JP3840316B2 - 電子部品挿着機における挿入ガイド間隔調整方法 - Google Patents
電子部品挿着機における挿入ガイド間隔調整方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リード部を有する電子部品を基板の挿入孔に自動的に挿入することにより電子部品を基板に実装する電子部品挿着機における挿入ガイド間隔調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は一般的な電子部品挿着機を示している。この電子部品挿着機は図1に示すように、基板1をXY方向に移動可能に保持し、図示しない電子部品の挿着のために基板1に予め所定の挿入ピッチでかつその内径を電子部品のリード部の外形よりも若干大きく形成しておいた挿入孔の対1a、1bを部品挿入位置に位置決めするXYテーブル部2と、基板1を挟んで部品挿入位置で上下方向に対称的に移動する挿入ヘッド部3およびアンビル部4とからなり、さらに挿入ヘッド部3は、電子部品の両端のリード部をそれぞれ基板方向に折り曲げてリード部の対を成形するための挿入ガイド9、9およびプッシャ10、10と、これらの挿入ガイド9、9およびプッシャ10、10の各ピッチを調整することにより、挿入孔1a、1bの対の間隔、すなわち孔間ピッチに応じて電子部品のリード部の対の間隔、すなわちリード間ピッチの切り替えを行う挿入ピッチ切り替え部5を有している。
【0003】
この電子部品挿着機は以下の通り動作する。まず図2(a)に示すように、テープ6a、6bに一定間隔で保持され、それぞれの両端にリード部7a、7bを有する電子部品本体8を、挿入ヘッド部3に供給する。挿入ヘッド部3は、図2(b)に示すように、電子部品本体8を一つずつテープ6a、6bから切り離す。ついで、所定のガイド間ピッチに設定された1対の挿入ガイド9、9等の動きによって両リード部7a、7bが折り曲げられた電子部品は前記1対の挿入ガイド9、9に案内支持された状態で、プッシャ10、10の下降によって、基板の1対の挿入孔7a、7bに挿入される。これと同時に、アンビル部4が、基板1の下方から挿入ガイド9、9の対称位置にくるように、基板の挿入孔1a、1bに向かって上昇してくる。そして図3に示すように、このアンビル部4の上端4a、4bが、リード部7a、7bの先端に当接してこれを内側に折り曲げる。この動作が終了すると、挿入ヘッド部3は上昇し、アンビル部4は下降し、電子部品本体8は図4に示すような状態で基板1に挿着される。
【0004】
前記挿入ピッチ切り替え部5は、前記挿入ガイド9、9の対の間隔、すなわちガイド間ピッチGを、図7に示すように、前記リード間ピッチLと前記孔間ピッチHとが一致するように設定している。なおガイド間ピッチGは1対の挿入ガイド9、9の内面間の距離を、リード間ピッチLは折り曲げられた1対のリード部7a、7bの中心線間の距離を、孔間ピッチHは1対の挿入孔1a、1bの中心線間の距離を夫々云う。
【0005】
そして従来例においては、上記リード間ピッチLと孔間ピッチHとが常に同一となるよう、前記リード間ピッチLが設定されている。すなわちリード間ピッチLは孔間ピッチHに比例して変化し、図7に示すように、最小ピッチで挿入する挿入孔1a、1b間の孔間ピッチHが、たとえば5mmの場合、リード間ピッチLは5mmとなる。
【0006】
このように従来では、最小ピッチから最大ピッチまで、リード間ピッチLと孔間ピッチHとが同一のピッチとなっているが、これはリード部7a、7bと挿入孔1a、1bの中心線を一致させることが挿入動作をスムースに行なわせる上で最良だからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、図7および図5に示すように、リード部7a、7bを挿入する挿入孔1a、1bの孔間ピッチHが小ピッチになってくると、これに伴いリード部7a、7bのリード間ピッチLも小さくなり、これに伴い挿入ガイド9、9のガイド間ピッチGも小さくなる。すると、図5に示すように、挿入ガイド9の内面と電子部品本体8の端面との間の間隔Sも小となり、プッシャ10によって押動されるリード部7a、7bの水平箇所の長さが小となる。
【0008】
そして前記テープ6a、6bの寸法精度、電子部品本体8の長さ精度、電子部品本体8の取付位置精度にバラツキがある場合には、前記間隔Sが小さいため、成形したリード部7a、7bをプッシャ10、10により挿入孔1a、1bに押し込む際に、電子部品本体8と、プッシャ10、10が干渉して電子部品本体8にキズがついてしまい、これによって電子部品本体8を破壊してしまうといった不具合が発生するおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的とするところは、電子部品挿入の際に電子部品本体がキズついたり、電子部品本体が破壊するといった不具合を生ずるおそれの少ない電子部品挿着機における挿入ガイド間隔調整方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明は、基板に設けられた挿入孔の対の間隔に対応して、電子部品における折り曲げられたリード部の対の間隔を規制する挿入ガイドの対の間隔を調整可能に構成した電子部品挿着機において、前記挿入ガイドの対の間隔を、基本的には、前記リード部の対の間隔と前記挿入孔の対の間隔とが一致するように設定する一方、前記挿入孔の対の間隔が所定値より小のときのみ、前記リード部の対の間隔が前記挿入孔の対の間隔より若干大となるように設定することを特徴とするものである。
【0011】
このような構成では、成形されるリード部の対の間隔(リード間ピッチ)が所定値(10mm以下のいずれかの値とすると好適である。)より小さくなるときは、挿入孔の対の間隔(孔間ピッチ)よりも若干大きなピッチ(例えば0.1〜0.3mmのいずれかの値大となるピッチとすると好適である。)となるように挿入ガイドの対の間隔(ガイド間ピッチ)が設定されるため、挿入ガイドの内面と電子部品本体の端面との間の間隔(図5にSで示す。)を若干大きくでき、電子部品挿入の際に電子部品本体がプッシャと干渉する確率を減少させることができる。したがって、電子部品本体がキズついたり、電子部品本体が破壊するといった不具合を生ずるおそれが減少する。
【0012】
なお、前記リード間ピッチ及び孔間ピッチが大きくなるときは、もともと電子部品本体がプッシャと干渉するおそれがないため、従来方法のとおり、両ピッチを同一とすることにより、スムースな挿入動作を確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図を参照して本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具現化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0014】
本実施の形態は図6に示しており、図1〜図5に示すような電子部品挿着機を例示している。なお、従来例と同様の要素には、説明の便宜上、同一の符号を使用している。図1〜図5に示すように、本実施の形態にかかる方法は、電子部品挿着機の挿入ヘッド部3により部品挿入位置で基板1と平行に保持された図示しない電子部品の両端のリード部7a、7bをそれぞれ基板方向に折り曲げてリード部の対7a、7bを成形し、この成形されたリード部の対7a、7bを当該電子部品の挿着のために基板1に予め設けておいた挿入孔の対1a、1bに挿入することにより、電子部品を基板1に挿着する点は従来例と同様である。しかし、本実施の形態では、図6に示すように、前記挿入孔の対1a、1bの間隔(孔間ピッチ)Hが所定値より小のときのみ、成形されたリード部の対7a、7bの間隔(リード間ピッチ)Lが、リード部の対7a、7bを挿入孔の対1a、1bに挿入できる範囲内で、かつ、前記孔間ピッチHよりも若干大きなピッチとなるように、挿入ガイドの対9、9の間隔(ガイド間ピッチ)Gを、挿入ピッチ切り替え部5によって設定した点で従来例と異なる。
【0015】
この方法は従来例と同様の装置の動作により実現できる。その装置は、図1に示すように、基板1をXY方向に移動可能に保持し、電子部品の挿着のために基板1に予め所定の挿入ピッチでかつその内径を電子部品のリード部の外径よりも若干大きく形成しておいた挿入孔の対1a、1bを部品挿入位置に位置決めするXYテーブル部2と、基板1を挟んで部品挿入位置で上下方向に対称的に移動する挿入ヘッド部3およびアンビル部4とからなり、さらに挿入ヘッド部3は、電子部品の両端のリード部をそれぞれ基板方向に折り曲げてリード部の対を成形するための挿入ガイド9、9およびプッシャ10、10と、これらの挿入ガイド9、9およびプッシャ10、10の各ピッチを調整することにより、前記孔間ピッチH及び前記リード部7a、7bの線径に応じて前記ガイド間ピッチGの切り替えを行う挿入ピッチ切り替え部5を有している。
【0016】
この装置は以下の通り動作する。まず図2(a)に示すように、テープ6a、6bに一定間隔で保持されそれぞれの両端にリード部7a、7bを有する電子部品本体8を、挿入ヘッド部3に供給する。挿入ヘッド部3は、図2(b)に示すように、電子部品本体8を一つずつテープ6a、6bから切り離す。ついで、挿入ピッチ切り替え部5は、図6に示すように、前記孔間ピッチH及びリード間ピッチLが大きくなるときは、両ピッチH、Lが同一となるように前記ガイド間ピッチGを設定する。しかし、前記孔間ピッチHが所定値より小さくなるときは、リード間ピッチLが、リード部の対7a、7bを挿入孔の対1a、1bに挿入できる範囲内で、かつ、前記孔間ピッチHより若干大きなピッチとなるように前記ガイド間ピッチGを設定し、前記挿入ガイド9、9とプッシャ10、10の位置を設定する。そしてXYテーブル部2で位置決めされた基板の挿入孔1a、1bの上で、プッシャ10、10により電子部品の成形されたリード部7a、7bを挿入ガイド9、9から押し出して挿入孔1a、1bに挿入する。
【0017】
これと同時に、アンビル部4が、基板1の下方から挿入ガイド9、9の対称位置にくるように、基板の挿入孔1a、1bに向かって上昇してくる。このアンビル部4の上端4a、4bが、リード部7a、7bの先端に当接してこれを内側に折り曲げる。この動作が終了すると、挿入ヘッド部3が上昇し、アンビル部4が下降し、電子部品本体8は図4に示すような状態で基板1に挿着される。
【0018】
そして、挿入ヘッド部3の挿入ガイド9、9が、つぎの電子部品を保持して下降してくるまでに、XYテーブル部2が移動して、つぎの電子部品のリード部7a、7bを挿入する挿入孔1a、1bを部品挿入位置に位置決めし、上記の一連の動作を繰り返す。
【0019】
本実施の形態では、前記孔間ピッチHが小ピッチのときのみに対し、孔間ピッチHに対するリード間ピッチLの割合の設定を変えることとしている。すなわち、本実施の形態での孔間ピッチHとリード間ピッチLの関係は、図6に示すように、最小ピッチで挿入する挿入孔1a、1bの孔間ピッチが、たとえば、5mmの場合、リード間ピッチLは5.2mmになる。この僅か0.2mmの差により、挿入時に電子部品本体8はプッシャ10、10と干渉しなくなる。したがって、電子部品挿着の際に電子部品本体8がキズついたり、電子部品本体8が破壊するといった不具合を生ずるおそれが少なくなる。
【0020】
図6に示す場合は孔間ピッチHが7.5mm以下のときリード間ピッチLが孔間ピッチHより小ピッチとなるようにしている。これは一般的にこのピッチ以下で上記不具合が生じることが多いためであり、テープ6a、6bの寸法精度や電子部品本体8の長さQの寸法精度等のバラツキにプッシャ10、10の幅寸法等を加味したものである。また、リード部の対7a、7bを挿入孔の対1a、1bに挿入できるのは、リード部の外径が挿入孔の内径を越えない範囲で、しかも、XYテーブル部2の移動誤差を考慮したクリアランス内に限られるので、図6では、挿入ピッチに対する成形ピッチの割合を示す直線の傾斜は小ピッチ時はこのクリアランス分だけ大ピッチ時よりも緩やかなものとなっている。
【0021】
一方、前記孔間ピッチHが大ピッチのときは、もともと電子部品本体8がプッシャ10と干渉するおそれもないため、従来方法のとおり、孔間ピッチHとリード間ピッチLとが同一となるように、ガイド間ピッチGを設定している。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、折り曲げられたリード部の対の間隔が小の電子部品を挿入するときにおいても、電子部品本体がキズついたり、電子部品本体が破壊するといった不具合を生ずるおそれを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる電子部品挿着機の主要部の構造を示す斜視図である。
【図2】テープに保持された状態の電子部品の平面図である。
【図3】電子部品実装装置の主要部の実装直後の動作を示す説明図である。
【図4】基板に実装された状態の電子部品の正面図である。
【図5】電子部品実装装置の主要部の実装直前の動作を示す説明図である。
【図6】本実施の形態における孔間ピッチHとリード間ピッチLの関係を示す説明図である。
【図7】従来例における孔間ピッチHとリード間ピッチLの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板
1a、1b 挿入孔
2 XYテーブル部
3 挿入ヘッド部
4 アンビル部
5 挿入ピッチ切り替え部
7a、7b リード部
8 電子部品本体
9 挿入ガイド
10 プッシャ
L リード部の対の間隔(リード間ピッチ)
G 挿入ガイドの対の間隔(ガイド間ピッチ)
H 挿入孔の対の間隔(孔間ピッチ)
Claims (2)
- 基板に設けられた挿入孔の対の間隔に対応して、電子部品における折り曲げられたリード部の対の間隔を規制する挿入ガイドの対の間隔を調整可能に構成した電子部品挿着機において、前記挿入ガイドの対の間隔を、基本的には、前記リード部の対の間隔と前記挿入孔の対の間隔とが一致するように設定する一方、前記挿入孔の対の間隔が所定値より小のときのみ、前記リード部の対の間隔が前記挿入孔の対の間隔より若干大となるように設定することを特徴とする電子部品挿着機における挿入ガイド間隔調整方法。
- 挿入孔の対の間隔が10mm以下のいずれかの値より小のときのみ、リード部の対の間隔が挿入孔の対の間隔より0.1〜0.3mmのいずれかの値大となるように、挿入ガイドの対の間隔を設定する請求項1記載の電子部品挿着機における挿入ガイド間隔調整方法。
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JP19345897A JP3840316B2 (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 電子部品挿着機における挿入ガイド間隔調整方法 |
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