JPH03175031A - 防水シートの製造方法 - Google Patents

防水シートの製造方法

Info

Publication number
JPH03175031A
JPH03175031A JP1176690A JP1176690A JPH03175031A JP H03175031 A JPH03175031 A JP H03175031A JP 1176690 A JP1176690 A JP 1176690A JP 1176690 A JP1176690 A JP 1176690A JP H03175031 A JPH03175031 A JP H03175031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin powder
base fabric
melting
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1176690A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0639148B2 (ja
Inventor
Tsutomu Obayashi
大林 勉
Norio Shimado
典夫 島戸
Hiroshi Suzuki
博 鈴木
Yoshitsugu Hiraoka
平岡 義次
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiraoka and Co Ltd
Original Assignee
Hiraoka and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hiraoka and Co Ltd filed Critical Hiraoka and Co Ltd
Priority to JP2011766A priority Critical patent/JPH0639148B2/ja
Publication of JPH03175031A publication Critical patent/JPH03175031A/ja
Publication of JPH0639148B2 publication Critical patent/JPH0639148B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、防水シートの製造方法に関するものである。
更に詳しく述べるならば、本発明は、有機溶媒を使用す
ることなく、防水性樹脂で基布を被覆して特殊な外観を
有する防水シートを製造する方法に関するものである。
〔従来の技術・発明が解決しようとする課題〕従来から
非通気性防水シートは、繊維布帛からなる基布の片面、
又は両面に防水樹脂の被覆層を形成することにより製造
されている。この防水樹脂被覆層を形成するには、防水
樹脂の有機溶剤溶液、またはエマルジョンを、基布の所
定の表面にコーティング法により塗布又はディッピング
法により含浸し、溶剤を蒸発除去してこの塗布又は含浸
された基布を乾燥する方法か、或は防水樹脂からなるフ
ィルムを基布に接着剤により、或は融着法により貼着す
る方法(カレンダー法、又はトッピング法)が一般に知
られている。
欧米諸外国においては、基布として、マルチフィラメン
ト糸条からなり、従って平滑な表面を有する布帛を用い
、この上に上記方法により樹脂被覆層を結着して、所謂
ターポリンと呼ばれる防水シートが製造されている。こ
のような、マルチフィラメント糸条基布を用いた防水布
は平滑な表面を有し従って光沢が強く、このため艷の少
ない表面を好む我国においては受は入れ難いものであっ
た。
このため我国においては、紡績糸布帛を基布として用い
、この基布を防水樹脂の有機溶剤溶液又はエマルジョン
に浸漬(ディッピング〉し、過剰の溶液を除去(絞り〉
し、これを乾燥して防水樹脂被覆層を形成して、防水シ
ートが製造されている。このような防水シートにおいて
、その基布に比較的密度の高い紡績糸織物、一般には帆
布と呼ばれる紡績糸織物が用いられ、防水樹脂被覆層は
、基布の表面のみならず、布帛内部空間にまで浸透して
固定されているので、極めて苛酷な使用条件にも耐える
ものであった。また紡績糸基布は多数の毛羽を有するも
のであって、この毛羽が防水樹との接着強度を著しく高
めている。また、基布の毛羽は、防水樹脂被覆層の表面
に特有の粗面(凹凸〉と艶消し効果を与え、重厚な外観
を付与していた。
しかしながら、紡績糸布帛は、それと同一日付を有する
マルチフィラメント糸条布帛にくらべて機械的強度が低
いため、所定強度を得るためには、紡績糸布帛は、マル
チフィラメント糸条布帛よりも目付の大きい(厚さの大
きい)ものとする必要があった。
これに対して、基布としてマルチフィラメント糸条布帛
を用いるときは、それが比較的高い強度を有するため、
比較的薄い、又は密度の粗いものを用いることができる
。すなわち、粗目軽量マルチフィラメント糸条布帛から
なる基布の両面に、防水樹脂フィルムを貼着し、両フィ
ルムを粗目空隙において互に接着(ブリッジ)させて、
軽量防水シートを製造することができる。しかしながら
、このマルチフィラメント糸条基布には毛羽がなく、そ
の表面は平滑であり、織物密度も粗いため、基布と防水
樹脂フィルムとの接着強度が低く、このため、防水シー
トの使用中、屈曲、風圧によるはためきなどによって基
布から防水樹脂フィルムが剥離しやすいという問題点が
ある。特に密度が高くコンパクトなフィラメント織物を
基布とする防水シートの場合、この傾向が大きい。
一般に、紡績糸布帛を基布とする防水シートの製造にお
いては、防水性樹脂、例えば多量の可塑剤、例えばり、
OoPを含んだポリ塩化ビニル樹脂ペーストの有機溶剤
(例えばトリクロロエチレン〉溶液に、所要の添加剤、
例えば、被覆強度向上のための充填剤、防炎性増進のた
めの難燃剤、例えば三酸化アンチモン、或は顔料、耐候
耐熱安定剤などの粉末を添加混合して塗布液を調製し、
この塗布液に基布を浸漬し、搾液するか、又は塗布液を
基布表面に塗布し、乾燥して有機溶剤を蒸発除去してポ
リ塩化ビニル樹脂をゲル化し固形被膜を形成させる方法
が行われている。上記方法においては下記のような問題
点がある。
(イ〉有機溶剤の使用、蒸発除去により環境悪化および
経済的損失がある。
(ロ)樹脂溶液中に、添加剤を混合したとき、両者の比
重差などにより混合液の均一性を保持することが困難で
ある。
(ハ〉樹脂溶液の粘度を有機溶剤の添加量によって調節
しなければならず、有機溶剤は加工工程の途中で、例え
ばマングル面などから揮発逃散するので、従って加工条
件を均一に維持することが困難である。
本発明は、従来の防水シートの製造方法における上述の
ような諸問題点を解消し、十分な防水効果を有し、所望
の光沢、模様、色彩などの外観並びに機能を有する防水
シートを、有機溶媒を用いることなく、簡単な操作で安
価に製造することのできる方法を提供しようとするもの
である。
〔課題を解決するための手段・作用〕
本発明の防水シートの製造方法は、溶融性、および防水
性を有する重合体材料をマトリックスとして含有する少
なくとも1種の樹脂粉末を、繊維布帛からなる基布の少
なくとも1面上に付着し、前記基布を溶融、又は熱分解
することなく、その上の樹脂粉末を溶融して溶融樹脂被
膜を形成し、次に前記溶融樹脂被膜を冷却面化して、前
記基布に結着した固形樹脂被覆層を形成することを特徴
とするものである。
また、本発明の防水シートの製造方法において、前記樹
脂粉末は、マトリックス重合体中に混練された、機能付
加添加剤を含んでいてもよく、この場合、樹脂粉末は両
者を含む混合物を、前記マトリックス重合体材料の融点
よりも高い温度で混練し、この混合物を固化し、粉砕し
て調製されたものであることが好ましい。
本発明方法において、基布上の樹脂粉末は、そのマトリ
ックス重合体材料の融点以上の温度における加熱処理、
遠赤外線加熱処理、高周波処理、又は、高周波処理と、
それに引続く加熱処理によって、溶融することができる
本発明方法に用いられる基布は繊維布帛よりなるもので
あって、この布帛を形成する繊維には、その融点又は熱
分解点が樹脂粉末中のマトリックス重合体材料の融点よ
り高い限り、格別の制限はない。しかし、一般に、本発
明方法に用いられる繊維は、樹脂粉末中のマトリックス
重合体材料の融点よりも、少なくとも10℃高い融点、
又は熱分解点を有することが好ましい。このような繊維
は、例えば有機天然繊維(例えば、麻、木綿など)、有
機半再生繊維(ジアセテート繊維、トリアセテート繊維
など〉、有機再生繊維(ビスコースレーヨン繊維、キュ
プラレーヨン繊維など)、有機合成繊維(ポリエステル
繊維、ポリオレフィン繊維、脂肪族ポリアミド繊維、水
不溶化ポリビニルアルコール繊維(ビニロン)、芳香族
ポリエステル繊維および芳香族ポリアミド繊維のような
高耐熱性繊維など〉、および無機繊維(ガラス繊維、セ
ラミックス繊維、カーボン繊維、金属繊維など〉から選
ぶことができる。
基布を構成する糸条の形態にも制限はなく、マルチフィ
ラメント糸条、紡績糸条、スプリット糸条、テープ糸条
およびこれらの複合糸条などのいづれであってもよい。
また基布の組織についても格別の制限はなく、織布、絹
布、不織布、およびこれらの複合布帛のいづれであって
もよい。
基布の重量および厚さにも制限はないが、一般には、5
0〜io00g/m’の重量を有すること、および/又
は0.Ol〜2.0 mmの厚さを有することが好まし
い。
上記のような各種基布のうち、紡績糸条よりなる織布で
あって、密度が比較的高く、糸条間空隙の小さな、所謂
金山(カナキン)、厚縁、又は帆布などを用いることが
好ましい。また繊維としては水不溶化ポリビニルアルコ
ール繊維(ビニロン)、ポリエステル繊維、芳香族ポリ
アミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ガラス繊維、ま
たはカーボン繊維などを用いることが好ましい。
基布としては、生機のま\、またはそれを常法により精
錬、乾燥されたものが被覆工程に供される。その前に必
要に応じ基布の被覆すべき面に接着剤、炭水剤、着色剤
などによる前処理を施でもよく、或は、低温プラズマ処
理、コロナ放電処理、またはその他の活性化処理を施し
てその表面を活性化してもよい。
本発明方法に用いられる少なくとも1種の樹脂粉末は、
溶融可能な防水性重合体材料をマトリックスとして含む
もので、このマトリックス重合体材料の融点は、基布の
融点、又は熱分解点よりも少なくとも10℃低いことが
好ましい。このようなマトリックス重合体材料を含む樹
脂粉末は、加熱処理、遠赤外線加熱処理、又は高周波処
理によって速かに溶融し、かつ基布内部に流入浸透する
ことができるので、樹脂自身や基布に過熱による劣化を
発生することがない。
一般に、基布表面上に形成される樹脂粉末の厚さは、溶
融後21+1[0以下の厚さになるように設定すること
が好ましい。溶融樹脂層の厚さが2m111をこえて大
きくなるような樹脂粉末層は、これを短時間に均一に溶
融し、基布内部に均一に浸透させることは困難なことが
ある。
また、溶融処理により基布上に形成される固形樹脂被覆
層は2叩以下の厚さを有することが好ましく、0.05
〜0.5閣の厚さがより好ましく、かつピンホールのな
いものであることが好ましい。
本発明方法に用いられる樹脂粉末は、溶融可能な防水性
重合体材料をマトリックスとして含むもので、この重合
体材料マ) IJフックス中溶解又は分散した機能付加
添加剤、例えば可塑剤、耐熱安定剤、着色剤、防炎剤、
難燃剤、耐候安定剤、滑剤、充填剤、接着剤、防接水剤
、紫外線吸収剤、その他所型の各種仕上剤などの少なく
とも1種からなる添加剤を含んでいてもよい。また樹脂
粉末に所要の粉末状添加剤、例えば、三酸化アンチモン
からなる難燃剤粉末、或は、顔料粉末、安定剤粉末、無
機充填剤粉末などや、D、 0. Pのような液状添加
剤と混合されていてもよい。
本発明方法において樹脂粉末中に、所望の防水被膜を形
成するのに必要な成分のはゾすべてが一緒に含まれてい
て、この樹脂粉末を付着・溶融することにより、簡単に
所望の防水被膜が形成される点が重要である。
本発明方法においては、機能において、互に異なる2種
以上の樹脂粉末を用いることができる。
たとえば、防水シートにおいて、特定機能(例えば難燃
性、紫外線耐久性、結露防止性、制電性、又は芳香性な
ど)を必要とする部分には、所要濃度の機能付加添加剤
(例えば難燃剤、紫外線吸収剤、吸水剤、漏潤剤、導電
性付与剤、又は付番剤など)を含む樹脂粉末を用い、防
水シートの他の部分には、機能付加添加剤を含まない、
或は、他よりも少量しか含まない樹脂粉末を使用するこ
とができる。
或は、互に異なる機能付加添加剤を含む2種以上の樹脂
粉末を用いることもできる。
これらの2種以上の樹脂粉末をその混合物として用いて
もよいし、これらを前記のように基布の異なる部分に付
着してもよい。
また、2種以上の樹脂粉末を、基布の少なくとも1面の
全面に、又は部分的に、2以上の層をなして付着しても
よい。
本発明方法において、機能付加添加剤として、着色剤を
用いる場合、色彩の異なる、又は色濃度の異なる2種以
上の樹脂粉末を用いることができる。
このように、色において互に異なる2種以上の樹脂粉末
を混合して用いると、溶融工程においてもこれら色の異
なる樹脂粉末は、それらの比較的高い溶融粘度のために
互に均一に溶融混合することがなく、従って複数の色の
多数の点の混合が得られ全体として極めてユニークかつ
複雑な色彩を発現する。
また、互に色の異なる2種以上の樹脂粉末を、基布の異
なる部分に付着させて、所望の模様を形成することがで
きる。この場合でも、色の異なる樹脂粉末が互に接触す
るように配置された境界帯域では、これらを溶融しても
、その高い粘度のために樹脂粉末は完全には融合せず、
互に異る色の鮮鋭な境界、又は滲みを生じ極めてユニー
クで複雑な模様、又はボカシを形成することができる。
上記のように、互に色の異なる2種以上の樹脂粉末を用
いる本発明方法により、従来のコーティング、ディッピ
ング、又はカレンダーリング方法などでは得ることがで
きず、プリント法に依存していた工程の省略が可能とな
り、しかも簡単な方法によって、ユニーク、かつ複雑な
模様、又は色彩を得ることが可能となる。
本発明に使用される樹脂粉末は、例えば、マトリックス
重合体材料と、所望により添加成分とをペレタイザーに
よりペレットに成形し、このペレットを例えば凍結粉砕
することにより樹脂粉末としてもよい。
また、本発明方法において、マトリックス重合体材料と
、所望に応じて上記機能付加添加剤との混合物をマトリ
ックス重合体材料の融点以上の温度で溶融混練し、この
混合物を固化し粉砕して樹脂粉末を製造することができ
る。但し、機能付加添加剤の添加によりマ) IJフッ
クス合体材料の融点が降下することがあるので溶融混練
温度は、マトリックス重合体材料のみの場合よりも、や
5低くすることができることもある。例えば硬質ポリ塩
化ビニル樹脂(融点:212〜220℃)からなるマト
リックスに可塑剤を添付すると、この混合物は160〜
190℃で溶融混練することができる。また、特別の例
として可塑剤として、ブチルベンジルフタレート、トリ
クレジルフォスフェート、ジラウリルフタレート、およ
びジオクチルフタレートの少なくとも1種を用いると、
その混合物は150℃以下の温度で溶融混練することが
可能となる。このようにマトリックス重合体材料と機能
付加添加剤との混合物を、それが示す融点以上の温度で
混和すればよい。このようにして製造された樹脂粉末は
、その後の工程において、溶融され被膜を形成するとき
、揮発成分の発生がなく従って、被膜に微細な気孔や空
孔を形成することがなく、すぐれた防水被膜を形成する
ことができる。
従って、本発明方法に用いられる機能付加添加剤は、発
泡性物質を含まないことが好ましいが、形成される被膜
の防水性に実際上の悪影響がない限り、微小の気孔、又
は空孔の形成は、許容される。
本発明方法に用いられるマトリックス重合体材料は、加
熱又は高周波処理により溶融するものであり、かつ防水
性被膜を形成し得るものである限り、格別の限定はなく
、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン樹脂(
例えば、結晶性ポリプロピレン樹脂、およびポリエチレ
ン樹脂など)、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、フッ素含有重合体樹脂、およびシリコ
ーン樹脂などから選ぶことができる。
一般に本発明方法に用いられる樹脂粉末は、48メツシ
ユサイズ以下(粒径297−以下)のサイズを有するこ
とが好ましいが、できるだけ細かいことが望ましく、例
えば60〜400メツシユサイズ(粒径:250〜37
Ra)のものが一般に用いられる。
本発明方法において、基布の片面上、又は両面上に樹脂
粉末を付着させる。この付着法としては、粉末載置法、
粉末撒布法、粉末水分散液含浸法、粉末水分散液塗布法
、粉末付着法、および電気的付着法、などがある。
粉末載置法は、樹脂粉末を基布上に載置し、これを所定
の厚さになるようにならし、掻き取る方法を包含する。
撒布法では、樹脂粉末を、基布の所要面上に均一に又は
所要の分布をもって撒布すればよい。このとき基布付着
面に粉末を吹きつけて、樹脂粉末が基布組織中に圧入し
てもよいし、或は付着面の反対側から吸引を行って、樹
脂粉末を基布組織内に吸い込むようにしてもよい。
粉末水分散液含浸法においては、粉末を所定濃度で水中
に分散懸垂させてスラリーとし、このスラリー中に基布
を浸漬し、スラリー中から基布を引き上げて、搾液して
所定量の粉末を基布に含浸させる。
粉末水分散液塗布法においては、比較的濃度の高い樹脂
粉末分散液を調製し、これを基布に塗布する。このとき
、更にマングルで基布を圧縮し、分散液を基布内部に押
し込むようにすればよい。
粉末水分散液含浸法および塗布法における水分散液の濃
度は、使用目的に応じて、サラサラした液状からペース
ト(糊)状まで各種のものを選択使用することができる
。また、樹脂粉末の付着を促進するために分散液に増粘
剤を添加し、分散液を粘稠なものにすることも有効であ
る。
粉末付着法においては、基布の被覆面を予じめ、液体、
例えば水で濡らし、或は接着剤溶液で濡らし、これに樹
脂粉末を吹きつけ、又は接触させてその所定量を付着さ
せればよい。このとき、上述と同様に加圧又は吸引を行
ってもよい。
また、電気的付着法としては、エレクトレット繊維から
なる布帛を用いる方法、又は布帛、または樹脂粉末に帯
電させ、静電気的に両者の付着を達成する方法などがあ
る。
上記のいづれの樹脂粉末付着法においても、基布上に樹
脂粉末をコンパクトに付着させるため、これに加圧、振
動などの補助操作を併用して、基布と、樹脂粉末との付
着と密にすることが肝要である。
一般に基布上に付着させるべき樹脂粉末量は、50〜1
.000 g / m’程度である。
基布から過剰の樹脂粉末を除去するには、これに振動を
与えて振り落すか或いは吸引してもよい。
本発明方法において基布上の樹脂粉末に対し、そのマト
リックス重合体材料の温度をその融点以上の温度に上昇
させる溶融処理を施して、基布上に溶融樹脂被膜を形成
させる。この溶融処理は、通常の熱風加熱、赤外線加熱
、電熱加熱板加熱、および燃焼ガス加熱などの加熱処理
、遠赤外線加熱処理、並びに高周波処理のいづれであっ
てもよい。遠赤外線加熱および高周波加熱の場合、樹脂
粉末中に、(遠〉赤外線を放射するセラミックス、高周
波により励起する極性物質、例えばグリセリン、ポリエ
チレングリコール、またはメラミン樹脂などのような感
応性物質を含有させておくと温度上昇効果を促進するこ
とができる。また、加熱4>=、、予熱操作と高温加熱
操作とに分けて実施し、そ;゛・l二よって溶融状態を
均一に、かつ精密にコントローノ・・1.てもよい。特
に、高周波処理を施す場合、高周波以外の手段で先づ被
処理材料を所望温度に近い温度まで加熱しておき、その
後に高周波処理を施して、樹脂粉末を溶融すると、部分
的に過熱を防止することができ、これによって、品質の
均一な樹脂被膜を形成することができる。
また、ロールなどによる押圧処理を施すことにより溶融
樹脂を基布内部に押し込み、樹脂被膜と基布との強固な
結着を増進することもできる。
本発明方法において、溶融した樹脂被膜を、冷却面化し
て、これを基布表面に結着された固形樹脂被覆層とする
。このときの冷却は、また、高周波処理に引続く加熱処
理により溶融樹脂被膜が形成されたら、自然冷却であっ
てもよく、或は強制的な急冷同化であってもよい。また
、この際に溶融樹脂被膜に所望の賦形処理を併用しても
よい。
この急冷固化は、樹脂被覆層の基布に対する接着力を高
め、かつ得られる防水シートの風合を向上させるために
有効である。
また、溶融樹脂板−?二対しロールなどによる声圧処理
’E Fairすことによりz紳樹脂を基布内部に押し
込み、樹脂被膜と基布との強固な結着を増進することも
できる。
上記のようにして製造された防水シートの樹脂被覆層は
、それ自身若干の凹凸を有し、かつ若干の艶むらのある
特殊な外観を示す。
このような防水シートの樹脂被覆層に対し、防水シート
の用途や要求される外観、光沢度などに応じて、加圧加
工又はエンボス加工を施してもよい。このときの加圧、
又はエンボスロールは、加熱ロールであってもよく、或
は非加熱ロールであってもよい。しかし、一般には加熱
加圧(又はエンボス〉ロールを用いて、樹脂被覆層を可
塑化しつつ所定の表面加工を施すことが好ましい゛。
本発明方法において、特に樹脂粉末が、ポリ塩化ビニル
樹脂(pvc)を主成分として含む場合、遠赤外線加熱
処理が好ましい。すなわちPVCに対し、遠赤外線加熱
処理を施すことによって、加熱温度を熱風加熱の場合よ
りも10〜50℃低くすることができ、又は、同一加熱
温度の場合遠赤外線加熱の所要時間は、熱風加熱の場合
よりもかなり短縮される。また、遠赤外線加熱によりP
VC樹脂中の可塑剤の揮発減量を抑制することが可能で
あり、得られる防水シートの風合が柔軟であり、その耐
候性その他の物性も大幅に向上する。
本発明方法において、基布上の樹脂粉末を熱風加熱、又
は赤外線加熱によって溶融させる場合、樹脂粉末層は、
その外表面側から漸次溶融するので樹脂粉末を十分に溶
融し、これを基布中に浸透させるにはかなりの長時間を
要し、このため、樹脂被覆層自身がその外面表面から熱
劣化を生じたり、また、樹脂被覆層の内部の昇温か遅く
、そのため基布に近接している樹脂層部分の流動性が低
く、基布内部への浸透が不十分になりやすいことがあり
、或は、加熱が長時間に及ぶときは、基布に熱劣化を生
ずることがある。このような場合には、基布上に付着し
た樹脂粉末に対し、高周波処理を施こすことによって、
樹脂粉末を短時間内に均一に溶融させ、この樹脂溶融体
を速かに基布内部に流入浸透させることが好ましい。
すなわち、高周波処理により速かに溶融形成された溶融
樹脂被膜は、基布の糸間々隙、および繊維間々隙に浸透
して固化し、形成された樹脂被覆層は、それ自身若干の
凹凸を有する艶消し状の特殊な外観を示すが、基布に強
固に密着したものとなる。
基布上の樹脂粉末の急速溶融処理が、高周波処理のみで
不十分なときは、この樹脂粉末に高周波処理を施し、そ
れに引続き、マトリックス重合体材料の融点以上の温度
における加熱処理を施すことが好ましい。
すなわち、基布上に付着した樹脂粉末に対し、高周波処
理を施こし、それに引続いて、重合体材料の融点以上の
温度における加熱処理を施し、それによって、樹脂粉末
を短時間内に均一に溶融させ、この樹脂溶融体を速かに
基布内部に流入浸透させることができる。特に高周波加
熱処理に引続いて重合体材料の融点以上の温度で熱処理
すると、高周波処理により溶融状態になった重合体材料
の流動性を短時間内に一層向上させることができる。
その結果重合体の劣化が少なく、密着性がより一層高く
、剥離耐久性の高い樹脂被膜を形成することができる。
また高周波処理による昇温された樹脂粉末の温度を重合
体材料の融点よりわづかに低い温度にコントロールした
場合でも、加熱処理による所要の昇温は短時間に終わり
、その後樹脂粉末の加熱溶融が容易になる。従って重合
体の劣化を防止しつつ、温度管理をより安定的に行うこ
とが可能となる。
また、高周波処理により樹脂粉末中の重合体材料を溶融
させてもよいが、溶融直前の温度まで昇温しで、引続き
加熱処理によりこれを溶融してもよい。例えば高周波処
理により重合体材料の融点より10℃低い温度まで昇温
し、それに引続いて、所定温度における加熱処理を施せ
ば、短時間内に溶融流動化が可能であり、しかも高周波
処理による過熱を防止することができる。このようにす
ることによって、重合体の劣化や基布の劣化および溶融
などを防止することができる。一般に、加熱処理は、重
合体材料の融点より高く、好ましくは10℃程度高く、
しかし基布の融点又は熱分解点よりも低い温度で溶融流
動化に必要な時間、一般には5分間以内、好ましくは1
〜3分間行われる。
加熱手段に格別の限定はなく、熱風加熱、電熱過熱、赤
外線加熱、遠赤外線加熱および高周波加熱などを用いる
ことができる。
上記のようにして製造された防水シートにおいて、高周
波処理およびそれに引続く加熱処理により速かに溶融形
成された溶融樹脂被膜は、基布の糸間々隙、および繊維
間々隙に十分に浸透して固化し、形成された樹脂被覆層
は、それ自身若干の凹凸を有し、艶の少ない、或は若干
の艶むらを有する特殊な外観と機能を有するが、基布に
強固に密着したものとなる。
〔実施例〕
本発明方法を、実施例により更に説明する。
実施例1 ビニロン紡績糸を用いて、下記組織および重量の平織布
帛を製造した。
重量: 350g/m″、厚さ: 0.6 +nmこの
布帛を常法により湯通し洗浄し、乾燥してこれを基布と
した。
この基布を水に浸漬し、含水率100%に絞って均一に
湿潤させた。
別に、下記組成の樹脂組成物を調製した。
戊   分       重量部 ポリ塩化ビニル樹脂      80 D、0. P              68エポキ
シ化大豆油       7 炭酸カルシウム粉末      20 C,−B、系安定剤      3 顔料      8 この樹脂組成物を、120℃に加熱した混練ロールを通
して均一に混練し、シート状に形成し、このシートをペ
レット化し、このペレットを凍結粉砕して樹脂粉末を調
製した。
この樹脂粉末の粒子サイズ分布は下記の通りであった。
80メツシユ篩バス     98% 100〃        ・ 94 145    〃82 200    〃40 250    〃31 350〃18 上記樹脂粉末を前記湿潤した基布の両面に吹きつけて付
着させ、これを1対のロール間を通して粉末を基布組織
内に押し込むと同時に過剰量の粉末を除去した。樹脂粉
末の付着量は300g/m’であった。
この樹脂粉末付着基布を、90℃の温度で1分間予備加
熱ならびに乾燥し、次に180℃の温度で3分間加熱し
て樹脂粉末を溶融し、かつゲル化して溶融樹脂被覆を形
成し、この溶融樹脂被覆層を有する基布を135℃に加
熱された1対のロールの間を通して加熱加圧して得られ
る樹脂被覆層表面の形状を調節するとともに被覆層と基
布との結着を強化した。これを冷却して得られた防水シ
ートは艶の少ない表面外観を有し、かつ1500mm水
柱以上の耐水圧を示し、揉み漏水テストにおいても漏水
を生ずることがなく、実用上十分な耐久性を有するもの
であった。
実施例2 実施例1と同様の操作を行った。但し樹脂粉末を水中に
分散懸垂させて濃度60重量%のスラリーを調製し、基
布をこのスラリー中を通過させて、含液率140%に絞
って樹脂粉末付着基布を製造した。
得られた防水布は、実施例1と同様の艶消し表面外観と
防水性と、耐屈曲性などを有していた。
実施例3 実施例1と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末の作成
に当り、樹脂混合物を、180℃の温度(ポリ塩化ビニ
ル樹脂マトリックスの融点175℃より高い)に加熱さ
れた混練ロールにより混練した。
得られた防水シートは、極めて緻密な樹脂被覆層を有し
、すぐれた耐摩耗性、強靭性、耐水性および耐久性を示
した。
実施例4 実施例1と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末の組成
は下記の通りであった。
或      分      重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂−■18G//   
    //           //   // 
     2傘2   20滑剤        2.
5 顔料        6 註 *1・・・酢酸ビニル含有率  19重量%、mp
=87℃ *2・・・ 〃〃25重量%、 mp=81℃ この樹脂組成物の混線に用いられた混練ロールは140
℃に加熱されており、得られた混練樹脂組成物のシート
からベレットを製造し、このペレットを凍結粉砕して、
粒度分布が実施例1のそれには\゛等しい樹脂粉末を得
た。
樹脂粉末付着基布の加熱は100℃の温度で3分間行わ
れ、その後冷却ロールで樹脂被覆層を冷却しつつ押圧し
防水シートを得た。
この防水シートは特異な艶消し外観を示し、かつ水柱高
さ1500mmの良好な防水性を示し、無毒防水シート
として有用なものであった。
実施例5〜8 実施例5〜8の各々において実施例1と同じ操作を行っ
た。但し、樹脂粉末の付着量は、基布の片面当り125
 g / m’であり、この樹脂粉末付着基布を、90
℃の温度で1分間予備加熱ならびに乾燥し、これに下記
の処理を施した。
実施例5:上記樹脂粉末付着基布に、連続的に周波数:
 13.4Mc、陽極出カニ3,5KW、処理速度:4
m/分、滞在時間1分間の条件で高周波処理を施し、マ
下ワックス重合体材料を溶融、ゲル化して基布中に浸透
させ、これを室温で冷却面化した。
実施例6:実施例5と同じ操作を行った。但し、高周波
処理後、溶融樹脂被覆に対し、0℃に冷却した冷却ロー
ルにより強制冷却を施した。
実施例7:実施例5と同じ操作を行った。但し、樹脂粉
末を付着した基布の樹脂粉末被覆面を、赤外線熱処理装
置により150℃に加熱し、その後これに高周波処理を
施した。
実施例8:実施例7と同じ操作を行った。但し、高周波
処理後、実施例6記載の強制ローラー冷却操作を行った
上記各実施例により得られた防水シートの各々の性能を
第1表に示す。
以下余白 第1表に明瞭に示されているように、本発明方法により
製造された実施例5〜8の防水シートは、いづれも15
00mm水柱をこえる耐水圧性を示した。
また、実施例5〜8の防水シートにはピンホールは認め
られなかった。
実施例9 実施例5と同じ操作を行った。但し、樹脂粉末を水中に
分散懸垂させて濃度60重量%のスラリーを調製し、基
布をこのスラリー中を通過させて、含液率140%に絞
って樹脂粉末付着基布を製造した。
得られた防水布は、実施例5と同様の艶消し表面外観と
防水性と、接着性などを有していた。
実施例10 実施例5と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末の作成
に当り、樹脂混合物を、180℃の温度(ポリ塩化ビニ
ル樹脂マトリックスの融点175℃より高い)に加熱さ
れた混練ロールにより混練した。
得られた防水シートは、極めて緻密な樹脂被覆層を有し
、すぐれた耐摩耗性、強靭性、耐水性および耐久性を示
した。
実施例11 実施例1と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末に対す
る溶融処理を下記のようにして行った。
樹脂粉末付着基布に、連続的に周波数: 13.4Mc
陽極出カニ3.5KW、処理速度:4m/分、滞在時間
1分間の条件で高周波処理を施し、これに引続いて20
5℃の赤外線加熱炉で3分間熱処理して重合体材料を溶
融ゲル化し、かつこれを基布中に浸透させ、その後これ
を室温で冷却面化した。
上記により得られた防水シートの性能を第2表に示す。
以下余白 第 2 表 〔註〕 (本)、・・・JIS K 6328−1981.5.
3.7.剥離試験に準拠して測定した。但し、試験片の テスト部分を接着剤で貼着した。
<本)、−JIS  L  1092−1986.4.
  (1)(1,IXa )静水圧法に準拠して測定し
た。
(本)3・・・寸法18cmX18cmの大きさの試験
片を採取し、これをタテ方向およびヨコ 方向に、各々50回づ1手揉みし、こ の試験片を4つに折り、その空間部 に水を入れ、氷の漏出状況を観察し た。
(零〉4・・・(本)3の漏水性試験法と同様に手揉み
した試験片について(木)2の耐水圧試験法と同様に、
静水圧法により測定 した。
第2表に明瞭に示されているように、本発明方法により
製造された実施例11の防水シートは、1500mm氷
柱をこえる耐水圧性を示すとともに、手揉み耐水性も1
500mm水柱以上を示し、樹脂被膜にピンホールは認
められず、その接着力も極めて大きいものであった。
実施例12 実施例11と同じ操作を行った。但し、樹脂粉末を水中
に分散懸垂させて濃度60重量%のスラリーを調製し、
基布をこのスラリー中を通過させて、含液率140%に
絞って樹脂粉末付着基布を製造した。
得られた防水布は、実施例11と同様の艶消し表面外観
と、防水性と、耐久性と接着性とを有していた。
実施例13 実施例11と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末の作
成に当り、樹脂混合物を、180℃の温度(ポリ塩化ビ
ニル樹脂マトリックスの融点175℃より高い〉に加熱
された混練ロールにより混練した。
得られた防水シートは、極めて緻密な樹脂被覆層を有し
、すぐれた耐摩耗性、強靭性、耐水性および耐久性を示
した。
実施例14 実施例1と同様の操作を行った。但し、色の互に異なる
2種の樹脂粉末を用いた。すなわち、その1種には、8
重量部の赤色顔料、パーマネントレッドRを添加し、他
には8重量部の青色顔料、フタロシアニンブルーを添加
した。これら2種の異色樹脂粉末を基布面上に不規則な
模様を形成するように付着させた。得られた防水シート
は、赤色および青色の、実質的に不規則な模様を有して
いたが、その防水性能は実施例1の防水シートと同様で
あった。
実施例15 実施例2と同じ操作を行った。但し、8重量部の黄色顔
料クロムイエローを含む黄色樹脂粉末と、8重量部の青
色顔料、フタロシアニンブルーを含む青色樹脂粉末とを
1:1の割合に混合して用い・た。
得られた防水シートは、極めて微細な黄色、青色および
緑色の多数の点の混合からなる極めてユニーク、かつ複
雑な色相を示した。
実施例16 実施例1と同様の操作を行った。但し吸水性能の互に異
なる2種の樹脂粉末を用いた。すなわちその1種には吸
水性物質として高吸水性ポリマーHYDROGEL−3
(住友化学にに製;ビニルアルコール/アクリル酸共重
合体を主成分とするヒドロゲル〉を10重量部添加して
吸水性樹脂粉末を得、他の樹脂粉末は、実施例1記載の
ものと同様に吸水性物質を添加しない防水性樹脂粉末で
あった。これら2種の異機能樹脂粉末を基布面の片面に
先づ防水性樹脂粉末を175g/m”の付着量になるよ
うに撒布面に防水性樹脂粉末を200g/m″の付着量
になるように撒布して溶融被膜を形成し防水シートを得
た。得られた防水シートは実施例1と同様の性能を示す
ばかりでなく、表面には吸水性樹脂粉末が強固に結着し
、この防水シートで作られたテント倉庫は内面の結露は
高吸水性ポリマーに吸着保持されるため、極めて良好な
結露防止性を示した。
実施例17 実施例1と同じ操作を行った。但し、樹脂粉末を遠赤外
線加熱処理により溶融した。溶融所要時間は90秒に短
縮されたが、その効果は十分であった。また、加熱溶融
による樹脂粉末中の可塑剤の減量は、実施例1の場合の
約40%に低下し柔軟な防水シートが得られた。この防
水シートの性能は実施例1の場合とは\゛同一あった。
実施例18 実施例1と同じ操作を行った。但し樹脂組成の変化、お
よび劣化抑制するため溶融時間を90秒に短縮して同一
の被膜性能を得るには、実施例1のところ180℃で十
分であった。従って得られた防水シートの可塑剤の減量
は熱風加熱の場合に較べ約50%も低下し極めて柔軟な
防水シートが得られた。この防水シートの性能は、実施
例1の場合と同様であったが耐久性は極めて好ましいも
のであった。尚、実施例5〜8の高周波処理の場合は遠
赤外線処理に較べ更に可塑剤の減量は少なく、それは、
熱風加熱の場合にくらべて、約60%低下しより好まし
いものであった。
〔発明の効果〕
本発明の防水シート製造方法は、下記の効果を有するも
のである。
(1〉基布表面に樹脂被覆層をはゾ均一に付与すること
ができる。
(2)有機溶剤を使用しないので、製造コストが低下し
、かつ、有機溶剤の揮発逃散による環境汚染、および樹
脂被覆層中に気孔又は空孔の形成がない。
(3)得られる樹脂被覆層が緻密で、強靭であり防水性
、耐摩耗性および耐久性が高い。
(4)機能付加添加剤とマトリックス重合体材料との混
練を、重合体材料の融点以上の温度で行うことにより、
得られる樹脂被覆層を、より一層非気孔化し、かつ緻密
化して、その強靭性を一層向上させることができる。
(5)適切な加熱処理、又は高周波処理により、或は高
周波処理と、それに引続いて施される加熱処理により、
樹脂粉末中の重合体材料は、短時間、内に溶融し、基布
内に十分に流入することができる。このため得られた防
水シートにおいて樹脂被覆層は基布に強固に接着してい
て、すぐれた手揉み耐水圧と耐久性とを示すことができ
る。
(6〉加工条件のコントロールが容易である。
(7)艷の少ない特殊な表面外観が得られる。
(8)基布と樹脂の密着性、接着性が良好で樹脂被膜の
品質も均一で、劣化現象が見られず強靭で耐久性が高い
(9)工程の組合せにより、所望の品質の製品が得られ
る。
(10)加工方法が斬新で、その効率が高い。従って、
本発明方法はすぐれた特性と外観を有する防水シートの
製造方法として工業的に極めて有用なものである。
(11)互に機能の異なる、又は、その程度の異なる2
以上の防水帯域を基布の任意の部分に形成することがで
きる。
(12)互に色相、および/又は色濃度の異なる2種以
上の樹脂粉末を混合することによって、従来の着色プリ
ント方法では得ることのできなかったユニーク、かつ複
雑な色彩の防水シートを得ることができる。
(13)上記のような2種以上の異色樹脂粉末を用いて
、任意の色彩模様を有する防水シートを得ることができ
る。
(14)遠赤外線加熱処理により、放射エネルギーを集
中的に樹脂粉末の加熱に利用できるので、その短時間溶
融が可能となる。
(15)高周波処理により、樹脂粉末層を内部加熱する
ことができるので、かなり厚さの厚い樹脂層の短時間形
成が可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、溶融性、および防水性を有する重合体材料をマトリ
    ックスとして含有する少なくとも1種の樹脂粉末を、繊
    維布帛からなる基布の少なくとも1面上に付着し、前記
    基布を溶融、又は熱分解することなく、その上の樹脂粉
    末を溶融して溶融樹脂被膜を形成し、次に、前記溶融樹
    脂被膜を冷却面化して、前記基布に結着した固形樹脂被
    覆層を形成する、ことを特徴とする、防水シートの製造
    方法。 2、前記樹脂粉末が、前記マトリックス重合体材料中に
    混練された機能付加添加剤を含む、請求項1に記載の方
    法。 3、前記機能付加添加剤とマトリックス重合体とを含む
    樹脂粉末が、前記機能付加添加剤と、マトリックス重合
    体材料とを含む混合物を前記マトリックス重合体材料の
    融点よりも高い温度で混練し、この混合物を固化し、粉
    砕して調製されたものである、請求項2に記載の方法。 4、機能において、互に異なる2種以上の樹脂粉末が用
    いられる請求項1に記載の方法。 5、前記2種以上の樹脂粉末が、その色において互に異
    なる、請求項4に記載の方法。 6、前記2種以上の樹脂粉末の混合物を使用する請求項
    4又は5に記載の方法。 7、前記2種以上の樹脂粉末を前記基布の異なる部分に
    付着する、請求項4又は5に記載の方法。 8、前記2種以上の樹脂粉末が、前記基布の少なくとも
    1面の全面に、又は部分的に、2以上の層をなして付着
    する請求項4に記載の方法。 9、前記樹脂粉末の付着操作が、前記樹脂粉末の分散液
    をもって前記基布を含浸、又は塗布し、これを乾燥する
    ことを含む、請求項1〜8のいづれか1項に記載の方法
    。 10、前記、基布上に付着した樹脂粉末に、乾燥又は前
    熱処理を施した後、前記溶融処理を施す、請求項1〜9
    のいづれか1項に記載の方法。 11、前記繊維布帛中の繊維が、前記樹脂粉末中のマト
    リックス重合体材料の融点よりも、少なくとも10℃高
    い融点、又は熱分解点を有する、請求項1〜10のいづ
    れか1項に記載の方法。 12、前記基布上の樹脂粉末に対する溶融処理が、前記
    樹脂粉末を、前記マトリックス重合体材料の融点以上の
    温度に加熱することにより行われる、請求項1〜11の
    いづれか1項に記載の方法。 13、前記基布上の樹脂粉末に対する溶融処理が、前記
    樹脂粉末に遠赤外線加熱処理を施すことによって行われ
    る、請求項1〜12のいづれか1項に記載の方法。 14、前記基布上の樹脂粉末に対する溶融処理が、前記
    樹脂粉末に高周波処理を施すことによって行われる、請
    求項1〜12のいづれか1項に記載の方法。 15、前記基布上の樹脂粉末に対する溶融処理が、前記
    樹脂粉末に高周波処理を施し、それに引続き、前記マト
    リックス重合体材料の融点以上の温度に加熱する処理を
    施すことによって行われる、請求項1〜13のいづれか
    1項に記載の方法。
JP2011766A 1989-02-09 1990-01-23 防水シートの製造方法 Expired - Fee Related JPH0639148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011766A JPH0639148B2 (ja) 1989-02-09 1990-01-23 防水シートの製造方法

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2874789 1989-02-09
JP9649389 1989-04-18
JP20968889 1989-08-15
JP1-252391 1989-09-29
JP1-209688 1989-09-29
JP1-96493 1989-09-29
JP1-28747 1989-09-29
JP25239189 1989-09-29
JP2011766A JPH0639148B2 (ja) 1989-02-09 1990-01-23 防水シートの製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23986793A Division JP2599561B2 (ja) 1989-02-09 1993-09-27 防水シートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03175031A true JPH03175031A (ja) 1991-07-30
JPH0639148B2 JPH0639148B2 (ja) 1994-05-25

Family

ID=27458943

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011766A Expired - Fee Related JPH0639148B2 (ja) 1989-02-09 1990-01-23 防水シートの製造方法
JP23986793A Expired - Fee Related JP2599561B2 (ja) 1989-02-09 1993-09-27 防水シートの製造方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23986793A Expired - Fee Related JP2599561B2 (ja) 1989-02-09 1993-09-27 防水シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JPH0639148B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001315238A (ja) * 2000-05-11 2001-11-13 Hiroshima Kasei Ltd 二層構造のターポリン並びにそれを製造する方法及びそれで製造されたロールブラインド
WO2002031243A1 (fr) * 2000-10-10 2002-04-18 Taiyo Kogyo Corporation Tissu pour tente, fil retors de chanvre indien, et procede de production correspondant
JP2009179896A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Toyota Boshoku Corp 繊維複合体の製造方法
TWI398563B (zh) * 2010-10-13 2013-06-11 Taiwan Textile Res Inst 不含交聯劑之纖維成型基材
KR101676340B1 (ko) * 2016-02-11 2016-11-15 주식회사 월드조인 퍼팅 근력기를 이용한 퍼팅 근력 향상 방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100559458B1 (ko) * 2004-08-13 2006-03-10 장기운 재생 수지를 이용한 방수시트 제조방법

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5865072A (ja) * 1981-10-12 1983-04-18 大野 豊 通気性防水シ−ト及びその製造方法
JPS5981171A (ja) * 1982-11-02 1984-05-10 三菱化成ポリテック株式会社 通気性複合材の製造方法
JPS59106933A (ja) * 1982-12-13 1984-06-20 Mitsubishi Monsanto Chem Co 導電性シ−ト及び複合材を製造する方法
JPS59122519A (ja) * 1982-12-28 1984-07-16 Mitsubishi Monsanto Chem Co 吸水性シ−ト及び吸水性複合材を製造する方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5865072A (ja) * 1981-10-12 1983-04-18 大野 豊 通気性防水シ−ト及びその製造方法
JPS5981171A (ja) * 1982-11-02 1984-05-10 三菱化成ポリテック株式会社 通気性複合材の製造方法
JPS59106933A (ja) * 1982-12-13 1984-06-20 Mitsubishi Monsanto Chem Co 導電性シ−ト及び複合材を製造する方法
JPS59122519A (ja) * 1982-12-28 1984-07-16 Mitsubishi Monsanto Chem Co 吸水性シ−ト及び吸水性複合材を製造する方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001315238A (ja) * 2000-05-11 2001-11-13 Hiroshima Kasei Ltd 二層構造のターポリン並びにそれを製造する方法及びそれで製造されたロールブラインド
WO2002031243A1 (fr) * 2000-10-10 2002-04-18 Taiyo Kogyo Corporation Tissu pour tente, fil retors de chanvre indien, et procede de production correspondant
US6968866B2 (en) 2000-10-10 2005-11-29 Taiyo Kogyo Corporation Tent fabric, twisted union yarn of kenaf, and process for producing the same
JP2009179896A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Toyota Boshoku Corp 繊維複合体の製造方法
TWI398563B (zh) * 2010-10-13 2013-06-11 Taiwan Textile Res Inst 不含交聯劑之纖維成型基材
KR101676340B1 (ko) * 2016-02-11 2016-11-15 주식회사 월드조인 퍼팅 근력기를 이용한 퍼팅 근력 향상 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2599561B2 (ja) 1997-04-09
JPH06212569A (ja) 1994-08-02
JPH0639148B2 (ja) 1994-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102797167B (zh) 具有定向绒毛效果的超纤绒面革的制备方法
DE1571045A1 (de) Klebe- und verwandte Verfahren und damit erzielte Gegenstaende
CN104499293A (zh) 一种防水透湿格栅印花织物及其制备方法
JPH03175031A (ja) 防水シートの製造方法
US20150159321A1 (en) Suede-like synthetic leather and method of making the same
CN105671997A (zh) 一种多彩无纺布的喷涂工艺
JP3101572B2 (ja) 合成皮革およびその製造方法
JPS6375187A (ja) プラスチツクレザ−及び製造方法
JPS5857446B2 (ja) 樹脂含浸基材とその製造方法
US4487642A (en) Method of producing moisture-permeable artificial leather
KR101598856B1 (ko) 수성 폴리우레탄을 이용한 인조피혁의 제조방법
US3516883A (en) Process for preparing composite sheet material
JPH02145877A (ja) 合成皮革の製造方法
JPH0345787A (ja) 合成皮革
JPS6145539B2 (ja)
KR100723908B1 (ko) 핫멜트 접착제가 도포된 무늬전이용 pet 필름의제조방법과 이에 따른 pet 필름 및 이를 이용한인공피혁의 제조방법과 이에 따른 인공피혁
CN1048532C (zh) 制造衣服衬料的方法及由此制造出的稳固的纤维衬料
KR19990075813A (ko) 고접착 습식인공피혁 제조방법
JP3181517B2 (ja) 壁紙およびその製造方法
CN108823998A (zh) 绒面合成革的生产方法
JP3096230B2 (ja) 新規な合成擬革及びその製造方法
JP2994839B2 (ja) 意匠効果の優れた皮革様シート状物及びその製造方法
JP2969372B2 (ja) 合成皮革の製造方法
JP4180755B2 (ja) 立毛加工性に優れたシート状物およびその製造方法
GB2026903A (en) Method of producing a polymeric sheet materials resembling leathers of natural origin in appearance

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees