JPH0319907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、遊技盤の裏側に流出した入賞球を受
け止める球受部を設け、該球受部により受け止め
た入賞球を球処理器の回動により１個宛流下制御
するパチンコ機に関するものである。

〈従来の技術〉 従来のパチンコ機は、遊技盤の裏側を覆うよう
にして集合樋を設けるとともに、該集合樋が集め
た入賞球を受け止める球受部を遊技盤の裏側に配
置し、該球受部の傾斜下端に整流樋を形成し、該
整流樋の傾斜下端に球処理器を傾動可能に軸着し
てなり、打球が入賞した場合には、遊技盤の裏側
に排出された入賞球を球受部により回収して整流
樋内に溜めておき、この入賞球を球処理器の回動
により１個宛流下制御している。集合樋は遊技盤
の裏側に排出された入賞球が流下しやすいように
前後幅を球径の約1.5倍強とし、これに伴い球受
部と整流樋の出口の幅も球径の約1.5倍強程度に
設定することが一般的である。

〈考案が解決しようとする課題〉 近時のパチンコ機にあつては、単位時間当りの
打球発射数が毎分100個と多いことと、遊技中に
特別賞態様（大当り）が発生する打球入賞装置が
比較的長時間に亙つて打球を受け入れ易い状態を
維持することとが相俟つて、短時間の内に多数の
打球を入賞させることが可能であり、整流樋内に
多い時には十数個乃至数十個の入賞球が溜まる場
合がある。整流樋内に多数の入賞球が溜まると、
これら入賞球の流下圧力が球処理器内の入賞球に
そのまま加わり、球処理器が球受室内に受け入れ
た入賞球の自重では傾動動作できなかつたり、或
は円滑に傾動しないトルブルを起こすことがあ
る。

また、遊技盤裏面に当接する整流樋の出口付近
は、遊技盤自体の歪や凹凸等の微妙な影響を受け
易く、整流樋の出口から出た入賞球の球止まりや
その流下方向が安定せず、このため球処理器の球
受室内に円滑に入らないことがある。したがつ
て、球処理器の回動による入賞球の１個宛制御が
円滑に行われないと、賞球排出装置の作動停止や
作動遅延となつてパチンコ機の致命的な欠陥とな
つてしまう。

そこで、入賞球の流下方向が安定するように整
流樋の出口部分を断面ロ字状に形成したり（例え
ば実公昭40−34262号公報）や、整流樋内に整列
した入賞球の中心線と、球処理器が整流樋の出口
に連通した状態において、球受室内に収納した入
賞球との接点をずらせて球処理器の回動を容易に
したもの（例えば実公昭41−5287号公報等）が提
案されている。

しかし、これらの従来のパチンコ機とおなじ構
成では、入賞球が大量に発生した際には球の安定
流下や球圧の軽減が不充分で球処理器に対する抜
本的な対策になつていなかつた。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記に鑑み提案されたもので、遊技盤
９の裏側に装着される裏機構盤２に、上記遊技盤
の裏側に流出した入賞球を受け止める球受部１０
を設け、該球受部の傾斜下端部には一方向に下り
傾斜した入賞球を一段一列に整流する整流樋１１
を形成し、該整流樋の傾斜下端には、内部に入賞
球を一個収納する球受室２３を有し、該球受室を
上記整流樋の出口１１′に連通させた第１状態と
球受室に収納した入賞球の自重により傾動して球
受室側を下降した第２状態とに変換可能な球処理
器１２を臨ませたパチンコ機であつて、上記整流
樋の内壁には上記裏機構盤の球受部内面と遊技盤
裏面との間隔を所定幅に設定している第１ガイド
部２１を当該整流樋の長さ方向に沿つて突出形成
すると共に、該整流樋の出口部分には当該整流樋
が遊技盤裏面に当接する一側面側を規制部材１
７′で覆つて断面ロ字状に形成し、該規制部材に
は上記第１ガイド部と対向状に第２ガイド部２２
を設け、上記両ガイド部の突出幅を調整すること
により入賞球の流下方向を遊技盤から離隔する方
向へ変換させる屈曲部を形成し、上記球処理器
は、球受室や整流樋の出口に連通した第１状態に
おいて、当該球受室内に収納された入賞球と整流
樋内で待機する最先入賞球との接点を、整流樋内
の出口近傍で待機する複数の入賞球の中心を結ん
だ直線の延長線よりも低く位置するように設定し
たものである。

〈作用〉 球受部から整流樋内に流入した入賞球は一段一
列に整流されて流下すると共に、整流樋の出口部
分では、整流樋が遊技盤裏面に当接する一側面側
を覆つた規制部材に設けた第１ガイド部及び整流
樋の壁面に上記第１ガイド部と対向状に設けた第
２ガイド部により屈曲部が形成されているので、
流下方向が遊技盤から離隔する方向に誘導され
て、最先の入賞球が第１状態における球処理器の
球受室内に入る。この球受室内に入つた入賞球と
整流樋内で待機する最先入賞球との接点を、整流
樋内の出口近傍で待機する複数の入賞球の中心を
結んだ直線の延長線よりも低く位置するように設
定してあり、また、整流樋の屈曲部により流下す
る入賞球が遊技盤から離隔して配置された球処理
器の球受室に向かつて入賞球が水平方向へも誘導
されるので、遊技中に特別賞態様が発生し、球受
部及び整流樋に大量の入賞球が溜つても、これら
入賞球の流下圧力が効果的に分散されて、球処理
器の傾動時における球同士の接触抵抗が軽減する
と共に、入賞球の列の球圧が軽減される。したが
つて、球処理器は球受部及び整流樋内で多数待機
する入賞球の大きな流下圧力を受けた際にも円滑
に回動して第２状態に迅速に変換できる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面にほとづいて説明
する。パチンコ機１の裏側には、第１図に示すよ
うに、裏機構盤２の上方に賞球用タンク３、該タ
ンク３内の球を一列又は二列に整列しながら導出
する導出樋４、該導出樋４から供給された球を所
定数宛流下させる賞球排出装置５、該賞球排出装
置５が流下した球をパチンコ機１前面の受皿（図
示せず）に排出する賞球排出樋６などを設け、遊
技者の発射した打球が入賞口７，７に入賞して遊
技盤裏面に導かれた場合に受け入れる幅広な集合
樋８を遊技盤９の裏面に設ける。そして、集合樋
８の下開口部の下方には入賞球を受け止める棚状
の球受部１０を僅かに下り傾斜させて形成し、該
球受部１０の傾斜下端には回収した入賞球を一段
一列に整流する整流樋１１を僅かに下り傾斜させ
て形成し、該整流樋１１の傾斜下端には、整流樋
１１から供給される入賞球を１個宛流下制御する
球処理器１２を支軸１３により軸着して位置さ
せ、整流樋１１の下方には球処理器１２が流下制
御した入賞球を賞球排出駆動機構１４の傾動杆１
５の一端に設けた球載置部１６上に案内する案内
樋１７を形成し、傾動杆１５の他端を連動杆１８
や作動杆１９などを介して前記賞球排出装置５の
賞球ケース５′に連結する。

整流樋１１は、集合樋８と球受部１０とによつ
て回収された入賞球を一段一列に整流して球処理
器１２に供給するもので、実施例では内部の途中
に球の流下方向を変更する屈曲部２０を有し、出
口部分は遊技盤９の裏面に当接する一側面側を、
案内樋１７と一体的な板状の規制部材１７′で覆
つて断面ロ字状に形成してある。

第２図乃至第４図に示す屈曲部２０は、整流樋
１１の内部側面の一方に整流樋１１の長さ方向に
沿つて例えばリブ状の第１ガイド部２１を形成
し、該第１ガイド部２１の突出幅を整流樋１１の
出口１１′に向つて次第に小さく形成するととも
に、第１ガイド部２１に対向する位置に規制部材
１７′の一部として設けた第２ガイド部２２の突
出幅を出口１１′に向つて次第に大きく形成する
ことにより構成したもので、入賞球の流下方向を
遊技盤から離隔する斜め横方向に変換することが
できる。この様な屈曲部２０を整流樋１１の内部
に形成すると、第４図に示すように、屈曲部２０
内に入賞球Ｂと入賞球Ｃとが停止し、球処理器１
２の球受室２３内に入賞球Ａが在る場合、球Ｃの
流下圧力は、第２ガイド部２２を押圧する力と、
入賞球Ｂを押圧する力とに分解され、入賞球Ｂの
流下圧力は、第１ガイド部２１を押圧する力と、
入賞球Ａを押圧する力とに分解される。また、入
賞球Ｃが第２ガイド部２２を押圧すると、入賞球
Ｃと第２ガイド部２２との接触摩擦が入賞球Ｃの
転がり抵抗として作用し、入賞球Ｂが第１ガイド
部２１を押圧すると、入賞球Ｂと第１ガイド部２
１との接触摩擦が入賞球Ｂの転がり抵抗として作
用する。したがつて、球処理器１２内の入賞球Ａ
に作用する流下圧力は、整流樋１１内の球流路が
直線状である従来における流下圧力よりも減少す
る。なお、整流樋１１内に多数の入賞球が貯留し
た場合も、上記と同じ理由により、球の流下圧を
屈曲部２０において減少させることができる。

なお、屈曲部２０は、整流樋１１自体の屈曲形
成することにより構成してもよいが、図示の実施
例のように、リブ状のガイド部によつて構成した
方が、例えば合成樹脂で射出成形する場合にも型
抜きを容易に行うことができ、作成し易い。

球処理器１２は、一端の入口１２′から入賞球
を１個だけ収納することができる球受室２３を有
し、内部には仕切壁２４により仕切つた二つの空
隙部２５，２５を有し、両空隙部２５，２５内に
は鋼球２６，２６を各々封入し、長さの途中を支
軸１３により裏機構盤２の窪部２７内に傾動可能
に軸着してある。そして、この球処理器１２は、
第２図実線で示すように、常には入口１２′の下
方に突設したストツパ１２″が整流樋１１の出口
部分に下方から当接して、入口１２′を整流樋１
１の出口１１′に連通する第１状態で停止するよ
うに支軸１３の位置等を設定してある。この第１
状態においては、一端入口１２′側を高く位置さ
せた傾斜状態となるので、各空隙部２５，２５内
の鋼球２６，２６が第３図で示すように各空隙部
２５の傾斜下端に静止し、外部からの振動などに
よつて球処理器１２が傾動しないように付勢す
る。

第１状態において、遊技者の発射した打球が連
続して入賞し、球受部１０を流下して整流樋１１
内に複数個、例えば３個の入賞球Ａ，Ｂ，Ｃが流
入すると、最先の入賞球Ａが球受室２３内に流入
して停止し、他の入賞球Ｂ，Ｃが整流樋１１内の
屈曲部２０で停止する。球受室２３内に入賞球Ａ
が停止すると、該球Ａの自重により球処理器１２
が支軸１３を中心にして球受室２３を下降する方
向に傾動する。

球処理器１２、第６図に示すように、その第１
状態では整流樋１１の下り傾斜角度θ1（例えば約
７度）よりも大きな下り傾斜角度θ2（例えば８乃
至10度位）で停止して、球受室２３内に収納され
た入賞球と整流樋１１内で待機する最先入賞球Ｂ
との接点を、整流樋１１内の出口１１′近傍で待
機する入賞球Ｂ，Ｃの中心を結んだ直線の延長線
よりも低くなるようにストツパ１２″及び支軸１
３等を設定してある。したがつて、第１状態にお
ける球処理器１２においては、入賞球Ｂ，Ｃが入
賞球Ａを押圧しても、球処理器１２の回動時にお
ける球同士の接触抵抗が軽減するとともに、この
流下圧力の一部が入賞球Ａを下降する力として作
用する。このため、球受部１０及び整流樋１１内
に多数の入賞球が待機して、これら入賞球の流下
圧力が球受室２３内の入賞球Ａに作用したとして
も球処理器１２の傾動が妨げられることはなく、
円滑に傾動できる。

球処理器１２が傾動すると、第２図鎖線で示す
ように、球受室２３を案内樋１７に連通した第２
状態で停止し、球受室２３から案内樋１７内に流
入した入賞球Ａが傾動杆１５の球載置部１６上に
載る。なお、球処理器１２が第２状態に変換して
も入口１２′の上縁に形成した球止片２８が整流
樋１１の出口１１′を塞ぐので、整流樋１１内の
入賞球Ｂ，Ｃが流出してしまうことはない。ま
た、球処理器１２が第２状態に変換すると入口１
２′側が低くなるので、鋼球２６，２６が空隙部
２５，２５内の入口１２′側端部に移動し、振動
などによつて球処理器１２が戻り傾動しないよう
に付勢する。

入賞球Ａが案内樋１７内を流下して球載置部１
６上に載ると、該入賞球Ａの自重により傾動杆１
５が軸１５′を中心にして球載置部１６を下降す
る方向に傾動する。このようにして傾動杆１５が
傾動すると、連動杆１８が上昇して作動杆１９を
回動し、該作動杆１９が賞状ケース５′を傾動し
て該賞状ケース５′内の球は賞球排出樋６内に流
出される。賞球排出樋６内に流出された球は、流
下途中で踏板ダンパ２９を押圧することにより球
処理器１２を第１状態に復元して整流樋１１に連
通させ、その後パチンコ機前面の受皿（図示せ
ず）に賞球として排出される。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案においては、整流樋
の内壁に裏機構盤の球受部内面と遊技盤裏面との
間隔を所定幅に設定している第１ガイド部を当該
整流樋の長さ方向に沿つて突出形成すると共に、
該整流樋の出口部分には当該整流樋が遊技盤裏面
に当接する一側面側を規制部材で覆つて断面ロ字
状に形成し、該規制部材には上記第１ガイド部と
対向状に第２ガイド部を設け、上記両ガイド部の
突出幅を調整することにより入賞球の流下方向を
遊技盤から離隔する方向へ変換させる屈曲部を形
成しているので、球受部を連続して流下してきた
多数の入賞球は整流樋の出口部分において、遊技
盤から離隔する方向に誘導されながら球圧が水平
方向へ分散されて、最先の入賞球の球圧が著しく
軽減されるばかりでなく、出口部分の断面形状が
ロ字状に形成されているので、特に約半年毎に新
型の遊技盤を入れ替えするパチンコ機にあつて
は、遊技盤自体の歪や遊技盤裏面の凹凸等によつ
て起こる球止まりや流下方向のバラツキが解消さ
れる。したがつて、整流樋内を流下した入賞球は
球処理器の球受室内に円滑に入り込むことができ
る。

また、本考案は球受室内に収納された入賞球と
整流樋内で待機する最先入賞球との接点を、整流
樋内の出口近傍で待機する複数の入賞球の中心を
結んだ直線の延長線よりも低く位置するようにし
てあるので、球処理器の傾動時における球同士の
接触抵抗が軽減するとともに、整流樋内で待機し
た入賞球の流下圧力が球処理器の球受室内の入賞
球に掛つてきても、この流下圧力の一部が球受室
内の入賞球を下降する力として作用する。したが
つて、本考案は、短時間内に多数の入賞球が発生
して球受部及び整流樋内に多数の入賞球が溜まつ
た際にも、これら入賞球の流下圧力により球処理
器の傾動が妨げられることがなく、発生する入賞
球の多少に拘らず円滑に傾動して、賞球排出装置
の作動停止及び作動遅延を未然に防止できる。

この様に、本考案によれば、整流樋の出口部分
の断面形状、入賞球の誘導方向、入賞室に収納さ
れた入賞球と整流樋内で待機する最先の入賞球と
の接点位置の設定等が相乗的に作用することによ
り、整流樋内の最先の入賞球が球処理器の球受室
内に迅速に入り易く、しかも整流樋内で待機する
入賞球の流下圧力を効果的に分散せしめて球処理
器の傾動抵抗として作用することがなく、円滑な
傾動動作が得られて故障がなく効率の良い迅速な
入賞球の流下制御が可能なパチンコ機を提供する
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
パチンコ機の背面図、第２図は整流樋の正面図、
第３図は整流樋の要部の断面図、第４図は屈曲部
の平面図、第５図は屈曲部を成形した整流樋の断
面図、第６図は球処理器の入口と整流樋の出口と
の位置関係を示す一部欠截概略断面図である。 図中、１はパチンコ機、２は裏機構盤、９は遊
技盤、１０は球受部、１１は整流樋、１１′は整
流樋の出口、１２は球処理器、１７′は規制部材、
２１は第１ガイド部、２３は球受室である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 遊技盤の裏側に装着される裏機構盤に、上記遊
   技盤の裏側に流出した入賞球を受け止める球受部
   を設け、該球受部の傾斜下端部には一方向に下り
   傾斜した入賞球を一段一列に整流する整流樋を形
   成し、該整流樋の傾斜下端には、内部に入賞球を
   一個収納する球受室を有し、該球受室を上記整流
   樋の出口に連通させた第１状態と球受室に収納し
   た入賞球の自重により傾動して球受室側を下降し
   た第２状態とに変換可能な球処理器を臨ませたパ
   チンコ機であつて、 上記整流樋の内壁には上記裏機構盤の球受部内
   面と遊技盤裏面との間隔を所定幅に設定している
   第１ガイド部を当該整流樋の長さ方向に沿つて突
   出形成すると共に、該整流樋の出口部分には当該
   整流樋が遊技盤裏面に当接する一側面側を規制部
   材で覆つて断面ロ字状に形成し、該規制部材には
   上記第１ガイド部と対向状に第２ガイド部を設
   け、上記両ガイド部の突出幅を調整することによ
   り入賞球の流下方向を遊技盤から離隔する方向へ
   変換させる屈曲部を形成し、上記球処理器は、球
   受室が整流樋の出口に連通した第１状態におい
   て、当該球受室内に収納された入賞球と整流樋内
   で待機する最先入賞球との接点を、整流樋内の出
   口近傍で待機する複数の入賞球の中心を結んだ直
   線の延長線よりも低く位置するように設定したこ
   とを特徴とするパチンコ機。