JPH068516B2 - 薄膜の製造方法 - Google Patents

薄膜の製造方法

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JPH068516B2
JPH068516B2 JP8976889A JP8976889A JPH068516B2 JP H068516 B2 JPH068516 B2 JP H068516B2 JP 8976889 A JP8976889 A JP 8976889A JP 8976889 A JP8976889 A JP 8976889A JP H068516 B2 JPH068516 B2 JP H068516B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は薄膜の製造方法に関し、詳しくは疎水性処理を
した電極及びその基板を用いてミセル電解法を行うこと
により、電極部分以外の基板の洗浄を容易にするととも
に、電極部分に強固に付着した薄膜を効率よく製造する
方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来から、疎水性物質のミセル溶液を電解制御して電極
表面に薄膜を形成する方法、いわゆるミセル電解法が知
られている(特開昭63−243298号公報等参
照)。この方法で製造される薄膜はカラーフィルター,
光電変換材料など種々の用途への発展が期待されてい
る。
このミセル電解法は、電極をパターニングした基板を電
解液中に浸漬して薄膜を形成するため、通電する電極部
分以外の部分にも電解液中に可溶化された疎水性物質が
少量付着する。この付着した疎水性物質は洗浄しても落
ちにくく、繰返し使用する際、電解液を汚染するという
問題があった。その上、製膜後においても、形成した薄
膜の一部が基板の洗浄時に溶出し易いため、洗浄が困難
であるという欠点もあった。
特に、カラーフィルターの薄膜を製造するに際して、赤
色,緑色,青色の三色の薄膜を形成する場合、このミセ
ル電解法を三回繰返し行う必要がある。この場合、1回
目に製膜した膜を2回目に製膜すべき電解液によって汚
染してしまい、これがカラーフィルターとしての性能に
悪影響を及ぼすため、ミセル電解法をそのまま適用する
ことは困難であった。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者らはミセル電解法において、パターニン
グした電極の通電部分以外の基板部分を、疎水性物質が
付着しにくくすると同時に洗浄を容易にして、電極に形
成された薄膜を破損することなく、基板の非通電部分の
みを選択的に洗浄でき、通電部分にのみ強固に付着した
薄膜を形成する方法について鋭意研究を重ねた。その結
果、ミセル電解法に用いる電極ならびにその基板の表面
に疎水性処理を施すことにより、基板を汚染することな
く目的とする薄膜を製造することができることを見出し
た。本発明はかかる知見に基いて完成したものである。
すなわち、本発明は疎水性物質を水性媒体中でフェロセ
ン誘導体よりなるミセル化剤を用いて可溶化し、得られ
たミセル溶液を、表面を疎水性処理した電極及び基板を
用いて電解処理して、該電極上に前記疎水性物質の薄膜
を製造することを特徴とする薄膜の製造方法を提供する
ものである。
本発明において疎水性物質としては、フェロセン誘導体
を用いて水性媒体に可溶化し得る物質でれば種々の物質
が使用できる。様々なものがあるが、例えばペリレン,
レーキ顔料,フタロシアニンブルー,フタロシアニング
リーン,アントラキノンをはじめフタロシアニン,フタ
ロシアニンの金属錯体およびこれらの誘導体、ナフタロ
シアニン,ナフタロシアニンの金属錯体およびこれらの
誘導体、ポルフィリン,ポルフィリンの金属錯体および
これらの誘導体などの光メモリー用色素や有機色素をは
じめ1,1′−ジヘプチル−4,4'−ビピリジニウムジ
ブロマイド,1,1'−ジドデシル−4,4'−ビピリジニ
ウムジブロマイドなどのエレクトロクロミック材料,6
−ニトロ−1,3,3−トリメチルスピロ−(2'H-1'-ベ
ンゾピラン−2,2'−インドリン)(通称スピロピラン)
などの感光材料(フォトクロミック材料)や光センサー
材料,p−アゾキシアニソールなどの液晶表示用色素、
更に「カラーケミカル事典」株式会社 シーエムシー,
1988年3月28日発行の第542〜717頁に列挙
されているエレクトロニクス用色素,記録用色素,環境
クロミズム用色素,写真用色素,エネルギー用色素,バ
イオメディカル用色素,食品・化粧用色素,染料,顔
料,特殊着色用色素のうちの疎水性の化合物などがあげ
られる。また、7,7,8,8−テトラシアノキノンジ
メタン(TCNQ)とテトラチアフルバレン(TTF)
との1:1錯体などの有機導電材料やガスセンサー材
料,ペンタエリスリトールジアクリレートなどの光硬化
性塗料,ステアリン酸などの絶縁材料,1−フェニルア
ゾ−2−ナフトールなどのジアゾタイプの感光材料や塗
料等をあげることができる。さらには、水に不溶性のポ
リマー、例えばポリカーボネート,ポリスチレン,ポリ
エチレン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリフェニレ
ンサルファイド(PPS),ポリフェニレンオキサイド
(PPO),ポリアクリロニトル(PAN)などの汎用
ポリマー、またポリフェニレン,ポリピロール,ポリア
ニリン,ポリチオフェン,アセチルセルロース,ポリビ
ニルアセテート,ポリビニルブチラールをはじめ、各種
各様のポリマー(ポリビニルピリジンなど)あるいはコ
ポリマー(メタクリル酸メチルとメタクリル酸とのコポ
リマーなど)をあげることができる。
このような疎水性物質を可溶化させるフェロセン誘導体
としては、各種のものをあげることができる。例えば一
般式 〔式中、R及びRはそれぞれ炭素数6以下のアルキ
ル基,アルコキシ基あるいはアミノ基,ジメチルアミノ
基,水酸基,アセチルアミノ基,カルボキシル基,メト
キシカルボニル基,アセトキシ基,アルデヒド基あるい
はハロゲンを示し、Rは水素又は炭素数4〜18の直
鎖あるいは分岐アルキル基又はアルケニル基を示し、R
及びRはそれぞれ水素又はメチル基を示す。Yは酸
素あるいはオキシカルボニル基を示し、aは0〜4の整
数,bは0〜4の整数,mは1〜18の整数,nは2.0
〜70.0の実数を示す。〕 で表されるフェロセン誘導体を代表的なものとしてあげ
られることができる。ここで、一般式〔I〕中の各信号
は前述した通りである。つまり、前述の国際公開W08
8/07538,WO89/01939,特願昭63−
233797号、その他に記載される如く、R及びR
はそれぞれ炭素数6以下のアルキル基(メチル基(C
H3),エチル基(C2H5)等),アルコキシ基(メトキシ基
(OCH3),エトキシ基(OC2H5)等),アミノ基(NH2),ジメ
チルアミノ基(N(CH3)2)),水酸基(OH),アセチルアミノ
基(NHCOCH3),カルボキシル基(COOH),メトキシカルボ
ニル基(COCH3),アセトキシ基(COOCH3),アルデヒド基(C
HO)あるいはハロゲン(塩素,臭素,フッ素、沃素等)
を示す。R及びRは同一であっても異なってもよ
く、さらにR及びRがそれぞれ複数個フェロセンの
5員環に存在した場合にも、複数の置換基がそれぞれ同
一であっても異なっていてもよい。また、Rは水素又
は炭素数4〜18の直鎖あるいは分岐アルキル基または
アルケニル基を示している。
さらにYは酸素(−O−)又はオキシカルボニル基 を示し、R,Rは水素又はメチル基CH3)を示す。従
って、 は、 −O(CH2CH2O)nH, あるいは 等である。
またmは1〜18の整数を示す。従って、環員炭素原子
と上記酸素又はオキシカルボニル基との間に、エチレン
基,プロピレン基等の酸素数1〜18のアルキレン基が
介在したものとなる。さらにnは上記オキシエチレン基
などのオキシアルキレン基の繰り返し数を示すもので、
2.0〜70.0の整数のみならず、これらを含む実数を意味
し、オキシアルキレン基などの繰り返し数の平均値を示
すものである。
本発明におけるフェロセン誘導体は、上記一般式〔I〕
で表わされるもののほかに、様々なものがあり、アンモ
ニウムタイプ,ピリジンタイプ(国際公開WO88/0
7538等)をはじめ、特願昭63−233797号明
細書,同63−233798号明細書,同63−248
600号明細書,同63−248601号明細書,特願
平1−45370号明細書,特願平1−54956号明
細書に記載のもの、さらには出光興産株式会社の出願に
係る平成元年3月24日の特許願(1)及び(2)並びに同年
3月30日の特許願(2)及び(3)(いずれも代理人 大
谷 保)の明細書に記載されたフェロセン誘導体を挙げ
ることができる。
これらのフェロセン誘導体は極めて効率良く疎水性物質
を水性媒体に可溶化し得るものである。
本発明では、ミセル溶液を調製するにあたって様々な方
法があるが、具体的には水性媒体中に、前記一般式
〔I〕のフェロセン誘導体をはじめとする各種のフェロ
セン誘導体(ミセル化剤)を濃度を限界ミセル濃度以上
として、必要に応じて支持塩を加え、また疎水性有機物
質を加えて超音波,ホモジナイザーあるいは攪拌機等に
より充分に分散させてミセルを形成せしめればよい。ま
た、このようにして得た疎水性有機物質の可溶化液(ミ
セル溶液)から、その後必要に応じて過剰の疎水性有機
物質を除去する。
上記必要に応じて加えられる支持塩としては、具体的に
は一般に広く支持塩として用いられている硫酸塩(リチ
ウム,カリウム,ナトリウム,ルビジウム,アルミニウ
ムなどの塩),酢酸塩(リチウム,カリウム,ナトリウ
ム,ルビジウム,ベリリウム,マグネシウム,カルシウ
ム,ストロンチウム,バリウム,アルミニウムなどの
塩),ハロゲン下物塩(リチウム,カリウム,ナトリウ
ム,ルビジウム,カルシウム,マグネシウム,アルミニ
ウムなどの塩),水溶性酸化物塩 (リチウム,カリウ
ム,ナトリウム,ルビジウム,カルシウム,マグネシウ
ム,アルミニウムなどの塩)が好適である。
このようにして製造されたミセル溶液中において、ミセ
ル電解法にて電解処理を行い、薄膜を製造するわけであ
るが、本発明においては使用する電極及びその基板は、
その表面を疎水性処理したものでなければならない。疎
水性処理は様々な方法で行なうことができるが、特にカ
ップリング剤を使用した処理を行うことが好ましい。そ
の際使用されるカップリング剤としては、たとえばシラ
ンカップリング剤,チタンカップリング剤,アルミニウ
ムカップリング剤,ジルコアルミネートカップリング
剤,ジルコニウムカップリング剤,アクリレート系カッ
プリング剤,メタクリレート系カップリング剤,グリシ
ジル系カップリング剤,リン酸エステル系カップリング
剤,アンモニウムハライド系カップリング剤あるいはシ
ラザンカップリング剤などを始めとする各種のカップリ
ング剤が挙げられる。ここで、シランカップリング剤は
塩素含有シラン,アルコキシシラン,アルキルシラン,
アミノシラン,アセトキシシランなどの分類でき、また
アクリレート系カップリング剤,メタクリレート系カッ
プリング剤,グリシジル系カップリング剤,リン酸エス
テル系カップリング剤,アンモニウムハライド系カップ
リング剤などは、特殊モノマーあるいは機能性モノマー
と称されるものである。これらの具体例は、「カップリ
ング剤最適利用技術」(1988年2月25日,科学技
術総合研究所発行)に列挙されており、これらはいずれ
も本発明の方法において使用することができる。
疎水性処理としては、具体的にはベンゼン,トルエン等
の芳香族炭化水素やメタノール,エタノール等の溶剤中
に、上記の如きカップリング剤を1〜30重量%程度の
割合で溶解させ、処理をする電極及び該電極をパターニ
ングした基板をその中に浸漬して、1〜12時間環流を
行い、ついで乾燥させることにより行うことができる。
また、疎水性処理として電極や基板上に直接上記の如き
カップリング剤を塗布し、乾燥させるだけでもよい。こ
こで乾燥にあたっては、加熱、特に80℃〜200℃で
加熱すると処理がより速やかに進行する。この際の塗布
量は特に制限はないが、通常はカップリング剤を0.01モ
ル/25×75mm以上程度が好ましい。
このような疎水性処理の程度は、水に対する電極あるい
は基板表面の接触角を10度以上、特に好ましくは40
度以上とすればよい。
本発明で用いられる電極としてはフェロセン誘導体の酸
化電位(+0.15V〜+0.30V対飽和甘コウ電極)より貴な
金属もしくは導電体であればよい。具体的にはITO
(酸化インジウムと酸化スズとの混合酸化物),白金,
金,銀,グラシーカーボン,導電性金属酸化物,有機ポ
リマー導電体などがあげられる。
本発明では、基板に上記電極をパターニングして形成し
たものが好適に使用されるが、この電極(基板の通電部
分)は上述したような素材で構成されている。一方、基
板(非通電部分)については特に制限はないが、上記電
極材料以外には、ガラス,透明プラスチックなどの素材
が一般的である。
本発明に用いる電極や基板において、疎水性処理はこの
通電部分のみに行ってもよいが、好ましくは電極や基板
全体、すなわち通電部分及び非通電部分に行うことが好
ましい。この処理を行うと薄膜が通電部分に極めて強固
に形成される。一方非通電部分にこの処理を行っておく
と、電解処理過程で付着した疎水性物質が洗浄により容
易に除去され、その結果繰返し使用しても、電解液を汚
染することがなく好適である。
本発明はこのような疎水性処理された電極及び基板を用
いて上記のミセル溶液を電解処理する。この電解処理
は、通常、攪拌を加えながら行う。また、電解処理中に
疎水性有機物質をミセル溶液に補充添加してもよく、あ
るいは陽極近傍のミセル溶液を系外へ抜き出し、抜き出
したミセル溶液に疎水性有機物質を加えて充分に混合攪
拌し、しかる後にこの液を陰極近傍へ戻す循環回路を併
設してもよい。この際の電解条件は、各種状況に応じて
適宜選定すればよいが、通常は液温0〜70℃、好まし
くは20〜30℃、電圧0.03〜1.5V、好ましくは0.
1〜0.5Vとし、電流密度10mA/cm2以下、好ましくは
50〜300μA/cm2とする。
この電解処理を行うと、フェロセン誘導体の酸化還元反
応が進行する。これをフェロセン誘導体中のFeイオン
の挙動に着目すると、陽極ではフェロセンのFe2+がFe3+
となって、ミセルが崩壊し、疎水性有機物質の粒子(6
00〜900Å程度)が陽極上に析出する。一方、陰極
では陽極で酸化されたFe3+がFe2+に還元されてもとのミ
セルに戻るので、繰返し同じ溶液で製膜操作を行うこと
ができる。本発明の方法で使用するフェロセン誘導体
は、上記の酸化還元反応の効率が非常によく、薄膜が短
時間で形成される。
このような電解処理により、陽極上には所望する疎水性
有機物質の600〜900Å程度の粒子による薄膜が形
成される。
〔実施例〕
次に本発明を実施例および比較例により具体的に説明す
る。
実施例1 シランカップリング剤(C6 13Si(OCH3)3信越化学社製,商
品名LS−3130)を無水トルエン中に溶解して10
%の濃度とした。この溶液に、ITO電極を浸漬し、6
時間還流後乾燥して疎水性処理をした。この電極の疎水
性処理前の可視光透過率(620nm)を測定した結果
を第1表に示す。
次に100mの水にミセル化剤として で表わされる化合物(FPEC)0.19g加えて、得られ
たミセル溶液25mに銅フタロシアニンを0.2g加
え、分散,可溶化させた。これを超音波で10分間攪拌
した後3日間スターラーにより攪拌した。得られた分散
ミセル溶液に支持塩として臭化リチウムを0.1Mになる
ように加え、攪拌して電解液を得た。
この電解液を用いると共に、陽極に上記疎水性処理を施
したITO透明ガラス電極,陰極に白金,参照極として
飽和甘コウ電極を用いて25℃,印加電圧0.5V,電流
密度11.5μA/cm2の定電位電解を30分間行った。こ
の時間の通電量は、0.02クーロン(C)であった。
このようにして得られた薄膜を形成したITO透明ガラ
ス電極を電解液から取り出して乾燥後、蒸留水に浸漬し
て洗浄したものと洗浄していないものについて各々可視
光透過率(620nm)を測定した。結果を第1表に示
す。
比較例1 実施例1において、電極を疎水性処理しないものを用い
こと以外は、実施例1と同様にして薄膜を製造した。電
極の浸漬前,電解後洗浄前及び洗浄後の可視光透過率
(620nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1において、電極の代わりにガラス板を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして疎水性処理を行った。
このガラス板を実施例1で用いた電解液に浸漬する前及
び30分間電解液に浸漬した後の各々の可視光透過率
(620nm)を測定した。さらに浸漬後のガラス板を
実施例1と同様の方法で洗浄した後、その可視光透過率
(620nm)を測定した。結果を第1表に示す。
比較例2 実施例2において、ガラス板を疎水性処理しなかったこ
と以外は、実施例2と同様にして電解液に浸漬する前、
さらに30分間電解液に浸漬した後及び洗浄した後の可
視光透過率(620nm)を測定した。結果を第1表に
示す。
実施例3 シランカップリング剤(C3H6CSi(OCH3)3信越化学社
製,商品名LS−1260)を無水トルエン中に溶解し
て10%の濃度とした。この溶液に、ITO電極を浸漬
し、6時間還流後乾燥し、疎水性処理を行った。この電
極の疎水性処理前の可視光透過率(620nm)を測定
した結果を第1表に示す。
100mの水にミセル化剤として で表わされる化合物(FEST9)を190mg加えて、
得られたミセル溶液25mにモノアゾナフトール系顔
料(ヘキスト社製,商品名HF4B)0.1gを加え、分
散,可溶化させた。
次に、これを超音波で10分間攪拌した後3日間スター
ラーにより攪拌した。得られた分散ミセル溶液に支持塩
として臭リチウムを0.1Mになるように加え、攪拌して
電解液を得た。
この溶液を電解液として、陽極に疎水性処理したITO
透明ガラス電極,陰極に白金,参照極として飽和甘コウ
電極を用いて25℃,印加電圧0.5V,電流密度5.6μA
/cm2の定電位電解を30分間行った。この時間の通電
量は、0.01Cであった。
このようにして得られた薄膜を形成したITO透明ガラ
ス電極を電解液から取り出して乾燥後、蒸留水に浸漬し
て洗浄したものと洗浄していないものについて各々可視
光透過率(620nm)を測定した。結果を第1表に示
す。
比較例3 実施例3において、電極を疎水性処理をしていないこと
以外は、実施例3と同様にして薄膜を製造した。電極の
浸漬前,電解後洗浄前及び洗浄後の可視光透過率(62
0nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例4 実施例3において、電極の代わりにガラス板を用いたこ
と以外は、実施例3と同様にして疎水性処理を行った。
このガラス板を実施例3で用いた電解液に浸漬する前及
び30分間電解液に浸漬した後の各々の可視光透過率
(620nm)を測定した。さらに浸漬後のガラス板を
実施例3と同様の方法で洗浄した後、その可視光透過率
(620nm)を測定した。結果を第1表に示す。
比較例4 実施例4において、ガラス板を疎水性処理しなかったこ
と以外は、実施例4と同様にして電解液に浸漬する前,
30分間電解液に浸漬した後及び洗浄した後の可視光透
過率(620nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例5 シランカップリング剤としてチタンアシレート(日本ソ
ーダ社製,商品名S−152)を無水トルエン中に溶解
して10%の濃度とした。この溶液に、ITO電極を浸
漬し、6時間還流後乾燥し、疎水性処理をした。この電
極の疎水性処理前の可視光透過率(620nm)を測定
した結果を第1表に示す。
100mの水にミセル化剤として で表わされる化合物(FEST8)を190mg加えて、
得られたミセル溶液25mにフタロシアニングリーン
(BASF社製,商品名L−9361)を0.1gを加
え、分散,可溶化させた。
次に、これを超音波で10分間攪拌した後3日間スター
ラーにより攪拌した。得られた分散ミセル溶液に支持塩
として臭化リチウムを0.1Mになるように加え、攪拌し
て電解液を得た。
この溶液を電解液として、陽極に前記疎水性処理したI
TO透明ガラス電極,陰極に白金,参照極として飽和甘
コウ電極を用いて25℃,印加電圧0.5V,電流密度8.6
μA/cm2の定電位電解を30分間行った。この時間の
通電量は、0.02Cであった。
このようにして得られた薄膜を形成したITO透明ガラ
ス電極を電解液から取り出して乾燥後、蒸留水に浸漬し
て洗浄したものと洗浄していないものについて各々可視
光透過率(620nm)を測定した。結果を第1表に示
す。
比較例5 実施例5において、電極を疎水性処理をしていないこと
以外は、実施例5と同様にして薄膜を製造した。電極の
浸漬前,電解後洗浄前及び洗浄後の可視光透過率(62
0nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例6 実施例5において、電極の代わりにガラス板を用いたこ
と以外は、実施例5と同様にして疎水性処理を行った。
このガラス板を実施例5で用いた電解液に浸漬する前及
び30分間電解液に浸漬した後の各々の可視光透過率
(620nm)を測定した。さらに浸漬後のガラス板を
実施例5と同様の方法で洗浄し、その可視光透過率(6
20nm)を測定した。結果を第1表に示す。
比較例6 実施例6において、ガラス板を疎水性処理しなかったこ
と以外は、実施例6と同様にして電解液に浸漬する前,
30分間電解液に浸漬した後及び洗浄した後の可視光透
過率(620nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例7 シランカップリング剤としてジルコアルミネートカップ
リング剤(楠本化成社製,商品名MPM)を無水トルエ
ン中に溶解して10%の濃度とした。この溶液に、IT
O電極を浸漬し、6時間還流後乾燥し、疎水性処理をし
た。この電極の疎水性処理前の可視光透過率(620n
m)を測定した結果を第1表に示す。
100mの水にミセル化剤としてFPEGを190mg
加えて、得られたミセル溶液25mにペリレン(BA
SF社製,商品名K−3580)を0.1g加え、分散,
可溶化させた。
次いで、これを超音波で10分間攪拌した後3日間スタ
ーラーにより攪拌した。得られた分散ミセル溶液に支持
塩として臭化リチウムを0.1Mになるように加え、攪拌
して電解液を得た。
この溶液を電解液として、陽極に疎水性処理したITO
透明ガラス電極,陰極に白金,参照極として飽和甘コウ
電極を用いて25℃,印加電圧0.5V,電流密度7.6μA
/cm2の定電位電解を30分間行った。この時間の通電
量は、0.02Cであった。このようにして得られた薄膜を
形成したITO透明ガラス電極を電解液から取り出して
乾燥後、蒸留水に浸漬して洗浄したものと洗浄していな
いものについて各々可視光透過率(620nm)を測定
した。結果を第1表に示す。
比較例7 実施例7において、電極を疎水性処理しなかったこと以
外は、実施例7と同様にして薄膜を製造した。電極の浸
漬前,電解後洗浄前及び洗浄後の可視光透過率(620
nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例8 実施例7において、電極の代わりにガラス板を用いたこ
と以外は、実施例7と同様にして疎水性処理を行った。
このガラス板を実施例7で用いた電解液に浸漬する前及
び30分間電解液に浸漬した後の各々の可視光透過率
(620nm)を測定した。さらに浸漬後のガラス板を
実施例7と同様の方法で洗浄し、その可視光透過率(6
20nm)を測定した。結果を第1表に示す。
比較例8 実施例8において、ガラス板を疎水性処理しなかったこ
と以外は、実施例8と同様にして電解液に浸漬する前、
30分間電解液に浸漬した後及び洗浄した後の可視光透
過率(620nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例9 シランカップリング剤としてアルミニウムカップリング
剤(味の素社製,商品名AL−M)を無水トルエン中に
溶解して10%の濃度とした。この溶液に、ITO電極
を浸漬し、6時間還流後乾燥し、疎水性処理をした。こ
の電極の疎水性処理前の可視光透過率(620nm)を
測定した結果を第1表に示す。
100mの水にミセル化剤としてFEST9 190
mg加えて、得られたミセル溶液25mにα−銅フタロ
シアニン(大日精化社製,商品名Pc−A1)0.1gを
加え、分散,可溶化させた。
次いで、これを超音波で10分間攪拌した後3日間スタ
ーラーにより攪拌した。得られた分散ミセル溶液に支持
塩として臭化リチウムを0.1Mになるように加え、攪拌
して電解液を得た。
この溶液を電解液として、陽極に前記疎水性処理をした
ITO透明ガラス電極,陰極に白金,参照極として飽和
甘コウ電極を用いて25℃,印加電圧0.5V,電流密度
9.6μA/cm2の定電位電解を30分間行った。この時間
の通電量は、0.02Cであった。
このようにして得られた薄膜を形成したITO透明ガラ
ス電極を電解液から取り出して乾燥後、蒸留水に浸漬し
て洗浄したものと洗浄していないものについて各々可視
光透過率(620nm)を測定した。結果を第1表に示
す。
比較例9 実施例9において、電極を疎水性処理しなかったこと以
外は、実施例9と同様にして薄膜を製造した。電極の浸
漬前,電解後洗浄前及び洗浄後の可視光透過率(620
nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例10 実施例9において、電極の代わりにガラス板を用いたこ
と以外は、実施例9と同様にして疎水性処理を行った。
このガラス板を、実施例9で用いた電解液に浸漬する前
及び30分間電解液に浸漬した後の各々の可視光透過率
(620nm)を測定した。さらに浸漬後のガラス板を
実施例9と同様の方法で洗浄した後、その可視光透過率
(620nm)を測定した。結果を第1表に示す。
比較例10 実施例10において、電極を疎水性処理しなかったこと
以外は、実施例10と同様にして電解液に浸漬する前,
30分間電解液に浸漬した後及び洗浄した後の可視光透
過率(620nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例11 シランカップリング剤として(CO)Zr(ダ
イアモンドノーベルジャパン社製,商品名IPZ)を無
水トルエン中に溶解して10%の濃度とした。この溶液
に、ITO電極を浸漬し、6時間還流後乾燥し、疎水性
処理をした。この電極の疎水性処理前の可視光透過率
(620nm)を測定した結果を第1表に示す。
次に、100mの水にミセル化剤としてFEST8
190mgを加えて、得られたミセル溶液25mにBaレ
ーキ顔料(大日精化社製,商品名K−3700)0.1g
加え、分散,可溶化させた。
次に、これを超音波で10分間攪拌した後3日間スター
ラーにより攪拌した。得られた分散ミセル溶液に支持塩
として臭化リチウムを0.1Mになるように加え、攪拌し
て電解液を得た。
この溶液を電解液として、陽極に疎水性処理したITO
透明ガラス電極,陰極に白金,参照極として飽和甘コウ
電極を用いて25℃,印加電圧0.5V,電流密度3.6μA
/cm2の定電位電解を30分間行った。この時間の通電
量は、0.01Cであった。このようにして得られた薄膜を
形成したITO透明ガラス電極を電解液から取り出して
乾燥後、蒸留水に浸漬して洗浄したものと洗浄していな
いものについて各々可視光透過率(620nm)を測定
した。結果を第1表に示す。
比較例11 実施例11において、電極を疎水性処理をしていないこ
と以外は、実施例11と同様にして薄膜を製造した。電
極の浸漬前,電解後洗浄前及び洗浄後の可視光透過率
(620nm)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例12 実施例11において、電極の代わりにガラス板を用いた
こと以外は、実施例11と同様にして疎水性処理を行っ
た。
このガラス板を実施例11で用いた電解液に浸漬する
前、さらに30分間電解液に浸漬した後の各々の可視光
透過率(620nm)を測定した。
また浸漬後のガラス板を実施例11と同様の方法で洗浄
した後の可視光透過率(620nm)を測定した。結果
を第1表に示す。
比較例12 実施例12において、ガラス板を疎水性処理しなかった
こと以外は、実施例12と同様にして電解液に浸漬する
前,30分間電解液に浸漬した後及び洗浄した後の可視
光透過率(620nm)を測定した。結果を第1表に示
す。
〔発明の効果〕 上記の如く本発明の方法によれば、基板の通電部分(電
極)に極めて強固な薄膜を形成することができ、この薄
膜は洗浄に対してもほとんど破損させることがない。ま
た、基板の非通電部分に付着した疎水性物質は洗浄によ
り容易に洗い落とすとができる。そのため、繰返しの使
用において後の電解液を汚染するおそれが少ない。
したがって、本発明の方法は、様々な薄膜の形成に極め
て有用であり、特にカラーフィルター,光電変換材料な
どの製造において幅広い利用が期待できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性物質を水性媒体中でフェロセン誘導
    体よりなるミセル化剤を用いて可溶化し、得られたミセ
    ル溶液を、表面を疎水性処理した電極及び基板を用いて
    電解処理して、該電極上に前記疎水性物質の薄膜を製造
    することを特徴とする薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】電極及び基板の疎水性処理にカップリング
    剤を用いる請求項1記載の薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】電極及び基板の疎水性処理にカップリング
    剤としてシランカップリング剤,チタンカップリング
    剤,アルミニウムカップリング剤,ジルコアルミネート
    カップリング剤,ジルコニウムカップリング剤,アクリ
    レート系カップリング剤,メタクリレート系カップリン
    グ剤,グリシジル系カップリング剤,リン酸エステル系
    カップリング剤,アンモニウムハライド系カップリング
    剤あるいはシラザンカップリング剤を用いる請求項1記
    載の薄膜の製造方法。
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