JPH03180488A - 薄膜の製造方法 - Google Patents

薄膜の製造方法

Info

Publication number
JPH03180488A
JPH03180488A JP31931689A JP31931689A JPH03180488A JP H03180488 A JPH03180488 A JP H03180488A JP 31931689 A JP31931689 A JP 31931689A JP 31931689 A JP31931689 A JP 31931689A JP H03180488 A JPH03180488 A JP H03180488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
substance
surfactant
ferrocene
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP31931689A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2738457B2 (ja
Inventor
Seiichiro Yokoyama
横山 清一郎
Hideaki Kurata
英明 倉田
Nobue Kobayashi
小林 延江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP31931689A priority Critical patent/JP2738457B2/ja
Publication of JPH03180488A publication Critical patent/JPH03180488A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2738457B2 publication Critical patent/JP2738457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野〕 本発明は薄膜の製造方法に関し、詳しくはフェロセン誘
導体よりなるくセル化剤を二種類以上使用して、あるい
はフェロセン誘導体よりなるミセル化剤と特定のHLB
 (親水性親油性バランス)値を有する界面活性剤を併
用することによって、水性媒体中で無機物質や疎水性有
機物質を効率よく分散あるいは可溶化し、分散安定性が
高く長期の保存が可能な溶液あるいは分散液を得、さら
に電解処理により、均一な薄膜を効率良く形成できる薄
膜の製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕従来か
ら、薄膜を製造する方法として、真空蒸着法、熱CVD
法、プラズマCVD法、超高真空(イオンビーム、分子
線エピタキシー)法、  LB腹膜法キャスト法などが
知られている。
しかしながら、これらの方法はいずれも疎水性の有機物
質を有機溶媒に溶解させたり、あるいは加熱するなどの
操作を必要とするため、熱に弱い物質を薄膜化すること
ができなかった。
近年、所謂ミセル電解法により各種の疎水性物質の薄膜
を形成する方法が開発されている(電気化学協会(第5
4回)春季大会F201.(1987))。
本発明者らは、先般このミセル電解法において、種々の
フェロセン誘導体をミセル化剤として用いる薄膜の製造
方法を提案している(特開昭63243298号公報、
WO3B107538公報等)。この方法によれば、比
較的簡易な設備で従来の方法に比べて、より均一で優れ
た性能の薄膜を製造できる。
このミセル電解法では、均一な薄膜を得るために無機物
質や疎水性有機物質の分散状態が極めて重要である。上
記のフェロセン誘導体のミセル化剤は分子量が比較的小
さく、分散性にも優れており、前述したように均一な薄
膜を形成することができる。しかし、得られる溶液ある
いは分散液を長期間保存した場合、凝集を起こし分散安
定性に問題があった。
そこで、本発明者らはミセル電解法において、高い製膜
性を維持しつつ、その電解液に長期の保存にも耐え得る
分散安定性を付与すべく鋭意研究を重ねた。
〔課題を達成するための手段] その結果、無機物質あるいは疎水性有機物質を、溶解あ
るいは分散させるにあたって、フェロセン誘導体からな
る宅セル化剤を二種類以上併用することにより、あるい
はフェロセン誘導体からなるミセル化剤と界面活性剤を
併用することにより、上記の目的を達成できることを見
出した。本発明はかかる知見に基いて完成したものであ
る。
すなわち、本発明は無機物質あるいは疎水性有機物質を
、水性媒体中で二種類以上のフェロセン誘導体よりなる
ミセル化剤の存在下に可溶化あるいは分散させ、得られ
るミセル溶液あるいは分散液を電解して、電極上に前記
物質の薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方法
を提供するとともに、無機物質あるいは疎水性有機物質
を、水性媒体中で、(A)少なくとも一種のフェロセン
誘導体よりなるミセル化剤及び(B)HLB値10.0
〜20.0.0の界面活性剤の混合物の存在下に可溶化
あるいは分散させ、得られるミセル溶液あるいは分散液
を電解して、電極上に前記物質の薄膜を形成することを
特徴とする薄膜の製造方法を提供するものである。
本発明において、薄膜素材となる無機物質や疎水性有機
物質は、形成すべき薄膜の用途に応して適宜選定すれば
よく、様々なものを挙げることができる。例えば疎水性
有機物質としては、フタロシアニン、フタロシアニンの
金属錯体およびこれらの誘導体、ナフタロシアニン、ナ
フタロシアニンの金属錯体およびこれらの誘導体、ポル
フィリン、ポルフィリンの金属錯体およびこれらの誘導
体、ペリレン、ペリレンの金属錯体およびこれらの誘導
体、アゾ色素、キナクリドン、ビオロゲン。
スーダンなどの光メモリー用色素や有機色素をはじめ1
,1′−ジムブチル−4,4″−ビピリジニウムジブロ
マイド、  1. 1’−ジドデシル−4゜4”−ビピ
リジニウムジブロマイドなどのエレクトロクロミック材
料、6−ニトロ−1,3,3トリメチルスピロ−(2°
H−1′−ベンゾビラン−22゛−インドリン)(通称
スピロピラン)などの感光材料(フォトクロミンク材料
)や光センサー材料、p−アブキシアニソールなどの液
晶表示用色素、更に「カラーケミカル事典」株式会社シ
ーエムシー、1988年3月28日発行の第542〜7
17頁に列挙されているエレクトロニクス用色素、記録
用色素、環境クロ貴ズム用色素。
写真用色素、エネルギー用色素、バイオメディカル用色
素1食品・化粧用色素、染料、顔料、特殊着色用色素の
うちの疎水性の化合物などがあげられる。また、7,7
,8.8−テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)と
テトラチアフルバレン(TTF)との1:1錯体などの
有機導電材料やガスセンサー材料、ペンタエリスリトー
ルジアクリレートなどの光硬化性塗料、ステアリン酸な
どの絶縁材料、1−フェニルアゾ−2−ナフトールなど
のジアゾタイプの感光材料や塗料等をあげることができ
る。さらには、水に不溶性のポリマー例えばボリカーボ
ネーロポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ボリアξド、ポリフェニレンサルファイド(P P S
)、ポリフェニレンオキサイド(P P O)、ポリア
クリロニトリル(PAN)などの汎用ポリマー、またポ
リフェニレン。
ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン。
アセチルセルロース、ポリビニルアセテート、ポリビニ
ルブチラールをはじめ、各種各様のポリマー(ポリビニ
ルピリジンなど)あるいはコポリマー(メタクリル酸メ
チルとメタクリル酸とのコポリマーなどを挙げることが
できる。
また、無機物質としては、T i Oz 、 C、Cd
 S 。
woe、FezO2,Y2O2,ZrO,Al2O2,
CuS。
ZnS、TeO2,LiNbO5,5isN4など、さ
らには各種の超電導酸化物など各種各様のものがある。
これらの物質の形状などについては特に制限がないが、
粉末状ものが好ましい。この無機物質あるいは疎水性物
質粉末の好適な平均粒子径は、10μm以下、特に好ま
しくは1〜0.01μm程度である。平均粒子径が10
μmを超えるものでは、水性媒体中に分散、可溶化する
のに時間がかかり、また均一な分散、可溶化が困難であ
るなど様々な問題が生ずることがある。
次に、本発明に用いる水性媒体としては、水をはじめ、
水とアルコールの混合液、水とアセトンの混合液など様
々な媒体をあげることができる。
本発明では、上記の無機物質や疎水性有機物質を水性媒
体中で溶解あるいは分散させる際に、二種類以上のフェ
ロセン誘導体からなる藁セル化剤を存在させるか、もし
くは(A)少なくとも一種類のフェロセン誘導体からな
るミセル化剤及び(B)HLB値10.0〜20.(1
)界面活性剤の混合物を存在させることが必要である。
このように二種類以上のフェロセン誘導体からなるミセ
ル化剤を用いることにより、吸着力1分散力の幅が広が
るため、広い範囲の条件での製膜が可能となり、さらに
分散安定性も向上する。また、ミセル化剤及び界面活性
剤を併用すると、無機物質や疎水性有機物質の分散能力
が向上し、その結果、分散のための必要時間が短縮でき
、また分散状態を長く安定に維持することができる。
本発明において、フェロセン誘導体からなるミセル化剤
及び界面活性剤は、ミセル電解法にあたって次の如き挙
動をする。つまり、水に必要に応じて支持電解質等を加
えて電気伝導度を調節した水性媒体に、二種類以上のフ
ェロセン誘導体よりなるミセル化剤あるいは(A)少な
くとも一種のフェロセン誘導体よりなるミセル化剤及び
(B)HLB値10.0〜20.0の界面活性剤と薄膜
素材である無機物質や疎水性有機物質を加えて充分に混
合撹拌して分散させると、該物質を内部にとり込んだミ
セルが形成され、これを電解処理するとミセルが陽極に
引き寄せられて電極の陽極上でミセル中のフェロセン誘
導体が電子e−を失い(フェロセン中のFe”°がFe
’″″に酸化される)、それとともにミセルが崩壊して
内部の薄膜素材物質が陽極上に析出して薄膜を形成する
。一方、酸化されたフェロセン誘導体は陰極に引き寄せ
られて電子e−を受は取り、再びミセルを形成する。こ
のようなミセルの形成と崩壊が繰返される過程で、薄膜
素材物質の粒子が電極上に析出して薄膜状のものとなり
、所望する薄膜が形成されるのである。
なお、界面活性剤は、この過程で薄膜素材物質の分散性
を高めるとともに、分散安定性の向上に有効に作用する
本発明の方法で用いるミセル化剤は、フェロセン誘導体
よりなるものである。ここでフェロセン誘導体としては
各種のものがあるが、例えば一般式 〔式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数6以下のアルキ
ル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アミノ基、ジメチ
ルアミノ基、水酸基、アセチルアミノ基、カルボキシル
基、メトキシカルボニル基、アセトキシ基、アルデヒド
基あるいはハロゲンを示し、R3は水素又は炭素数4〜
18の直鎖あるいは分岐アルキル基又はアルケニル基を
示し、R4及びR5はそれぞれ水素又はメチル基を示す
。Yは酸素、オキシカルボニル基あるいはアシルオキシ
基を示し、aはO〜4の整数、bはO〜4の整数2mは
1〜18の整数。
nは260〜70.0の実数を示す。〕で表わされるフ
ェロセン誘導体を代表的なものとしてあげることができ
る。ここで、−i式(1)中の各記号は前述した通りで
ある。つまり、国際公開WO38107538,WO8
9101939゜特願昭63−233797号、その他
に記載される如く、R1及びR2はそれぞれ炭素数6以
下のアルキル基(メチル基(CH3)、エチル基(C、
HS)等)、アルコキシ基(メトキシ基(OCH3)、
エトキシ基(OC2H5)等)、アミノ基(NH,)。
ジメチルアミノ基 (N (CH3) 2))、水酸基
(OH)アセチルアミノ基(NHCOCH:l)、カル
ボキシル基(COOHLアセトキシ基(OCOCHa)
メトキシカルボニル基(COOCH3)、アルデヒド基
(CHO)あるいはハロゲン(塩素、臭素。
フッ素、沃素等)を示す。R1及びR2は同一であって
も異なってもよく、さらにR’及びR2がそれぞれ複数
個フェロセンの五員環に存在した場合にも、複数の置換
基がそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また
、R3は水素又は炭素数4〜18の直鎖あいは分岐アル
キル基またはアルケニル基を示している。
さらにYは酸素(−0−)、オキシカルボニル基(−C
−0−)あるいはアシルオキシ基(−〇−〇111 0                  0を示し、R
’、R5は水素又はメチル基を示す。従って、 Y−(CHCHO−)、、Hは、 4 R5 (CH3) ○(CH2CR20)、H。
一〇(CH2CH0)lIH,−〇(CHCH20)、
HCR3CH。
−C−〇(CHzCR20)、lHあるいは1 C−0(CHIC)(O)、H,−C II        1        110   
      CH,0 0(CHCH20)。H CR3 等である。
またmは1〜18の整数を示す。従って、環員炭素原子
と上記酸素又はオキシカルボニル基との間に、エチレン
基、プロピレン基等の炭素数l〜18のアルキレン基が
介在したものとなる。さらにnは上記オキシエチレン基
などのオキシアルキレン基の繰り返し数を示すもので、
2.0〜70.0の整数のみならず、これらを含む実数
を意味し、オキシアルキレン基などの繰り返し数の平均
値を示すものである。
本発明の方法で用いるフェロセン誘導体は、上記一般式
(Nで表わされるもののほかに、様々なものがあり、ア
ンモニウムタイプ、ピリジンタイプ(国際公開WO38
107538等)をはしめ、特願昭63−233797
号明細書、同63−233798号明細書、同63−2
48600号明細書、同63−248601号明細書、
特願平1−45370号明細書、同1−54956号明
細書、同1−70680号明細書、同1−70681号
明細書、同1−76498号明細書および同1−764
99号明細書に記載されたフェロセン誘導体を挙げるこ
とができる。
これらのフェロセン誘導体は極めて効率良く疎水性物質
を水性媒体に可溶化ないし分散し得るものである。
本発明では、上記の如きフェロセン誘導体の中から薄膜
素材物質の種類等により適当なフェロセン誘導体を二種
類以上を混合して用いる。その組合せは特に制限はなく
、目的とする薄膜の種類等、各種状況により適宜選定す
ればよい。具体的には、非イオン系のフェロセン誘導体
とカチオン系のフェロセン誘導体との組合せ、あるいは
非イオン系のフェロセン誘導体とアニオン系のフェロセ
ン誘導体との組合せが好ましい。
さらに本発明の方法においては、上述のフェロセン誘導
体からなるミセル化剤の少なくとも一種類以上、好まし
くは二種類以上、及びHLB値10.0〜20.0の界
面活性剤を併用する。フェロセン誘導体からなるミセル
化剤を二種類以上用いると吸着力1分散力の幅が広がる
ため、広い範囲の条件での製膜が可能となり、さらに分
散安定性も向上する。
ここで、(B)界面活性剤としては、フェロセン誘導体
を除<HLB(!10.0〜20.0、好ましくは12
〜18の界面活性剤を用いる。このような界面活性剤の
好適例をあげれば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等の非イオン系
界面活性剤をあげることができる。そのほか、アルキル
硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、
塩化アルキルトリメチルアンモニウム、脂肪酸ジエチル
アごノエチルアミドなどを使用することも可能である。
本発明の方法では、電解処理は、二種類以上のフェロセ
ン誘導体からなるくセル化剤、あるいは(A)ミセル化
剤及び(B)界面活性剤の混合物の存在下で行われるが
、その濃度は特に制限なく種々の条件により、適宜選定
すればよい。通常は10tIM〜IM、好ましくは0.
5mM 〜5mMの範囲で選定する。ここで、(A)ミ
セル化剤及び(B)界面活性剤の混合物中の(A)ミセ
ル化剤のモル比は、0.5以上であることが好ましく、
特に0.7〜0.95の範囲が最適である。このモル比
が0.5未満では、(A) ミセル化剤の比率が低いた
めに、ミセル化剤を酸化しても(B)界面活性剤により
分散され、製膜されないという問題が生ずることがある
本発明の方法では、上記の如き二種類以上のフェロセン
誘導体からなるミセル化剤あるいは(A)ミセル化剤及
び(B)界面活性剤を、まず水性媒体中に入れて溶液を
得る。ここで二種類以上のフェロセン誘導体は同時に水
性媒体中に加えてもよく、また別々に溶液を調製した後
に混合してもよい。さらに(A)ミセル化剤と(B)界
面活性剤は、同時に水性媒体中に加えて溶液を調製して
もよく、あるいはそれぞれに溶液をつくり、それらを混
合してもよい。次いでこの溶液に、薄膜素材物質である
無機物質あるいは疎水性有機物質を加えて、超音波、ホ
モジナイザーあるいは撹拌機等により、1時間〜7日間
程度充分に攪拌させる。
この操作で薄膜素材物質は、ミセル化剤及び/あるいは
界面活性剤により、溶液に均一に分散あるいは可溶化し
て、分散安定性に優れた分散液あるいは可溶化液となる
。この分散液あるいは可溶化液は、この状態で長期間保
存しても、分散性が低下することがなく、いつでもξセ
ル電解法を適用することができる。
本発明の方法では、このようにして得た均一分散液ある
いは可溶化液に、所望に応して支持塩を加えて、また状
況に応じて過剰の薄膜素材物質を遠心分離、デカンテー
シゴン、静止沈降等にて除去し、得られた電解液を静置
したままあるいは若干の撹拌を加えながら通電(電解)
処理する。また、電解処理中に薄膜素材物質を電解液に
補充添加してもよく、あるいは電、解液の一部を系外へ
抜き出し、抜き出した電解液に薄膜素材物質を加えて充
分に混合撹拌し、しかる後にこの液を系内へ戻す循環回
路を併設してもよい。
ここで、支持塩(支持電解質)は、水性媒体の電気伝導
度を調節するために必要に応じて加えるものである。こ
の支持塩の添加量は、可溶化あるいは分散している薄膜
素材物質の析出を妨げない範囲であればよく、通常は上
記ミセル化剤及び/あるいは界面活性剤の0〜300倍
程度の濃度、好ましくはlO〜200倍程度の濃度を目
安とする。この支持塩を加えずに通電を行うこともでき
るが、この場合支持塩を含まない純度の高い薄膜が得ら
れる。また、支持塩を用いる場合、その支持塩の種類は
、可溶化の進行や電極への前記薄膜素材物質の析出を妨
げることなく、水性媒体の電気伝導度を調節しうるもの
であれば特に制限はない。
具体的には、−i広く支持塩として用いられている硫酸
塩(リチウム、カリウム、ナトリウム。
ルビジウム、アルミニウムなどの塩)、酢酸塩(リチウ
ム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム。
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、アルミニウムなどの塩)。
ハロゲン化物塩(リチウム、カリウム、ナトリウム、ル
ビジウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムな
どの塩)、水溶性酸化物塩(リチウム カリウム、ナト
リウム、ルビジウム、カルシウム、マグネシウム、アル
ミニウムなどの塩)が好適である。
一方、電極としては各種のものが使用可能であるが、陽
極には例えばIT○(酸化インジウムと酸化スズとの混
合酸化物)、白金、金、銀、グラジ−カーボン、導電性
金属酸化物、有機ポリマー導電体等が好適であり、また
陰極には卑金属、例えばアルミニウム、亜鉛、錫、鉄、
ニッケル、マグネシウム等の金属やステンレス鋼等の合
金が好ましく、またそのほか銅、白金、金、銀、グラジ
−カーボン、導電性金属酸化物、有機ポリマー導電体等
及び結晶シリコン、アモルファスシリコン等の半導体を
充当することもできる。
本発明に方法における電解条件は、電極上に前記″aW
X素材物質の薄膜が生成する条件下に設定すればよい。
ここで電極上に前記物質の薄膜が生成する条件は、状況
に応じて様々に異なるが、具体的には液温を室温〜80
″C1好ましくは20〜60″C1通電時間を1分〜2
時間として、定電位あるいは定電流にて通電処理するこ
ととなる。この定電位での通電処理にあたっては、両極
間を061〜10.OL好ましくは0.1〜1.OVの
電位に設定し、また、定電流での通電処理にあたっては
、電流密度を1 tt A/cJ−100mA/afl
、好ましくは100 u A/c1i〜10 mA/d
の範囲に設定すればよい。
本発明の方法で得られた薄膜には、さらに必要に応じて
、通電洗浄、溶媒洗浄、100〜300°Cでのベーキ
ング処理等の後処理を行うことも有効である。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説
明する。
実施例1 100dの水にミセル化剤として、式 を加えて1mM溶液とした。一方、100−の水に、式 を加え、1mM溶液とした。
次に、この二つの溶液を混合攪拌した後、銅フタロシア
ニン(BASF社製)を2g加え、超音波で30分間攪
拌し、分散可溶化させた。さらに、スターラーで二昼夜
撹拌した後、臭化リチウムを加えて0.1 Mの濃度に
調整した。
次いで、この溶液中でITO透明ガラス電極を陽極に、
白金板を陰極とし、0.5vで3分間定電位電解して、
陽極上に銅フタロシアニンの薄膜を得た。この時の通電
量は0.3クーロン(C)であり、電流密度は17μA
/cdであった。
この薄膜の490nmにおける透過率は70%であり、
走査型電子顕微鏡(SEM)写真写真から判定した膜厚
は、0.6μmであった。また、透明指数(単位膜厚あ
たりの透過率、即ち次式で表わされる。
透明指数=膜厚(μm)×透過率Xi/100)は0.
42であった。
実施例2〜12及び比較例1〜3 実施例1において、ミセル化剤及び界面活性剤を第1表
に示すものとし、濃度、電解条件を第1表に示したよう
に行ったこと以外は、実施例1と同様にして薄膜を得た
。また実施例1と同様に測定した薄膜の物性を第1表に
示す。
* 1 ・化合物の構造を以下に示す F CS Oz EST9 PhEST *2 ・ CTAC:セチルトリメチルアンモニウムクロライド (日光ケミカルズ■ 社製、HLB(110以上) SLS:ソディウムラウリルスルホネート(日光ケ社カ
ルズ■社製、HL B値10以上) Brij  :構造式 %式%) ) ) 〔発明の効果] 本発明の方法によれば、フェロセン誘導体を二種類以上
使用すること、あるいはフェロセン誘導体と一般に汎用
されている界面活性剤を使用することによって、無機物
質や疎水性有機物質を水性媒体中に均一に分散あるいは
可溶化させることができる。さらにその分散液あるいは
可溶化液を長期間保存しても、その分散性が低下せず分
散安定性に優れたものとなる。しかも、この分散液ある
いは可溶化液を用いて、電解処理することにより、均一
で薄い疎水性物質の膜を電極上に効率良く製造すること
ができる。また、ここで形成される薄膜は、従来法で形
成されたものに比べて耐熱性。
耐薬品性等にすぐれている。
したがって、本発明の方法によって製造される薄膜は、
光デイスク材料、光メモリー材料、感光材料、カラーフ
ィルター、太陽電池、トナー、顔料等として幅広くかつ
有効に利用される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)無機物質あるいは疎水性有機物質を、水性媒体中
    で二種類以上のフェロセン誘導体よりなるミセル化剤の
    存在下に可溶化あるいは分散させ、得られるミセル溶液
    あるいは分散液を電解して、電極上に前記物質の薄膜を
    形成することを特徴とする薄膜の製造方法。
  2. (2)無機物質あるいは疎水性有機物質を、水性媒体中
    で、(A)少なくとも一種のフェロセン誘導体よりなる
    ミセル化剤及び(B)HLB値10.0〜20.0の界
    面活性剤の混合物の存在下に可溶化あるいは分散させ、
    得られるミセル溶液あるいは分散液を電解して、電極上
    に前記物質の薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製
    造方法。
  3. (3)(B)HLB値10.0〜20.0の界面活性剤
    が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
    エチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
    フェニルエーテル、塩化アルキルトリメチルアンモニウ
    ムあるいは脂肪酸ジエチルアミノエチルアミドである請
    求項2記載の方法。
  4. (4)(A)少なくとも一種のフェロセン誘導体よりな
    るミセル化剤及び(B)HLB値10.0〜20.0の
    界面活性剤の混合物におけるフェロセン誘導体の割合が
    、0.5(モル比)以上である請求項2記載の方法。
JP31931689A 1989-12-09 1989-12-09 薄膜の製造方法 Expired - Fee Related JP2738457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31931689A JP2738457B2 (ja) 1989-12-09 1989-12-09 薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31931689A JP2738457B2 (ja) 1989-12-09 1989-12-09 薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03180488A true JPH03180488A (ja) 1991-08-06
JP2738457B2 JP2738457B2 (ja) 1998-04-08

Family

ID=18108840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31931689A Expired - Fee Related JP2738457B2 (ja) 1989-12-09 1989-12-09 薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2738457B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009528420A (ja) * 2006-02-28 2009-08-06 コミサリア ア レネルジィ アトミーク 水溶液から導電性または半導電性表面上に有機フィルムを形成する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009528420A (ja) * 2006-02-28 2009-08-06 コミサリア ア レネルジィ アトミーク 水溶液から導電性または半導電性表面上に有機フィルムを形成する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2738457B2 (ja) 1998-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS63243298A (ja) 有機薄膜の製造方法
US5203974A (en) Process for producing thin films
US5122247A (en) Process for producing thin films
JPH03180488A (ja) 薄膜の製造方法
WO1988007538A1 (en) Ferrocene derivatives and process for preparing thin organic film
EP0331745A1 (en) Ferrocene derivatives, surfactants containing same, and process for producing thin organic film
JPH0826476B2 (ja) 有機薄膜の製造方法
JPH0243396A (ja) 金属フタロシアニン化合物錯体薄膜の製造方法
JPH0693497A (ja) 有機薄膜の製造方法
JPH0541717B2 (ja)
JPH0336528A (ja) エレクトロクロミック素子及びその製造方法
JPH02164435A (ja) 薄膜の製造方法
JPH01222087A (ja) 有機薄膜の製造方法
JPH02173295A (ja) 薄膜の製造法
JPH0296585A (ja) 新規フェロセン誘導体,界面活性剤及び有機薄膜の製造方法
JPH0541635B2 (ja)
JPH068516B2 (ja) 薄膜の製造方法
JPH0762275B2 (ja) フタロシアニン化合物銅錯体薄膜の製造方法
JPH02163745A (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH10310898A (ja) ミセル分散液の製造方法および薄膜の製造方法
JPH02258843A (ja) 薄膜の洗浄方法
JPH072758B2 (ja) 新規フェロセン誘導体,それを含有する界面活性剤及び有機薄膜の製造方法
JPH02145790A (ja) 活性化されたミセル電解用疎水性物質の製造方法
JPH0283386A (ja) 新規フェロセン誘導体,それを含有する界面活性剤及び有機薄膜の製造方法
JPH0283387A (ja) 新規フェロセン誘導体,それを含有する界面活性剤及び有機薄膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees