JPH03189480A - リップシール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、軸に摺接される第１リップシールと第２リッ
プシールとを備えたリップシール装置に関する。

「従来の技術」 従来、リップシール装置として、円筒状のケースと、外
周部が上記ケースに固定されるとともに、内周部が密封
流体側に湾曲されて上記ケースを貫通する軸の外周面に
摺接された第１リップシールと、この第１リップシール
の密封流体側とは反対側に配置され、外周部が上記ケー
スに固定されるとともに、内周部が密封流体側に湾曲さ
れて上記軸の外周面に摺接された第２リップシールと、
さらに上記第１リップシールの形状を所要形状に規制す
るバックアップリングとを備えたものが知られている（
実開昭６２−１８３１６８号公報）。

ところで上記バックアップリングを設けない場合には、
上記第１リップシールが密封流体圧力を受けた際に、該
第１リップシールがその密封流体圧力により変形されて
該第１リップシールよりも外側の第２リップシールに当
接し、この第２リップシールのシール部を強（軸の外周
面に密着させるようになる。すると、そのシール部は密
封流体側の第１リップシールのシール部よりも外側に位
置しているので略ドライ条件下での摺動となり、したが
って第２リップシールのシール部が強く軸の外周面に密
着されるとそのシール部が急激に摩耗されるようになる
。

これに対し、上記第１リップシールの形状を所要形状に
規制するバックアップリングを設けると、このバックア
ップリングが密封流体圧力による第１リップシールの変
形を規制するので、該第１リップシールが第２リップシ
ールのシール部を強（軸の外周面に密着させるのを防止
することができ、それによって第２リップシールのシー
ル部の摩耗を防止することができる。

「発明が解決しようとする課題」 しかしながら従来のバックアップリングは、該バックア
ップリングの軸心とリップシール装置のケースの軸心と
が一致するように、そのケースに実質的に固定して設け
られていた。その結果、軸の軸心とケースの軸心とにず
れがあると、シール洩れを起こす危険性があった。

すなわち、軸の軸心とケースの軸心とにずれがあること
は、このケースに固定されたバックアップリング、従っ
てこのバックアップリングによって所要形状に規制され
た第１リップシールと軸との間に芯ずれがあることを意
味しており、第１ノツプシールと軸との間に芯ずれがあ
ると、この第１リップシールは上記バックアップリング
によって所要形状に規制されているので自由な変形がで
きず、該第１リップシールのシール部が軸の外周面に均
等に密着することが困難となる。

またバックアップリングの内側となる第２リップシール
のシール部も、上記バックアップリングと軸との芯ずれ
によりバックアップリングと軸とによって局部的に挟持
されるようになり、やはり軸の外周面に均等に密着する
ことが困難となるので、シール洩れを起こす危険性があ
った。

「課題を解決するための手段」 本発明はそのような事情に鑑み、上述したリップシール
装置において、バックアップリングを筒状に形成してこ
れを上記第１リップシールの内周部側に設け、該バック
アップリングの軸心を第１リップシールの弾性によりケ
ースの軸心から偏心可能としたものである。

「作用」 上記構成によれば、上記ケースの軸心に対して軸が偏心
して設けられた場合には、上記バックアップリングは第
１リップシールの弾性によってケースの軸心から偏心す
ることができるので、軸の軸心と一致した位置となるこ
とができ、したがって第１リップシールのシール部と第
２リップシールのシール部とを軸の外周面に均等に密着
させて良好なシール作用を得ることができる。

またこれと同時に、上記第１リップシールの内周部側に
設けたバックアップリングは、密封流体の圧力によって
第１リップシールが第２リップシールのシール部を強く
軸の外周面に密着させるのを防止することができるので
、第２リップシールのシール部の摩耗を防止することが
できる。

「実施例」 以下図示実施例について本発明を説明すると、図におい
て、リップシール装置１は回転軸２の外周面とハウジン
グ３の孔３ａの内周面との間に設けられて、該ハウジン
グ３内に封入された密封流体４がハウジング３の外部に
漏洩するのを防止できるようになっている。

上記リップシール装Ｗ１１は、内周側よりも外周側を肉
厚に成形したゴム製の第１リップシール５と、この第１
リップシール５の外周側に断面り字形の折曲部６ａを埋
設した円筒状のケース６とを備えており、上記第１リッ
プシール５の内周部を密封流体４側に湾曲させて上記ケ
ース６を貫通する回転軸２の外周面に摺接させ、その摺
接面を第１゛シール部５ａとしている。

また、上記第１リップシール５の外周部５ｂはケース６
の外周面を覆うように形成してあり、その外周部５ｂを
上記ハウジング３の孔３ａに圧入することにより外周部
５ｂを孔３ａの内周面に密着させて、その部分のシール
を保持するようにしている。

上記第１リップシール５の密封流体側とは反対側の端面
５ｃには、その左側にＰＴＦＥ等の低摩擦合成樹脂から
なる第２リップシール７と鋼製で環状のスペーサ８．９
とを順次重ね合せ、上記ケース６の左端部を半径方向内
方に折曲げてカシメ部６ｂを形成することにより、該カ
シメ部６ｂと上記端面５ｃとの間で第２リップシール７
およびスペーサ８．９を一体に挟持している。

また、上記第２リップシール７の内周部を密封流体４側
に湾曲させて上記回転軸２の外周面に摺接させ、その摺
接面を第２シール部７ａとしている。

然して、上記第１リップシール５の湾曲部よりも先端の
内周部側に、金属製で筒状のバックアップリングＩＯを
埋設し、第１リップシール５の弾性によってバックアッ
プリングｌＯの軸心がケース６の軸心から偏心すること
ができるようにしている。

上記バックアップリング１０は、ゴム製の第１リップシ
ール５を加硫する際にそれに一体に埋設してあり、その
際のバックアップリング１０の型への位置決めのために
段部１０ａを形成し、かつその型から抜き易くするため
にテーパ面１０ｂを形成している。

上記剛性を有するバックアップリングｌＯの外径および
内径は回転軸２の外径よりも所定寸法だけ大きく設定し
てあり、また本実施例では、バックアップリング１０の
軸方向寸法氾１は、上記第１シール部５ａと第２シール
部７ａとの軸方向間隔Ｉ２２の約半分となるように設定
し、さらにバックアップリングＩＯを第１シール部５ａ
と第２シール部７ａとの中間位１に配設している。

以上の構成によれば、リップシール装置１の回転軸２と
ハウジング３への組付は時に、リップシール装置１のケ
ース６の軸心に対して回転軸２が偏心して設けられた場
合には、上記バックアップリング１０は第１リップシー
ル５の弾性によりケース６の軸心から偏心することがで
きる。したがって、バックアップリングを実質的にケー
スに固定するようにしていた従来のリップシール装置の
ように、バックアップリング１０が、第１リップシール
５の第１シール部５ａおよび第２リップシール７の第２
シール部７ａが回転軸２の外周面に均等に密着するのを
阻害することがなく、それらの均等な密着により良好な
シール作用を得ることができる。

また、第１リップシール５に加わる密封流体４の圧力に
より該第１リップシール５が圧縮変形されて第２リップ
シール７の第２シール部７ａを回転軸２の外周面に強く
密着させるようになるが、この際、第２シール部７ａと
バックアップリングＩＯとの間隔２３を適当な寸法に設
定することにより、第２シール部７ａの回転軸２への密
着力が必要以上に大きくなるのを防止することができ、
その密着力が好適となるように調整して良好なシール作
用を得ることができる。

そしてこの密着力は、上記第２シール部７ａが摩耗して
も得ることができるので、長期間良好なシール作用を確
保することができる。

なお、上記第２シール部７ａとバックアップリングｌＯ
との間には、通常は適度な間隔２３を設けることが望ま
しいが、例えば第１リップシール５が柔軟で上記間隔１
２．３を設けると密着力が大きくなりすぎるような場合
には、バックアップリング１０の左端部で第２シール部
７ａの一部または全部を覆わせるようにしてもよい。

「発明の効果」 以上のように、本発明によれば、バックアップリングに
よって第１リップシールが第２リップシールのシール部
を強く軸の外周面に密着させるのを防止することができ
るので、第２シール部の摩耗を防止することができる。

そして上記バックアップリングは第１リップシールの弾
性によってケースの軸心から偏心することができるので
、ケースの軸心に対して軸が偏心して設けられた場合で
もバックアップリングは軸の軸心と一致した位置となる
ことができ、したがってそれにより第１リップシールの
シール部と第２リップシールのシール部とを軸の外周面
に均等に密着させて良好なシール作用を得ることができ
るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示す断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 円筒状のケースと、外周部が上記ケースに固定されると
   ともに、内周部が密封流体側に湾曲されて上記ケースを
   貫通する軸の外周面に摺接された第１リップシールと、
   この第１リップシールの密封流体側とは反対側に配置さ
   れ、外周部が上記ケースに固定されるとともに、内周部
   が密封流体側に湾曲されて上記軸の外周面に摺接された
   第２リップシールと、さらに上記第１リップシールの形
   状を所要形状に規制するバックアップリングとを備えた
   リップシール装置において、 上記バックアップリングを筒状に形成してこれを上記第
   １リップシールの内周部側に設け、該バックアップリン
   グの軸心を第１リップシールの弾性によりケースの軸心
   から偏心可能としたことを特徴とするリップシール装置
   。