JPH0742846Y2

JPH0742846Y2 - トラクタのフロントアクスルケース構造

Info

Publication number: JPH0742846Y2
Application number: JP1988140497U
Authority: JP
Inventors: 徹深野
Original assignee: セイレイ工業株式会社
Priority date: 1988-10-26
Filing date: 1988-10-26
Publication date: 1995-10-04
Anticipated expiration: 2003-10-26
Also published as: JPH0260025U

Description

【考案の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野本考案は、トラクタのフロントアクスルケース構造に関
する。

（ロ）従来の技術従来、農作業車としてのトラクタは、機体にフロントア
クスルケースを揺動自在に連結し、同ケースの両端部に
前車輪を取付けている。

また、アクスルケースの揺動中心部には、ミッションケ
ースより伸延したドライブシャフトの先端部を連結して
おり、同シャフトの先端部に差動装置を介して車輪駆動
軸を連結して前車輪を駆動すべく構成している。

さらに、差動装置は、アクスルケース内に軸支されてお
り、ドライブシャフトからの動力を円滑に車輪駆動軸に
伝達すべく構成している。

さらに、アクスルケースは、左右方向に長尺状に形成さ
れた一体ものであり、その両端部に左右フロントギヤケ
ースを介して左右前車輪を連結している。

（ハ）考案が解決しようとする課題ところが、上記のようなフロントアクスルケースは、分
解作業を行う際に、同ケースの左右フロントギヤケース
を取り外し、その内部に収納した車輪駆動軸及び差動装
置をケース外に取り出しており、かかる分解作業は、非
常に煩雑なものであった。

また、アクスルケース組立時には、ケース内に車輪駆動
軸及び差動装置を挿入しながら組み立てており、特に、
差動装置は、ケースの内方に位置することにより容易に
行うことができなかった。

（ニ）課題を解決するための手段本考案では、機体に前車輪のフロントアクスルケースの
中央部を揺動自在に連結すると共に、同アクスルケース
の揺動中心部に、ミッションケースより前方に伸延した
ドライブシャフトの先端部を取付け、同シャフトの先端
部にデフケースを具備する差動装置を介して前車輪駆動
軸を連動連結してなるトラクタのフロントアクスルケー
スにおいて、同アクスルケースを、同ケース中に配設し
たデフケースの外径と近似する外径を有し、互いに分割
された鋼管同士を着脱自在に連結して構成し、一方の鋼
管側にデフケースを支持させると共に、他方の鋼管側に
同デフケースに連結したリングギヤを支持させ、かつ、
デフケースとリングギヤとの間に前記ドライブシャフト
の先端部が臨むように構成したことを特徴とするトラク
タにおけるフロントアクスルケース構造を提供するもの
である。

（ホ）作用及び効果本考案では、ミッションケースからの動力をドライブシ
ャフトの先端部よりフロントアクスルケースの差動装置
を介して前車輪駆動軸に伝達し、そして、前車輪駆動軸
によって前車輪を駆動させるものである。

そして、フロントアクスルケースを、同ケース中に配設
したデフケースの外径と近似する外径を有し、互いに分
割された鋼管同士を着脱自在に連結して構成しているの
で、最低地上高を確保することができ、トラクタ作業に
支障をきたすことがない。

また、一方の鋼管側にデフケースを支持させると共に、
他方の鋼管側に同デフケースに連結したリングギヤを支
持させ、かつ、デフケースとリングギヤとの間に前記ド
ライブシャフトの先端部が臨むように構成しているの
で、組立、分解作業を容易に行うことができる。しか
も、一方の鋼管を取り外せば、差動装置の一部が露出
し、同装置をフロントアクスルケースから取り外すこと
なく点検等を行えるのでメンテナンスが容易となる。

（ヘ）実施例本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、第１図の
全体側面図において、Ａは、本考案に係るトラクタを示
し、同トラクタＡは、機体１上に原動機２を設け、同機
体１より後方へ伸延させたクラッチハウジング３の後端
にミッションケース４を連結し、同クラッチハウジング
３の上方に運転部５を設けている。

また、機体１の下方には、フロントアクスルケース６を
配設し、同アクスルケース６の左右両端にそれぞれ左右
フロントギヤケース6-1,6-1を介して左右前車輪7,7を取
付けている。

さらに、ミッションケース４の左右側壁には、左右後車
輪9,9を取付けている。

また、フロントアクスルケース６は、その中央部に前方
へ前側支軸10を突出し、同前側支軸10を機体１の前側下
部に設けた前側アクスルケース軸支部12に軸支してい
る。

また、フロントアクスルケース６の中央部より後方へ後
側軸パイプ10aを突出させて、同後側軸パイプ10aを後側
アクスルケース軸支部13に軸支して両軸支部12,13間
で、前記フロントアクスルケース６の中央部を、同フロ
ントアクスルケース６の前後軸線廻りに揺動自在に軸架
している。

また、フロントアクスルケース６の揺動中心部には、ミ
ッションケース４より伸延したドライブシャフト15の先
端部が連結しており、同シャフト15の先端部に同ケース
６内に設けた前車輪駆動軸14を連動連結して、左右前車
輪7,7の駆動が行えるようにしている。

かかるドライブシャフト15は、上記後側軸パイプ10a中
を挿通されて、フロントアクスルケース６の中央部に連
結している。

さらに、前車輪駆動軸14は、第２図において、左右方向
に伸延し、その先端部に左右前車輪7,7を連動連結して
おり、左右フロントギヤケース6-1,6-1の内部に縦方向
に軸支した中間軸16の上端部を連動連結し、また、中間
軸16の下端部に、側方に配した前車軸17が連結されてい
る。

なお、18は各軸を連動連結したベベルギヤを示す。

また、前車輪駆動軸14とドライブシャフト15とには、差
動装置20が設けられ、同差動装置20によって左右前車輪
7,7の駆動を円滑に行うように構成されており、同差動
装置20は、以下のように構成されている。

すなわち、第３図に示すように、各前車輪7,7の左右前
車輪駆動軸14a,14bには、サイドギヤ21,22を取付け、同
ギヤ21,22に一対のピニオンギヤ23を噛合すると共に、
同ギヤ23にピニオンシャフト24を介してデフケース25を
一体に連結している。

さらに、デフケース25の左端部には、リングギヤ26を取
付け、差動装置20の差動部20aを形成しており、同ギヤ2
6の内側部にドライブシャフト15の先端部との噛合部26a
を形成している。

また、かかる差動部20aは、デフケース25の右端部にギ
ヤ群等を挿入する開口部25aを形成し、開口部25aに右前
車輪駆動軸14bに取付けたサイドギヤ22を挿入して、そ
の内部のピニオンギヤ23に噛合している。

そして、デフケース25の開口部25aは、その内側周縁部
に筒状の蓋体27を取付けてサイドギヤ22の離脱を防止し
ており、しかも、同蓋体27は、同開口部25aに止め輪28
にて一体に固定している。

かかる構造により、ドライブシャフト15よりリンクギヤ
26を介してデフケース25を一体に作動させると、同デフ
ケース25より一対のピニオンギヤ23とサイドギヤ21,22
を介して左右前車輪駆動軸14a,14bを駆動するものであ
る。

また、かかる差動部20aは、フロントアクスルケース６
に軸支しており、デフケース25に取付けた蓋体27に環状
の段部27aを形成している。

さらに、フロントアクスルケース６の内側部に差動部軸
支用ベアリング29を取付け、同ベアリング29に蓋体27の
段部27aをあてて、差動部20aを回動自在に構成してい
る。29aは差動部軸支用ベアリング29の取付リングであ
る。

しかも、差動部20aは、デフケース25の左端部のリンク
ギヤ26にニードルベアリング30を取付け、フロントアク
スルケース６の内側部に軸支している。

かかるリンクギヤ26の外側部26bには、第３図に示すよ
うに、筒状の突設部26-1を設け、同突設部26-1の外周面
にニードルベアリング30を装着して、フロントアクスル
ケース６の内側部に軸支している。30aはニードルベア
リング30の取付リングである。

本考案では、第２図、第３図に示すように、フロントア
クスルケース６を略中央部で２分割してその組立等を容
易に構成している。

すなわち、本実施例では、フロントアクスルケース６を
同ケース６中に配設したデフケース25の外径と近似する
外径を有し、互いに分割された鋼管製の左右ケース片6
a,6b同士を着脱自在に連結して構成し、左ケース片6aを
前後側アクスルケース軸支部12,13に連結し、同左ケー
ス片6aに差動装置20を取付けている。

また、差動装置20を構成するデフケース25を、右ケース
片6bに作動部軸支用ベアリング29を介して支持させる一
方、左ケース片6aには前述したようにリングギヤ26をニ
ードルベアリング30を介して支持させ、かつ、デフケー
ス25とリングギヤ26との間にドライブシャフト15の先端
部が臨むように構成している。

さらに、各ケース片6a,6bの接合部には、フロントアク
スルケース６の軸芯周りに取付フランジ31,31を突設
し、同フランジ31,31を接合してボルト32を介して着脱
自在に取付けている。

また、左ケース片6aは、その開口部33を拡開状に形成す
ると共に、右ケース片6bの先端部にテーパー面34を形成
し、同テーパー面34を左ケース片6aの開口部33に嵌合し
て連結している。

しかも、右ケース片6bの内側部には、第３図に示すよう
に、差動部軸支用ベアリング29を取付けており、各ケー
ス片6a,6b連結した際に、同ベアリング29がデフケース2
5の蓋体27にあたり、デフケース25を軸支するものであ
る。

かかる構造により、フロントアクスルケース６を略中央
部で２分割し、各ケース片6a,6bに設けた取付フランジ3
1,31を介して着脱自在としている為に、各ケース片6a,6
bを取付フランジ31,31より取り外すことにより、同ケー
ス６の組立、分解作業を容易に行うことができる。

さらに、かかるフロントアクスルケース６は、左ケース
片6aに差動装置20を保持している為に、取付フランジ3
1,31より右ケース片6bを取り外すことにより、同ケース
６より差動装置20を取り外すことなく、差動装置20を取
付けた状態で点検等を行うことができる。しかも、フロ
ントアクスルケース６を、同ケース６中に配設したデフ
ケース25の外径と近似する外径を有し、互いに分割され
た鋼管製の左右ケース片6a,6b同士を着脱自在に連結し
て構成しているので、最低地上高を確保することがで
き、トラクタ作業に支障をきたすことがない。

また、本考案の他の実施例として、第２図に示すよう
に、左右フロントギヤケース6-1,6-1は、フロントアク
スルケース６の両端部に連結したＬ状の上ギヤケース片
35の下部に下ギヤケース片36を回動自在に取付け、下ギ
ヤケース片36に、前車輪7,7を連結するサイドギヤケー
ス片37を取付けて構成されている。

かかる上下ギヤケース片35,36内には、ベアリング38を
介して中間軸16を軸支し、また、サイドギヤケース片37
に車軸17を軸支している。

さらに、上下ギヤケース片35,36は、その上下端部を開
口して給油口35a,36aを形成し、同給油口35a,36aに上下
の給油蓋体39を着脱自在に嵌合している。

本実施例では、かかる給油口35a,36aを、中間軸16を軸
支したベアリング38の径よりも大径状に形成している。

かかる構造により、給油蓋体39を取り外して左右フロン
トギヤケース6-1,6-1に容易に給油を行うようにしてい
る。

また、給油蓋体39にて上下ギヤケース片35,36を開口し
てその内部にベアリング38及び、中間軸16の組立等が簡
便に行うことができる。

さらに、左右フロントギヤケース6-1,6-1を反転させ
て、トラクタＡの車高を変更する場合、下ギヤケース片
36の給油口36aが上部に位置し、給油作業を円滑に行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るトラクタの側面図、第２図は要部
の断面図、第３図は要部の拡大断面図である。図中、 A:トラクタ、4:ミッションケース 6:フロントアクスルケース 14:前車輪駆動軸、15:ドライブシャフト 20:差動装置、25:デフケース 31:取付フランジ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】機体（１）に前車輪のフロントアクスルケ
ース（６）の中央部を揺動自在に連結すると共に、同ア
クスルケース（６）の揺動中心部に、ミッションケース
（４）より前方に伸延したドライブシャフト（15）の先
端部を取付け、同シャフト（15）の先端部にデフケース
（25）を具備する差動装置（20）を介して前車輪駆動軸
（14）を連動連結してなるトラクタのフロントアクスル
ケースにおいて、同アクスルケース（６）を、同ケース（６）中に配設し
たデフケース（25）の外径と近似する外径を有し、互い
に分割された鋼管同士を着脱自在に連結して構成し、一
方の鋼管側にデフケース（25）を支持させると共に、他
方の鋼管側に同デフケース（25）に連結したリングギヤ
（26）を支持させ、かつ、デフケース（25）とリングギ
ヤ（26）との間に前記ドライブシャフト（15）の先端部
が臨むように構成したことを特徴とするトラクタのフロ
ントアクスルケース構造。