JPH0314512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、高所での塗装作業や修繕作業等の各
種の作業に使用される高所作業車に係り、詳しく
はブームの先端に設置される作業台に関する。

（従来の技術） 一般の高所作業車は、第６図に示すように車体
１上に旋回台２に水平回動可能に取付けられたブ
ーム３をリフトシリンダ４によつて昇降可能とな
すとともに、ブーム３自体を図示しないテレスコ
ープシリンダによつて伸縮作動可能となし、そし
てブーム３の先端部には作業台５を設置した構成
となつている。従つて、作業台５の昇降動作はブ
ーム３の回動動作と伸縮動作とによつて行なわれ
るものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した従来の高所作業車では、作業台５を真
直に昇降したい場合、たとえば第６図に示すよう
に、建造物の壁に沿つて真直に昇降するような場
合には、前記ブーム３の上下回動運動と伸縮運動
との組合わせによつて行なわねばならないことか
ら、その操作が面倒であるという難点があり、ま
た第７図に示すように作業台５を地面よりも低所
の壁面に移動させたり、あるいは図示はしないが
立設する壁の裏面に作業台を廻り込むように誘導
したりすることが不可能であつた。

そこで本考案は、以上の問題に鑑み、作業台を
簡単な操作によつて真直に昇降できるようにする
ことを、その解決すべき技術的課題とするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 上記課題解決のための技術的手段は、高所作業
車の作業台を、外枠と、外枠の底部を通して該外
枠内に挿入可能な外郭形状を有するゴンドラと、
前記外枠に設置されてゴンドラを昇降可能に吊り
下げるためのウインチとを備える構成としたこと
である。

（作用） 従つて、作業車はゴンドラ上において、ウイン
チを適宜操作することによつて、該ウインチによ
り吊り下げられたゴンドウを真直に上昇又は下降
させることが可能である。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて具体的に
説明する。高所作業車の全体を示す第３図におい
て、１は車体、２は車体１上に水平回転可能に設
置された旋回台、３は旋回台２に上下回動可能に
取けられてリフトシリンダ４によつて昇降される
とともに、テレスコープシリンダ（図示しない）
によつて伸縮作動されるブームであり、その先端
部には作業台５が設置されている。

つぎに、作業台５の詳細を第１図及び第２図に
基いて説明する。作業台５は、外枠６と、この外
枠６内に格納可能なゴンドラ７と、このゴンドラ
７を昇降可能に吊り下げるウインチ９とから構成
されている。外枠６は底面と上面を開放した四角
形に形成されており、一方ゴンドラ７は外枠６の
底面を通行可能な大きさの四角形の箱状に形成さ
れるとともに、一側面には開閉可能な扉８付きの
乗降口を備え、かつ上面が開放されている。

しかして、ゴンドラ７を吊るためのウインチ９
は、本実施例では外枠６の左右の枠上部に設置さ
れている。すなわち、外枠６の左右の枠上部には
それぞれ巻取りドラム１０が回転可能に組付けら
れており、左右の巻取りドラム１０は軸１１によ
つて連動するように連結されるとともに、一方の
巻取りドラム１０が電動モータ又は油圧モータ１
２によつて回転駆動されるようになつている。そ
して、各巻取りドラム１０に巻装されたワイヤロ
ープ１３が前記ゴンドラ７の左右上端縁にそれぞ
れ取付けられた吊紐１４と結縛されている。ま
た、ゴンドラ７にはウインチ９、ブーム３、旋回
台２等を操作する操作盤１５が設置されていて、
該操作盤１５に対する電源供給は、外枠６の上部
に取付けられたリール１６に巻装された延長ハー
ネス１７を介して行なわれ、ゴンドラ７の昇降に
対応するようになつている。

本実施例は上述のように構成したものであり、
従つて、外枠６内にゴンドラ７を格納したままの
状態では、操作盤１５を適宜操作することによ
り、作業台５を従前と同様の要領で移動させて高
所の作業を行なうことが可能である。

一方、第３図に示すように建造物の壁等のよう
な真直な面で作業をするような場合には、操作盤
１５によりウインチ９のモータ１２を正転又は逆
転操作して、ワイヤロープ１３を巻取りドラム１
０から繰り出したり巻込んだりすることによつて
ゴンドラ７をブーム先端よりも下方位置において
壁の希望する位置へ移動することができる。ま
た、第４図に示す如く造船所のドツグのような地
面よりも低所へ作業台５を移動したい場合、あい
は第５図に示す如く壁や障害物の裏側に廻り込み
たいような場合には、ブーム３を適宜伸長したも
とで、ゴンドラ７を下降させることにより、この
ような要望に応えることが可能である。

なお、ウインチ９の取付け構造は、図示例に限
定されるものではなく、必要に応じて適宜変更可
能であり、またゴンドラ７を外枠６内に格納した
状態で通常の作業をする場合は、該ゴンドラ７を
外枠６側に固定することにより、ワイヤロープ１
３の負担を軽減する構成を付加することも可能で
ある。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案によれば作業台を簡
単な操作で真直に昇降することができるととも
に、とくに従来の高所作業車では不可能であつた
地面より低所への移動あるいは壁や障害物を乗り
越えての移動が可能であり、従つて作業能率の向
上ならびに作業の多様化にきわめて有効となるも
のである。

また、本考案は、ウインチによりゴンドラを吊
り下げて昇降させる方式としたので、たとえばブ
ーム先端にマストを垂直に設け、これに沿つて作
業台を昇降させる場合合に比べると、次のような
点で利点がある。

すなわち、本考案の作業台は、外枠と、ゴンド
ラと、それを吊り下げるウインチとを備えた構成
であるから、マストの場合に比べて、構造が簡単
な上に付帯設備の追加に伴う重量増加が遥かに少
なく、許容荷重の減少を極力抑えることができ
る。また、ゴンドラの移動量（昇降量）はワイヤ
の長さを変えるだけで簡単に変更することがで
き、移動量変更に対する融通性が高いものであ
る。さらにまた、ゴンドラを外枠内に格納した状
態では、従来の作業台と全く同様の条件で作業で
きるものであつて、マストの場合であれば起こり
得る出つ張りによる作業上の弊害がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す作業台の側面
図、第２図は同じく正面図、第３図〜第５図はそ
れぞれ本考案の作業台を備えた高所作業車による
作業形態を示す説明図、第６図及び第７図はそれ
ぞれ従来例を示す説明図である。 ５……作業台、６……外枠、７……ゴンドラ、
９……ウインチ、１０……巻取りドラム、１３…
…ワイヤロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下回動及び伸縮可能なブームの先端に取付け
   られる作業台であつて、外枠と、外枠の底部を通
   して該外枠内に挿入可能な外郭形状を有するゴン
   ドラとを備え、前記外枠にはゴンドラを昇降可能
   に吊り下げるウインチを設置してなる高所作業車
   における作業台。