JPS6319246Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主伝動ケースと走行用伝動ケースに
わたる左右の中間伝動ケースを、前記主伝動ケー
スの出力軸の軸芯にほぼ直交する面で分割すると
共にボルト連結し、それら両分割ケースにわたつ
てノツクピンを設けると共に、前記出力軸に連設
の操向用クラツチ及びブレーキに対する操作用中
継軸を前記両分割ケースにわたつて貫設した作業
車の伝動ケース構造に関し、その目的は、簡単な
改造によつて、中間伝動ケースの組付作業が煩雑
となるのを抑制した状態で、中継軸を長期間に亘
つて常に円滑に回転作動させることができるよう
にせんとするものである。

さらに詳述すると、上記伝動ケース構造によれ
ば、中間伝動ケースを分割構成することによつ
て、諸伝動機構の組付作業の容易化を図るように
したものであるが、走行用伝動ケースからの外力
に起因して中間伝動ケースにおける両分割ケース
のうちのノツクピンから外れた部分が歪を起す虞
れがあり、その結果、ノツクピンから外れた位置
に設けた中継軸を長期間に亘つて円滑に回転作動
させることができなくなる不都合があつた。この
不都合を解消させる手段として、ノツクピンの数
を増やして、両分割ケースの歪を抑制する手段が
考えられるが、両分割ケースの夫々に、多数のノ
ツクピンの嵌合孔を精度良く製作することは極め
て難かしいものであり、製作誤差に起因して、中
間伝動ケースの組付作業が煩雑となり、ひいて
は、中間伝動ケースを所望通り組付けることがで
きなくなる虞れがあつた。

以下本考案の実施の態様を例示図について詳述
する。

第１図に示すように、片側４個の車輪１……を
備える左右の走行装置２，２に対して、それの前
部側に操縦部３と走行用伝動構造４を並置すると
共に、それらの後部に油圧シリンダ５によつて横
軸まわりで揺動操作されるダンプ荷台６を設け
て、搭載荷の運搬並びに放出を司どる運搬車を構
成してある。

前記伝動構造４を構成するに、第２図及び第５
図に示すように、変速装置内蔵のケース７をクラ
ツチハウジング８を介してエンジン９にボルト連
結すると共に、出力軸１０を車体左右方向に向わ
せるベベルギア式伝動機構１１を内装した主伝動
ケース１２を前記変速ケース７の後部にボルト連
結し、そして、前記出力軸１０の両端に操向用ク
ラツチ１３，１３を設けると共に、ブレーキ１４
と車輪伝動機構１５を内装した左右の中間伝動ケ
ース１６，１６を、そのクラツチ１３の回転軸芯
を前記出力軸１０の回転軸心と同芯状にかつ前記
ブレーキ１４をクラツチケース１３Ａに連動連結
する状態で、前記主伝動ケース１２の両側にボル
ト連結し、更に、車輪駆動用伝動チエーン１７を
内装する左右走行用伝動ケース１８，１８を、左
右中間伝動ケース１６，１６の夫々にボルト連結
してある。

前記左右中間伝動ケース１６，１６の夫々を、
前記出力軸１０の軸芯にほぼ直交する面で分割す
ると共にボルト連結し、それら両分割ケース１６
ａ，１６ａにわたつて前後一対のノツクピン１９
ａ，１９ｂを設け、且つ、前記両ノツクピン１９
ａ，１９ｂのうちの前方のもの１９ａを円筒状に
構成してある。

前記左右のブレーキ１４と操向用クラツチ１３
による操向装置の操作構造を構成するに、第２図
乃至第５図に示すように、前記ブレーキ１４及び
クラツチ１３の被操作レバー１４ａ，１３ａを支
持する回転連動軸２０ａ，２０ｂを、主及び中間
伝動ケース１２，１６に対して車体左右方向軸芯
まわりで回転自在に設けると共に、中継軸２１
を、前記中間伝動ケース１６に対して車体左右方
向軸芯まわりで回転自在に、且つ、円筒状ノツク
ピン１９ａに内嵌させる状態で貫設し、そして、
運転ステツプ２２の前部に、その操作端をステツ
プ２２の下方に位置させる状態で、ブレーキペダ
ル２３と左右の操向操作レバー２４，２４を前後
揺動操作自在に設けると共に、前記操作レバー２
４，２４に各別に連係された連動機構Ａの操作ロ
ツド２５を、前記中継軸２１に遊嵌させた第１中
継用レバー２６ａに枢支連結し、かつ、このレバ
ー２６ａとクラツチ用被操作レバー１３ａをロツ
ド２７で枢支連結してある。

更に、前記中継軸２１の一端側に第２中継用レ
バー２６ｂを固着して、このレバー２６ｂと前記
ブレーキ用被操作レバー１４ａをロツド２８で枢
支連結すると共に、中継軸２１の他端側に第３中
継用レバー２６ｃをその中間部で固着して、それ
の一端側部分と前記第１中継用レバー２６ａの間
に、前記操向操作レバー２４によるクラツチ切り
操作に連動して中継軸２１を制動作用方向に回動
させる連動機構２９を設け、かつ、この連動機構
２９を、前記第３中継用レバー２６ｃに接当する
アジヤストボルトとそれのロツクナツトから構成
し、そして、前記ブレーキペダル２３に連係され
た連動機構Ｂの操作ロツド３０，３０を、前記ク
ラツチ１３の切り操作を許容する長孔ａを介して
第３中継用レバー２６ｃの他端側に連結し、もつ
て、ペダル２３の踏込み操作によつてブレーキ１
４，１４のみを操作する状態と、操向操作レバー
２４，２４によつて左右一対のクラツチ１３とブ
レーキ１４をその順に操作する左右操向操作状態
をとる事ができるようにしてある。

尚、本考案を実施するに、中継軸２０を用いた
操向用クラツチ１３及びブレーキ１４に対する操
作構造は種々変更可能である。

又、ノツクピン１９ａ，１９ｂの数は、３つ以
上に設定してもよい。

又、本考案は、クローラ走行装置を備えた運搬
車等、各種作業車に適用可能である。

以上要するに本考案は、冒記作業車の伝動ケー
ス構造において、前記ノツクピン１９ａ，１９ｂ
の１個を円筒状にすると共に、前記操作用中継軸
２１を前記円筒状ノツクピン１９ａに回転自在に
内嵌させてある事を特徴とする。

すなわち、操作用中継軸２１を、円筒状ノツク
ピン１９ａに回転自在に内嵌させることにより、
走行用伝動ケース１８からの負荷に拘らず、円滑
に回転作動できるようにするものであるから、ノ
ツクピン１９ａ，１９ｂの数を極力少なくして中
間伝動ケース１６の組付作業の容易化を図りなが
ら、操作用中継軸２１を長期間に亘つて円滑に回
転作動させることができるのであり、もつて、全
体として一層良好に使用することが可能な作業車
の伝動ケース構造を得るに至つた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る作業車の伝動ケース構造の
実施の態様を例示し、第１図は運搬車の側面図、
第２図は操作構造の概略平面図、第３図は同構造
の側面図、第４図は中継レバー装着部の側面図、
第５図は伝動構造の展開横断平面図である。 １０……出力軸、１２……主伝動ケース、１３
……操向用クラツチ、１４……ブレーキ、１６…
…中間伝動ケース、１６ａ，１６ａ……分割ケー
ス、１８……走行用伝動ケース、１９ａ，１９ｂ
……ノツクピン、２１……中継軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主伝動ケース１２と走行用伝動ケース１８，１
   ８にわたる左右の中間伝動ケース１６，１６を、
   前記主伝動ケース１２の出力軸１０の軸芯にほぼ
   直交する面で分割すると共にボルト連結し、それ
   ら両分割ケース１６ａ，１６ａにわたつてノツク
   ピン１９ａ，１９ｂを設けると共に、前記出力軸
   １０に連設の操向用クラツチ１３及びブレーキ１
   ４に対する操作用中継軸２１を前記両分割ケース
   １６ａ，１６ａにわたつて貫設した作業車の伝動
   ケース構造であつて、前記ノツクピン１９ａ，１
   ９ｂの１個を円筒状にすると共に、前記操作用中
   継軸２１を前記円筒状ノツクピン１９ａに回転自
   在に内嵌させてある事を特徴とする作業車の伝動
   ケース構造。