JPH0316758Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はトラクタ用前輪デフロツク装置に関す
る。

（従来の技術） トラクタの前輪伝動装置にデフ機構を設け、デ
フ出力軸を介して左右前輪を駆動するようにした
前輪駆動装置は既知でり、このデフ機構にデフロ
ツク装置に具備したものがある。

この構造として従来では第３，４図に示すもの
がある。

すなわち、１はデフ機構であり、そのベベルギ
ヤ２はデフケース３に取付けれており、デフケー
ス３にはデフピニオンギヤ４がピニオン軸５を介
して設けられ、デフピニオンギヤ４にデフサイド
ギヤ６が咬合され、該デフサイドギヤ６は前輪に
連動されるデフ出力軸７に取付けられている。

デフ出力軸８は推進軸９に連動連結され、デフ
入力軸８のベベルピニオン１０はデフケース３の
ベベルギヤ２に咬合されている。

デフ機構１の左右一対の出力側は、軸受１１を
介してデフサポート１２に回転自在に支持されて
おり、デフサポート１２は筒軸構造の前車軸ケー
ス１３にボルト１４を介して取付けられている。

１５はデフロツク機構であり、デフケース３の
筒ボス部１６に、シフタ１７が套嵌されており、
該シフタ１７に取付けたピン１８の２本がデフケ
ース３を貫通してデフサイドギヤ６に形成されて
いるデフロツク孔１９に係脱自在とされている。

シフタ１７にはシフトフオーク２０が係合して
おり、該フオーク２０は前車軸ケース１３の下部
に架設されているフオーク軸２１に固定されてお
り、フオーク軸２１に套嵌した戻しバネ２２に抗
して矢示２３方向に操作力で付与することでデフ
ロツク可能としている。

（考案が解決しようとする問題点） 前述した従来のデフロツク機構１５はピン式で
あり、ピン１８が折損することが多く、このた
め、クラツチ構造のスリーブ式とするには、デフ
サポート１２を取付ける前車輪ケース１３に開口
された窓２４が狭すぎて組込むことはできないも
のであつた。

本考案は、前車輪ケース１３内にコンパクトな
構造でスリーブタイプのデフロツク機構を組込み
得るようにしたことを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案が前述目的を達成するために講じた技術
的手段の特徴とするところはデフ出力軸４６上に
クラツチ部５０を軸端に有するクラツチ軸筒４９
が軸方向のみ摺動自在に套嵌されており、該クラ
ツチ軸筒４９上にこれをアンクラツチ方向に付勢
するバネ５２が套嵌されており、前記クラツチ軸
筒４９のクラツチ部５０をデフロツク方向にバネ
５２に抗して押込む操作アーム５５がデフ機構３
８を保持しているデフサポート３３の側部に回動
自在に支持されており、前記操作アーム５５と対
応するデフサポート３３の他側部に中継アーム５
７が回動自在に支持され、該中継アーム５７と前
記操作アーム５５とを連結するリンク６１が設け
られ、前記中継アーム５７にロツク操作力が伝達
可能とされている点にある。

（作用） 中継アーム５７に矢示Ａ方向の操作力をペダル
又はレバーを介して伝達すると、リンク６１を介
して押込む操作アーム５５が戻しバネ５２に抗し
て矢示Ｂ方向に操作される。

すなわち、クラツチ筒軸４９がバネ５２に抗し
て押み込まてその軸端に形成したクラツチ部５０
がデフケース４０のボス部４７の端面に形成した
クラツチ部４８に係合され、ここに、デフ機構３
８がロツクされる。

操作力を解除すると戻しバネ５２の弾発力で先
には逆方向に夫々の部材が戻され、アンロツク状
態となり、デフ機構８はデフ作用が可能とされ
る。

（実施例） 第１，２図を参照して本考案の実施例を詳述す
る。図において、３０は前車輪ケースであり、筒
構造とされ、その軸長中間部がセンターピン３１
を介して前車軸受台に揺動自在に支持されてい
る。

前車輪ケース３０の後面壁には窓３２が開設さ
れており、この窓３２にデフサポート３３が挿嵌
されボルトで取付けられている。

デフサポート３３はデフ入力軸における軸受部
のサポート３４とデフ出力軸における軸受部のサ
ポート３５とを有し、サポート３５は左右一対で
あり、相対向している。

左右一対のサポート３５は環形状であり、その
一方には軸受ケース３６がボルト３７で取付けら
れている。

３８はデフ機構であり、ベベルギヤ３９を有す
るデフケース４０と、該ケース４０内にピニオン
軸４１を介して支持されているベベルピニオン４
２と、該ピニオン４２に咬合している左右一対の
デフサイドギヤ４３と、ベベルギヤ３９に咬合し
ているベベルピニオン軸４４とからなり、このデ
フ機構３８はサポート３５に軸受４５を介して回
転自在に支持されている。

４６は左右一対のデフ出力軸であり、各軸外端
は図外の増速又は減速の機構を介して前輪に連動
され、デフ入力軸となるベベルピニオン軸４４は
図外の推進軸を介してエンジンに連動されてい
る。

デフケース４０のボス筒４７における一方の軸
外端面には放射状配置の凹凸条によるクラツチ部
４８が形成されている。

４９はクラツチ筒軸であり、一端面に放射状配
置の凹凸条によるクラツチ部５０を有しており、
このクラツチ部５０は前記クラツチ部４８に係脱
自在であり、クラツチ筒軸４９は軸受ケース３６
に挿嵌されており、デフ出力軸４６にスプライン
５１を介して軸方向のみ摺動自在として套嵌され
ている。

５２は戻しバネであり、クラツチ筒軸４９上に
套嵌されており、軸受４５とクラツチ筒軸４９の
フランジ５３とにわたつて伸びるコイル形であ
り、クラツチ筒軸４９をアンクラツチ方向に付勢
している。

５５は操作アームであり、デフサポート３３に
おけるサポート３４の一側部に縦軸５６を介して
支持されており、その２又部５５Ａがクラツチ筒
軸４９の軸外端に係合され、縦軸５６を支点に揺
動自在である。

５７は中継アームであり、サポート３４の他側
部に縦軸５８を介して支持さたベルクランク形で
あり、この中継アーム５７および操作アーム５５
を有する縦軸５６，５８の各下端にはアーム５
９，６０が取付けられており、これら各アームは
サポート３３の下部外方にあり、これをリンク６
１で互いに連結しており、リンク６１は外方露出
形である。

なお、中継アーム５７にはペダル又はレバーの
操作力が伝達可能とされている。

（考案の効果） 本考案はデフ出力軸４６上にクラツチ部５０を
軸端を有するクラツチ軸筒４９が軸方向のみ摺動
自在に套嵌されており、該クラツチ軸筒４９上に
これをアンクラツチ方向に付勢するバネ５２が套
嵌されており、前記クラツチ軸筒４９のクラツチ
部５０をデフロツク方向にバネ５２に抗して押込
む操作アーム５５がデフ機構３８を保持している
デフサポート３３の側部に回動自在に支持されて
おり、前記操作アーム５５と対応するデフサポー
ト３３の他側部に中継アーム５７が回動自在に支
持され、該中継アーム５７と前記操作アーム５５
とを連結するリンク６１が設けられ、前記中継ア
ーム５７にロツク操作力が伝達可能とされている
ことを特徴とするので、次の利点がある。

デフロツク機構の構成はクラツチ筒軸４９を軸
方向にバネ５２に抗して押込む所謂スリーブタイ
プであることから、クラツチ部５０の容量をピン
式に比べて大にすることができて、耐久性に富む
ものにできる。

クラツチ筒軸４９はデフ出力軸４６上に軸方向
のみ摺動自在として套嵌され、この筒軸４９は軸
端側から操作アーム５５を介して押込み可能であ
ることから、デフ機構３８を小型なコンパクトに
したにも拘らず、確実なロツク機構を組付けるこ
とができる。

操作アーム５５は中継アーム５７、リンク６１
を介して操作され、中継アーム５７、リンク６１
は外装式とできることからコンパクトに構成で
き、メンテナンスも容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例の平面断面図、第２図は前車
輪ケースを省略した要部の立面図、第３図は従来
例の平面断面図、第４図は同デフロツク部の立面
図である。 ３３……デフサポート、３８……デフ機構、４
６……デフ出力軸、４９……クラツチ筒軸、５０
……クラツチ部、５２……戻しバネ、５５……操
作アーム、５７……中継アーム、６１……リン
ク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デフ出力軸４６上にクラツチ部５０を軸端に有
   するクラツチ軸筒４９が軸方向のみ摺動自在に套
   嵌されており、該クラツチ軸筒４９上にこれをア
   ンクラツチ方向に付勢するバネ５２が套嵌さてお
   り、前記クラツチ軸筒４９のクラツチ部５０をデ
   フロツク方向にバネ５２に抗して押込む操作アー
   ム５５がデフ機構３８を保持しているデフサポー
   ト３３の側部に回動自在に支持されており、前記
   操作アーム５５と対応するデフサポート３３の他
   側部に中継アーム５７が回動自在に支持され、該
   中継アーム５７と前記操作アーム５５とを連結す
   るリンク６１が設けられ、前記中継アーム５７に
   ロツク操作力が伝達可能とされていることを特徴
   とする前輪デフロツク装置。