JPH0639148B2 - 防水シートの製造方法 - Google Patents

防水シートの製造方法

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JPH0639148B2 JP2011766A JP1176690A JPH0639148B2 JP H0639148 B2 JPH0639148 B2 JP H0639148B2 JP 2011766 A JP2011766 A JP 2011766A JP 1176690 A JP1176690 A JP 1176690A JP H0639148 B2 JPH0639148 B2 JP H0639148B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、防水シートの製造方法に関するものである。
更に詳しく述べるならば、本発明は、溶媒を使用するこ
となく、防水性樹脂で基布を被覆して特殊な外観を有す
る防水シートを製造する方法に関するものである。
〔従来の技術・発明が解決しようとする課題〕
従来から非通気性防水シートは、繊維布帛からなる基布
の片面、又は両面に防水樹脂の被覆層を形成することに
より製造されている。この防水樹脂被覆層を形成するに
は、防水樹脂の有機溶剤溶液、またはエマルジョンを、
基布の所定の表面にコーティング法により塗布又はディ
ッピング法により含浸し、溶剤を蒸発除去してこの塗布
又は含浸された基布を乾燥する方法か、或は防水樹脂か
らなるフィルムを基布に接着剤により、或は融着法によ
り貼着する方法(カレンダー法、又はトッピング法)が
一般に知られている。
欧米諸外国においては、基布として、マルチフィラメン
ト糸条からなり、従って平滑な表面を有する布帛を用
い、この上に上記方法により樹脂被覆層を結着して、所
謂ターポリンと呼ばれる防水シートが製造されている。
このような、マルチフィラメント糸条基布を用いた防水
布は平滑は表面を有し従って光沢が強く、このため艶の
少ない表面を好む我国においては受け入れ難いものであ
った。
このため我国においては、紡績糸布帛を基布として用
い、この基布を防水樹脂の有機溶剤溶液又はエマルジョ
ンに浸漬(ディッピング)し、過剰の溶液を除去(絞
り)し、これを乾燥して防水樹脂被覆層を形成して、防
水シートが製造されている。このような防水シートにお
いて、その基布に比較的密度の高い紡績糸織物、一般に
は帆布と呼ばれる紡績糸織物が用いられ、防水樹脂被覆
層は、基布の表面のみならず、布帛内部空間にまで浸透
して固定されているので、極めて苛酷な使用条件にも耐
えるものであった。また紡績糸基布は多数の毛羽を有す
るものであって、この毛羽が防水樹脂被覆層に投錨効果
を有していて、被覆層と基布との接着強度を著しく高め
ている。また、基布の毛羽は、防水樹脂被覆層の表面に
特有の粗面(凹凸)と艶消し効果を与え、重厚な外観を
付与していた。
しかしながら、紡績糸布帛は、それと同一目付を有する
マルチフィラメント糸条布帛にくらべて機械的強度が低
いため、所定強度を得るためには、紡績糸布帛は、マル
チフィラメント糸条布帛よりも目付の大きい(厚さの大
きい)ものとする必要があった。
これに対して、基布としてマルチフィラメント糸条布帛
を用いるときは、それが比較的高い強度を有するため、
比較的薄い、又は密度の粗いものを用いることができ
る。すなわち、粗目軽量マルチフィラメント糸条布帛か
らなる基布の両面に、防水樹脂フィルムを貼着し、両フ
ィルムを粗目空隙において互に接着(ブリッジ)させ
て、軽量防水シートを製造することができる。しかしな
がら、このマルチフィラメント糸条基布には毛羽がな
く、その表面は平滑であり、織物密度も粗いため、基布
と防水樹脂フィルムとの接着強度が低く、このため、防
水シートの使用中、屈曲、風圧によるはためきなどによ
って基布から防水樹脂フィルムが剥離しやすいという問
題点がある。特に密度が高くコンパクトなフィラメント
織物を基布とする防水シートの場合、この傾向が大き
い。
一般に、紡績糸布帛を基布とする防水シートの製造にお
いては、防水性樹脂、例えば多量の可塑剤、例えばD.O.
Pを含んだポリ塩化ビニル樹脂ペーストの有機溶剤(例
えばトリクロロエチレン)溶液に、所要の添加剤、例え
ば、被覆強度向上のための充填剤、防炎性増進のための
難燃剤、例えば三酸化アンチモン、或は顔料、耐候耐熱
安定剤などの粉末を添加混合して塗布液を調製し、この
塗布液に基布を浸漬し、搾液するか、又は塗布液を基布
表面に塗布し、乾燥して有機溶剤を蒸発除去してポリ塩
化ビニル樹脂をゲル化し固形被膜を形成させる方法が行
われている。上記方法においては下記のような問題点が
ある。
(イ)有機溶剤の使用、蒸発除去により環境悪化および経
済的損失がある。
(ロ)樹脂溶液中に、添加剤を混合したとき、両者の比重
差などにより混合液の均一性を保持することが困難であ
る。
(ハ)樹脂溶液の粘度を有機溶剤の添加量によって調節し
なければならず、有機溶剤は加工工程の途中で、例えば
マングル面などから揮発逃散するので、従って加工条件
を均一に維持することが困難である。
本発明は、従来の防水シートの製造方法における上述の
ような諸問題点を解消し、十分な防水効果を有し、所望
の光沢、模様、色彩などの外観並びに機能を有する防水
シートを、溶媒を用いることなく、簡単な操作で安価に
製造することのできる方法を提供しようとするものであ
る。
〔課題を解決するための手段・作用〕
本発明の防水シートの製造方法は、溶融性、および防水
性を有する重合体材料と、機能付加添加剤とを混合し、
この混合物を加熱混練して、前記重合体材料からなるマ
トリックス中に前記機能付加添加剤を含有させ、この加
熱混和物を固化し、粉砕して調製された少なくとも1種
の樹脂粉末を、繊維布帛からなる基布の少なくとも1面
上に配置し、前記基布を溶融、又は熱分解することな
く、その上の樹脂粉末を溶融して溶融樹脂被膜を形成
し、次に前記溶融樹脂被膜を冷却固化して、前記基布に
結着した固形樹脂被覆層を形成することを特徴とするも
のである。
また、本発明の防水シートの製造方法において、前記樹
脂粉末は、マトリックス重合体中に混練された、機能付
加添加剤を含んでおり、この樹脂粉末は両者を含む混合
物を、加熱混練し、この混練物を固化して、粉砕して調
製されたものである。
本発明方法において、基布上の樹脂粉末は、そのマトリ
ックス重合体材料の融点以上の温度における加熱処理、
遠赤外線加熱処理、高周波処理、又は、高周波処理と、
それに引続く加熱処理によって、溶融することができ
る。
本発明方法に用いられる基布は繊維布帛よりなるもので
あって、この布帛を形成する繊維には、その融点又は熱
分解点が樹脂粉末中のマトリックス重合体材料の融点よ
り高い限り、格別の制限はない。しかし、一般に、本発
明方法に用いられる繊維は、樹脂粉末中のマトリックス
重合体材料の融点よりも、少なくとも10℃高い融点、又
は熱分解点を有することが好ましい。このような繊維
は、例えば有機天然繊維(例えば、麻、木綿など)、有
機半再生繊維(ジアセテート繊維、トリアセテート繊維
など)、有機再生繊維(ビスコースレーヨン繊維、キュ
プラレーヨン繊維など)、有機合成繊維(ポリエステル
繊維、ポリオレフィン繊維、脂肪族ポリアミド繊維、水
不溶化ポリビニルアルコール繊維(ビニロン)、芳香族
ポリエステル繊維および芳香族ポリアミド繊維のような
高耐熱性繊維など)、および無機繊維(ガラス繊維、セ
ラミックス繊維、カーボン繊維、金属繊維など)から選
ぶことができる。
基布を構成する糸条の形態にも制限はなく、マルチフィ
ラメント糸条、紡績糸条、スプリット糸条、テープ糸条
およびこれらの複合糸条などのいづれであってもよい。
また基布の組織についても格別の制限はなく、織布、編
布、不織布、およびこれらの複合布帛のいづれであって
もよい。
基布の重量および厚さにも制限はないが、一般には、50
〜1000g/m2の重量を有すること、および/又は0.01〜
2.0mmの厚さを有することが好ましい。
上記のような各種基布のうち、紡績糸条よりなる織布で
あって、密度が比較的高く、糸条間空隙の小さな、所謂
金巾(カナキン)、厚織、又は帆布などを用いることが
好ましい。また繊維としては水不溶化ポリビニルアルコ
ール繊維(ビニロン)、ポリエステル繊維、芳香族ポリ
アミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ガラス繊維、ま
たはカーボン繊維などを用いることが好ましい。
基布としては、生機のまゝ、またはそれを常法により精
錬、乾燥されたものが被覆工程に供される。その前に必
要に応じ基布の被覆すべき面に接着剤、揆水剤、着色剤
などによる前処理を施てもよく、或は、低温プラズマ処
理、コロナ放電処理、またはその他の活性化処理を施し
てその表面を活性化してもよい。
本発明方法に用いられる少なくとも1種の樹脂粉末は、
溶融可能な防水性重合体材料をマトリックスとして含む
もので、このマトリックス重合体材料の融点は、基布の
融点、又は熱分解点よりも少なくとも10℃低いことが好
ましい。このようなマトリックス重合体材料を含む樹脂
粉末は、加熱処理、遠赤外線加熱処理、又は高周波処理
によって速かに溶融し、かつ基布内部に流入浸透するこ
とができるので、樹脂自身や基布に過熱による劣化を発
生することがない。
一般に、基布表面上に形成される樹脂粉末の厚さは、溶
融後2mm以下の厚さになるように設定することが好まし
い。溶融樹脂層の厚さが2mmをこえて大きくなるような
樹脂粉末層は、これを短時間に均一に溶融し、基布内部
に均一に浸透させることは困難なことがある。
また、溶融処理により基布上に形成される固形樹脂被覆
層は2mm以下の厚さを有することが好ましく、0.05〜0.
5mmの厚さがより好ましく、かつピンホールのないもの
であることが好ましい。
本発明方法に用いられる樹脂粉末は、溶融可能な防水性
重合体材料をマトリックスとして含むもので、この重合
体材料マトリックス中に溶解又は分散した機能付加添加
剤、例えば可塑剤、耐熱安定剤、着色剤、防炎剤、難燃
剤、耐候安定剤、滑剤、充填剤、接着剤、防揆水剤、紫
外線吸収剤、その他所望の各種仕上剤などの少なくとも
1種からなる添加剤を含んでいる。また樹脂粉末に所要
の粉末状添加剤、例えば、三酸化アンチモンからなる難
燃剤粉末、或は、顔料粉末、安定剤粉末、無機充填剤粉
末などや、D.O.Pのような液状添加剤と混合されていて
もよい。
本発明方法において樹脂粉末中に、所望の防水被膜を形
成するのに必要な成分のほゞすべてが一緒に含まれてい
て、この樹脂粉末を付着・溶融することにより、簡単に
所望の防水被膜が形成される点が重要である。
本発明方法においては、機能において、互に異なる2種
以上の樹脂粉末を用いることができる。たとえば、防水
シートにおいて、特定機能(例えば難燃性、紫外線耐久
性、結露防止性、制電性、又は芳香性など)を必要とす
る部分には、所要濃度の機能付加添加剤(例えば難燃
剤、紫外線吸収剤、吸水剤、濕潤剤、導電性付与剤、又
は付香剤など)を含む樹脂粉末を用い、防水シートの他
の部分には、機能付加添加剤を含まない、或は、他より
も少量しか含まない樹脂粉末を使用することができる。
或は、互に異なる機能付加添加剤を含む2種以上の樹脂
粉末を用いることもできる。
これらの2種以上の樹脂粉末をその混合物として用いて
もよいし、これらを前記のように基布の異なる部分に付
着してもよい。
また、2種以上の樹脂粉末を、基布の少なくとも1面の
全面に、又は部分的に、2以上の層をなして配置しても
よい。
本発明方法において、機能付加添加剤として、着色剤を
用いる場合、色彩の異なる、又は色濃度の異なる2種以
上の樹脂粉末を用いることができる。
このように、色において互に異なる2種以上の樹脂粉末
を混合して用いると、溶融工程においてもこれら色の異
なる樹脂粉末は、それらの比較的高い溶融粘度のために
互に均一に溶融混合することがなく、従って複数の色の
多数の点の混合が得られ全体として極めてユニークかつ
複雑な色彩を発現する。
また、互に色の異なる2種以上の樹脂粉末を、基布の異
なる部分に配置して、所望の模様を形成することができ
る。この場合でも、色の異なる樹脂粉末が互に接触する
ように配置された境界帯域では、これらを溶融しても、
その高い粘度のために樹脂粉末は完全には融合せず、互
に異る色の鮮鋭な境界、又は滲みを生じ極めてユニーク
で複雑な模様、又はボカシを形成することができる。
上記のように、互に色の異なる2種以上の樹脂粉末を用
いる本発明方法により、従来のコーティング、ディッピ
ング、又はカレンダーリング方法などでは得ることがで
きず、プリント法に依存していた工程の省略が可能とな
り、しかも簡単な方法によって、ユニーク、かつ複雑な
模様、又は色彩を得ることが可能となる。
また、本発明方法において、マトリックス重合体材料
と、機能付加添加剤との混合物を、マトリックス重合体
材料の融点以上の温度で加熱混練し、この混和物を固化
し粉砕して樹脂粉末を製造することができる。例えば、
マトリックス重合体材料と、機能付加添加剤とをペレタ
イザーにより加熱溶融混練してペレットに成形し、この
ペレットを例えば凍結粉砕することにより樹脂粉末とし
てもよい。但し、機能付加添加剤の添加によりマトリッ
クス重合体材料の融点が降下することがあるので溶融混
練温度は、マトリックス重合体材料のみの場合よりも、
やゝ低くすることができることもある。例えば硬質ポリ
塩化ビニル樹脂(融点:212〜220℃)からなるマトリッ
クスに可塑剤を添付すると、この混合物は160〜190℃で
溶融混練することができる。また、特別の例として可塑
剤として、ブチルベンジルフタレート、トリクレジルフ
ォスフェート、ジラウリルフタレート、およびジオクチ
ルフタレートの少なくとも1種を用いると、その混合物
は150℃以下の温度で溶融混練することが可能となる。
このようにマトリックス重合体材料と機能付加添加剤と
の混合物を、それが示す融点以上の温度で混和すればよ
い。このようにして製造された樹脂粉末は、その後の工
程において、溶融され被膜を形成するとき、揮発成分の
発生がなく従って、被膜に微細な気孔や空孔を形成する
ことがなく、すぐれた防水被膜を形成することができ
る。
従って、本発明方法に用いられる機能付加添加剤は、発
泡性物質を含まないことが好ましいが、形成される被膜
の防水性に実際上の悪影響がない限り、微小の気孔、又
は空孔の形成は、許容される。
本発明方法に用いられるマトリックス重合体材料は、加
熱又は高周波処理により溶融するものであり、かつ防水
性被膜を形成し得るものである限り、格別の限定はな
く、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン樹脂
(例えば、結晶性ポリプロピレン樹脂、およびポリエチ
レン樹脂など)、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂、フッ素含有重合体樹脂、およびシ
リコーン樹脂などから選ぶことができる。
一般に本発明方法に用いられる樹脂粉末は、48メッシュ
サイズ以下(粒径297μm以下)のサイズを有すること
が好ましいが、できるだけ細かいことが望ましく、例え
ば60〜400メッシュサイズ(粒径:250〜37μm)のもの
が一般に用いられる。
本発明方法において、基布の片面上、又は両面上に樹脂
粉末を配置する。この粉末配置法としては、粉末載置
法、粉末撤布法、粉末付着法、および電気的付着法、な
どがある。
粉末載置法は、樹脂粉末を基布上に載置し、これを所定
の厚さになるようにならし、掻き取る方法を包含する。
撤布法では、樹脂粉末を、基布の所要面上に均一に又は
所要の分布をもって撤布すればよい。このとき基布付着
面に粉末を吹きつけて、樹脂粉末が基布組織中に圧入し
てもよいし、或は付着面の反対側から吸引を行って、樹
脂粉末を基布組織内に吸い込むようにしてもよい。
粉末付着法においては、基布の被覆面を予じめ、液体、
例えば水で濡らし、或は接着剤溶液で濡らし、これに樹
脂粉末を吹きつけ、又は接触させてその所定量を付着さ
せればよい。このとき、上述と同様に加圧又は吸引を行
ってもよい。
また、電気的付着法としては、エレクトレット繊維から
なる布帛を用いる方法、又は布帛、または樹脂粉末に帯
電させ、静電気的に両者の付着を達成する方法などがあ
る。
上記のいづれの樹脂粉末配置法においても、基布上に樹
脂粉末をコンパクトに付着させるため、これに加圧、振
動などの補助操作を併用して、基布と、樹脂粉末との付
着を密にすることが肝要である。
一般に基布上に配置させるべき樹脂粉末量は、50〜1,00
0g/m2程度である。
基布から過剰の樹脂粉末を除去するには、これに振動を
与えて振り落すか或いは吸引してもよい。
本発明方法において基布上の樹脂粉末に対し、そのマト
リックス重合体材料の温度をその融点以上の温度に上昇
させる溶融処理を施して、基布上に溶融樹脂被膜を形成
させる。この溶融処理は、通常の熱風加熱、赤外線加
熱、電熱加熱板加熱、および燃焼ガス加熱などの加熱処
理、遠赤外線加熱処理、並びに高周波処理のいづれであ
ってもよい。遠赤外線加熱および高周波加熱の場合、樹
脂粉末中に、(遠)赤外線を放射するセラミックス、高
周波により励起する極性物質、例えばグリセリン、ポリ
エチレングリコール、またはメラミン樹脂などのような
感応性物質を含有させておくと温度上昇効果を促進する
ことができる。また、加熱処理を、予熱操作と高温加熱
操作とに分けて実施し、それによって溶融状態を均一
に、かつ精密にコントロールしてもよい。特に、高周波
処理を施す場合、高周波以外の手段で先づ被処理材料を
所望温度に近い温度まで加熱しておき、その後に高周波
処理を施して、樹脂粉末を溶融すると、部分的に過熱を
防止することができ、これによって、品質の均一な樹脂
被膜を形成することができる。また、ロールなどによる
押圧処理を施すことにより溶融樹脂を基布内部に押し込
み、樹脂被膜と基布との強固な結着を増進することもで
きる。
本発明方法において、溶融した樹脂被膜を、冷却固化し
て、これを基布表面に結着された固形樹脂被覆層とす
る。このときの冷却は、また、高周波処理に引続く加熱
処理により溶融樹脂被膜が形成されたら、自然冷却であ
ってもよく、或は強制的な急冷固化であってもよい。ま
た、この際に溶融樹脂被膜に所望の賦形処理を併用して
もよい。この急冷固化は、樹脂被覆層の基布に対する接
着力を高め、かつ得られる防水シートの風合を向上させ
るために有効である。
また、溶融樹脂被膜に対しロールなどによる押圧処理を
施すことにより溶融樹脂を基布内部に押し込み、樹脂被
膜と基布との強固な結着を増進することもできる。
上記のようにして製造された防水シートの樹脂被覆層
は、それ自身若干の凹凸を有し、かつ若干の艶むらのあ
る特殊な外観を示す。
このような防水シートの樹脂被覆層に対し、防水シート
の用途や要求される外観、光沢度などに応じて、加圧加
工又はエンボス加工を施してもよい。このときの加圧、
又はエンボスロールは、加熱ロールであってもよく、或
は非加熱ロールであってもよい。しかし、一般には加熱
加圧(又はエンボス)ロールを用いて、樹脂被覆層を可
塑化しつつ所定の表面加工を施すことが好ましい。
本発明方法において、特に樹脂粉末が、ポリ塩化ビニル
樹脂(PVC)を主成分として含む場合、遠赤外線加熱処理
が好ましい。すなわちPVCに対し、遠赤外線加熱処理
を施すことによって、加熱温度を熱風加熱の場合よりも
10〜50℃低くすることができ、又は、同一加熱温度の場
合遠赤外線加熱の所要時間は、熱風加熱の場合よりもか
なり短縮される。また、遠赤外線加熱によりPVC樹脂
中の可塑剤の揮発減量を抑制することが可能であり、得
られる防水シートの風合が柔軟であり、その耐候性その
他の物性も大幅に向上する。
本発明方法において、基布上の樹脂粉末を熱風加熱、又
は赤外線加熱によって溶融させる場合、樹脂粉末層は、
その外表面側から漸次溶融するので樹脂粉末を十分に溶
融し、これを基布中に浸透させるにはかなりの長時間を
要し、このため、樹脂被覆層自身がその外面表面から熱
劣化を生じたり、また、樹脂被覆層の内部の昇温が遅
く、そのため基布に近接している樹脂層部分の流動性が
低く、基布内部への浸透が不十分になりやすいことがあ
り、或は、加熱が長時間に及ぶときは、基布に熱劣化を
生ずることがある。このような場合には、基布上に付着
した樹脂粉末に対し、高周波処理を施こすことによっ
て、樹脂粉末を短時間内に均一に溶融させ、この樹脂溶
融体を速かに基布内部に流入浸透させることが好まし
い。
すなわち、高周波処理により速かに溶融形成された溶融
樹脂被膜は、基布の糸間々隙、および繊維間々隙に浸透
して固化し、形成された樹脂被覆層は、それ自身若干の
凹凸を有する艶消し状の特殊な外観を示すが、基布に強
固に密着したものとなる。
基布上の樹脂粉末の急速溶融処理が、高周波処理のみで
不十分なときは、この樹脂粉末に高周波処理を施し、そ
れに引続き、マトリックス重合体材料の融点以上の温度
における加熱処理を施すことが好ましい。
すなわち、基布上に付着した樹脂粉末に対し、高周波処
理を施こし、それに引続いて、重合体材料の融点以上の
温度における加熱処理を施し、それによって、樹脂粉末
を短時間内に均一に溶融させ、この樹脂溶融体を速かに
基布内部に流入浸透させることができる。特に高周波加
熱処理に引続いて重合体材料の融点以上の温度で熱処理
すると、高周波処理により溶融状態になった重合体材料
の流動性を短時間内に一層向上させることができる。そ
の結果重合体の劣化が少なく、密着性がより一層高く、
剥離耐久性の高い樹脂被膜を形成することができる。ま
た高周波処理による昇温された樹脂粉末の温度を重合体
材料の融点よりわづかに低い温度にコントロールした場
合でも、加熱処理による所要の昇温は短時間に終わり、
その後樹脂粉末の加熱溶融が容易になる。従って重合体
の劣化を防止しつつ、温度管理をより安定的に行うこと
が可能となる。
また、高周波処理により樹脂粉末中の重合体材料を溶融
させてもよいが、溶融直前の温度まで昇温して、引続き
加熱処理によりこれを溶融してもよい。例えば高周波処
理により重合体材料の融点より10℃低い温度まで昇温
し、それに引続いて、所定温度における加熱処理を施せ
ば、短時間内に溶融流動化が可能であり、しかも高周波
処理による過熱を防止することができる。このようにす
ることによって、重合体の劣化や基布の劣化および溶融
などを防止することができる。一般に、加熱処理は、重
合体材料の融点より高く、好ましくは10℃程度高く、し
かし基布の融点又は熱分解点よりも低い温度で溶融流動
化に必要な時間、一般には5分間以内、好ましくは1〜
3分間行われる。
加熱手段に格別の限定はなく、熱風加熱、電熱加熱、赤
外線加熱、遠赤外線加熱および高周波加熱などを用いる
ことができる。
上記のようにして製造された防水シートにおいて、高周
波処理およびそれに引続く加熱処理により速かに溶融形
成された溶融樹脂被膜は、基布の糸間々隙、および繊維
間々隙に十分に浸透して固化し、形成された樹脂被覆層
は、それ自身若干の凹凸を有し、艶の少ない、或は若干
の艶むらを有する特殊な外観と機能を有するが、基布に
強固に密着したものとなる。
〔実施例〕
本発明方法を、実施例により更に説明する。
実施例1 ビニロン紡績糸を用いて、下記組織および重量の平織布
帛を製造した。
組織: 重量:350g/m2、厚さ:0.6mm この布帛を常法により湯通し洗浄し、乾燥してこれを基
布とした。
この基布を水に浸漬し、含水率100%に絞って均一に湿
潤させた。
別に、下記組成の樹脂組成物を調製した。
成分 重量部 ポリ塩化ビニル樹脂 80 D.O.P 68 エポキシ化大豆油 7 炭酸カルシウム粉末 20 Ca−Ba系安定剤 3 顔料 8 この樹脂組成物を、120℃に加熱した混練ロールを通し
て均一に混練し、シート状に形成し、このシートをペレ
ット化し、このペレットを凍結粉砕して樹脂粉末を調製
した。
この樹脂粉末の粒子サイズ分布は下記の通りであった。
80メッシュ篩パス 98% 100 〃 94 145 〃 82 200 〃 40 250 〃 31 350 〃 18 上記樹脂粉末を前記湿潤した基布の両面に吹きつけて付
着させ、これを1対のロール間を通して粉末を基布組織
内に押し込むと同時に過剰量の粉末を除去した。樹脂粉
末の付着量は300g/m2であった。
この樹脂粉末付着基布を、90℃の温度で1分間予備加熱
ならびに乾燥し、次に180℃の温度で3分間加熱して樹
脂粉末を溶融し、かつゲル化して溶融樹脂被覆を形成
し、この溶融樹脂被覆層を有する基布を135℃に加熱さ
れた1対のロールの間を通して加熱加圧して得られる樹
脂被覆層表面の形状を調節するとともに被覆層と基布と
の結着を強化した。これを冷却して得られた防水シート
は艶の少ない表面外観を有し、かつ1500mm水柱以上の耐
水圧を示し、揉み漏水テストにおいても漏水を生ずるこ
とがなく、実用上十分な耐久性を有するものであった。
実施例2 実施例1と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末の作成
に当り、樹脂混合物を、180℃の温度(ポリ塩化ビニル
樹脂マトリックスの融点175℃より高い)に加熱された
混練ロールにより混練した。
得られた防水シートは、極めて緻密な樹脂被覆層を有
し、すぐれた耐摩耗性、強靱性、耐水性および耐久性を
示した。
実施例3 実施例1と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末の組成
は下記の通りであった。
成分
重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂−1*1 80 〃 〃 〃 〃 −2*2 20 滑剤
2.5 顔料
6 註 *1…酢酸ビニル含有率 19重量%、 mp=87℃ *2…酢酸ビニル含有率 25重量%、 mp=81℃ この樹脂組成物の混練に用いられた混練ロールは140℃
に加熱されており、得られた混練樹脂組成物のシートか
らペレットを製造し、このペレットを凍結粉砕して、粒
度分布が実施例1のそれにほゞ等しい樹脂粉末を得た。
樹脂粉末付着基布の加熱は100℃の温度で3分間行わ
れ、その後冷却ロールで樹脂被覆層を冷却しつつ押圧し
防水シートを得た。
この防水シートは特異な艶消し外観を示し、かつ水柱高
さ1500mmの良好な防水性を示し、無毒防水シートとして
有用なものであった。
実施例4〜7 実施例4〜7の各々において実施例1と同じ操作を行っ
た。但し、樹脂粉末の付着量は、基布の片面当り125g
/m2であり、この樹脂粉末付着基布を、90℃の温度で1
分間予備加熱ならびに乾燥し、これに下記の処理を施し
た。
実施例4:上記樹脂粉末付着基布に、連続的に周波数:
13.4Mc、陽極出力:3.5KW、処理速度:4m/分、滞在
時間1分間の条件で高周波処理を施し、マトリックス重
合体材料を溶融、ゲル化して基布中に浸透させ、これを
室温で冷却固化した。
実施例5:実施例4と同じ操作を行った。但し、高周波
処理後、溶融樹脂被覆に対し、0℃に冷却した冷却ロー
ルにより強制冷却を施した。
実施例6:実施例4と同じ操作を行った。但し、樹脂粉
末を付着した基布の樹脂粉末被覆面を、赤外線熱処理装
置により150℃に加熱し、その後これに高周波処理を施
した。
実施例7:実施例6と同じ操作を行った。但し、高周波
処理後、実施例5記載の強制ローラー冷却操作を行っ
た。
上記各実施例により得られた防水シートの各々の性能を
第1表に示す。
第1表に明瞭に示されているように、本発明方法により
製造された実施例4〜7の防水シートは、いづれも1500
mm水柱をこえる耐水圧性を示した。また、実施例4〜7
の防水シートにはピンホールは認められなかった。
実施例8 実施例4と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末の作成
に当り、樹脂混合物を、180℃の温度(ポリ塩化ビニル
樹脂マトリックスの融点175℃より高い)に加熱された
混練ロールにより混練した。
得られた防水シートは、極めて緻密な樹脂被覆層を有
し、すぐれた耐摩耗性、強靱性、耐水性および耐久性を
示した。
実施例9 実施例1と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末に対す
る溶融処理を下記のようにして行った。
樹脂粉末付着基布に、連続的に周波数:13.4Mc、陽極出
力:3.5KW、処理速度:4m/分、滞在時間1分間の条
件で高周波処理を施し、これに引続いて205℃の赤外線
加熱炉で3分間熱処理して重合体材料を溶融ゲル化し、
かつこれを基布中に浸透させ、その後これを室温で冷却
固化した。
上記により得られた防水シートの性能を第2表に示す。
第2表に明瞭に示されているように、本発明方法により
製造された実施例9の防水シートは、1500mm水柱をこえ
る耐水圧性を示すとともに、手揉み耐水性も1500mm水柱
以上を示し、樹脂被膜にピンホールは認められず、その
接着力も極めて大きいものであった。
実施例10 実施例9と同様の操作を行った。但し、樹脂粉末の作成
に当り、樹脂混合物を、180℃の温度(ポリ塩化ビニル
樹脂マトリックスの融点175℃より高い)に加熱された
混練ロールにより混練した。
得られた防水シートは、極めて緻密な樹脂被覆層を有
し、すぐれた耐摩耗性、強靱性、耐水性および耐久性を
示した。
実施例11 実施例1と同様の操作を行った。但し、色の互に異なる
2種の樹脂粉末を用いた。すなわち、その1種には、8
重量部の赤色顔料、パーマネントレッドRを添加し、他
には8重量部の青色顔料、フタロシアニンブルーを添加
した。これら2種の異色樹脂粉末を基布面上に不規則な
模様を形成するように付着させた。得られた防水シート
は、赤色および青色の、実質的に不規則な模様を有して
いたが、その防水性能は実施例1の防水シートと同様で
あった。
実施例12 実施例1と同様の操作を行った。但し吸水性能の互に異
なる2種の樹脂粉末を用いた。すなわちその1種には吸
水性物質として高吸水性ポリマー、HYDROGEL-S(住友化
学KK製;ビニルアルコール/アクリル酸共重合体を主成
分とするヒドロゲル)を10重量部添加して吸水性樹脂粉
末を得、他の樹脂粉末は、実施例1記載のものと同様に
吸水性物質を添加しない防水性樹脂粉末であった。これ
ら2種の異機能樹脂粉末を基布面の片面に先づ防水性樹
脂粉末を175g/m2の付着量になるように撤布し、その
上に吸水性樹脂粉末を25g/m2の付着量になるように撒
布して溶融被膜を形成し、引続き基布の他の面に防水性
樹脂粉末を200g/m2の付着量になるように撤布して溶
融被膜を形成し防水シートを得た。得られた防水シート
は実施例1と同様の性能を示すばかりでなく、表面には
吸水性樹脂粉末が強固に結着し、この防水シートで作ら
れたテント倉庫は内面の結露は高吸水性ポリマーに吸着
保持されるため、極めて良好な結露防止性を示した。
実施例13 実施例1と同じ操作を行った。但し、樹脂粉末を遠赤外
線加熱処理により溶融した。溶融所要時間は90秒に短縮
されたが、その効果は十分であった。また、加熱溶融に
よる樹脂粉末中の可塑剤の減量は、実施例1の場合の約
40%に低下し柔軟な防水シートが得られた。この防水シ
ートの性能は実施例1の場合とほゞ同一であった。
実施例14 実施例1と同じ操作を行った。但し樹脂組成の変化、お
よび劣化抑制するため溶融時間を90秒に短縮して同一の
被膜性能を得るには、実施例1の熱風加熱では雰囲気温
度を230℃にする必要があったが本実施例において遠赤
外線加熱処理を行ったところ180℃で十分であった。従
って得られた防水シートの可塑剤の減量は熱風加熱の場
合に較べ約50%も低下し極めて柔軟な防水シートが得ら
れた。この防水シートの性能は、実施例1の場合と同様
であったが耐久性は極めて好ましいものであった。尚、
実施例4〜7の高周波処理の場合は遠赤外線処理に較べ
更に可塑剤の減量は少なく、それは、熱風加熱の場合に
くらべて、約60%低下しより好ましいものであった。
〔発明の効果〕
本発明の防水シート製造方法は、下記の効果を有するも
のである。
(1)基布表面に樹脂被覆層をほゞ均一に付与することが
できる。
(2)水又は有機溶剤を使用しないので、製造コストが低
下し、かつ、有機溶剤の揮発逃散による環境汚染、およ
び樹脂被覆層中に気孔又は空孔の形成がない。
(3)得られる樹脂被覆層が緻密で、強靱であり防水性、
耐摩耗性および耐久性が高い。
(4)機能付加添加剤とマトリックス重合体材料との混合
物の混練を、この混合物の融点以上の温度で行うことに
より、得られる樹脂被覆層における機能付加添加剤の分
布が均一になり、またこれを、より一層非気孔化し、か
つ緻密化して、その強靱性を一層向上させることができ
る。
(5)適切な加熱処理、遠赤外線加熱処理又は高周波処理
により、或は高周波処理と、それに引続いて施される加
熱処理により、樹脂粉末中の重合体材料は、短時間内に
溶融し、基布内に十分に流入することができる。このた
め得られた防水シートにおいて樹脂被覆層は基布に強固
に接着していて、すぐれた手揉み耐水性と耐久性とを示
すことができる。
(6)加工条件のコントロールが容易である。
(7)艶の少ない特殊な表面外観が得られる。
(8)基布と樹脂の密着性、接着性が良好で樹脂被膜の品
質も均一で、劣化現象が見られず強靱で耐久性が高い。
(9)工程の組合せにより、所望の品質の製品が得られ
る。
(10)加工方法が斬新で、その効率が高い。従って、本発
明方法はすぐれた特性と外観を有する防水シートの製造
方法として工業的に極めて有用なものである。
(11)互に機能の異なる、又は、その程度の異なる2以上
の防水帯域を基布の任意の部分に形成することができ
る。
(12)互に色相、および/又は色濃度の異なる2種以上の
樹脂粉末を混合することによって、従来の着色プリント
方法では得ることのできなかったユニーク、かつ複雑な
色彩の防水シートを得ることができる。
(13)上記のような2種以上の異色樹脂粉末を用いて、任
意の色彩模様を有する防水シートを得ることができる。
(14)遠赤外線加熱処理により、放射エネルギーを集中的
に樹脂粉末の加熱に利用できるので、その短時間溶融が
可能となる。
(15)高周波処理により、樹脂粉末層を内部加熱すること
ができるので、かなり厚さの厚い樹脂層の短時間形成が
可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7199−3B D06M 10/00 K 出願人において権利譲渡または実施許諾の用意がある。 (56)参考文献 特開 昭58−65072(JP,A) 特開 昭59−81171(JP,A) 特開 昭59−122519(JP,A) 特開 昭59−106933(JP,A)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融性、および防水性を有する重合体材料
    と、機能付加添加剤とを混合し、この混合物を加熱混練
    して、前記重合体材料からなるマトリックス中に前記機
    能付加添加剤を含有させ、この加熱混練物を固化し、粉
    砕して調製された少なくとも1種の樹脂粉末を、繊維布
    帛からなる基布の少なくとも1面上に配置し、前記基布
    を溶融、又は熱分解させることなく、その上の樹脂粉末
    を溶融して溶融樹脂被膜を形成し、次に、前記溶融樹脂
    被膜を冷却固化して、前記基布に結着して固形樹脂被覆
    層を形成する、ことを特徴とする防水シートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記機能付加添加剤が、可塑剤、耐熱安定
    剤、着色剤、防炎剤、難燃剤、耐候安定剤、滑剤、充填
    剤、接着剤、防撥水剤、紫外線吸収剤、吸水剤、潤滑
    剤、導電性付与剤、および付香剤から選ばれる、請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】機能において互いに異なる2種以上の樹脂
    粉末が用いられる、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記2種以上の樹脂粉末が、その色におい
    て互いに異なる、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記2種以上の樹脂粉末の混合物を使用す
    る、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記2種以上の樹脂粉末を前記基布の異な
    る部分に配置する、請求項3又は4に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記2種以上の樹脂粉末を、前記基布の少
    なくとも1面の全面に、又は部分的に2以上の層をなし
    て配置する、請求項3に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記基布上に配置された樹脂粉末に、前熱
    処理を施した後、前記溶融処理を施す、請求項1〜7の
    いずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記繊維布帛中の繊維が、前記樹脂粉末中
    のマトリックス重合体材料の融点よりも、少なくとも1
    0℃高い融点、又は熱分解点を有する、請求項1〜8の
    いずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記基布上の樹脂粉末に対する溶融処理
    が、前記樹脂粉末を前記マトリックス重合体材料の融点
    以上の温度に加熱することにより行われる、請求項1〜
    9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記基布上の樹脂粉末に対する溶融処理
    が、前記樹脂粉末に遠赤外線加熱処理を施すことによっ
    て行われる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】前記基布上の樹脂粉末に対する溶融処理
    が、前記樹脂粉末に高周波処理を施すことによって行わ
    れる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記基布上の樹脂粉末に対する溶融処理
    が、前記樹脂粉末に高周波処理を施し、それに引続き、
    前記マトリックス重合体材料の融点以上の温度に加熱す
    る処理を施すことによって行われる、請求項1〜9のい
    ずれか1項に記載の方法。
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