JPH11241198A - ミセル分散液の製造方法およびそれを用いた薄膜の製造方法 - Google Patents

ミセル分散液の製造方法およびそれを用いた薄膜の製造方法

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JPH11241198A
JPH11241198A JP4604098A JP4604098A JPH11241198A JP H11241198 A JPH11241198 A JP H11241198A JP 4604098 A JP4604098 A JP 4604098A JP 4604098 A JP4604098 A JP 4604098A JP H11241198 A JPH11241198 A JP H11241198A
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JP
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dispersion
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fine particles
micelle
particles
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JP4604098A
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Seiichi Tanabe
誠一 田辺
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2成分以上の微粒子を含有するミセル分散液
の組成を維持しつつ、粗大粒子を除去することのできる
ミセル分散液の製造方法を提供する。 【解決手段】 純水に臭化リチウム一水和物とフェロセ
ニルポリエチレングリコール(F−PEG)とジアント
ラキノニルレッドとジスアゾイエローHRとを混合し、
超音波ホモジナイザーで分散した後、分散液を遠心分離
して粗大粒子を除去する。そこに、ITO微粒子あるい
はITO微粒子分散液を添加し、再び超音波ホモジナイ
ザーで分散する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミセル分散液およ
び薄膜の製造方法に関し、詳しくはLCD用カラーフィ
ルタに用いる分散液中の粗大粒子を除去し、薄膜品質の
高い成膜が可能な分散液および薄膜を効率よく製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜の製造方法としてミセル電解
法が知られている。このミセル電解法に用いる分散液
は、顔料をはじめとする疎水性の微粒子とフェロセン誘
導体界面活性剤と水を混合し、超音波・ミルなどの分散
手段により得ることができる。この分散液に電極を挿入
し、電解処理を行うと電極に疎水性物質の薄膜が形成さ
れる。具体的には、疎水性物質をフェロセン誘導体界面
活性剤により分散させた状態の分散液に電極を挿入し、
電解処理によりフェロセン誘導体界面活性剤を酸化して
分散能力をなくして疎水性の微粒子の表面から離脱さ
せ、疎水性の微粒子を電極上に凝集させることによって
成膜させることを特徴とする。薄膜には顔料などの絶縁
性物質だけで形成される非導電性の膜と、導電性の微粒
子を混合した分散液を用いて薄膜を形成し膜自体に導電
性を持たせる方法などが考えられている。分散液中には
その分散状態によりさまざまな大きさの粒子が存在する
が、分散液中に5μm程度の粗大粒子が存在すると、膜
中にその粒子が取り込まれ突起物として存在することに
なる。一般に液晶パネルの厚みは5〜7μmであるた
め、この程度の突起物が薄膜中にあると、パネルを形成
した場合にセルギャップが不均一になるため液晶の配向
不良が生じ、パネル特性に大きな影響を与える。形成さ
れた薄膜は、平坦化膜としてオーバーコートを塗布する
ので、平坦化膜を厚くすることで平坦性をある程度改善
することは可能である。しかし、導電性薄膜については
導電性を確保するために、平坦化膜を厚くすることはで
きない。導電性を下げずに平坦性を確保するためには、
薄膜自体の平坦性を良くする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】薄膜中に存在する突起
物は、分散液中の粗大粒子が成膜されるために起きる現
象であることがわかっている。薄膜中の突起物をなくし
平坦性を良くするためには、粗大粒子が含まれない分散
液を用いて成膜することが重要である。一般的に粗大粒
子を取り除くためには、遠心分離法や自然沈降法などに
って達成することができる。しかし、2成分以上の微粒
子を分散する場合には、各成分の比重が異なるため、粒
子径の大きい成分のみを取り除くことができないという
欠点がある。また、2成分以上の微粒子が分散液中に存
在すると、粗大粒子除去後の組成が調合後の成分比と異
なってしまうため、目的の組成を得ることができなくな
る。例えば、導電性の微粒子が含有された分散液を用い
る場合、遠心分離や自然沈降などにより粗大粒子を除去
すると、比重の大きい導電性の微粒子が先に沈降してし
まうため、その分散液を用いて成膜しても所望の導電性
薄膜が得られなくなる。粗大粒子を除去し分散安定性を
向上させるために、分散液中の粒子径を制御する方法が
開示(特開平6−346287、特開平7−6815
6)されているが、他成分の微粒子が含有する場合の粗
大粒子の除去方法は開示されていない。従って、分散液
中の粗大粒子を取り除き、成膜後の薄膜の平坦性を向上
させるための技術の開発が望まれている。
【0004】そこで、本発明の目的は、上記のような課
題を解決することであり、2成分以上の微粒子が含有す
るミセル分散液中において、粗大粒子を取り除くことで
あり、各成分の分散液中の粒子径および比重を考慮し、
最適な分散方法およびそれを用いた薄膜の製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の手段
で解決される。
【0006】(1)少なくとも2種類の疎水性の微粒子
および酸化還元可能なフェロセン誘導体界面活性剤を水
性媒体に分散してなるミセル分散液の製造方法におい
て、顔料粒子を分散させる第1の工程と、該分散液5μ
m以上の粒子を除去する第2の工程と、該分散液に疎水
性の導電微粒子を添加する第3の工程と、添加後の混合
液を分散させる第4の工程を有することを特徴とするミ
セル分散液の製造方法。
【0007】(2)前記第1の工程で、顔料成分を1種
類あるいは2種類以上含有することを特徴とする前記手
段1記載のミセル分散液の製造方法。
【0008】(3)前記第2の工程で、その除去方法が
フィルタあるいは遠心分離あるいは自然沈降法を用いる
ことを特徴とする前記手段1記載のミセル分散液の製造
方法。
【0009】(4)前記第3の工程で、その添加方法
が、前記導電微粒子のみを添加する方法あるいは導電微
粒子をフェロセン誘導体界面活性剤水溶液中に分散した
後にこの分散液を添加することを特徴とする前記手段1
記載のミセル分散液の製造方法。
【0010】(5)前記第4の工程で、その分散方法が
超音波系の分散機を使用することを特徴とする前記手段
1記載のミセル分散液の製造方法。
【0011】(6)前記手段1の処理をした後に、第5
の工程として分散液をフィルタあるいは遠心分離により
5μm以上の粒子を除去することを特徴とする前記手段
1記載のミセル分散液の製造方法。
【0012】(7)疎水性の微粒子およびフェロセン誘
導体界面活性剤を水性媒体に分散してなるミセル分散液
に導電性基板を挿入し通電処理して疎水性の微粒子の薄
膜を製造する方法において、前記手段1あるいは6記載
の方法で製造したミセル分散液を用いることを特徴とす
る薄膜の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における実施例を、以下に
詳細に説明する。ここで、第1の工程で使用する疎水性
の微粒子とは、フタロシアニンブルー、ジオキサジンバ
イオレット、ジアントラキノニルレッド、ジスアゾイエ
ロー、フタロシアニングリーンなどの有機顔料等を示
し、第3の工程で使用する導電性の微粒子とは、ITO、
酸化スズなどの金属粒子等を示す。
【0014】(実施例1)以下の工程により分散液を作
製した。
【0015】第1工程 純水600mlに臭化リチウム
一水和物6.23gとフェロセニルポリエチレングリコ
ール(F−PEG)2.32gとジアントラキノニルレ
ッド5.15gとジスアゾイエローHR1.06gとを
混合した。攪拌混合した後、超音波ホモジナイザー(日
本精機製作所、形式:RUS600T,出力:20kH
z,600W)を用いて、液温13±2℃の条件下、3
時間分散した。分散液の粒子径を測定したところ、その
最大粒子径は12.5μmであった。
【0016】第2工程 この超音波分散した分散液を冷
却遠心機を用いて1500×gの遠心加速度で10分間
遠心分離を行った。遠心分離後の分散液の最大粒子径
は、4.7μmであった。
【0017】第3工程 次に、遠心分離したミセル分散
液の500mlを取り出し、そこに疎水化処理を行なっ
たITO粒子8.9gを添加する。
【0018】第4工程 ミセル分散液にITO粒子を添
加後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形式:
RUS600T,出力:20kHz,600W)を用い
て、液温13±2℃の条件下、再度30分分散した。こ
の時の分散液の最大粒子径は、4.9μmであった。
【0019】ここでITO粒子の疎水化表面処理方法を
以下に記する。住友金属鉱山製ITO粒子(平均一次粒
子径300〜400オングストローム)100gを50
0mlセパラブルフラスコにとり、120℃で3時間真
空乾燥する。これにイソプロピルトリス(ジオクチルパ
イロフォスフェート)チタネート1.0gをキシレン2
00mlに溶かした溶液を入れ、高速ホモジナイザーを
用いて6000rpmの速度で90分間攪拌粉砕を行な
う。フラスコにテフロン製攪拌棒、還流管、温度計を取
り付け、オイルバス中で反応を行なう。反応液は250
rpmの回転数で113±2℃になるようにオイルバス
の温度を制御しながら3時間保持する。反応終了後なす
型フラスコに取り出してエバポレーターでキシレンを留
去した後、ITO粒子を100℃で3時間真空乾燥して
めのう乳鉢ですりつぶして完成する。
【0020】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてTi/Pt基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で1.0
2μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.4 Ωcmであった。次に、このCF層の表
面状態を原子間力顕微鏡(AFM)で100×100μ
mの範囲内を観察したところ、1μm以上の突起物は6
個存在した。また、この液を1週間放置した後、同様の
方法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は0.
96μm,導電率は1×105.7 Ωcm,突起物は7
個となり経時的に安定している。
【0021】ここで好ましい導電率の範囲は、パネルに
した時のしきい値電圧Vth(光の透過率が10%の時
の電圧)のばらつきにより判断する。その結果、1×1
7.0 Ωcmを越えると色毎の顔料の誘電率が少し異な
るのでパネルの色間のVthのばらつきがでる。1×1
7.0 Ωcm以下になると色間のVthが揃ってくるの
で、実用的には1×107.0 Ωcm以下がよいと考えら
れる。
【0022】(実施例2)以下の工程により分散液を作
製した。
【0023】第1工程 純水1000mlに臭化リチウ
ム一水和物10.48gとフェロセニルポリエチレング
リコール(F−PEG)2.76gとジアントラキノニ
ルレッド8.78gとジスアゾイエローHR1.80g
とを混合した。攪拌混合した後、超音波ホモジナイザー
(日本精機製作所、形式:RUS600T,出力:20
kHz,600W)を用いて、液温13±2℃の条件
下、4時間分散した。この時の分散液の最大粒子径は、
13.2μmであった。
【0024】第2工程 この超音波分散した分散液を冷
却遠心機を用いて1500×gの遠心加速度で10分間
遠心分離を行った。遠心分離後の分散液の最大粒子径
は、4.2μmであった。
【0025】第3工程 次に、純水250mlに疎水化
処理を行なったITO粒子9.0gとフェロセニルポリ
エチレングリコール(F−PEG)1.35gを混合
し、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形式:R
US600T,出力:20kHz,600W)を用い
て、液温13±2℃の条件下、10分分散した。
【0026】第4工程 次に、ITO分散液250mlと
遠心分離した顔料分散液の250mlを混合して目的組
成とした。混合後、超音波ホモジナイザー(日本精機製
作所、形式:RUS600T,出力:20kHz,60
0W)を用いて、液温13±2℃の条件下、再度30分
分散した。分散液の最大粒子径は、4.6μmであっ
た。
【0027】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてTi/Pt基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で1.0
7μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.5 Ωcmであった。次に、このCF層の表
面状態を原子間力顕微鏡(AFM)で100×100μ
mの範囲内を観察したところ、1μm以上の突起物は5
個存在した。また、この液を1週間放置した後、同様の
方法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は1.
00μm,導電率は1×105.8 Ωcm,突起物は7
個となり経時的に安定している。
【0028】(実施例3)実施例1と同様の方法(第1
〜第4工程)で分散してできたミセル液を、5μmのメ
ンブランフィルタで減圧ろ過した。この時の分散液の最
大粒子径は、4.4μmであった。
【0029】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてTi/Pt基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で0.9
8μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.5 Ωcmであった。次に、このCF層の表
面状態を原子間力顕微鏡(AFM)で100×100μ
mの範囲内を観察したところ、1μm以上の突起物は3
個存在した。また、この液を1週間放置した後、同様の
方法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は0.
90μm,導電率は1×105.8 Ωcm,突起物は3
個となり経時的に安定している。
【0030】(実施例4)以下の工程により分散液を作
製した。
【0031】第1工程 純水600mlに臭化リチウム
一水和物6.23gとフェロセニルポリエチレングリコ
ール(F−PEG)2.32gとジアントラキノニルレ
ッド5.15gとジスアゾイエローHR1.06gとを
混合した。攪拌混合した後、超音波ホモジナイザー(日
本精機製作所、形式:RUS600T,出力:20kH
z,600W)を用いて、液温13±2℃の条件下、3
時間分散した。分散液の最大粒子径は、12.1μmで
あった。
【0032】第2工程 この超音波分散した分散液を冷
却遠心機を用いて3000×gの遠心加速度で10分間
遠心分離を行った。遠心分離後の分散液の最大粒子径
は、2.1μmであった。
【0033】第3工程 次に、遠心分離したミセル分散
液の500mlを取り出し、そこに疎水化処理を行なっ
たITO粒子8.9gを添加する。
【0034】第4工程 ミセル分散液にITO粒子を添
加後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形式:
RUS600T,出力:20kHz,600W)を用い
て、液温13±2℃の条件下、再度30分分散した。
【0035】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてTi/Pt基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で0.9
2μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.2 Ωcmであった。次に、このCF層の表
面状態を原子間力顕微鏡(AFM)で100×100μ
mの範囲内を観察したところ、1μm以上の突起物は1
個存在した。また、この液を1週間放置した後、同様の
方法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は0.
86μm,導電率は1×105.3 Ωcm,突起物はな
く、経時的に安定している。
【0036】(実施例5)以下の工程により分散液を作
製した。
【0037】第1工程 純水600mlに臭化リチウム
一水和物6.23gとフェロセニルポリエチレングリコ
ール(F−PEG)2.32gとジアントラキノニルレ
ッド5.15gとジスアゾイエローHR1.06gとを
混合した。攪拌混合した後、超音波ホモジナイザー(日
本精機製作所、形式:RUS600T,出力:20kH
z,600W)を用いて、液温13±2℃の条件下、3
時間分散した。この時の分散液の最大粒子径は、12.
6μmであった。
【0038】第2工程 この超音波分散した分散液を冷
却遠心機を用いて5000×gの遠心加速度で10分間
遠心分離を行った。遠心分離後の分散液の最大粒子径
は、1.7μmであった。
【0039】第3工程 次に、遠心分離したミセル分散
液の500mlを取り出し、そこに疎水化処理を行なっ
たITO粒子8.9gを添加する。
【0040】第4工程 ミセル分散液にITO粒子を添
加後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形式:
RUS600T,出力:20kHz,600W)を用い
て、液温13±2℃の条件下、再度30分分散した。こ
の時の分散液の最大粒子径は、2.5μmであった。
【0041】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてTi/Pt基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で0.8
4μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.1 Ωcmであった。次に、このCF層の表
面状態を原子間力顕微鏡(AFM)で100×100μ
mの範囲内を観察したところ、1μm以上の突起物は存
在しなかった。また、この液を1週間放置した後、同様
の方法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は
0.78μm,導電率は1×105.1 Ωcm,突起物
はなく、経時的に安定している。
【0042】(実施例6)以下の工程により分散液を作
製した。
【0043】第1工程 純水600mlに臭化リチウム
一水和物6.23gとフェロセニルポリエチレングリコ
ール(F−PEG)2.32gとジアントラキノニルレ
ッド5.15gとジスアゾイエローHR1.06gとを
混合した。攪拌混合した後、超音波ホモジナイザー(日
本精機製作所、形式:RUS600T,出力:20kH
z,600W)を用いて、液温13±2℃の条件下、3
時間分散した。この時の分散液の最大粒子径は、12.
4μmであった。
【0044】第2工程 この超音波分散した分散液を5
μmのメンブランフィルタを用い減圧ろ過した。ろ過後
の分散液の最大粒子径は、4.8μmであった。
【0045】第3工程 次に、遠心分離したミセル分散
液の500mlを取り出し、そこに疎水化処理を行なっ
たITO粒子8.9gを添加する。
【0046】第4工程 ミセル分散液にITO粒子を添
加後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形式:
RUS600T,出力:20kHz,600W)を用い
て、液温13±2℃の条件下、再度30分分散した。こ
の時の分散液の最大粒子径は、4.9μmであった。
【0047】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてTi/Pt基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で1.0
3μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.4 Ωcmであった。次に、このCF層の表
面状態を原子間力顕微鏡(AFM)で100×100μ
mの範囲内を観察したところ、1μm以上の突起物が6
個存在した。また、この液を1週間放置した後、同様の
方法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は0.
97μm,導電率は1×105.8 Ωcm,突起物は5
個で、経時的に安定している。
【0048】(実施例7)以下の工程により分散液を作
製した。
【0049】第1工程 純水600mlに臭化リチウム
一水和物6.23gとフェロセニルポリエチレングリコ
ール(F−PEG)2.32gとジアントラキノニルレ
ッド5.15gとジスアゾイエローHR1.06gとを
混合した。攪拌混合した後、超音波ホモジナイザー(日
本精機製作所、形式:RUS600T,出力:20kH
z,600W)を用いて、液温13±2℃の条件下、3
時間分散した。この時の分散液の最大粒子径は、12.
9μmであった。
【0050】第2工程 この超音波分散した分散液を2
4時間自然放置した。放置後、沈澱物が混ざらないよう
に分散液を取り出した。取り出し後の分散液の最大粒子
径は、4.0μmであった。
【0051】第3工程 次に、遠心分離したミセル分散
液の500mlを取り出し、そこに疎水化処理を行なっ
たITO粒子8.9gを添加する。
【0052】第4工程 ミセル分散液にITO粒子を添
加後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所、形式:
RUS600T,出力:20kHz,600W)を用い
て、液温13±2℃の条件下、再度30分分散した。こ
の時の分散液の最大粒子径は、4.4μmであった。
【0053】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてTi/Pt基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で1.0
4μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.5 Ωcmであった。次に、このCF層の表
面状態を原子間力顕微鏡(AFM)で100×100μ
mの範囲内を観察したところ、1μm以上の突起物が7
個存在した。また、この液を1週間放置した後、同様の
方法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は0.
95μm,導電率は1×105.8 Ωcm,突起物は5
個で、経時的に安定している。
【0054】(比較例1)純水500mlに臭化リチウ
ム一水和物5.24gとフェロセニルポリエチレングリ
コール(F−PEG)1.93gとジアントラキノニル
レッド3.99gとジスアゾイエローHR0.82gと
疎水化処理をしたITO微粒子9.0gを混合した。攪
拌混合した後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作
所、形式:RUS600T,出力:20kHz,600
W)を用いて、液温13±2℃の条件下、90分分散し
た。次に、分散液を冷却遠心機を用いて500×gの遠
心加速度で10分間遠心分離を行った。遠心分離後の分
散液の最大粒子径は、8.9μmであった。
【0055】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてTi/Pt基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で0.9
8μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×105.7 Ωcmであった。次に、このCF層の表
面状態を原子間力顕微鏡(AFM)で100×100μ
mの範囲内を観察したところ、1μm以上の突起物が2
2個存在した。また、この液を1週間放置した後、同様
の方法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は
0.89μm,導電率は1×105.9 Ωcm,突起物
は27個存在した。
【0056】(比較例2)純水500mlに臭化リチウ
ム一水和物5.24gとフェロセニルポリエチレングリ
コール(F−PEG)1.93gとジアントラキノニル
レッド3.99gとジスアゾイエローHR0.82gと
疎水化処理をしたITO微粒子9.0gを混合した。攪
拌混合した後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作
所、形式:RUS600T,出力:20kHz,600
W)を用いて、液温13±2℃の条件下、90分分散し
た。次に、分散液を冷却遠心機を用いて1500×gの
遠心加速度で10分間遠心分離を行った。遠心分離後の
分散液の最大粒子径は、3.6μmであった。
【0057】このミセル分散液中にアノードとして電極
を持ったガラス基板と、カソードとしてTi/Pt基板
を浸析させ、+0.6Vの電位で15分電解を行なっ
た。この結果ITO基板上に赤色の顔料膜が形成され
た。この基板を水洗し180℃で30分焼成した後、
0.2μmのオーバーコート(JSS−8日本合成ゴム
社製)を塗布して膜厚を測定した。膜厚は均一で0.9
2μmであった。以上の工程で得られた顔料,ITO共
析膜(以下CF層という)の導電率を測定したところ1
×107.0 Ωcmであった。次に、このCF層の表
面状態を原子間力顕微鏡(AFM)で100×100μ
mの範囲内を観察したところ、1μm以上の突起物が5
個存在した。また、この液を1週間放置した後、同様の
方法でCF層を作製し特性を測定した結果、膜厚は0.
84μm,導電率は1×107.3Ωcm,突起物は7
個存在した。
【0058】ここで、実施例1〜6および比較例1,2
の酸化体比率、膜厚、導電率についてまとめたものを表
1に示した。
【0059】
【表1】
【0060】表1からわかるように顔料微粒子のみの分
散をした後に遠心分離を行なわずに、顔料微粒子とIT
O微粒子を共分散させた後に遠心分離を行なうと、遠心
分離加速度が低い場合分散液の最大粒子径が5μm以上
になり、カラーフィルタ上に1μm以上の突起物が多量
に発生する。また、遠心分離速度を高くすると薄膜の導
電率が上昇し目的のパネル特性値を得ることができなく
なる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、2成分以上の微粒子が
含有するミセル分散液中において、分散液の分散方法と
処理方法を変えて粗大粒子を除去することにより、顔料
や機能性材料の安定な分散状態を得ることができる。ま
た、この分散液を用いて薄膜を形成する場合、薄膜上に
突起物のない平坦性の優れた高品質の疎水性物質薄膜や
機能性薄膜を長期間、安定に製造することが可能であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種類の疎水性の微粒子およ
    び酸化還元可能なフェロセン誘導体界面活性剤を水性媒
    体に分散してなるミセル分散液の製造方法において、顔
    料粒子を分散させる第1の工程と、該分散液5μm以上
    の粒子を除去する第2の工程と、該分散液に疎水性の導
    電性の微粒子を添加する第3の工程と、添加後の混合液
    を分散させる第4の工程と、を有することを特徴とする
    ミセル分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程で、顔料成分を1種類あ
    るいは2種類以上含有することを特徴とする請求項1記
    載のミセル分散液の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程で、その除去方法がフィ
    ルタあるいは遠心分離あるいは自然沈降法を用いること
    を特徴とする請求項1記載のミセル分散液の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程で、その添加方法が、前
    記導電微粒子のみを添加する方法あるいは導電微粒子を
    フェロセン誘導体界面活性剤水溶液中に分散した後にこ
    の分散液を添加することを特徴とする請求項1記載のミ
    セル分散液の製造方法。
  5. 【請求項5】 前期第4の工程で、その分散方法が超音
    波系の分散機を使用することを特徴とする請求項1記載
    のミセル分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の処理をした後に、第5の
    工程として分散液をフィルタあるいは遠心分離により5
    μm以上の粒子を除去することを特徴とする請求項1記
    載のミセル分散液の製造方法。
  7. 【請求項7】 疎水性の微粒子およびフェロセン誘導体
    界面活性剤を水性媒体に分散してなるミセル分散液に導
    電性基板を挿入し通電処理して疎水性の微粒子の薄膜を
    製造する方法において、請求項1または請求項6に記載
    の方法で製造したミセル分散液を用いることを特徴とす
    る薄膜の製造方法。
JP4604098A 1998-02-26 1998-02-26 ミセル分散液の製造方法およびそれを用いた薄膜の製造方法 Withdrawn JPH11241198A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015034041A1 (ja) 2013-09-05 2015-03-12 国立大学法人北海道大学 有機elデバイス用薄膜及びその製造方法

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WO2015034041A1 (ja) 2013-09-05 2015-03-12 国立大学法人北海道大学 有機elデバイス用薄膜及びその製造方法

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