JPS5857446B2 - 樹脂含浸基材とその製造方法 - Google Patents

樹脂含浸基材とその製造方法

Info

Publication number
JPS5857446B2
JPS5857446B2 JP52026815A JP2681577A JPS5857446B2 JP S5857446 B2 JPS5857446 B2 JP S5857446B2 JP 52026815 A JP52026815 A JP 52026815A JP 2681577 A JP2681577 A JP 2681577A JP S5857446 B2 JPS5857446 B2 JP S5857446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
base material
impregnated
powder
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP52026815A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS53111369A (en
Inventor
紀雄 河本
一雅 五十嵐
敏夫 島村
謙 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Electric Industrial Co Ltd filed Critical Nitto Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP52026815A priority Critical patent/JPS5857446B2/ja
Publication of JPS53111369A publication Critical patent/JPS53111369A/ja
Publication of JPS5857446B2 publication Critical patent/JPS5857446B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は絶縁用接着シート、積層材、固着保護材料と
して好適に用いることができる織布、不織布、マットな
どの繊維基材に合成樹脂を含浸させてなる樹脂含浸基材
(以下これをベースストックと略す)に関する。
従来のベースストックは合成樹脂を溶剤に溶かした後基
材に含浸させるという溶液塗工法(以下これを湿式法と
略す)でつくられていたが、次のような欠点がある。
■ 含浸後浴剤を揮散させる必要があるために無公害化
、省資源化の面で問題がある。
■ 粘度上昇や沈降現象などから高樹脂濃度での使用や
無機質材料のような充填剤の使用量を多くできない。
■ 含浸時には一般に基材の片面側から反対面側にかけ
てほぼ均等に含浸する傾向があるが、これは少なくとも
一方の側の樹脂量を少なくできナイ結果と]7てロール
ラミネート法による積層材とくに積層管の製造時にロー
ル面への樹脂の付着を抑えきれず連続操作に支障をきた
すことになり、また逆に少なくとも一方の側の樹脂量を
多くできない結果として積層材表面の微小な毛羽立ちを
防止できず耐湿性に悪影響を及ぼす。
■ 樹脂含浸量を可及的に多くすると樹脂層に空隙(ボ
イド)やボイド発生の原因となる未揮散溶剤が存在して
積層材としたときの耐湿性を損ないやすい。
このような欠点を有する湿式法に対して近年樹脂粉末と
くに熱硬化性樹脂粉末を使用し、この粉末を溶剤を使用
することなくそのまま基材上に配置してまず所定厚みの
粉末層を形成し、その後に加熱溶融して基材内部に含浸
させるといういわゆる粉末塗工法C以下乾式法と略す)
によるベースストックの製造法が提案されている。
この方法によると湿式法の欠点■は回避されるけれども
他の欠点■〜■はなお未解決である。
すなわち乾式法であるから粘度上昇や沈降現象などの問
題はないが、反面粉末層を短時間内に溶融しかつ含浸さ
せることはかなり困難で、過度に加熱すると粉末層表面
側で硬化反応が進み溶融粘度が増大してくるからより含
浸させにくくなる。
したがって得られるベースストックは一般に未含浸の樹
脂層を有するのが普通であり、これは片面側と反対面側
との樹脂濃度差だけをみた場合湿式法の欠点■を回避で
きそうに思えるが、本来の目的とする応用品としたとき
の接着性、耐湿性、絶縁抵抗などに劣り商品価値が極め
て低くなる。
しかもこの方法で形成される樹脂層にも湿式法の欠点■
と同じボイドが発生しやすい。
この理由は粉末層をまず形成した後加熱溶融させている
ため、粉末層に取り込まれた気泡の多くが外部に取り除
かれないまま膨張してそのまま溶融冷却後の樹脂層中に
独立気泡として残留していくためである。
この独立気泡は樹脂の含浸性にさらに悪影響を与え、ま
た耐湿性を損なう直接の原因となる。
乾式法の改良法も種々案出されている。
たとえば予め湿式法で予備含浸しその後に乾式法により
加熱溶融含浸させる方法があるが、樹脂含浸量を多少増
大できたとしても両法を併用したにすぎないものである
から各法の欠点は依然として残されている。
また乾式法で粉末層を形成する前に予め基材を加熱して
おくことに関する教示もなされているが、この加熱は飽
くまでも基材の予熱であって基材上に配置させる粉末な
いし粉末層の付着、固定を確固なものとすることに止ま
り、その後に加熱溶融する工程を必須としこの工程で主
体的に溶融含浸させるものであり、この点において一般
の乾式法と異なるところはない。
この発明者らはこのような事情に鑑みて鋭意研究を重ね
た結果、従来の湿式法と乾式法との欠点を持たず樹脂お
よび必要に応じて充填剤を基材内部に充分に含浸させる
ことができるベースストックで応用時の取扱い性と積層
材などの応用品としたときの絶縁特性、接着性、耐湿性
などを向上できる新規なベースストックを得ることに成
功した。
このベースストックの1つの特徴は樹脂層が基材部内に
充分に含浸されたものから構成されてかつ樹脂層内部に
独立気泡が含まれず、しかも積層材などへの応用時のボ
イド発生原因となる溶剤などの揮散成分をも実質的に含
まないこと(以下、無気泡性という)である。
この発明のベースストックのもう1つの特徴は繊維基材
の厚み方向に連続する樹脂濃度変化があることであり、
この濃度変化の代表的なタイプは第1図に示されるAタ
イプおよびBタイプである。
Aタイプは繊維基材の片面側から反対面側に向けて次第
に減少するたとえば図示される略直線状に減少するよう
な濃度変化があり、またBタイプは繊維基材の片面側か
ら任意深さまで次第に減少しかつその後反対面側まで次
第に増加するような濃度変化がある。
またこれら両タイプはさらに種々の濃度勾配を持ち、た
とえばAタイプでは反対面側の樹脂濃度がほぼ01で低
下するものや反対面側まで至らず片面側からの任意深さ
でほぼOになるものなども含まれる。
もちろんこのようなタイプでも積層材などに応用したと
きに製品特性上支障がない程度に少なくとも片面側およ
び中間部には必要量の樹脂が含浸されている。
このようなベースストックを構成する材料としては繊維
基材、樹脂および無機質材料などの充填剤であり、基材
としてはたとえばガラス繊維、有機繊維などからなる織
布、不織布、マット、紙などが用いられる。
また樹脂と17では熱硬化性樹脂が好ましく用いられる
が、その他熱可塑性樹脂を熱硬化性樹脂と混合して使用
したものであってもよい。
熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂
、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、シ
リコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂もしくはこれら
の変性樹脂などが挙げられ、また熱可塑性樹脂としては
ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重
合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル
酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアミド、
ポリイミド、ポリカーボネートなどが挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が用いられる。
充填剤は成形性、外観、寸法安定性などの向上、価格の
低下などの目的で必要に応じて配合されるものであるが
、たとえば珪砂、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、アルミ
ナ、酸化カルシウムなどの金属酸化物や炭酸カルシウム
などもしくはこれら成分を含むガラス、雲母など、また
金属粉、顔料、染料、難燃性附与物、可撓性附与物、難
燃助剤などが挙げられる。
さてこの発明者らはこのようなベースストックの極めて
有用な製造方法を見出した。
この方法は繊維基材を予め樹脂粉末の融点より50〜2
00℃好ましくは100〜150℃高めに加熱し、この
加熱基材がこの温度範囲内にあるうちに基材片面側から
前記粉末を導ひくことにより、基材への接触と同時に基
材自体の勲で溶融させかつ連続的に含浸させることを特
徴とするものである。
以下この方法を第2図に基づいて詳述する。
第2図において繰出しロール1から搬送される繊維基材
2を加熱ロール3上を走行させて樹脂粉末4の融点より
50〜200℃好ましくは100〜150℃高めに加熱
する。
基材2の加熱はロール3によらないで熱板などの他の手
段を採用して行なってもよいが、いずれの場合も上述し
た温度範囲に設定することが必要で、この範囲を逸脱す
るときは前記特徴を有するベースストックを得難い。
次にこのように加熱された基材2の片面側から基材2上
にスプレーガン5から樹脂粉末4をスプレーする。
このスプレー位置は基材2が前記温度範囲に保たれてい
る位置であれば任意でよく、したがって図示されるよう
な加熱ロール3上でもまた加熱ロール3を通過した所定
位置であっても差し支えない。
スプレーガン5によらないで粉末散布機6を使用したり
静電塗装法などの他の塗布手段を採用してもよい。
樹脂粉末4としては熱硬化性のものが好ましいが、熱硬
化性樹脂と熱可塑性樹脂とを溶融混合もしくは乾式混合
して得られる混合粉末を用いてもよい。
また必要に応じて無機質材料などの充填剤が溶融混合も
しくは乾式混合より含有されたものであってもよい。
樹脂および充填剤の具体例は先に辻べた通りである。
このような樹脂粉末4の粒度としては通常40メツシユ
パス、好適には100メツシユパスのものを使用する。
40メツシユオンの樹脂粉末では基材2の表面に均一+
<付着させにくいため所望するベースストックが得られ
難くなるおそれがある。
また樹脂粉末4の溶融時トルクとしては通常20kg・
儂以下、好ましくは10〜O: 2 kg・函のものが
よい。
20kg・濃より大きくなると基材2への含浸が不充分
になりやすいから好ましくない。
このようにして基材2上に導ひかれた樹脂粉末4は基材
2に接触すると同時に基材2の勲を受けて溶融しかつ基
材内部に連続的に含浸する。
その結果粉末間に存在する気泡も含浸に際して簡単に抜
けてこの気泡の離脱は含浸性により良好な結果を持たら
す。
このとき基材2の温度が粉末4の融点より50℃以上高
めに加熱されていない場合は溶融が不充分となって基材
表面に次第に粉末層が形成されて従来の乾式法などと同
様に含浸性が著るしく低下する。
一方融点より200℃高めの範囲内に抑えられていない
ときは過度に加熱されすぎて熱硬化性樹脂粉末では硬化
が進みすぎて溶融粘度が上昇したり、場合により基材2
を熱劣化させるおそれがある。
200℃以内であれば前記良好な含浸性で短時間に作業
できることもあってこのような問題は生じない。
かくして得られる含浸樹脂層は樹脂粉末の使用量を得ら
れるベースストック全体の10〜90重量%とする場合
でも基材内部に充分に含浸、形成されたものであってそ
の層内には独立気泡が含まれておらず、もちろんボイド
発生の原因となる揮散成分も無視できる程度である。
またこの樹脂層は湿式法のように基材内部に均−濃度に
含浸されたものではなく、主として使用する材料に基づ
く含浸性の良否、繊維基材の厚みおよび加熱条件などに
応じた種々の樹脂濃度変化が与えられる。
前記第1図は繊維基材の片面側に樹脂粉末を導ひき反対
面側に向けて溶融、含浸させた状態を示したものである
が、多くの実験を繰り返し検討した結果、一般的には含
浸しにくい材料や厚肉の繊維基材を使用したり、加熱温
度をできるだけ低くするとAタイプのベースストックが
得られ、逆に比較的含浸しやすい材料や薄肉の繊維基材
を用いたり、加熱温度をできるだけ高くするとBタイプ
のベースストックが得られることが判った。
上述した含浸しにくい材料または含浸しやすい材料とは
、樹脂粉末の種類たとえば樹脂のタイプ(熱硬化性であ
るか熱硬化性と熱可塑性との混合系であるかなど)、充
填剤の有無、粉末径、溶融粘度など、繊維基材の種類た
とえば基材原料(ガラス繊維系か有機繊維系かなど)、
繊維密度など、また樹脂粉末と繊維基材とのなじみ性な
どにより定まるものである。
含浸しやすい条件としたときにBタイプのベースストッ
クが得られる理由は、繊維基材の片面側に導ひかれた樹
脂粉末が反対面側に簡単に到達し、その後の引き続く含
浸で次第に片面側に移動していくためと思われる。
このようにAタイプとするかBタイプとするか、さらに
はこれらタイプにおいてその樹脂濃度勾配をどの程度に
するかは使用する材料自体の含浸性の良否を勘案して繊
維基材の厚みや加熱条件などを種々変更することにより
簡単に決められる。
ただし加熱条件の設定に当たり積層材などに応用すると
きの積層湿度や接着温度などの使用塩度でのゲル化時間
が1分以上になるようにつまりベースストック製造の段
階で硬化が進みすぎないように配慮することが望ましい
またBタイプとする場合においてはとくに図示されるよ
うに加熱ロール3に繊維基材の反対面側を接触させて反
対面側から加熱するような手段を採ることが有効である
この時加熱ロール面に溶融樹脂が付着した時はドクター
ナイフ9で削り取ると良い。
このようにして基材部内に所望する含浸樹脂層を形成し
た後、さらに高度の含浸性を望む場合やゲル化時間の調
整を必要とする場合には後加熱炉7に導ひき、冷却後連
続的に巻き取りロール8に巻き取る。
基材2の種類もしくは用途目的によっては所要長さに切
断する工程などに供される。
以上詳述した通り、この発明によれば湿式法の欠点■で
ある溶剤揮散の問題がなく、しかも湿式法はもちろん従
来の乾式法に較べて多量の樹脂および必要に応じて充填
剤を基材内部に気泡を生じさせることなく充分に含浸さ
せることができ、積層材などに応用したときの絶縁特性
、接着性、耐湿性、寸法安定性、成形性などを改善でき
る。
とくに耐湿性の改善は含浸樹脂層を無気泡性とすること
により達成し得たものである。
また含浸樹脂層に所望する樹脂濃度変化を与えてその温
度変化に応じた特有の利点を持たせることができる。
たとえば前述したAタイプ、場合によりBタイプ(こお
いて繊維基材の反対面側をOまたは非常に僅かな樹脂量
にし、この面を加熱ロールに接触させてロールラミネー
トすると、ロール面への樹脂の付着が防がれて長時間に
亘って安定した作業を行なうことができ、離型紙の使用
が不可避であった積層管の製造などに非常に有利となり
、また逆に樹脂含有量を多くした片面側を外側に向けて
積層すると積層材表面の毛羽立ちがなくなって耐湿性に
好結果を持たらす。
またたとえばBタイプ特有の利点として■接着シートと
して使用する場合に低圧接着でボイドレス接着が可能と
なる。
■ベースストックが曲がった時に樹脂の脱落の影響が少
ない等の利点があげられる。
さらに両タイプにおいて用途に応じた適正な濃度勾配を
選択し使用することができる。
一般には濃度下降勾配が100〜1000 g/m/v
tm程度のものは接着シートに適し、また200〜20
00g/ m /mm程度のものは積層材として好適で
ある。
またこのような積層材とする場合に最外層に銅、アルミ
ニウム、ニッケルなどの金属箔を設ければプリント基板
に適したものが得られる。
以下にこの発明の実施例をさらに具体的に説明する。
なおこの明細書において含浸樹脂層の樹脂濃度変化は、
たとえばベースストック表面側の樹脂を少しづつ削り取
って重量を測ることにより中間部側の樹脂量をチェック
するなどの方法でも測定できるが、以下の実施例および
比較例では次のような測定法を採用して行なった。
すなわち樹脂溶液を使用する湿式法において予め樹脂(
硬化剤を含まない)100重量部に対して0.05部の
フタロシアニンブルーを溶液中に添加しておき、この溶
液を繊維基材に含浸させて樹脂含有量が10.20,3
0,40.50重量係の対照用ベースストックを作成す
る。
この対照用ベースストックは各実施例および比較例に使
用する繊維基材および樹脂配合に応じて個別に形成され
る。
一方個々の実施例および比較例では樹脂粉末もしくは樹
脂溶液を調整する際に前記と同量のフタロシアニンブル
ーを含ませるようにし、これら粉末もしくは溶液から形
成される各ベースストックを、対照用ベースストックと
並べて顕微鏡観察しその着色度から樹脂濃度およびその
勾配を調べる。
なおまた以下において部および係とあるはそれぞれ重量
部および重量%であることを示す。
実施例 1 エピコート#1002(シェル化学社製、融点77〜8
8°C)100部、ジシアンジアミド5部および2−ウ
ンデシルイミダゾール0.5部をヘンシェルミキサーに
で158Orpmで2分間予備混合した後粉砕して10
0メツシュパス品の熱硬化性樹脂粉末を得た。
この粉末の融点は約88℃溶融時トルク(150°C)
は0.6 kg・儂であった。
この樹脂粉末を加熱ロールにより250°Cに加熱した
旭シュニーベル社製ガラスクロス#7628−308(
厚さ0.187Xffl、密度201.9/m”)の片
面側に散布してクロスへの接触と同時に溶融させかつ連
続的に含浸させたところ、樹脂含浸量がそれぞれ44係
(A1)、75係(A2)の2種ベースストックが得ら
れた。
A1およびA2共樹脂層が基材内部に充分に含浸、形成
されたものであって、いずれも本文詳記のBタイプに属
スるベースストックである。
この内AIは粉末を散布する片面側が54g/m′、基
材内部の最低濃度位置で279 / m”、反対面側が
77 g/lri:の樹脂濃度で、片面側から最低濃度
位置までの濃度勾配が4509 /rn:/mm、最低
濃度位置から反対面側までの濃度勾配が833g/m/
mmであった。
また遥2は片面側が1sl/m”、最低濃度位置で16
0 g/m’、反対面側が263g/m″の樹脂濃度で
、片面側から最低濃度位置までの濃度勾配が333 g
/ m”/mrn、最低濃度位置から反対面側までの濃
度勾配が1717 g/ rrt/mmであった。
また顕微鏡観察によりA、 1 、 A 2共両面無気
泡であることが確認された。
比較例 1 実施例1と同一配合物をメチルエチルケトン:トルエン
=1:1の混合溶媒に溶解して50係溶液を調製し、こ
の溶液中に実施例1と同じガラスクロスを浸漬して樹脂
含浸量がそれぞれ42%(116,1’ )、63%(
A2’)の2種のベースストックを得た。
この内A 1 ’のベースストックに付き樹脂濃度変化
を調べたところ、片面側が50,9/m′、中間部が4
79/ m、反対面側が48g/m′であって、濃度勾
配はほとんど0であった。
比較例 2 実施例1で得た樹脂粉末を未加熱のガラスクロス(実施
例1と同じ)上に散布して所要厚の粉末層を形成し、そ
の後熱風乾燥炉に導ひいて150℃で5分加熱したとこ
ろ、樹脂含浸量が45%のベースストックが得られた。
このベースストックは樹脂粉末が溶融するときに粉末間
の空気が逃げにくいこともあってガラスクロスへの含浸
が実施例1に比べて非常に劣り、基材片面側にかなりの
割合で未含浸の樹脂層が形成されており、しかもこの樹
脂層には明らかに独立気泡が混在しているのが確認され
た。
比較例 3 実施例1で得た樹脂粉末を100°Cに予熱したガラス
クロス(実施例1と同じ)上に散布したが、ガラスクロ
スに接した樹脂粉末だけが溶融して定着しているが含浸
するまでには至らず表面側が溶融しないで粉末形状がそ
のまま維持された比較例2と同様の粉末層が形成され、
その後150℃で5分間加熱してみたが、比較例2と同
様に独立気泡を含みかつ未含浸状態の樹脂層を持つベー
スストックしか得られなかった。
実施例 2 樹脂粉末および繊維基材として実施例1のものを使用し
かつ基材の加熱温度を200℃にした以外は実施例1と
同様にして樹脂含浸量が45%のベースストックを得た
゛このベースストックは本文詳記のBタイプ
に属し、片面側が72 g/ m、基材内部の最低濃度
位置で42g/rri’、反対面側が50g/m′の樹
脂濃度で、片面側から最低濃度位置までの濃度勾配が5
00 ji / tri:7mm、最低濃度位置から反
対面側までの濃度勾配が133 ji/m/m71Lで
あった。
また顕微鏡観察で樹脂層には独立気泡がないことが確認
された。
実施例 3 樹脂粉末および繊維基材として実施例1のものを使用し
かつ基材の加熱湿度を180℃にした以外は実施例1と
同様にして樹脂含浸量が45%のベースストックを得た
このベースストックは本文詳記のAタイプに属し、片面
側が91El/m、反対面側が189/lri’の樹脂
濃度で、濃度勾配が607 j;l / mlmvtで
あった。
また樹脂層には独立気泡は混在されていないことが判っ
た。
上述した実施例1〜3および比較例1〜2のベーススト
ックを使用してそれぞれ6枚重ね合せて180°Cで3
分間接触圧で保持した後、下表に示される加熱加圧条件
でプレスして積層板をつくった。
各積層板の特性(試験方法はJ I S−に−6911
に準じる)は同表に併記される通りである。
なお実施例1〜3のベースストックを重ね合せるに際し
ては、その最外層にくる2枚のベースストックは片面側
(樹脂粉末散布側)を外側に向けるようにした。
上表においてまずベースストックの樹脂含浸量が約40
%程度である実施例1 (ml )、比較例1(A、1
’)および比較例2の対比、並びに樹脂含浸量が約60
%以上である実施例1(A、2)および比較例1(A2
’)の対比から、この発明のベースストックから得られ
る積層板がいずれも他のものに比べて耐湿性に優れ、絶
縁破壊電圧、絶縁抵抗が大きくなっていることは明らか
である。
またA2とA2′のベースストックから得られた積層板
に付き顕微鏡観察したところ、A2はベースストック時
の樹脂含浸量が75係という高濃度であるにもかかわら
すボイドの存在は認められなかった。
これに対して煮2′はこれより低い63%であるが、非
常に多くのボイドが存在することが判った。
さらに実施例2,3はそれぞれ樹脂濃度勾配が実施例1
(AI 、 A2 )とは異なるタイプのベーススト
ックであるが、これより得られる積層板は実施例1と同
様に耐湿特性に優れ、また他の特性も良好である。
とくに実施例3は片面側の樹脂濃度が高く反対面側がほ
とんど0に近いベースストックであって高濃度の片面側
が外側となるように積層しているから毛羽立ちによる影
響が少なく耐湿性の顕著な向上が認められる。
実施例 4 エピコート#1002(実施例1に記載のもの)100
部と水利アルミナ40部とを100℃で15分間混練し
、冷却後混練物100部に対してジシアンジアミド10
部を配合し微粉砕して100メツシユパスの樹脂粉末を
得た。
この粉末の融点は約900G、溶融時トルク(150°
C)は1.0ゆ・mであった。
これを加熱ロールにより180℃に加熱したガラスクロ
ス#7637−308(旭シュニーベル社製、厚み0.
237n7IL、繊維密度250 g / m )の片
面側に静電塗装してクロスへの接触と同時に溶融させか
つ連続的に含浸させたところ、樹脂含浸量が41楚のベ
ースストックが得られた。
このベースストックの樹脂層は基材内部に充分に含浸、
形成されたものであり、本文詳記のNタイプに属し、基
材片面側は104 g/ @の樹脂濃髪であるが反対面
側には含浸されてあらず、樹脂濃度勾配は580 g/
tri’/mmであった。
また含浸樹脂層なかんずくもつとも樹脂濃度の高い片面
側でも層内に独立気泡はみられなかった。
このベースストックを使用してロールラミネート法によ
りマンドレルに5回巻き付けて積層管をつくるに際し、
未含浸の反対面側がロール面に接触するように作業する
と、ロール温度が150℃であっても100mの連続作
業でロール面に樹脂が付着し滞留することはなかった。
一方上記ベースストックによらないで実施例4と同一の
樹脂配合物をドルオール:メチルエチルケトン−1:1
の混合液に溶かした60係溶液に実施例4と同一の刀ラ
スクロスを浸漬して作成したベースストックを用いた場
合、樹脂含有量が31%でもロール面に樹脂が付着して
100m積層する際には2,3回ロール面を清掃してや
る必要があった。
実施例 5 エピコート$1.002(実施例1に記載)100部、
MP−120H(群栄化学社製フェノール樹脂)10部
、2−ウンデシルイミダゾール0.5 部およびフロー
センUF−1,5(v鉄化学社製ポリエチレン粉末)2
(lを・\ンシエルミキサーことて1580rpmで5
分間予備混合し、次いでそのまマ粉砕して100メツシ
ユパスの混合粉末を得た。
この粉末の融点は約88°C1溶融時トルク(1500
Cンは、1.1 kJj・篩であった。
これを250°Cに加熱した有沢製作所製ガラスクロス
EPC160(厚み0.19朋、密度」90g/m′)
の片面側に散布してクロスへの接触と同時に溶融させか
つ連続的に含浸させたところ、樹脂含浸量が35係のベ
ースストックが得られた。
このベースストックの樹脂層は基材内部に充分に含浸形
成された無気泡性のものであって、本文詳記のNタイプ
に属し、樹脂濃度は片面側で50g/ rrl、反対面
側で189/rrr’であって、267fi/m/mu
の濃度勾配を有していた。
このベースストックを6枚重ね合せて180°Cx 2
5 kg/iX 60分加熱加圧したところ、60゜鏡
面反射率で25飴という樹目旨粉末中に含ませたポリエ
チレンの艶消効果が良好に発現された積層板が得られた
ポリエチレンは有機溶剤に対する溶解性が乏し〈従来の
湿式法ではこのようなベースストックは得難いが、上述
した方法によれば溶解性に乏しい樹脂でも任意に使用で
き、これによってその樹脂の特徴たとえばポリエチレン
では上述した艶消効果などを簡単に発揮させることがで
き、またベースストックの製造に当たり溶剤が不要であ
るからこの揮散に伴なう大気汚染などの問題も生じない
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のベースストックに関し繊維基材の厚
み方向に連続する樹脂濃度変化を示す説明図、第2図は
この発明のベースストックの製造方法を示す概略図であ
る。 2・・・・・・繊維基材、4・・・・・・樹脂粉末。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 所定厚みを持ったひとつの繊維基材に独立気泡およ
    び揮散成分を有、しない熱硬化性含浸樹脂層が形成され
    かつこの樹脂層に基材厚み方向に連続する樹脂濃度変化
    があることを特徴とする樹脂含浸基材。 2 繊維基材の片面側から反対面側に向けて次第に減少
    するような樹脂濃度変化がある特許請求の範囲第1項記
    載の樹脂含浸基材。 3 繊維基材の片面側から任意深さまで次第に減少しそ
    の後反対面側まで次第に増加するような樹脂濃度変化が
    ある特許請求の範11第1項記載の樹脂含浸基材。 4 熱硬化性含浸樹脂層に無機質材料のような充填剤が
    含まれた特許請求の範囲第1項、第2項または第3項記
    載の樹脂含浸基材。 5 所定厚みを持ったひとつの繊維基材を予め40メツ
    シユパスの粒度を有(7かつ20kg・α以下の溶融時
    トルクを持った熱硬化性樹脂粉末の融点より50〜20
    0℃高めに加熱し、この加熱基材がこの温度範囲内にあ
    るうちに基材片面側から前記粉末を導ひくことにより、
    基材への接触と同時に基材自体の熱で溶融させかつ連続
    的に含浸させることを特徴とする樹脂含浸基材の製造方
    法。 6 熱硬化性樹脂粉末として無機質材料のような充填剤
    が溶融混合も(、<は乾式混合により含有されたものを
    使用する特許請求の範囲第5項記載の樹脂含浸基材の製
    造方法。
JP52026815A 1977-03-10 1977-03-10 樹脂含浸基材とその製造方法 Expired JPS5857446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP52026815A JPS5857446B2 (ja) 1977-03-10 1977-03-10 樹脂含浸基材とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP52026815A JPS5857446B2 (ja) 1977-03-10 1977-03-10 樹脂含浸基材とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS53111369A JPS53111369A (en) 1978-09-28
JPS5857446B2 true JPS5857446B2 (ja) 1983-12-20

Family

ID=12203769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52026815A Expired JPS5857446B2 (ja) 1977-03-10 1977-03-10 樹脂含浸基材とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5857446B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1989003406A1 (en) * 1987-10-15 1989-04-20 Suzuki Kanshi Co., Ltd. Production of composite sheet material having inclination function

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59218819A (ja) * 1983-05-27 1984-12-10 Toray Ind Inc プリプレグ材料およびその製造方法
US6929848B2 (en) * 2001-08-30 2005-08-16 E.I. Du Pont De Nemours And Company Sheet material especially useful for circuit boards
JP5878017B2 (ja) * 2008-10-24 2016-03-08 アイキュー テック スウィツァランド ゲーエムベーハー 反応性ポリマープリプレグを作成するための装置及び方法
CN105583961A (zh) * 2014-10-20 2016-05-18 中国石油化工股份有限公司 一种撒粉工艺制备碳纤维增强热塑性预浸料的方法
CN105583962A (zh) * 2014-10-20 2016-05-18 中国石油化工股份有限公司 一种采用双面撒粉工艺制备热塑性预浸料的方法
CN111873234B (zh) * 2020-06-28 2022-03-22 江苏大学 一种超薄连续纤维增强热塑性预浸料的制备方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51105371A (en) * 1975-02-17 1976-09-17 Mitsubishi Gas Chemical Co Sekisobanno seizohoho

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51105371A (en) * 1975-02-17 1976-09-17 Mitsubishi Gas Chemical Co Sekisobanno seizohoho

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1989003406A1 (en) * 1987-10-15 1989-04-20 Suzuki Kanshi Co., Ltd. Production of composite sheet material having inclination function

Also Published As

Publication number Publication date
JPS53111369A (en) 1978-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101565919A (zh) 合成皮革用哑光离型纸
JPS63154346A (ja) 積層品、およびその製造方法
JPS5857446B2 (ja) 樹脂含浸基材とその製造方法
CN106928705A (zh) 一种含填料的聚酰亚胺复合材料、片材以及含有它的电路基板
EP1483315B1 (en) Continuous filament mat binder system
CN105584154B (zh) 高贴合亚光镀铝膜的生产方法
CN110803940B (zh) 一种复合陶瓷填料的制备方法
JPH03175031A (ja) 防水シートの製造方法
US3451886A (en) Method of making improved glass fiber material and laminates thereof
JPS5878724A (ja) 半硬化材料の製造方法
JPH05345829A (ja) ポリエーテルエーテルケトン水性分散液及びそれを用いた積層成形材料
JPH01162853A (ja) 耐熱性繊維不織布
CN107881802A (zh) 一种露天顶棚拒水布料的制备方法
DE2251558A1 (de) Leichte, nicht-entflammbare, eine innenschicht aus verstaerkter gaze enthaltende materialien
JP3582770B2 (ja) 積層板の製造方法
JPH04153229A (ja) ガラス繊維不織布およびその製造法ならびに積層板
JPS6083814A (ja) プリプレグの製造方法
JPH09225938A (ja) プリプレグの製造方法及び製造装置
JPH04122734A (ja) 繊維強化樹脂複合材料
JPS62189795A (ja) 熱伝導性配線板の製造方法
JPH0244080A (ja) 無機質建築用板の製造方法
JPH05507676A (ja) フィラメントストランドを含浸するためのサイズ組成物
JPS5918214B2 (ja) 積層板の製造方法
JPS58122862A (ja) コンポジツト銅張積層板の製造方法
JP2599388B2 (ja) 水系分散液