に0〜15秒保持
後、即水焼入れし、冷間圧延(圧下率20〜88%)を行
った。次に、480〜600℃の温度に1〜40秒保持
後に強制空冷を施し、最後に30〜150℃の温度に
0.5〜72時間保持した。得られた素材の特性並びに
焼付塗装処理後の強度を表3に示す。
【0045】ここで、引張試験、エリクセン試験、平均
結晶粒径、変動係数の測定は、実施例1と同様な方法で
行った。また、強度と成形性の評価も実施例1と同様な
基準にて行った。
【0046】表3から明らかなように、本発明例No.1
〜4は、平均結晶粒径が30μm以下、その変動係数が
0.38以下に制御されており、これにより成形性に優
れ、かつ、焼付塗装熱処理後に高強度を有し、成形性と
強度を適度に併せ持つ材料であることがわかる。一方、
比較例No.5〜20は、成分組成が本発明範囲内ではあ
るが、平均結晶粒径並びにその変動係数のいずれか若し
くは両方が発明範囲外であり、成形性と強度が共に満足
していない。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
化学成分の調整と共に所定の製造工程で、特に熱間圧延
と冷間圧延の間に中間熱処理を加えて結晶粒制御を行う
ことにより、成形性及び焼付硬化性に優れるAl−Mg−
Si系合金の製造が可能になり、Al合金の自動車部品等
への需要を拡大できる。また、Al合金使用による軽量
化、更には、薄肉化が可能になるので低コスト化などに
大きく寄与し、その実用上の効果は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−43974(JP,A) 特開 平4−318144(JP,A) 特開 平2−122055(JP,A) 特開 平6−272001(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/00 - 21/18 C22F 1/04 - 1/057

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、必須成分として
    Mg:0.3〜1.0%、Si:0.5〜2.0%を含有し、
    そのMg/Si比が1以下であり、更にMn:0.05〜
    1.0%、Fe:0.5%以下を含有し、残部がAlと不純
    物からなる組成を有し、平均結晶粒径が30μm以下
    で、かつ、結晶粒径の変動係数が0.38以下であるこ
    とを特徴とする成形性及び焼付硬化性に優れたAl−Mg
    −Si系合金板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成を有するAl−Mg
    −Si系合金鋳塊について、バーニング温度以下の温度
    で均質化熱処理した後、熱間圧延を行い、その後、熱間
    圧延材のまま、加熱速度300℃/分以上で450〜5
    20℃の温度で0〜10秒間保持の中間熱処理を行い、
    次に、圧下率45%以上の冷間圧延を行い所望の板厚に
    し、最後に溶体化処理として、加熱速度300℃/分以
    上で500〜580℃の温度に急速加熱し、この温度域
    に10秒以上保持した後に直ちに急冷し、更に最終熱処
    理として50〜120℃の温度に1〜48時間保持する
    ことにより、平均結晶粒径30μm以下、結晶粒径の変
    動係数0.38以下を得ることを特徴とする成形性及び
    焼付硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金板の製造方
    法。
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