JPH0316297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子部品のリード線をプリント基板に
挿通して電子部品をプリント基板に固定する電子
部品挿入機に関するものであり、特に挿通された
電子部品のリード線の先端の余分な長さを切断
し、折り曲げてプリント基板に固定するクリンチ
装置に関するものである。

アキシヤルリードやラジアルリードを有する電
子部品は、通常１列にテーピングされて供給さ
れ、これから電子部品を１個ずつ切り離し、リー
ド線を所定の形状に成形した後、プリント基板に
装着する。クリンチ装置はこのプリント基板に挿
通された電子部品のリード線を下面側で折り曲げ
て電子部品を仮固定するための装置であつて、１
対の爪でリード線を基板に沿つて折り曲げて仮固
定する。

電子部品のリード線は細くやわらかなので曲り
などが生じやすく、又、同一ピツチの挿入穴にリ
ード線を挿入する場合でも電子部品の胴径によつ
てプリント基板上部で必要とするリード線の長さ
が変るので、切り離し時のリード線の長さは一定
にすることが出来ず、更に、挿入穴の挿入する際
の案内部としても余分の長さを見込んで予備切断
し、リード線を挿入した後にプリント基板の下面
に突出した長さが一定になるように仕上切断して
クリンチして仮固定している。

本考案は、この切断、クリンチの作業を１回の
動作で行うための極めて簡単な構造であつて安価
の製作することの出来るクリンチ装置を提供しよ
うとするものである。

以下本考案を実施例によつて説明する。

第１図は本考案の１実施例を示すクリンチ機構
の縦断面図であつて、プリント基板１の穴に電子
部品２のリード線２ａが挿通されている。電子部
品２は図示されていない供給装置によつてリード
線２ａが所定の形状に成形され、プリント基板１
に挿通され、保持されている。本考案の１実施例
であるクリンチ装置１００はプリント基板１の下
方にあつて、プリント基板１の電子部品挿入穴に
挿通された電子部品２のリード線２ａの先端部が
挿入される穴又は溝１０１ａを有し、プリント基
板１に平行に設けられた案内部材１０１があり、
第２図に詳細に示したように案内部材１０１の上
面と穴又は溝１０１ａとの縁部はリード線２ａの
余分な長さを切り取るための固定切刃１０１ｂと
なつている。

案内部材１０１には、これに沿つて摺動し、先
端に切刃１０２ａ及びそれに続く斜面部１０２ｂ
を有する切断折り曲げ治具１０２が設けられてお
り、レバー１０３の揺動によつて相互に接近する
ように摺動される。

本実施例では加工が容易となるように案内部材
１０１は区柱状であり、切断折り曲げ治具１０２
はそれに嵌合するスリーブ状のものであつて、先
端部に環状の切刃が形成されており、それに続い
てテーパ状の斜面部が設けられている。

レバー１０３はほぼＬ字形をなすように形成さ
れており、その曲折部でピボツト１０４によつて
枢支されているので、押上げカム１０５を有する
ロツド１０６の上昇によつて切断折り曲げ治具１
０２が相互に接近する方向に摺動する。

クリンチ装置本体１０７はクリンチ軸１０８に
固定されており、プリント基板１に挿着される電
子部品２の向きに合せて回動可能となつているこ
とは従来のクリンチ装置と同様であり、レバー１
０３は図示されていないバネによつて相互に開く
方向に付勢されている。

図示されていない供給装置によつて電子部品２
のリード線２ａが所定の形状に成形されてプリン
ト基板の電子部品挿入穴に挿通されると、電子部
品２が供給装置に保持されたままの状態でクリン
チ装置１００のクリンチ軸１０８が上昇すること
によつて所定の切断折り曲げ位置まで上昇する。
続いてロツド１０６が上昇することによつて押上
げカム１０５、レバー１０３を介して切断折り曲
げ治具１０２を相互に接近する方向に摺動させ、
治具１０２の切刃１０２ａと案内部材１０１の固
定切刃１０１ｂとの間で穴又は溝１０１ａに挿入
されているリード線２ａをはさみ、切断し、リー
ド線２ａの先端部は穴又は溝１０１ａ内を落下す
る。

治具１０２が更に接近すると、プリント基板１
の下方に突出したリード線２ａは治具１０２の斜
面部１０２ｂで押し曲げられ、想像線で示すよう
に折り曲げて電子部品２をプリント基板に仮固定
し、クリンチ作業が終了する。ロツド１０６が下
降すると、レバー１０３が与えられたバネの付勢
力によつて治具１０２が後退し、もとの位置にも
どつて停止する。

第３図は本考案のクリンチ装置の他の実施例で
あつて、リード線を外方に折り曲げるための装置
を示す縦断面図である。

第３図において、ラジアルリードを有する電子
部品２のリード線２ａが所定の形状に成形されて
プリント基板１に挿通されている。

電子部品２は第１の実施例と同様に図示されて
いない供給装置によつてリード線が成形され、プ
リント基板に挿通され、保持されている。電子部
品２のリード線２ａは案内部材２０１の穴又は溝
２０１ａにまで挿入されており、案内部材２０１
の上面に沿つて相互に離間するように駆動される
切断折り曲げ治具２０２との間でリード線２ａが
切断され、次いで斜面部２０２ｂによつてリード
線が外方に折り曲げられる。切断折り曲げ治具２
０２はＬ字状のレバー２０３を介してロツド２０
６によつて駆動され、ロツド２０６の上昇によつ
て治具２０２は相互に離間するように移動し、ロ
ツド２０６の下降に伴なつてレバー２０３は付勢
されたバネの付勢力によつて相互に接近するよう
に移動する。

本実施例のクリンチ装置も、第１の実施例とほ
ぼ同様に作動するのので、ここでは作動の詳述に
ついては省略する。

本考案は以上の様に構成されているので、極め
て簡単な構造であつて安価に製作することができ
るほのでありながら、単一の駆動源によつて電子
部品のリード線の切断と折り曲げが一連の作業に
よつて行われ、更にリード線の成形後に余分の長
さを切断するので、折り曲げたリード線の長さに
バラツキが生ぜず、その後のハンダ付けの際にハ
ンダがブリツジを形成して短絡するなどの恐れが
なくなるなど多大の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示すクリンチ機構
の縦断面図、第２図は第１図の切断折り曲げ部の
部分拡大断面図、第３図は本考案の他の実施例を
示す縦断面図である。 １……プリント基板、２……電子部品、１０
１，２０１……案内部材、１０２，２０２……切
断折り曲げ治具、１０３，２０３……レバー、１
０６，２０６……ロツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電子部品のリード線をプリント基板に挿通し
   て折り曲げ仮固定する電子部品挿入機に使用さ
   れるクリンチ装置において、所定の形状に形成
   された電子部品のリード線を挿通したプリント
   基板の下方にあつて、リード線を切断するため
   の固定切刃と、前記プリント基板に平行に設け
   られた棒状の案内部材と、該棒状の案内部材に
   外嵌して摺動する可動切刃とそれに続く折り曲
   げ斜面部とを有し、対向して接近離間する切断
   折り曲げ治具と、該切断折り曲げ治具を固定切
   刃に向い、且つ充分越えるまで前記案内部材に
   沿つて対向して摺動させる駆動手段とを有する
   ことを特徴とする電子部品挿入機のクリンチ装
   置。 (2) 案内部材の形状が円柱状であつて、切断折り
   曲げ治具が固定切刃を有する案内部材に外嵌す
   るスリーブであり、可動切刃及びそれに続く折
   り曲げ斜面部が切断折り曲げ治具に設けられた
   テーパ面又は斜面であることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の電子部品挿入
   機のクリンチ装置。