JPS5848438Y2 - ちょう型弁のシ−トリング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は鉄鋼、化学その他の各産業分野に用いられる汎
用性のちょう形弁、とくにちょう形弁の弁板側に設けた
シートリングに関する。

（従来技術とその問題点） ちょう形弁において、弁体と弁板との間隙から液体が漏
洩するのを阻止するために、通常シートリングと呼ばれ
る弾性材料からなる環状のリングを、弁板の外周縁（あ
るいは弁体の内周面）に嵌込等の方法で装着する。

しかし、ちょう形弁に前記シートリングを固着すると流
体圧によっては、シール作用が粗害される場合が起きる
。

たとえば偏心型バタフライ弁弁板にシー） １）ングを
装着し大きな流体圧が作用した場合、弁体は通常弁軸方
向を長軸とする楕円形に変形しようとする。

一方弁板の真円度は変化しないため、弁板と弁板間のシ
ール間隙は弁軸軸線方向に大きくなってシールが不十分
となり、弁軸軸線と直角方向の軸線すなわち前記楕円形
の短軸方向については過重な圧縮を与えることになる。

したがってこのような弁体の歪に対して、即時に対応し
て、漏洩を確実に防止するシー１− ＩＪソング要求さ
れていた。

たとえば先行技術として実公昭４７−９５９号公報に示
されたシール部材（シートリング）は皿ばねの弾撥力に
よりシール部材（シートリング）が所定の面圧をもって
ケーシング（弁体）の止水部に接着する考案であるが、
この考案によるとシール部材（シートリング）自体には
確実に止水するだけの弾性を保有せず、別個の部材であ
る皿ばねおよびばね受けと組合せることにより、はじめ
て所定の弾性をシール部材（シートリング）が保有する
ことになる。

したがって、実公昭４７−９５９号公報によっつ確実に
封水の目的を果すためには、シール部材（シートリング
）、皿はねおよびばね受けの相互間に必要な弾撥力を得
るための調整作業に相当な時間を必要とする。

これは、シール部材（シートリング）自体に所定の弾性
を与えないで、皿はねおよびぼけ受けとの組合せにより
、はじめてシール部材としての機能を有することに起因
する。

（技術的課題） そこで本底案はシートリーグ自体に有効な間隙調整機能
を持たせるとともに、より弾性力を高めシー１− ＩＪ
ソング伸縮効果をあげることによってシートリングの間
隙調整機能効果を増大させることを技術的課題とするも
のである。

（技術的手段９ 本考案の技術的手段は弾性材料で形成された、環状のシ
ートリングの両側面同位置に一定間隔で全周にわたって
小穴を列設することであり、この技術的手段は次のよう
に作用する。

環状のシートリングの小穴は両側面の同位置に穿設され
ているため、この部分の肉厚は小穴の内容積分だけ薄く
なり、弁板半径方向にばねと同じ機能を発揮１−、シー
） ＩＪソング周縁部は弁体内局面に均一に圧接する。

もともとシートリング自体は弾性材料で構成されている
のでシー１− ＩＪソング周縁部は弁体内周面に圧接さ
れているが、本考案の小穴を設けることにより、小穴内
部の空間は圧縮されて、状勢されている。

弁体が変形して部分的な間隙が生じると小穴部の状勢が
解除されて、ばね作用が働き、増大された弾性力で瞬時
にシー） ＩＪソング弁体に圧接する。

（本願特有の効果） 本考案は次の特有の効果を生じる。

■）弁の回動トルクが低減する。

第６図の如く、所定量のシートリングの変形に対して、
シートリングよりの反発力が、穴のない従来のシートリ
ングに比して少くなる為、シートリングと弁体間の摩さ
つ力が低下し、弁の回動トルクが低減する。

２）皿はねを組込んだタイプのシートリングに比して、
シー１− ＩＪソング構成する部品点数が少くなる。

３）皿ばね等の金属部品をシートリングに使用しない為
、耐触性がよくなる。

（実施例） 以下本考案の技術的手段の一具体例を示す実施例につい
て説明する。

第１図は、弁体２の周縁にゴム等の弾性材料からなるシ
ートリング４を配設し、この弁板がその閉位置にあると
きに弁体１の内周面に形成した着座面１１に当接してシ
ール作用をおこなうようにした偏心形ちょう形弁の一部
の断面を示すものである。

弁板２は紙面に垂直方向に弁体１に枢着された弁軸によ
って紙面に平行な面内に回動するものとし、第１図は弁
を閉塞したところを示している。

第２図は弁体２の要部をその一部を切截して流動軸方向
端面からみたところを示すもので、弁板周縁に形成した
環状溝にはゴム等の弾性材料からなるシートリング４が
挿嵌されている。

このシートリング４の、比較的弁板周縁に近い両側面の
同位置には多数の小穴５が一定間隔で全周にわたって形
成しである。

さらにこれら小穴５より半径方向内方には、弁板２にも
うけたボルト嵌入口に整合するように複数個の小穴６を
もうけである。

第３図は、第２図■−■線に沿って示した弁板２の一部
の拡大断面図であって、弁板２の周縁に形成した環状溝
２１内には、一部を外方に露出したシートリング４が装
着しである。

シートリング４の両側面には円周方向に沿って小穴５が
一定間隔で同位置に形威しであるので、該シートリング
４の、これら小穴５の存在する区域の肉厚はそれだけシ
ートリング材料が少くなっているのでこの部分が前述の
はね作用部分を形成することとなる。

シートリング４の小穴６に接触する弁板２側には、小穴
６に対向する位置にねじ孔８がそれぞれもうけてあって
、これらねじ孔８にボルト９が、ら合している。

各ボルト９の先端はシーｈ ＩＪソングの小穴６にそれ
ぞれ嵌合してシートリング４を溝２１内所定位置に維持
している。

なお、シートリング外面適所には１個ないし数個の０−
ＩＪング７を配して圧力流体がシー） ＩＪソング表面
と溝２１の壁面との間をとおって下流側に漏洩するのを
阻止している。

第４図は第２図ＩＶ−ＪＶ線に沿って示したシートリン
グ４の一部の拡大図であって、シートリング４の両側面
の同位置に小孔５が列設されている状態を示しである。

この小穴５は、第５図に示すように互いちがいに配して
もよく、小穴５の数、各小穴５の口径、深さ等は流体圧
、シートリング４材料の特性等に応じて適当に定めるこ
とによって、好適なはね作用をシートリング４に付与す
ることができるものである。

第６図はシートリングの反撥力とその露出気密面の変位
との関係を示すもので、符号Ｂは公知の固形体のシー１
− ＩＪソング場合であって、所望の反撥力を得るため
のシートリング気密簡の変位をｄとしたときと、弁体の
変形などによってその変位がｅまで増加したときは当然
はぼ直線的に反撥力も増大するに対して、曲線Ａで示す
本案においてはシートリング４気密面の変位が増大して
も（ｄからｅへ）反撥力自体はそれほど増加しないこと
を示している。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案によるシートリングを適用したちょう形
弁の閉塞した場合を示す一部をあられす断面図、第２図
は、一部を切截してシートリングを露出した弁板の一部
の端面図、第３図は、弁板外周縁のシートリング装着部
を示す第２図■−■線に沿って示した拡大断面図、第４
図は、第２図ＩＶ−ＩＶ’線に沿って示した断面展開図
、第５図は、シートリングの他の実施例を示す第４図と
同様の図、第６図は本案によるシートリングおよび公知
のシートリングの変位態様を示すグラフである。 図中、符号１・・・・・・弁体、２・・・・・・弁板、
３・・・・・・弁軸、４・・・・・・シートリング、５
・・・・・・小穴、６・・・・・・小穴、７・・・・・
・０１Ｊング、８・・・・・・ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁体と、この弁体に回動自在に配した弁軸と、この弁軸
   に固定されていて前記弁体内で開閉回動する弁板と、こ
   の弁板外周縁に形成された環状溝内に一部突出した状態
   に装着された弾性シートリングと、弾性シートリング周
   縁部両側面に嵌設されたＯリングとからなるちょう型弁
   において、前記弾性シートリングの両側面の同位置に円
   周方向に多数の小穴を環状に一定間隔に列設してこの環
   状小穴列設部分を肉薄に形成してなるちょう形弁のシー
   トリング。