JPH0313374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、エンジンを後部に載置したトラクタ
ーのフロントPTO軸の如く、前方へ出力軸から
離れて配置されていて、その間を長い動力伝達軸
等で連結してやる必要のある場合のPTO軸及び
動力伝達軸の取外しを容易とする構造である。

(ロ) 従来技術 動力伝達軸に関して、駆動部側よりエンジン側
を細径としたPTO軸に関しては、実開昭53−
166227号公報の如き技術が公知とされており、ま
た出力軸とPTO軸との間のカツプリング係合に
関する技術は特開昭58−221724号公報の如き技術
が公知とされているのである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 これに対し本考案はボンネツトの下方で、フレ
ームや、フロントアクスルや、操向装置のドラツ
グロツド等が上下に配置されている為に、側面か
らも上方からも中間軸や動力伝達軸を挿入出来な
い場合の為に、前方のPTO軸の軸受内径の空間
から動力伝達軸や中間軸を挿入可能としたもので
ある。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案の目的は以上の如くであり、該目的を達
成する為の構成を説明すると。

機体の後方に配置したエンジン２より、機体の
前部に配置した前部作業機を駆動する構成におい
て、前部作業機駆動用のPTO軸４２に動力を伝
達する動力伝達軸４１を、後端はエンジン２側の
出力軸２６との間にカツプリング３９にて連結
し、前端は操向装置とフロントデフ装置８の間を
通過して突出し、軸受装置４０に嵌設枢支された
大径のPTO軸４２のカツプリング孔４２ｄに係
合嵌装し、PTO軸４２を軸受装置４０より前方
へ取外し可能とし、PTO軸４２の取外し後の軸
受孔より動力伝達軸４１を抜き出し可能としたも
のである。

(ホ) 実施例と作用 本考案の目的・構成は以上の如くであり、添付
の図面に示した実施例の構成及び作用を説明す
る。

第１図は本考案の特殊園芸・庭園用農用トラク
ター全体側面図、第２図はPTO軸と動力伝達軸
の近辺の側面図、第３図は同じく平面図、第４図
はPTO軸近辺の拡大側面断面図である。

第１図より全体構造を説明すると。

１はキヤビンを兼ねるボンネツトである。該ボ
ンネツト１に続いて別体のエンジンカバー２ａが
設けられている。ボンネツト１内の前部には操作
コラム１５が突出されており、操作コラム１５か
らステアリングハンドル６が突出されている。７
は座席である。エンジンカバー２ａ内に、エンジ
ン２とラジエーター２ｂが配置されている。エン
ジン２よりＶプーリーとＶベルトにてHST変速
装置３へ回転が伝えられる。

HST変速装置３の入力軸をそのまま前方へ延
出してPTO出力軸２５とし、カツプリング４３
にて連結してPTOクラツチ装置５の入力軸２７
に動力を伝えている。PTOクラツチ装置５より
本考案の要部である出力軸２６とカツプリング３
９が突設され、該カツプリング３９に動力伝達軸
４１が係止嵌装されている。

又、HST変速装置にて無段変速後の回転をカ
ツプリングを介して走行用ミツシヨンケース４の
入力軸へ伝えている。又、走行用ミツシヨンケー
ス４内にはブレーキ装置やデフギア装置が配置さ
れており、後車軸３５及び後輪１０，１０へ動力
を伝えている。

又、前輪駆動軸が走行用ミツシヨンケース４の
側方前壁より突出され、ユニバーサルジヨイント
と中間軸２１を介してフロントデフ装置８へ動力
が伝えられている。フロントデフ装置８から左右
へ動力が分岐され、操向駆動ベベルギアボツクス
７を介して前輪９，９も駆動されている。

機体前方へはフロントロアリンク１３，１３
と、フロントトツプリンク１１が突設されてお
り、これらの先端にフロント装着作業機をワンタ
ツチで装着可能なクイツクヒツチ１４が設けられ
ている。２０のユニバーサルジヨイント軸と５１
のユニバーサルジヨイントにより、PTO軸４２
とフロント作業機の間の動力が伝達される。

フロントロアリンク１３はワイヤー１９にて油
圧シリンダー１８のベルクランクと連結され、こ
の油圧シリンダー１８の伸縮によりフロント作業
機が上下回動される。又、機体前方にもロアリン
ク１６とリフトアーム１７が設けられており、リ
フトアーム１７は走行用ミツシヨンケース４の上
方に配置された油圧シリンダー３６にて上下回動
されている。

本考案は以上のような構成において、フロント
作業機用のPTO軸４２と、その中間軸４１に関
するものである。

第２図、第３図、第４図より、本考案の要部の
構造を説明すると。

第４図に示す如く、PTO軸の軸受装置４０は
フロントデフ装置８の中央部を上下揺動可能に枢
支するセンターピンのブラケツト４５，４８のう
ちの前部ブラケツト４５に後面からボツクスにて
固定されている。

そして、このセンターピンブラケツト４５，４
８は左右のパイプ状のフレーム３８Ｌ，３８Ｒの
間に渡架固設されている。

そしてこの軸受装置に大径のPTO軸４２のボ
ス部４２ａが嵌装され、スプライン部４２ｂで接
当され、それ以上の嵌入を阻止されている。そし
て後端に設けられた螺子部４２ｃに締結ナツト５
０がスペーサー４９を介装して螺装されて締め付
けられ、PTO軸４２を軸受装置４０に対して固
定しているのである。

第４図においては、該PTO軸４２に対して中
間軸４１をカツプリング孔４２ｄのスプラインに
スプライン嵌合している。４４Ｌ，４４Ｒはトツ
プリンクブラケツトである。

フロント作業機への動力は、エンジン２よりＶ
ベルトにてHST変速装置３へ伝えられ、HST変
速装置のPTO出力軸２５からカツプリング４３
を介して、PTOクラツチ装置５の入力軸２７へ
伝えられ、PTOクラツチ装置の出力軸２６より
カツプリング３９と動力伝達軸を介してPTO軸
４２へ伝えられるのである。PTO軸４２から先
はユニバーサルジヨイント５１とユニバーサルジ
ヨイント軸２０によりフロツト作業機の入力軸へ
伝えられるのである。

本考案のPTO軸４２と動力伝達軸４１を組立
てる場合には、上方からも側方からも動力伝達軸
が挿入できないので軸受装置４０の内径から挿入
し、スペーサー４９と締結ナツト５０を、PTO
軸４２の後端または動力伝達軸４１の後端から嵌
入し、押し込んで行つてカツプリング３９のスプ
ラインに係止嵌入した後に、締結ナツト５０を螺
子部４２ｃに螺装して組み上げるのである。取外
しはこの逆に行うのである。

(ヘ) 考案の効果 本考案は以上の如く構成したので次のような効
果を奏するものである。

第１に、ボンネツトやフロントアクスルやフロ
ントデフ装置やドラツグロツド等が上下左右に入
り組んでいる為に、PTO軸４２と動力伝達軸４
１の組み立て分解が困難な構成において、本考案
の如く大径のPTO軸４２と、小径の動力伝達軸
４１を軸受装置４０の孔から挿入して組立て可能
としたので、組立・補修・点検が容易に行えるよ
うになつたのである。

第２に、PTO軸４２を種々の長さ、形状にし
て用意し、取り換えることによりフロント作業機
の多様化にも簡単に対処できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の園芸、庭園用農用トラクター
の全体側面図、第２図はPTO軸と動力伝達軸の
近辺の側面図、第３図は同じく平面図、第４図は
PTO軸と軸受装置部分の拡大側面断面図である。 ８……フロントデフ装置、１５……操作コラ
ム、３９……カツプリング、４０……軸受装置、
４１……動力伝達装置、４２……PTO軸、４２
ｄ……カツプリング孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の後方に配置したエンジン２より、機体の
   前部に配置した前部作業機を駆動する構成におい
   て、前部作業機駆動用のPTO軸４２に動力を伝
   達する動力伝達軸４１を、後端はエンジン２側の
   出力軸２６との間にカツプリング３９にて連結
   し、前端は操向装置とフロントデフ装置８の間を
   通過して突出し、軸受装置４０に嵌設枢支された
   大径のPTO軸４２のカツプリング孔４２ｄに係
   合嵌装し、PTO軸４２を軸受装置４０より前方
   へ取外し可能とし、PTO軸４２の取外し後の軸
   受孔より動力伝達軸４１を抜き出し可能としたこ
   とを特徴とする農用トラクターのPTO軸着脱構
   造。