JPH0315755Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はサツシ窓の下枠に関するものである 従来、アルミニウム等の金属を用いたサツシ枠
を組立ててサツシ窓を形成する場合、殆んど木材
等の構造材にサツシ枠を直接取付けるようにして
いた。ところが内・外気間の温度差が大きく湿度
も高い時期には、金属の断熱性が低いため、屋内
側に現われているサツシ枠の表面に結露が生じ易
く、露滴が構造材に滲みこんで変質、腐蝕等を招
く等の問題が生じることがあつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なしたもので、金属のサツシ枠の屋内側に生じた
結露水を構造材に滲みこませずに屋外に排出する
ためのサツシ窓の下枠を提供することを目的とし
ている。

本考案のサツシ窓の下枠は、上記目的を達成す
るため、結露水の排水路を設けたサツシ窓の下枠
において、金属枠部の下部に合成樹脂枠部を一体
的に形成し、且つ上記金属枠部の屋内側立上り片
の屋内側下部近傍に結露受け溝を形成すると共
に、該結露受け溝より屋内側及び下枠下面を合成
樹脂とし、更に上記結露受け溝に排水孔を設け、
内部を通過させて屋外に排出する排水路を形成
し、縦枠の下部近傍であつて窓開口部内周面との
対向面に結露受け溝を形成し、該結露受け溝に上
記排水路に通ずる排水孔を形成する構成としたも
のである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本考案の実施例の部分断面図、第２図
は縦枠と下枠との連結部分であつて見付け面方向
（ガラス面方向）の部分断面図である。

図示の如くサツシ窓は、上枠１、下枠２及び縦
枠３をネジ受け４にネジ〔図示せず〕を捩じ込ん
で固定し形成してある。下枠２は、金属枠部５と
合成樹脂枠部６から構成され、金属枠部５には二
枚の障子７と一枚の網戸８とが取付けてある。図
中９はガラス等の透明体、１０は網である。また
上枠１、縦枠３、金属枠部５は、主にアルミニウ
ム等の押出型材にて成形してある。

合成樹脂枠部６は、上面部１１と下面部１２の
間を側面図１３で覆い、内部に空隙を残して排水
路１４を形成しており、金属枠部５との複合押出
し成形等により上面部１１を金属枠部５と一対的
なものとしてある。勿論一体化は適宜の手段によ
ればよい。上面部１１と側面部１３とは図示の如
く傾斜をもつて接合された状態を呈しており、金
属枠部５の屋内側立上り片１５の屋内側下部近傍
は結露受け溝１６となつている。尚、図示の例で
は、この結露受け溝１６は、第１図においては金
属枠部５の屋内側において見付け面方向に横長状
に形成され、且つ第２図においては下枠２の左右
両側面で縦枠３の下端部において見込み面方向に
位置して形成され、しかもこの下枠２の両側の結
露受け溝１６は、第２図に示すように、縦枠３の
ウエブよりも側方に張出して形成されると共に、
下枠２の屋内側の結露受け溝１６とは相互に連続
して形成されている。結露受け溝１６には多数の
排水孔１７が穿設してあり、金属枠部５の表面に
結露した水滴は結露受け溝１６内へ伝わり落ちた
後、排水孔１７から排水路１４内に入るようにな
つている。屋外側の側面部１３にも多数の排水孔
１８が穿設してあり、排水路１４内に入つた結露
水はこれら排水孔１８から屋外に排出される。

合成樹脂枠部６の下面部１２は上面に図示の如
く屋内側から屋外側へ向けて傾斜がつけてあり、
排水路１４内の結露水が容易に屋外へ排出される
ようにしてある。下面部１２には更に複数本のヒ
ータ線１９が埋設してある。このヒータ線１９
は、寒冷地等において排水路１４内に入つた結露
水が凍結する恐れがある場合に使用するもので、
水の凍結による排水不能や、合成樹脂枠部５、ひ
いては窓枠全体の変形等の不都合を防止するもの
となつている。

また、合成樹脂枠部６の両端端を縦枠３の下方
位置まで延ばし、縦枠３の下部近傍であつて窓開
口部内周面との対向面に傾斜状の結露受け溝１６
を形成すると共に、この結露受け溝１６に上述の
排水路１４に通ずる排水孔１７を形成するように
している。

従つて、下枠２の金属枠部５の屋内側表面や、
縦枠３の屋内側表面及び窓開口部内周面との対向
面に生じた結露は、上記の如く結露水が結露受け
溝１６内へ集められ、排水孔１７から排水路１４
内へ落とされ、下面部１２の上面の傾斜により排
水孔１８から水切板２０上を伝つて屋外へと排出
される。また障子７、網戸８の金属部材や各枠
１，２，３の窓内側の表面に生じた結露は従来と
同様に屋外へ排出される。即ち結露水は木材で形
成した構造材２１には接触することなく屋外へ排
出される。

本考案に係るサツシ窓の下枠は、以上説明して
きたように、その構成を金属枠部の下部に合成樹
枠部を一体的に形成し且つ上記金属枠部の屋内側
立上り片の屋内側下部近傍に結露受け溝を形成す
ると共に該結露受け溝より屋内側及び下枠下面を
合成樹脂とし、更に上記結露受け溝に排水孔を設
けて内部を通過させて屋外に排出する排水路を形
成するものとしたため、サツシ枠の屋内側に生じ
た結露水を、木材等による構造材に接触させず滲
みこんだりすることがないようにして屋外に排出
でき、構造材の腐蝕変質等を防止できるという大
きな効果がある。

また、縦枠の下部近傍であつて窓開口部内周面
との対向面に結露受け溝を形成し、該結露受け溝
に上記排水路に通ずる排水孔を形成することとし
たため、縦枠の見込み面側に生じた結露水をも排
出でき、より一層構造材の腐蝕変質等の防止がで
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す部分断面
図、第２図は、第１図中の矢印方向より見た部
分断面図である。 １……上枠、２……下枠、３……縦枠、５……
金属枠部、６……合成樹脂枠部、１１……上面
部、１２……下面部、１３……側面部、１４……
排水路、１５……立上り片、１６……結露受け
溝、１７，１８……排水孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 結露水の排水路を設けた下記要件を備えたこと
   を特徴とするサツシ窓の下枠。 (イ) 金属枠部の下部に合成樹脂枠部を一体的に形
   成する。 (ロ) 金属枠部の屋内側立上り片の屋内側下部近傍
   に結露受け溝を形成する。 (ハ) 結露受け溝より屋内側及び下枠下面を合成樹
   脂とする。 (ニ) 結露受け溝に排水孔を設け、内部を通過させ
   て屋外に排出する排水路を形成する。 (ホ) 縦枠の下部近傍であつて窓開口部内周面との
   対向面に結露受け溝を形成し、、該結露受け溝
   に上記排水路に通ずる排水孔を形成する。