JPH0317127B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、車両の運転者が足をブレーキペダル
に載せておくことなしで、車両を坂道で停止保持
できる一方、クラツチ装置とトランスミツシヨン
を切り離すようにクラツチペダルを操作できるよ
うに構成した機械的ブレーキ制御装置に関するも
のである。

本発明は特に、ブレーキペダル及びクラツチペ
ダルを含み、制動時にブレーキがブレーキ適用位
置へ動かされるようになつている車両に用いられ
るものであつて、車両に取付けられるハウジング
と、同ハウジングからブレーキペダルへ延びて同
ペダルと共に移動する連結部材と、ハウジング及
び連結部材と協働して連結部材及びブレーキペダ
ルをハウジングに対して選択的に固定する錠止装
置と、クラツチペダルからハウジングへ延び、同
ペダルの移動に応動して錠止装置を作動状態又は
非作動状態にさせる制御装置とを包含するタイプ
の機械的ブレーキ制御装置に関している。

弁が車両のブレーキ流体ライン内に配設され
て、制動終了時に車両を坂道で停止保持するヒ
ル・ホールデイング作用を行い、その結果、車両
の運転者が一方の足をクラツチペダル操作に用
い、他方の足をアクセルペダル操作に用いること
ができるようにすることは周知である。この種の
流体的ヒルーホールダー（車両を坂道で停止保持
する装置）はブレーキ流体ラインの改変を必要と
し、流体の漏洩が起り得る個所を流体ライン内に
増すこととなる。車両のブレーキ作動安全性の観
点から、流体漏洩の可能性の増大は車両製造業者
にとつて最も好ましからざるものである。

また、米国特許第1909859号に開示されている
ような機械的ブレーキ制御装置は周知であり、こ
の装置は、クラツチペダルの操作に応動してブレ
ーキペダルをロツクする機械的錠止装置を具備し
ているため、錠止装置の錠止ローラとクラツチペ
ダルとを確実に連結する連結装置を必要としてい
る。クラツチペダルはローラを作動位置へ移動さ
せ、またローラを作動位置から戻す。従つて、ク
ラツチペダルを踏み込む度に、錠止ローラはブレ
ーキペダルの延長部に係合する。さらに、ブレー
キ制御装置はブレーキペダルの延長部を収容する
ための大きい支持体を必要とし、また、錠止ロー
ラを大きい支持体内に支持するための独立したベ
アリング装置が必要である。

本発明は、上述したタイプの機械的ブレーキ制
御装置において、上記ハウジングが上記錠止装置
を配設するガイド部を具え、上記ガイド部は、車
両が実質的に水平な路面上にある時には、実質的
に水平な平面上に位置し、上記錠止装置は、車両
及び上記ガイド部が水平な平面に対し傾斜して位
置されていることにのみ応動して、上記連結部材
に直接係合すると共に、上記制御装置は上記錠止
装置を作動状態に保持し、その結果、上記錠止装
置が上記連結部材に摩擦的に係合して同部材及び
上記ブレーキペダルを上記ハウジングに対してブ
レーキ適用位置に固定するように構成したことを
特徴としている。

本発明の利点は、ブレーキ制御装置がブレーキ
ペダルとクラツチペダルとの間に配置されるよう
にコンパクトに構成されていることである。ま
た、ブレーキ制御装置は車両の傾斜状態にのみ応
動して、車両を坂道に停止保持し、車両が坂道を
転がり降りないようにしている。

以下、本発明の一実施例について添付図面を参
照して詳細に説明する。

第１図、第４図及び第５図において、ブレーキ
ペダル１０は車両内に配設されており、車両の運
転者がブレーキペダル１０を踏み込むことにより
車両を制動させることができる。クラツチペダル
１２はブレーキペダル１０に近接して車両内に配
設されており、運転者がクラツチペダル１２を踏
み込むことによりクラツチ装置（図示しない）と
トランスミツシヨン（図示しない）を切り離し、
トランスミツシヨンを異なる変速位置へシフトす
ることができる。車両はまた、エンジンの作動を
制御するアクセルペダル１４を含む。

本発明によると、機械的ブレーキ制御装置２０
はブレーキペダル１０とクラツチペダル１２との
間に実質的に配置されている。装架ブラケツト２
２がペダル１０と１２に近接して車両に固定され
ており、同ブラケツト２２にはハウジング２４が
支持されている。連結部材２６がブレーキペダル
１０からハウジング２４へ延びており、制御装置
２８がクラツチペダル１２からハウジング２４へ
延びている。連結部材２６はピン３０を具えてお
り、ワイヤクリツプ３２がピン３０を付勢してブ
レーキペダル１０に当接させている。この構成に
より、制動時に連結部材２６がブレーキペダル１
０と一緒に移動できない場合には、ブレーキペダ
ルがワイヤクリツプ３２を克服して単独で移動す
ることができる。しかし、連結部材２６が休止位
置へ戻つていない間には、ブレーキペダル１０は
休止位置へ戻ることはできない。制御装置２８は
カム軸３６に結合されたリンク３４を含み、同リ
ンクは、クラツチペダル１２に固着されたピン４
０を移動可能に受容するスロツト３８を形成され
ている。

第２図において、ハウジング２４は連結部材２
６を移動可能に受容する孔４２を具えている。空
所４４が孔４２に開口し、板４６がハウジング２
４に固着されて空所４４を閉塞するとともに、連
結部材２６を移動可能に受容する開口４８を具え
ている。錠止装置を構成するボール５０が空所４
４内に移動可能に収蔵されている。カム軸３６
は、板４６とは反対側の端部で空所４４に通じて
いる横断孔５２内に回転自在に配設される。第３
図に示すように、連結部材２６は、ボール５０の
外面形状と略一致する円弧状の凹面５４を具えて
いる。同様に、空所４４の壁もまた、ボール５０
の外面形成と略一致し且つ面５４と対向する円弧
状の凹面５６を具えている。これらの凹面５４と
５６はボール５０のためのガイド部を構成してい
る。第３図に示す断面において、孔４２の壁は矩
形をなし、空所４４の壁は実質的にＵ字形をなし
ている。

設置位置において、ハウジング２４は、空所４
４の下端縁が車両の水平基準面に一致する水平な
軸線又は平面Ａ−Ａをなすように方位されてい
る。従つて、ボール５０は空所４４内を自由に移
動できる。第２図は、クラツチペダル１２が踏み
込まれた状態に一致する適用位置でカム軸３６を
示している。カム軸３６が適用位置にある時、ボ
ール５０は板４６と、カム軸３６に隣接する空所
４４の壁及び連結部材２６に緊密に係合する固定
位置との間で自由に移動できる。連結部材２６は
水平な軸線Ａ−Ａに対して傾斜して配置されてお
り、板４６からカム軸３６に向い水平な軸線に接
近している。従つて、軸線Ａ−Ａが第２図におい
て左上りとなるように車両が傾斜している時、ボ
ール５０は転動して面５４を介し連結部材２６
に、また面５６を介し空所４４の壁にそれぞれ係
合する。この状態でブレーキペダル１０が踏み込
まれた場合、連結部材２６は第２図で左方へ移動
することができる。これは、ボール５０が連結部
材の左方移動を許容する一方向の錠止装置として
働くからである。ボール５０が連結部材２６と空
所４４の壁に係合している状態からブレーキペダ
ル１０が解放されると、ボール５０は僅かに右方
へ移動して面５４と５６に緊密に係合し、連結部
材をハウジング２４に対して楔止めし、連結部材
及びブレーキペダル１０が休止位置へ戻るのを阻
止して、同ペダルを適用又は踏込位置に保持す
る。この結果、車両は坂道に停止保持され、車両
の運転者は一方の足をアクセルペダル１４に載
せ、他方の足でクラツチペダル１２を適用又は踏
込位置に保持しておくことができる。坂道にある
車両を発進させて登坂する際、運転者はクラツチ
ペダル１２を緩やかに解放すると同時に、アクセ
ルペダル１４を踏み込めばよい。クラツチペダル
１２が踏込位置から離隔することによりカム軸３
６がリンク３４を介して回転せしめられるので、
カム軸３６の当接部６０がボール５０に係合して
これを第２図で左方へ移動させ、ボールと連結部
材２６との係合を解除する。従つて、連結部材２
６とブレーキペダル１０はリターンスプリング
（図示しない）の力によつて休止位置へ戻される。
この結果、クラツチ装置とトランスミツシヨンの
再係合と同時に車両のブレーキが解放され、坂道
にある車両は発進することとなる。

クラツチペダル１２が休止位置に保持されてい
る間は、カム軸３６はボール５０が両面５４と５
６に緊密に係合するのを阻止しているので、制動
後連結部材２６とブレーキペダル１０は休止位置
へ自由に戻ることができる。また、車両が水平な
路面あるいは下り坂にある場合には、傾斜状態に
感応するボール５０が第２図で右方に移動して連
結部材２６に係合することはない。従つて、この
ような場合には、制動終了時車両のブレーキは自
動的に解放される。

本発明の他の特徴によれば、板４６にクツシヨ
ン付面６２が設けられており、急停止時にボール
５０が板４６に衝突するような場合に、ボールが
板に対しはね返るのを実質的に防止している。ま
た、空所４４内に流体媒体を入れ、車両の傾斜状
態にのみ応動することができるようにボール５０
の振動を緩和することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による機械的ブレーキ制御装
置、ブレーキペダル及びクラツチペダルを示す車
両の一部分の斜視図、第２図はブレーキ制御装置
の断面図、第３図は第２図の３−３線に沿つた断
面図、第４図はブレーキ制御装置の側面図、第５
図は第４図の底面図である。 １０…ブレーキペダル、１２…クラツチペダ
ル、２０…機械的ブレーキ制御装置、２２…装架
ブラケツト、２４…ハウジング、２６…連結部
材、２８…制御装置、３２…ワイヤクリツプ、３
４…リンク、３６…カム軸、４４…空所、４６…
板、５０…ボール、５４，５６…凹面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ブレーキペダル１０及びクラツチペダル１２
   を含み、制動時にブレーキがブレーキ適用位置へ
   動かされるようになつている車両に用いられる機
   械的ブレーキ制御装置であつて、車両に取付けれ
   るハウジング２４と、同ハウジングからブレーキ
   ペダル１０へ延びて同ペダルと共に移動する連結
   部材２６と、ハウジング２４及び連結部材２６と
   協働して連結部材２６及びブレーキペダル１０を
   ハウジングに対して選択的に固定する錠止装置５
   ０と、クラツチペダル１２からハウジングへ延
   び、同ペダルの移動に応動して錠止装置５０を作
   動状態又は非作動状態にさせる制御装置２８とを
   包含するものにおいて、上記ハウジング２４が上
   記錠止装置５０を配設するガイド部５６を具え、
   上記ガイド５６は、車両が実質的に水平な路面上
   にある時には、実質的に水平な平面上に位置し、
   上記錠止装置５０は、車両及び上記ガイド部が水
   平な平面に対し傾斜して位置されていることにの
   み応動して、上記連結部材２６に直接係合すると
   共に、上記制御装置２８は上記錠止装置５０を作
   動状態に保持し、その結果、上記錠止装置５０が
   上記連結部材２６に摩擦的に係合して同部材及び
   上記ブレーキペダル１０を上記ハウジング２４に
   対してブレーキ適用位置に固定するように構成し
   たことを特徴とする機械的ブレーキ制御装置。 ２ 上記ハウジングのガイド部５６が上記連結部
   材２６と協働して、上記錠止装置５０を移動可能
   に収蔵する空所４４を形成し、同空所の壁が楔を
   形成していることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の機械的ブレーキ制御装置。 ３ 上記ハウジングが、上記連結部材２６を受容
   する開口４８を具えた板４６を含み、同板が上記
   錠止装置に対向していることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の機械的ブレーキ制御装置。 ４ 上記板４６が上記錠止装置に対向する変形可
   能なクツシヨン６２を具え、上記錠止装置５０が
   上記板に衝突する際に、上記変形可能なクツシヨ
   ンは上記錠止装置に係合して、上記板から離れる
   方向への同錠止装置のはね返りを緩和しているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の機械
   的ブレーキ制御装置。 ５ 上記錠止装置がボール５０から成り、上記連
   結部材２６及び上記ガイド部が、上記ボール５０
   を受容する互いに対向する円弧状の面５４，５６
   を形成していることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の機械的ブレーキ制御装置。 ６ 上記連結部材２６が解放可能な装置３２を介
   して上記ブレーキペダル１０に連結され、上記解
   放可能な装置は、上記連結部材２６が一方向に移
   動できない場合に、上記一方向において同部材と
   上記ブレーキペダル１０とを分離できるようにし
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の機械的ブレーキ制御装置。 ７ 上記解放可能な装置が、上記連結部材を一方
   向に付勢して上記ブレーキペダルに当接させるワ
   イヤクリツプ３２から成ることを特徴とする特許
   請求の範囲第６項記載の機械的ブレーキ制御装
   置。