JPH0315204Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は竪形圧延機のロール組替装置に関す
る。

竪ロールで被圧延材の両側面を圧延する竪形圧
延機は、被圧延材の幅を一定にする目的で使用さ
れている。

しかし、薄板状の被圧延材を幅圧下すると、該
被圧延材の両端部が厚くなり幅方向断面がいわゆ
るドツグボーン状となり、圧延材の形状不良の原
因となつてしまう。

従来、前記のドツグボーン現象を解消するため
に左右の竪ロールの圧延部近傍に水平ロールを配
することも試みられたが、竪形圧延機の構造が複
雑となり、ケーブル、油圧配管の着脱、ロール交
換等に多大な時間を費すため未だ実用化されてい
ない。

本考案は斯から実情に鑑み、竪形圧延機のロー
ルの組替作業を容易に行ない得るようにして水平
ロール付竪形圧延機を実用的にすることを目的と
して為したものである。すなわち、竪ロール及び
上、下水平ロールを走行可能なインナーハウジン
グに回転可能に収納し、該上水平ロールの軸箱に
対し圧下力を与える押え込みシリンダと支持部材
とトラニオンとガタ取り用のシリンダとからなる
シリンダブロツクをハウジング上のフレームに固
定したシリンダにより押し上げ得るようにし、シ
リンダブロツクを中央のフレームにあずけるよう
にすることにより、ロールの組替え作業を容易に
した竪形圧延機のロール組替装置にかかるもので
ある。

以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の一実施例であり、
１は一対の竪ロール、２は該竪ロール１の軸箱、
３は竪ロール１及び軸箱２を収納した状態でハウ
ジング４上面に沿つて台車５により被圧延材６の
幅方向に開閉し得るインナーハウジング、７は前
記インナーハウジング３の背面に取付けられハウ
ジング４上面に沿つて台車８により被圧延材６の
幅方向に開閉し得るプルバツクフレーム、９はプ
レツシヤーブロツク１０を介して竪ロール１に圧
下力を与えるための圧下スクリユー、１１はプレ
ツシヤーブロツク１０を前記圧下スクリユー９に
密着させるためのバランスシリンダ、１２は前記
竪ロール１の軸１３とピン１４により連結したス
ピンドルである。

前記左右のインナーハウジング３には、下水平
ロール１５を片持ち支持した下水平ロール軸箱１
６を、該下水平ロール１５の側面が竪ロール１側
に向くようスライド移動可能に装着すると共に、
上水平ロール１７を片持ち支持した上水平ロール
軸箱１８を該上水平ロール１７の側面が竪ロール
１側に向くよう縦方向に摺動可能に装着してあ
る。

該各上水平ロール１７に圧下力を与えるための
押え込みシリンダ１９の筒体に、該筒体の長手方
向と直角の方向に支持部材２０を固着し、該支持
部材２０の両端に軸２１を突出せしめると共に、
前記筒体の反ピストンロツド２２側端部に軸２３
を設け、該軸２３にトラニオン２４を摺動自在に
嵌装せしめ、前記軸２３のトラニオン２４から突
出する端部にストツパ２５を取付け、更に前記ト
ラニオン２４に前記押え込みシリンダ１９と平行
な二本のシリンダ２６を取付けると共に該トラニ
オン２４の両端に軸２７を設けてシリンダブロツ
ク２８を構成してある。

前記各インナーハウジング３の両側面に長孔２
９を縦方向に設け、該長孔２９の長手方向中央部
近傍を切欠き、前記シリンダブロツク２８の支持
部材２０の両端の軸２１が嵌入し得て且つ該長孔
２９内を上下に移動し得るようにすると共に、該
各インナーハウジング３の上端を凹状に切欠いて
凹面座３０を設け、前記シリンダブロツク２８の
トラニオン２４の両端の軸２７を載置し得るよう
にしてある（第５図参照）。

更に、各インナーハウジング３内の上水平ロー
ル軸箱１８の上端部中央を被圧延材の幅方向に切
欠き、前記シリンダブロツク２８の押え込みシリ
ンダ１９のピストンロツド２２を挿入し得るよう
にすると共に、該上水平ロール軸箱１８の上端部
両側のアーム状部３１であつて且つ該左右の上水
平ロール軸箱１８が互いに対向する面の夫々に長
溝３２を縦方向に設け、該長溝３２よりも細幅の
溝３３を前記長溝３２の上方に設け、前記シリン
ダブロツク２８のシリンダ２６のピストンロツド
３４の先端が摺動自在に嵌入し得るようにしてあ
る。

前記シリンダブロツク２８は押え込みシリンダ
１９のピストンロツド２２を前記左右のインナー
ハウジング３内の上水平ロール軸箱１８の切欠き
部内に挿入し、該ピストンロツド２２の先端に取
付けた圧力ブロツク３５を介して圧下力を与える
ようにすると共に、両側のシリンダ２６のピスト
ンロツド３４の先端を前記上水平ロール軸箱１８
のアーム状部３１の溝３３及び長溝３２に嵌入
し、該ピストンロツド３４の先端に取付けたスト
ツパ３６が前記長溝３２内を上下に移動し得るよ
うにし、更に前記支持部材２０の両端の軸２１を
前記インナーハウジング３の上部に設けた長孔２
９内に嵌入すると共にトラニオン２４の両端の軸
２７を前記インナーハウジング３の上端に設けた
凹面座３０に載置してある。

更にハウジング４上に前記シリンダブロツク２
８保持用のフレーム４１を設け、該フレーム４１
の被圧延材６の幅方向両側面にブラケツト３７を
設け、該ブラケツト３７にシリンダブロツク保持
用のシリンダ３８をそのピストンロツド３９突出
側が上向きとなるよう垂直方向に２箇所ずつ計４
箇所取付け、該各ピストンロツド３９の先端に凹
面座４０を設けて、該凹面座４０により前記シリ
ンダブロツク２８のトラニオン２４両端の軸２７
を夫々支持し、シリンダ３８により該シリンダブ
ロツク２８を一体的に昇降させ得るようにしてあ
る。

圧延時は第１図及び第２図の状態にあり、竪ロ
ール１はインナーハウジング３内に収納され、ス
ピンドル１２を介して回転力が伝達されると共
に、圧下スクリユー９及びバランスシリンダ１１
により被圧延材６幅方向に開閉される。他方、
上、下水平ロール１７，１５は夫々上、下水平ロ
ール軸箱１８，１６に片持ち支持されてインナー
ハウジング３内に組込まれており、シリンダブロ
ツク２８の押え込みシリンダ１９のピストンロツ
ド２２が前記上水平ロール軸箱１８上端中央の切
欠部に挿入されると共に該押え込みシリンダ１９
の両側のシリンダ２６のピストンロツド３４のス
トツパ３６を設けた先端部が前記上水平ロール軸
箱１８のアーム状部３１側面に設けた長溝３２及
び溝３３に嵌入されている。更に、前記押え込み
シリンダ１９の支持部材２０両端の軸２１は前記
インナーハウジング３の長孔２９内に位置し、ト
ラニオン２４両端の軸２７は前記インナーハウジ
ング３上端の凹面座３０上に位置する。押え込み
シリンダ１９のピストンロツド２２を突出させる
と、圧力ブロツク３５が前記上水平ロール軸箱１
８中央の切欠部に密着し、押え込みシリンダ１９
に反力が与えられ、該押え込みシリンダ１９の支
持部材２０両端の軸２１が前記インナーハウジン
グ３の長孔２９上端に当接するようになる。この
状態では、押え込みシリンダ１９端部の軸２３と
トラニオン２４とは摺動自在になつているので、
トラニオン２４両端の軸２７はインナーハウジン
グ３上端の凹面座３０上に位置したままである。
ピストンロツド３４を引き込ませると、該ピスト
ンロツド３４先端のストツパ３６が上水平ロール
軸箱１８の溝３３を通過できないため、該上水平
ロール軸箱１８は持上げられ、押え込みシリンダ
１９と上水平ロール軸箱１８とがバランスする。
更に、ピストンロツド２２を上昇させればシリン
ダ２６により上水平ロール軸箱１８はバランスし
ており、ピストンロツド２２と常に密着した状態
を保つ。

次に、竪ロール１を組替えるときは、まず第３
図に示すように、押え込みシリンダ１９のピスト
ンロツド２２を引き込む。そうすると、押え込み
シリンダ１９全体が自重により降下し、該押え込
みシリンダ１９端部の軸２３の先端のストツパ２
５がトラニオン２４に当接し、支持部材２０両端
の軸２１はインナーハウジング３の長孔２９下端
に位置し、更にシリンダ２６のピストンロツド３
４のストツパ３６が上水平ロール軸箱１８の長溝
３２内下部に位置する〔この場合、シリンダ２６
のピストンロツド３４を突出させておく〕。前記
押え込みシリンダ１９のピストンロツド２２は更
に引き込まれ、その先端の圧力ブロツク３５が前
記上水平ロール軸箱１８の切欠き部から完全に離
れた状態となる。

次いで、第４図に示すように、ブラケツト３７
によりによりフレーム４１に取付けられたシリン
ダブロツク保持用のシリンダ３８のピストンロツ
ド３９を突出せしめると、該ピストンロツド３９
先端の凹面座４０によりトラニオン２４両端の軸
２７が支持され、該トラニオン２４により前記押
え込みシリンダ１９の軸２３が支えられ押え込み
シリンダ１９及びシリンダ２６が吊り下げられ
る。従つて、トラニオン２４両端の軸２７は前記
インナーハウジング３上端の凹面座３０上方に離
れて位置すると共に、押え込みシリンダ１９の支
持部材２０両端の軸２１は前記インナーハウジン
グ３の長孔２９内中央の切欠部と同一高さに位置
することとなり、シリンダブロツク２８とインナ
ーハウジング３との切離しが可能となる。

この状態で、第５図に示すようにプルバツクフ
レーム７を台車８によりハウジング４上を開方向
に走行させると共にインナーハウジング３を台車
５によりハウジング４上を開方向に走行させる
と、インナーハウジング３とシリンダブロツク２
８とが切り離される。しかる後、スピンドル１２
を上昇させ、スピンドル１２と竪ロール１の軸１
３との連結を解くことにより、竪ロール１をイン
ナーハウジング３ごと組替えることができる。

竪ロール１を組替えた後は、前記と逆の手順で
組立て、圧延可能とする。

なお、本考案の竪形圧延機のロール組替装置は
上述の実施例のみに限定されるものではなく、本
考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿輪である。

以上述べたように本考案の竪形圧延機のロール
組替装置によれば、シリンダブロツクを中央のフ
レームにあずけるようにしたので、従来のように
押え込みシリンダのセンサーケーブル及び押え込
みシリンダがガタ取り用のシリンダに接続されて
いる油圧ホースの取外し作業を行なうことなく、
ロールの組替え作業を容易に行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の部分断面図、第２図は第１図
の−方向矢視図、第３図乃至第５図は本考案
の装置のロール組替え手順を示す図であり、第３
図は押え込みシリンダのピストンロツドを引き込
んだ状態を示す図、第４図はシリンダブロツク持
上げ用のシリンダを突出させた状態を示す図、第
５図はシリンダブロツクとインナーハウジングと
を切り離した状態を示す図である。 図中、１は竪ロール、３はインナーハウジン
グ、４はハウジング、１５は下水平ロール、１６
は下水平ロール軸箱、１７は上水平ロール、１８
は上水平ロール軸箱、１９は押え込みシリンダ、
２０は支持部材、２１，２３，２７は軸、２４は
トラニオン、２６，３８はシリンダ、２８はシリ
ンダブロツク、２９は長孔、３０，４０は凹面
座、３２は長溝、３３は溝、４１はフレームを示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 竪ロールと、上、下水平ロールとを収納し、被
   圧延材幅方向に走行可能で且つ、該被圧延材の入
   側及び出側の上部両側面に中央に切欠き部を有す
   る長孔が設けられ、前記被圧延材の入側及び出側
   の上端部に凹面座が設けられた左右一対のインナ
   ーハウジングと、 前記上水平ロールの軸箱に圧下力を与えるため
   の押え込みシリンダと、該押え込みシリンダの筒
   体に直交するよう取付けられ両端に前記インナー
   ハウジングの長孔に嵌入し得る軸を有する支持部
   材と、前記押え込みシリンダの上端部に設けた軸
   に摺動自在に取付けられ両端に前記インナーハウ
   ジングの凹面座に載置し得る軸を有するトラニオ
   ンと、該トラニオンに前記押え込みシリンダの両
   側で且つ平行となるよう取付けられた前記上水平
   ロールの軸箱のガタ取り用のシリンダとからなる
   シリンダブロツクと、 ハウジング上の中央のフレームに取付けられ前
   記シリンダブロツクのトラニオン両端の軸を押し
   上げて前記シリンダブロツクを支持するためのシ
   リンダと を備えたことを特徴とする竪形圧延機のロール組
   替装置。