JPH10310898A - ミセル分散液の製造方法および薄膜の製造方法 - Google Patents

ミセル分散液の製造方法および薄膜の製造方法

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JPH10310898A
JPH10310898A JP12271697A JP12271697A JPH10310898A JP H10310898 A JPH10310898 A JP H10310898A JP 12271697 A JP12271697 A JP 12271697A JP 12271697 A JP12271697 A JP 12271697A JP H10310898 A JPH10310898 A JP H10310898A
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dispersion
surfactant
ratio
hydrophobic substance
oxidant
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JP12271697A
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Seiichi Tanabe
誠一 田辺
Toshiki Nakajima
俊貴 中島
Fumiaki Matsushima
文明 松島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化還元性界面活性剤において、電解処理時
に有効に働く界面活性剤の量あるいは比率を管理しなけ
れば、安定な電解処理,安定な分散液を得ることができ
ない。酸化体の比率が少なければ分散能力のある界面活
性剤が多く、分散に寄与する界面活性剤量が多くなり、
また、酸化体の比率が多くなると分散能力のない界面活
性剤が増え安定な分散液を得ることができない。 【解決手段】 純水に臭化リチウム一水和物とフェロセ
ニルポリエチレングリコール(F−PEG)とフタロシ
アニンブルーとジオキサンバイオレットと疎水化表面処
理ITO粒子とを混合し、攪拌した後、超音波ホモジナ
イザーで分散して遠心分離する。この時、ミセル分散液
中の顔料に吸着していないフリーなF−PEG中の酸化
体比率を0から0.3とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はミセル分散液および
薄膜の製造方法に関し、詳しくは分散液中の界面活性剤
の酸化体比率を制御、薄膜品質の高い成膜が可能な分散
液および薄膜を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜の製造方法としてミセル電解
法が知られている。このミセル電解法に用いる分散液
は、顔料をはじめとする疎水性物質とフェロセン誘導体
界面活性剤と水を混合し、超音波・ミルなどの分散手段
により得ることができる。この分散液に電極を挿入し、
電解処理を行うと電極に疎水性物質の薄膜が形成され
る。このようなミセル電解法を効率よく行うためには、
分散液の分散状態を適切に制御する必要がある。ミセル
電解法とは、疎水性物質をフェロセン誘導体界面活性剤
により分散させた状態の分散液に電極を挿入し、電解処
理によりフェロセン誘導体界面活性剤を酸化して分散能
力をなくして疎水性物質の表面から離脱させ、疎水性物
質を電極上に凝集させることを特徴とする。安定な分散
液を得るためには、まず界面活性剤の濃度の制御が重要
である。界面活性剤の量が多すぎると、電解しても電極
上に疎水性物質を凝集させることはできない。一方、界
面活性剤の添加量が少なすぎると、電解処理以前に凝集
が発生し、分散液中の疎水性物質の粒径が粗大化すると
いう課題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】安定な分散液を得るた
めには、界面活性剤の濃度の制御のほかに酸化された界
面活性剤の濃度の制御も重要である。酸化体の比率が少
なければ分散能力のある界面活性剤が多く、分散に寄与
する界面活性剤量が多くなる。一方、酸化体の比率が多
くなると分散能力のない界面活性剤が増え安定な分散液
を得ることができない。フェロセン誘導体界面活性剤は
容易に酸化される物質であり、分散液中に酸性表面を持
つ物質が含まれたり、分散中に超音波やミルなど外部か
ら強力な力が加わると電解処理以前にフェロセン誘導体
界面活性剤が酸化されてしまう課題が生じる。従って、
電解処理時に有効に働く界面活性剤量あるいは比率を管
理しなければ、安定な電解処理,安定な分散液を得るこ
とができない。界面活性剤の濃度の制御を解決するため
に、疎水性物質とフェロセン誘導体界面活性剤の濃度を
制御する方法が開示されている(特開平3−10230
2号公報、特開平4−68301号公報、特開平4−3
35602号公報、特開平5−25661号公報)が、
酸化体比率を制御あるいは管理する手段が開示されてい
ない。従って、分散液中の酸化体比率を把握して安定な
分散液を得るための技術の開発が望まれている。
【0004】そこで、本発明は、上記のような課題を解
決するためのもので、その目的とするところは、ミセル
分散液中の酸化還元反応性界面活性剤の状態を把握し、
酸化体比率を制御あるいは管理することによって、分散
性の良い安定なミセル分散液の製造方法および薄膜の製
造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の手段
で解決される。
【0006】酸化体比率は以下のようにして計算を行な
う。酸化体比率は、全界面活性剤中に占める酸化された
界面活性剤の比率で、aと仮定すると a=Cox/(Cox+Cred) と表すことができる。
【0007】一般にフェロセン誘導体界面活性剤のよう
に酸化還元反応が可能な系においては、ネルンストの式
に従う。
【0008】 E=E0 +(RT/nF)ln(Cox/Cred) E0 は標準酸化還元電位、Eは酸化還元電位、Rは気体
定数、Fはファラデー定数、Tは温度、nは反応種1個
あたりに交換される電子数である。上記のミセル分散液
において分散後の自然電極電位がE,同濃度の界面活性
剤のみの水溶液のサイクリックボルタンメトリー(以下
CVと略す)を測定し、その時のipa×1/2時の電
位(半波電位)がE0 になる。従って、この式によりC
ox/Credの値を求めることができる。また、ここ
で酸化体比率をaと仮定し、界面活性剤全量の濃度,吸
着した界面活性剤の濃度でCox/Credに相当する
式を作る。CV測定でわかるipaは、界面活性剤濃度
に比例するので、界面活性剤全量の濃度と吸着した界面
活性剤の濃度はそれぞれ、分散液と同濃度の界面活性剤
水溶液のipaと分散液と同濃度の界面活性剤水溶液の
ipaから分散液のipa(疎水性物質に吸着していな
いフリーな界面活性剤濃度)を引いて求めることができ
る。この式を解くことによって酸化体比率aを求める。
【0009】このようにして求められる酸化体比率を以
下のような方法で管理および製造することにより、経時
的に安定な分散性の良いミセル分散液を得ることができ
る。
【0010】(1)少なくとも疎水性物質および酸化還
元可能なフェロセン誘導体界面活性剤を水性媒体に分散
してなるミセル分散液の製造方法において、疎水性物質
と該界面活性剤を水性媒体中に分散する工程でフェロセ
ン誘導体界面活性剤中の酸化体の比率を0を越え且つ
0.3以下の範囲内に保つことを特徴とするミセル分散
液の製造方法。
【0011】(2)疎水性物質として酸性表面を持つ物
質と酸性表面を持たない物質を含むことを特徴とする前
記手段1記載のミセル分散液の製造方法。
【0012】(3)少なくとも疎水性物質および酸化還
元可能なフェロセン誘導体界面活性剤を水性媒体に分散
してなるミセル分散液の製造方法において、酸性表面を
持たない疎水性物質を分散した後に酸性表面を持つ疎水
性物質を添加し分散することを特徴とする前記手段1記
載のミセル分散液の製造方法。
【0013】(4)疎水性物質およびフェロセン誘導体
界面活性剤を水性媒体に分散してなるミセル分散液に導
電性基板を挿入し通電処理して疎水性物質の薄膜を製造
する製造方法において、該ミセル分散液が少なくとも通
電処理されている間、該フェロセン誘導体界面活性剤中
の酸化体の比率を0を越え且つ0.3以下の範囲内に保
つことを特徴とする薄膜の製造方法。
【0014】(5)用いるミセル分散液が、上記(1)
あるいは(2)あるいは(3)記載の方法で製造したも
のである薄膜の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における実施例を、以下に
詳細に説明する。ここで、酸性表面を持つ物質とは、フ
タロシアニンブルー、ジオキサジンバイオレット、ジア
ントラキノニルレッド、ジスアゾイエロー、フタロシア
ニングリーンなどの有機顔料等を示し、酸性表面を持た
ない物質とは、ITO、酸化スズなどの金属粒子等を示
す。
【0016】(実施例1)純水500mlに臭化リチウ
ム一水和物5.24gとフェロセニルポリエチレングリ
コール(以下F−PEGという)1.85gとフタロシ
アニンブルー2.58gとジオキサジンバイオレット
0.46gと疎水化表面処理ITO粒子とを混合した。
ここで、フタロシアニンブルーとジオキサンバイオレッ
トは酸性表面を持たない物質で、疎水化表面処理ITO
粒子が酸性表面を持つ物質にあたいする。
【0017】攪拌混合した後、超音波ホモジナイザー
(日本精機製作所、形式:RUS600T、出力:20
kHz、600W)を用いて、液温13±2℃の条件
下、110分分散した。この超音波分散した分散液を冷
却遠心機を用いて530×gの遠心加速度で3分間遠心
分離を行った。この時のミセル分散液中の顔料に吸着し
ていないフリーなF−PEG中の酸化体比率は、0.2
3であった。
【0018】酸化体比率は以下のようにして計算を行な
う。一般にF−PEGのように酸化還元反応が可能な系
においては、ネルンストの式に従う。
【0019】 E=E0 +(RT/nF)ln(Cox/Cred) E0 は標準酸化還元電位,Eは酸化還元電位,Rは気体
定数,Fはファラデー定数,Tは温度,nは反応種1個
あたりに交換される電子数である。上記のミセル分散液
において分散後の自然電極電位がE,同濃度のF−PE
Gのみの水溶液のipa×1/2時の電位(半波電位)
がE0 になる。従って、この式によりCox/Cred
の値を求めることができる。また、ここで酸化体比率を
aと仮定し、F−PEG全量の濃度,吸着したF−PE
Gの濃度でCox/Credに相当する式を作る。この
式を解くことによって酸化体比率aを求めることができ
る。
【0020】ここでITO粒子の疎水化表面処理方法を
以下に記する。住友金属鉱山製ITO粒子(平均一次粒
子径300〜400オングストローム)100gを50
0mlセパラブルフラスコにとり、120℃で3時間真
空乾燥する。これにイソプロピルトリス(ジオクチルパ
イロフォスフェート)チタネート1.0gをキシレン2
00mlに溶かした溶液を入れ、高速ホモジナイザーを
用いて6000rpmの速度で90分間攪拌粉砕を行な
う。フラスコにテフロン製攪拌棒、還流管、温度計を取
り付け、オイルバス中で反応を行なう。反応液は250
rpmの回転数で113±2℃になるようにオイルバス
の温度を制御しながら3時間保持する。反応終了後なす
型フラスコに取り出してエバポレーターでキシレンを留
去した後、ITO粒子を100℃で3時間真空乾燥して
めのう乳鉢ですりつぶして完成する。
【0021】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてステンレス基板
を浸析させ、+0.4Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に青色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で0.8
2μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.1 Ωcmであった。またこの液を1週間放置し
た後、同様の方法でCF層を作製し特性を測定した結
果、膜厚は0.75μm,導電率は1×105.2cmとな
り経時的に安定している。
【0022】ここで好ましい導電率の範囲は、パネルに
した時のしきい値電圧Vth(光の透過率が10%の時
の電圧)のばらつきにより判断する。その結果、1×1
7.0 Ωcmを越えると色毎の顔料の誘電率が少し異な
るのでパネルの色間のVthのばらつきがでる。1×1
7.0 Ωcm以下になると色間のVthが揃ってくるの
で、実用的には1×107.0 Ωcm以下がよいと考えら
れる。
【0023】(実施例2)純水600mlに臭化リチウ
ム一水和物6.23gとフェロセニルポリエチレングリ
コール(F−PEG)2.32gとジアントラキノニル
レッド5.15gとジスアゾイエローHR1.06gと
を混合した。攪拌混合した後、超音波ホモジナイザー
(日本精機製作所、形式:RUS600T,出力:20
kHz,600W)を用いて、液温13±2℃の条件
下、3時間分散した。この超音波分散した分散液を冷却
遠心機を用いて2200×gの遠心加速度で10分間遠
心分離を行った。この時のミセル分散液中の顔料に吸着
していないフリーなF−PEG中の酸化体比率は、0.
075であった。
【0024】次に、遠心分離したミセル分散液の500
mlを取り出し、そこに疎水化処理を行なったITO粒
子8.82gを添加する。ミセル分散液にITO粒子を
添加後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形
式:RUS600T,出力:20kHz,600W)を
用いて、液温13±2℃の条件下、再度30分分散し
た。この時のミセル分散液中の顔料に吸着していないフ
リーなF−PEG中の酸化体比率は、0.17であっ
た。
【0025】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてステンレス基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で1.0
5μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.3 Ωcmであった。また、この液を1週間放置
した後、同様の方法でCF層を作製し特性を測定した結
果、膜厚は0.98μm,導電率は1×105.6Ωcmと
なり経時的に安定している。
【0026】(実施例3)純水500mlに臭化リチウ
ム一水和物5.24gとフェロセニルポリエチレングリ
コール(F−PEG)2.50gとジアントラキノニル
レッド7.98gとジスアゾイエローHR1.64gと
を混合した。攪拌混合した後、超音波ホモジナイザー
(日本精機製作所、形式:RUS600T,出力:20
kHz,600W)を用いて、液温13±2℃の条件
下、3時間分散した。この超音波分散した分散液を冷却
遠心機を用いて2200×gの遠心加速度で10分間遠
心分離を行った。この時のミセル分散液中の顔料に吸着
していないフリーなF−PEG中の酸化体比率は、0.
07であった。
【0027】次に、疎水化表面処理ITO粒子10.8
gとF−PEG0.81mlを純水200ml中で攪拌
混合した液を、上記顔料分散液300mlと混合した。
混合後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形
式:RUS600T,出力:20kHz,600W)を
用いて、液温13±2℃の条件下、再度分散した。分散
時間は、30分と60分行なった。この時のセル分散液
中の顔料に吸着していないフリーなF−PEG中の酸化
体比率は、それぞれ0.15,0.19であった。
【0028】ここで実施例1と同様の方法で顔料,IT
O粒子共析膜を作製した。膜厚は均一でそれぞれ0.8
8μm,0.93μmであった。以上の工程で得られた
顔料,ITO共析膜(以下CF層という)の導電率を測
定したところ1×105.6 Ωcm,1×105.5 Ωcm
であった。また、この液を1週間放置した後、同様の方
法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は0.8
8μm,0.84μm導電率は1×105.6 Ωcm,1×
105.7 Ωcmとなり経時的に安定している。
【0029】(実施例4)純水1000mlに臭化リチ
ウム一水和物10.48gとフェロセニルポリエチレン
グリコール(F−PEG)4.00gとジアントラキノ
ニルレッド15.96gとジスアゾイエローHR3.2
8gとを混合した。攪拌混合した後、超音波ホモジナイ
ザー(日本精機製作所、形式:RUS600T,出力:
20kHz,600W)を用いて、液温13±2℃の条
件下、4時間分散した。この超音波分散した分散液を冷
却遠心機を用いて2200×gの遠心加速度で10分間
遠心分離を行った。この時のミセル分散液中の顔料に吸
着していないフリーなF−PEG中の酸化体比率は、
0.05であった。
【0030】次に、疎水化表面処理ITO粒子18.0
gとF−PEG1.24mlとLiBr5.24gを純
水500ml中で攪拌混合した。混合後、超音波ホモジ
ナイザー(日本精機製作所、形式:RUS600T,出
力:20kHz,600W)を用いて、液温13±2℃
の条件下、30分分散した。この時のミセル分散液中の
顔料に吸着していないフリーなF−PEG中の酸化体比
率は、0.13であった。
【0031】さらに、上記顔料分散液300mlとIT
O粒子分散液300mlを混合した。混合後、超音波ホ
モジナイザー(日本精機製作所、形式:RUS600
T,出力:20kHz,600W)を用いて、液温13
±2℃の条件下、40分分散した。この時のセル分散液
中の顔料に吸着していないフリーなF−PEG中の酸化
体比率は、0.28であった。
【0032】ここで実施例1と同様の方法で顔料,IT
O粒子共析膜を作製した。膜厚は均一で0.81μmで
あった。以上の工程で得られた顔料,ITO共析膜(以
下CF層という)の導電率を測定したところ1×10
6.3 Ωcmであった。
【0033】(実施例5)純水500mlにフェロセニ
ルポリエチレングリコール(F−PEG)0.38gと
臭化リチウム一水和物5.24gと疎水化表面処理IT
O粒子5.4gとを混合した。混合後、超音波ホモジナ
イザー(日本精機製作所、形式:RUS600T,出
力:20kHz,600W)を用いて、液温13±2℃
の条件下、60分分散した。分散液は、沈殿がなく均一
であった。この時のミセル分散液中の顔料に吸着してい
ないフリーなF−PEG中の酸化体比率は、0.14で
あった。ここで実施例1と同様の方法でITO粒子のみ
の膜を作製した。膜厚は均一で0.10μmであった。
【0034】(比較例1)実施例1と同様の組成の混合
液を超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形式:R
US600T,出力:20kHz,600W)を用い
て、液温13±2℃の条件下、180分散させた。分散
後、分散液を1昼夜放置したところITO粒子が多量に
沈殿してしまった。ここで実施例1と同様の方法で顔
料,ITO粒子共析膜を作製した。膜厚は0.81μm
であった。以上の工程で得られた顔料,ITO共析膜
(以下CF層という)の導電率を測定したところ1×1
7.9 Ωcmであり、十分な導電率を得ることができな
かった。この時のミセル分散液中の顔料に吸着していな
いフリーなF−PEG中の酸化体比率は、0.37であ
った。
【0035】(比較例2)実施例5と同様の組成の混合
液を超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形式:R
US600T,出力:20kHz,600W)を用い
て、液温13±2℃の条件下、150,180,240
分の2水準を分散させた。分散後、分散液を3時間放置
したところITO粒子のほとんどが沈殿してしまった。
また、実施例1と同様の方法でITO粒子のみの膜を作
製しようとしたが、成膜しなかった。この時のミセル分
散液中の顔料に吸着していないフリーなF−PEG中の
酸化体比率は、それぞれ0.31,0.35,0.45
であった。
【0036】ここで、実施例1〜5および比較例1,2
の酸化体比率、膜厚、導電率についてまとめたものを表
1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】表1からわかるように酸化体比率が0.3
を越えると分散状態が不安定になり、粒子の沈殿が生じ
たりあるいは目的の導電率を得ることができなくなる。
また、顔料等の疎水性物質の分散を十分に行なった後で
酸性表面を持つ粒子を添加して再分散を行なうことによ
り、酸化体比率の急激な上昇を起こすことなく安定な分
散状態を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、分散液中の顔料や機能
性材料の安定な分散状態を得ることができる。また、酸
化体比率を管理することにより、液の状態や変化を見る
ことができる。さらに、酸化体比率を一定値以下に保つ
ことで経時的にも安定な分散状態を保っているので、高
品質の疎水性物質薄膜や機能性薄膜を長期間,安定に製
造することが可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // G02B 1/10 G02B 5/20 101 5/20 101 1/10 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも疎水性物質および酸化還元可能
    なフェロセン誘導体界面活性剤を水性媒体に分散してな
    るミセル分散液の製造方法において、前記疎水性物質と
    前記界面活性剤を水性媒体中に分散する工程で、フェロ
    セン誘導体界面活性剤中の酸化体の比率を、0以上0.
    3以下に保つことを特徴とするミセル分散液の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記疎水性物質として酸性表面を持つ物
    質と酸性表面を持たない物質を含むことを特徴とする請
    求項1記載のミセル分散液の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記疎水性物質を水性媒体中に分散する
    工程で、酸性表面を持たない疎水性物質を分散した後に
    酸性表面を持つ疎水性物質を添加し分散することを特徴
    とする請求項1記載のミセル分散液の製造方法。
  4. 【請求項4】 疎水性物質およびフェロセン誘導体界面
    活性剤を水性媒体に分散してなるミセル分散液に導電性
    基板を挿入し通電処理して疎水性物質の薄膜を製造する
    方法において、前記ミセル分散液が少なくとも通電処理
    されている間、前記フェロセン誘導体界面活性剤中の酸
    化体の比率を0を越え且つ0.3以下の範囲内に保つこ
    とを特徴とする薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1あるいは請求項2あるいは請求
    項3記載の方法で製造したミセル分散液を用いることを
    特徴とする薄膜の製造方法。
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