JPS6223932Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は方立てを使用したカーテンウオールに
おける結露水排出構造に関する。

通常ビルデイング等のカーテンウオールは、建
築物の外側面に複数の方立てを並設すると共に方
立て相互間を上下部無目によつて横方向に接続し
て枠体を構成し、この枠内の窓ガラス等の面材を
嵌装して構成される。

上記の構成のうち方立ては鋼、アルミニウム合
金等の熱伝導性材料からなり又その屋外表面が外
気に露出しているので、冬期に屋内外の温度差が
大になると屋内側にある方立て表面に結露を生ず
る。このため屋内側に面した方立て部分を露出し
ないように、方立てから適宜間隔をあけた方立て
カバーで被覆する。

ところがこのように被覆してもカバー内の方立
て表面に生じた結露水が該表面に沿つて落下し、
方立てカバーの接合隙間等から屋内に滲出して室
内を汚染する。

又ガラス等の面材は外気と屋内空気とに直接接
触しているのでその屋内面に結露水が生ずること
は避けられない。さらにガラス（面材）とそれを
シールしたシール材との隙間から毛管現象によつ
て雨水が屋内に侵入することがある。

本考案は上述したような現在の建築技術では不
可避のカーテンウオールに生じた結露水を簡単な
構造で丁裁よく排出することを目的とする。

以下実施例について本考案を説明する。

第１図において並設した方立て１，１相互間
（図は一方のみを示す）に上部無目２、中桟３及
び下部無目４で横方向に接続して上下に二つの枠
体を構成し、該枠内に夫々例えば可動窓５及びガ
ラス板６等の面材を嵌装する。上記の上部無目
２、中桟３及び下部無目４はアルミニウム合金等
の型材で形成されるが、結露防止するために夫々
断熱材７を介して屋内外に分かれた２部材から一
体的に成形されている。

第２図は方立て１を中心にして右側に可動窓５
を又左側に嵌殺し状のガラス板６を示した図で、
方立て１の一側の嵌溝１Ａ内には可動窓５のたて
枠２２、たて框８及び押縁９が、又他側の嵌溝１
Ａ内には押縁２３が装着されていて、これらの部
材も夫々断熱材７と二つの型材とで一体的に成形
されている。方立て１の屋内側にある箱形断面部
分１Ｂを屋内に露出しないように、断熱材質のタ
イト材１０及び１１を介して方立てカバー１２で
被覆する。

第１図に戻つて下部無目４の屋内側の位置に
は、該下部無目４及び隣接する方立１，１間に亘
つて受皿形のキヤツチパン１３を配設し、その上
方に上下に間隔をあけて上蓋１４を設ける。上記
の上蓋１４は下部無目４の屋内側上端縁と隣接す
る方立てカバー１２，１２間に亘つて配設され
る。又下部無目４の上部はガラス板嵌溝１５とそ
の屋内側に位置した中空部１６とで形成され又中
空部１６の上部には浅い水受け皿１７が形成され
ていて、ガラス板嵌溝１５と中空部１６間、中空
部１６とキヤツチパン１３内部との間及び水受け
皿１７と中空部１６間に夫々連通した水抜き孔１
８，１９及び２０を設ける。水抜き孔２０は水受
け皿１７の両端部に設けることが望ましい。

次に第３図について水の流れる順序を説明す
る。

(1) 方立て１の嵌溝１Ａ内に生じた結露水は壁面
を伝つて落ち水受け皿１７に入り、水抜き孔２
０から中空部１６内にさらに水抜き孔１９を経
てキヤツチパン１３に入る。

(2) 方立て１と方立てカバー１２間に生じた結露
水は直接キヤツチパン１３に入る。尚、方立て
１の箱形断面部分１Ｂ内部空間に生じた結露水
は方立てに沿つて落下し屋外に排出される。

(3) ガラス板６の屋内側面に生じた結露水は水受
け皿１７に入り(1)項と同様にしてキヤツチパン
１３に入る。

(4) 毛管現象で嵌溝１５に入つた雨水は水抜き孔
１８及び１９を介してキヤツチパン１３に入
る。

上述したようにカーテンウオールに生じたすべ
ての結露水はキヤツチパン１３に集められる。キ
ヤツチパン１３の水受け面の最低部には結露水排
出通路２１が設けられていて、該通路２１を介し
て例えば空調装置のフアンコイル・ユニツトに送
つて蒸発させ或はセントラル・ヒーテイングのダ
クトに排出する。

本考案は上記のように構成したので、カーテン
ウオールの屋内面に発生した結露水のみならずガ
ラス板のシール部を通過した雨水を屋内部に漏水
することなくキヤツチパンで受けるので極めて安
全である。又このキヤツチパンの上面に上蓋を設
けるのでキヤツチパンに溜つた水が見えず美観が
保たれる。さらに実施例によれば、キヤツチパン
で受けた結露水を空調装置等に送つて蒸発させる
こともできるので、屋外に排出していた従来構造
のように排出通路の塵埃による目詰り或は寒冷地
における排出水の氷結による詰り等を回避するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す縦断面図、第２
図は第１図の横断面図で図の右側は可動窓部を又
左側はガラス板部を示し、第３図は本考案の要部
を示す斜視図である。 １……方立て、２……上部無目、４……下部無
目、５，６……面材、１３……キヤツチパン、１
４……上蓋、２１……結露水排出通路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 建築物の外側面に並設した方立て１と該方立
   て相互間を横方向に接続する上下部無目２，４
   とによつて枠体を構成し、該枠内に面材５，６
   を嵌装してなるカーテンウオールにおいて、上
   記下部無目４の屋内側の位置には該下部無目及
   び隣接する方立て１，１間に亘つて結露水受け
   用キヤツチパン１３を配設し、かつ該キヤツチ
   パンに結露水排出通路２１を設けたことを特徴
   とするカーテンウオールにおける結露水排出構
   造。 ２ 上記キヤツチパン１３の上面が上蓋１４で覆
   われた実用新案登録請求の第１項記載のカーテ
   ンウオールにおける結露水排出構造。