JPS6028844Y2 - 密封装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は密封装置に関し、更に詳しくは、回転時に接触
部の摩擦損失が少なく、しかもシール性に優れた密封装
置に関するものである。

互に嵌合されて相対回転運動を威す二部材の間隙を密封
するための接触摺動する密封装置に於ては、接触部の摩
擦による駆動力の損失を伴う問題点を有する。

近時、省エネルギーに伴ない、この摩擦損失を低減させ
る密封装置が要求されている。

本考案は、摩擦損失を低減させるとともに、密封性を向
上させることを目的として威されたもので、その構成の
要旨は、同心に配置されて相対回転する軸及び穴部の間
隙を密封する密封装置であって、末広がりの截頭円錐形
のゴム状弾性材製のシールリップと、径方向又は軸方向
に伸びる回転環状面とを備え、前記軸又は穴部の回転す
る側の周面に密封的に固着された密封回転部材及び末窄
まりの截頭円錐形状を呈し、前記シールリップの先端内
周面に密接する外周面を有する接触環部と、前記回転環
状面に、微小間隙を保って対向する固定環状面とを備え
、前記軸及び穴部の回転しない側の周面に密封的に固着
された密封固定部材を有し、前記回転環状面及び固定環
状面のいずれか一方又は双方がねじ溝を備え、前記シー
ルリップが、コイル状スプリングを円錐形周面に沿って
一体的に固着されている点である。

前記回転環状面又は固定環状面に設けられるねじ溝は、
両者の間に侵入する流体を侵入逆方向に押返す作用をさ
せるものであるから、ねじ溝の他にも羽根のような凸起
を設けて押返す作用をする形状にしても良い。

又シールリップと一体に固着するコイルスプリングは、
シールリップの内部に包み込んで一体化するのが好まし
いが、周面に嵌合するごとくして接着しても良い。

このように構成された本考案の密封装置は次のような効
果がある。

軸と穴部が停止しているときは、密封回転部材のシール
リップと密封固定部材の接触環との弾性接触により、密
封効果が得られる。

反対に軸と穴部とが相対回転しているときは、密封回転
部材の回転環状面と密封固定部材の固定環状面との微小
間隙に於けるねじ効果により密封性が保たれる。

同時に、シールリップの先端のシール面は、遠心力作用
により径方向に広げられらるので、接触環部とは非接触
状態となる。

従って、回転中は非接触状態で密封効果が得られるから
摩擦損失を少なくすることができる。

以下、本考案の実施例によって詳細に説明する。

第１図の実施例は、ハウジングの穴部２を貫通する軸１
が回転する場合の例で、ノ＼ウジング側に取付けられる
密封固定部材３は、外周面に一体化されたゴム材製に円
筒体により穴部２に密着嵌合する円筒部１９、該円筒部
１９の一端から内方へ伸びる径方向部及び該径方向部の
連接して末窄まりの截頭円錐形状を呈する接触環部６を
有する金属材製の固定支持環１９と、該固定支持環１９
の円筒部１９に内嵌される軸方向部及び該軸方向部の一
端から径方向内方へ伸びて固定環状面８を形成する径方
向部２０よりなる金属材製の固定環１３とより構成され
、回転側の軸１に嵌合固定される密封回転部材４は、内
周に接着されたゴム材製円筒帯により軸１に嵌合固着さ
れる円筒部２１及び該円筒部２１の一端から外方へ伸び
るフランジ部１４を有するスリーブ１６と、該スリーブ
１６の円筒部２１に外嵌される軸方向部１８と、該軸方
向部１８の一端から径方向に広がる径方向部１７とを有
し、径方向部１７の側面には、固定環１３の径方向部２
０に対向して僅かな隙間を保つごとくなして、コム材製
の回転環状面９が形成され、この回転環状面９には、螺
旋状のねじ溝１０が形成され、更に回転環状面９を形成
しているゴム材が、軸方向部１８側に一体的に伸び、続
いて末広がりの截頭円錐形状を呈し、内周面に上記した
接触環部６の周面と弾性接触するシール面７を有するシ
ールリップ５を形成し、シールリップ５の内部には円錐
形状に巻かれたコイルスプリング１１が内蔵されている
。

第２図に示す他の実施例は、軸１が固定されて、軸１に
貫通されるハウジング側が回転する場合の密封装置であ
って、軸１に固定される密封固定部材３は、略コ字状の
断面形状を呈し、外周側に円筒状の固定環状面８を形成
された固定支持環２２と、該固定支持環２２の外方内周
側に嵌着され、他方端部に、末窄まりの截頭円錐形状を
なす接触環状部６を形成されれた金属材製固定環２５と
を有し、ハウジング側に取付けられる密封回転部材４は
、ゴム材製円筒帯を介して穴部２に嵌着される円筒部２
４と、該円筒部２４の一端から内方へ伸びる径方向部と
、該径方向部の内端から伸びる軸方向部とを有し、円筒
部２４の内周側に、外側のゴム材製円筒帯から一体的に
伸びて形成され、上記した固定支持環２２の円筒局面と
の間に微小間隙を保つ回転環状面９が設けられ、この回
転環状面９には、螺旋状のねじ溝１０が、流体の侵入を
逆戻しになるように形成されており、一方、内方に位置
する軸方向部の外側に、ゴム材料をもって製せられ、末
広がりの截頭円錐形状を呈して上記の密封固定部材３側
に形成された接触環状部６の周面に対し弾性接触するシ
ール面７を先端に備えるシールリップ５が形成され、該
シールリップ５の内部には、截頭円錐形状に巻かれたコ
イルスプリング１１が内包されている。

上述のように構成された本考案は以下のような作用効果
を奏する。

回転側に密封嵌着されている密封回転部材４はシールリ
ップ５のシール面７で密封固定部材３の接触環部６の外
周面と密封接触している。

従って、軸１と穴部２が停止しているとぎは、シールリ
ップ５が一体化されているコイルスプリング１１により
、シールリップ５が接触環部６に強く密封接触するため
、密封効果を発揮する。

次に、回転側が回転すると、シールリップ５に一体化さ
れたコイルスプリング１１にも遠心力が働くからシール
リップ５のシール面７は容易に径方向外方に広げられ、
接触環部６と非接触状態となって摺動磨擦損失が小さく
なる。

しかも、回転環状面９と固定環状面８とは微小間隙を保
って対面しており、この対面の一方又は双方に流体をか
き出すねじ溝１０が設けられているから、この微小間隙
を通って流体が侵入することはない。

即ち、回転中に回転環状面９と固定環状面８との間で密
封効果を発揮するわけである。

以上、本考案は密封効果を有すると共に回転中の摩擦損
失を小さくした密封装置を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す密封装置の半断面図、
第２図は本考案の他の実施例を示す密封装置を半断面図
である。 １・・・・・・軸、２・・・・・・穴部、３・・・・・
・密封固定部材、４・・・・・・密封回転部材、５・・
・・・・シールリップ、６・・・・・・接触環部、７・
・・・・・シール面、８・・・・・・固定環状面、９・
・・・・・回転環状面、１０・・・・・・ねじ溝、１１
・・・・・・コイルスプリング、１２・・・・・・固定
支持環、１３・・・・・・固定環、１５・・・・・・回
転環、１６・・・・・・スリブ、２２・・・・・・固定
支持環、２３・・・・・・金属環、２５・・・・・・固
定環。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同心に配置されて相対回転する軸１及び穴部２の間隙を
   密封する密封装置であって、末広がりの截頭円錐形のゴ
   ム状弾性材製のシールリップ５と、径方向又は軸方向に
   伸びる回転環状面９とを備え、前記軸又は穴部の回転す
   る側の周面に密封的に固着された密封回転部材４及び末
   窄まりの截頭円錐形状を呈し、前記シールリップ５の先
   端内周面に密接する外周面を有する接触環部６と、前期
   回転環状面９に、微小間隙を保って対向する回転環状面
   ８とを備え、前期軸及び穴部の回転しない側の周面に密
   封的に固着された密封固定部材３を有腰前記回転環状面
   ９及び回転環状面８のいずれか一方又は双方が、ねじ溝
   １０を備え、前期シールリップが、コイル状スプリング
   １１を円錐形周面に沿って一体的に固着されていること
   を特徴とする密封装置。