JPH031153B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は印刷機における着肉ローラの着脱装
置に関するものである。

従来オフセット印刷機における着肉ローラ２と
プレートシリンダ１との着脱は第１図に示すよう
に先端部にプレートシリンダ１に接離可能な着肉
ローラ２を具えた揺動杆３の基端部を図示しない
機枠に枢支し、この揺動杆３の中間部にローラ４
を設け、このローラ４に着肉ローラ着脱カム軸６
に取付けた着肉ローラ着脱カム５を当接させ、着
肉ローラ着脱カム軸６を作業員が直接手動で回転
させることにより、着肉ローラ着脱カム５を回動
し、揺動杆３に取付けたローラ４との当接部が着
肉ローラ着脱カム５の長径部分より短径部分に移
動し、これが係合しているローラ４の揺動杆３が
基端部を支点として先端部が下降し、その先端部
を設けた着肉ローラ２がプレートシリンダ１に接
触することとなる。また一方プレートシリンダ１
より着肉ローラ２を離脱させるときは作業員が直
接手動により着肉ローラ着脱カム軸６を前記とは
反対に逆回転させてこれに取付けた着肉ローラ着
脱カム５を回動し、ローラ４との当接部を着肉ロ
ーラ着脱カム５の短径部分より長径部分に移動
し、ローラ４を取付けた揺動杆３の基端部を支点
として先端部を上昇させ、その先端部の着肉ロー
ラ２をプレートシリンダ１より離脱させるように
なつている。

しかしながら、この種のものは着肉ローラ２の
着脱を作業員が直接手動にてう着肉ローラ着脱カ
ム軸６を回転させて行なつているため、作動力が
大きくなりがちであり、また作動力を小さくすれ
ばストロークが長くなるということが発生し、か
つ直接ソレノイド等により揺動杆を直接作動させ
て着肉ローラ２を着脱させて自動化させるには非
常にむずかしいなどの多くの欠点があつた。

この発明は上記従来のもののもつ欠点を排除
し、新規な印刷機における着肉ローラの着脱装置
を提供することを目的とするものである。

この発明は前記のような目的を達成するため
に、基端部を基枠に枢支し、かつ先端部に着肉ロ
ーラを具えた揺動杆を、軸に取付けたカムにより
その先端部の着肉ローラをプレートシリンダに当
接、離脱するようにした印刷機において、前記軸
に第１揺動レバーの基端部を固着し、この第１揺
動レバーの先端に、先端に突起を設けた第２揺動
レバーの基端部を枢支し、前記軸には下方にその
中心線が前記軸の中心を通る直線状長孔を有する
確動カムの上部が枢支され、この確動カムの長孔
に常時回転円盤の側面に設けたコロが摺嵌して、
回転円盤の回転によって確動カムは揺動し、また
確動カムの上部には前記軸の中心を中心として、
その中心からの距離が異り、かつ相互に連通して
いる内外側円弧状長孔が設けられ、この内外側円
弧状長孔に第２揺動レバーの側部に設けた突起が
摺動可能に嵌合し、この突起には機枠に回動可能
に枢支した揺動部材の先端のカム部のカム面が当
接し、この揺動部材にばねを介して作動部材が連
結され、この作動部材の不作動時には揺動部材が
下方に位置して第２揺動レバーの突起は確動カム
の外側円弧状長孔に嵌入し、作動部材の作動時に
は揺動部材が上方に回動して、そのカム部により
第２揺動レバーの突起は内側円弧状長孔に移動し
て嵌入し、第２揺動レバーの突起が確動カムの外
側円弧状長孔に嵌入した際は、確動カムが揺動し
ても第２揺動レバーが揺動することなく、第２揺
動レバーの突起が確動カムの内側円弧状長孔に嵌
入した際は、確動カムが揺動すると、それが第２
揺動レバーに伝達されて第２揺動レバーも揺動す
ることを特徴とする着肉ローラの着脱装置からな
る。

この発明を図面に示す実施例を参照しながら説
明する。

第２，３図に示すように１０は印刷機における
着肉ローラの着脱装置であつて、この着肉ローラ
の着脱装置１０は先端部にプレートシリンダ１に
接離可能な着肉ローラ２を具えた揺動杆３の基端
部が図示しない機枠に枢支されており、この揺動
杆３の中間部にローラ４を設け、このローラ４に
は着肉ローラ着脱カム軸６に取付けた着肉ローラ
着脱カム５が当接している。この着肉ローラ着脱
カム５を具えた着肉ローラ着脱カム軸６には第１
揺動レバー１１の基端部が固着されているととも
にこの第１揺動レバー１１の先端部には下端部の
側部に突起１２を具えた第２揺動レバー１３の上
端部がピン１４を介して縦方向に回動可能に枢支
されている。

また前記着肉ローラ着脱カム軸６には下方に縦
向きの長孔１５を具えた確動カム１６の上端部が
縦方向に揺動可能に枢支されており、この確動カ
ム１６の長孔１５内には図示しない駆動部材によ
って常時回転している円盤１７の側部に取付けた
回転可能なコロ１８が嵌合されている。そして円
盤１７の回転により確動カム１６は着肉ローラ着
脱カム軸６を支点としてαの角度揺動するように
構成されている。さらに確動カム１６の枢支部と
長孔１５との中間部には枢支点よりその距離を変
えて段違いであつて、かつその一端部どおしが相
互に連通して形成した長孔１９ａ，１９ｂが設け
られていて、この長孔１９ａ，１９ｂ内には前記
第２揺動レバー１３の側部に設けた突起１２が嵌
合していて、突起１２は長孔１９ａ，１９ｂの端
部の係合部２４，２５に係合することにより移動
するように構成されている。

前記第２揺動レバー１３の突起１２には基端部
を図示しない機枠に回動可能に枢支した揺動部材
２０の先端部カム部２１が当接しているとともに
先端部と機端部との中間部には一端部のソレノイ
ド２２に取付けたばね２３の他端部が取付けられ
ていて、ソレノイド２２により揺動部材２０を縦
方向に揺動させ、その先端部のカム部２１に当接
している第２揺動レバー１３の突起１２を上方に
押上げたり、または下降させて、長孔１９ｂより
長孔１９ａにかつ長孔１９ａより長孔１９ｂに交
互に移動させるように構成されている。

なお上記実施例は単なる一例にすぎず、各部材
につき同一の機能をもつ他の部材に代えても差支
えないことは言うまでもない。

次に上記のものの作用について説明する。

第２図ａにおいて図示しない駆動部材によつて
常時回転している円盤１７の側部に回転可能に取
付けたコロ１８により、これが嵌合している長孔
１５を具えた確動カム１６が着肉ローラ着脱カム
軸６を支点として左右方向にαの角度揺動する。
これによりこの確動カム１６の着肉ローラ着脱カ
ム軸６よりその距離を変えて段違いに形成した長
孔１９ａ，１９ｂの長径部分の長孔１９ｂに嵌合
している第２揺動レバー１３の突起１２がこの長
孔１９ｂ内を移動して確動カム１６のみが第２ｂ
に示すようにα角度揺動することとなり、このと
き第１、２揺動レバー１１，１３は移動しないた
め、着肉ローラ着脱カム軸６に取付けられている
着肉ローラ着脱カム５は揺動杆３を上方に押し上
げていて、揺動杆３の先端部の着肉ローラ２とプ
レートシリンダ１とは離脱していることとなる
（第１図鎖線の状態）。

この状態より図示しない押釦スイツチを操作し
て電気信号がソレノイド２２に入ると、このソレ
ノイド２２に上端部を取付けたばね２３を介して
機枠に基端部を枢支した揺動部材２０の先端部の
カム部２１を上方に引上げ、この揺動部材２０が
基端部を支点として上方に回動して、この揺動部
材２０の先端部に設けたカム部２１に当接してい
る第２揺動レバー１３の下端部に設けた突起１２
が第３図ａにおいて上方向に押上げられて確動カ
ム１６に設けた段違いの短径の長孔１９ａ部分に
嵌合されて、その長孔１９ａの下方端部の係合部
２４に突起１２が当接することとなる。

その結果常時回転している円盤１７の側部に回
転可能に取付けたコロ１８により確動カム１６が
前記と同様に着肉ローラ着脱カム軸６を支点とし
て第３図ｂに示すようにα角度回動し、確動カム
１６の長孔１９ａの下端の係合部２４に突起１２
が当接していることにより、確動カム１６の揺動
とともに突起１２を上方に押上げてこの突起１２
が上方に押上げられると、この第２揺動レバー１
３もこれにともなって同時に上昇し、この第２揺
動レバー１３の上端部に先端部をピン１４を介し
て枢支した第１揺動レバー１１が反時計方向に回
動してこれによつてこの第１揺動レバー１１の基
端部を固着した着肉ローラ着脱カム軸６を反時計
方向に回動し、この着肉ローラ着脱カム軸６に取
付けた着肉ローラ着脱カム５を同時に回動して、
この着肉ローラ着脱カム５に当接している揺動杆
３のローラ４との接触部を長径部分より短径部分
に移動させてローラ４を下降させ、基端部を機枠
に枢支した揺動杆３を下降させてその先端部の着
肉ローラ２をプレートシリンダ１に接触させるこ
ととなる。その結果着肉ローラ２は円盤１７が一
回転する毎に確動カム１６をα角度揺動しても長
孔１９ａにより影響されず常時プレートシリンダ
１に接触することとなる（第１図実線の状態）。

またこの状態より着脱ローラ２をプレートシリ
ンダ１より離脱させる際には第４図に示すように
押釦スイツチを操作して電気信号によりソレノイ
ド２２を作動して、これに一端部を取付けたばね
２３を介して取付けた揺動部材２０を基端部を支
点としてその先端部のカム部２１を下降させ、そ
の揺動部材２０の先端部のカム部２１に当接して
いる第２揺動レバー１３の下端部に取付けた突起
１２が下方に下がり、確動カム１６の段違いの長
径部分の長孔１９ｂに移動し、短径部分の長孔１
９ａの下端部の係合部２４より離脱して長孔１９
ｂの係合部２５に係合し、突起１２を取付けた第
２揺動レバー１３を確動カム１６の揺動によつて
下方に下げ、この第２揺動レバー１３の上端部に
先端部をピン１４を介して枢支した第１揺動レバ
ー１１を時計方向に回動させ、これの基端部を固
着した着肉ローラ着脱カム軸６をこれにともなつ
て同時に時計方向に回動して、この着肉ローラ着
脱カム軸６に取付けた着肉ローラ着脱カム５がロ
ーラ４との接触部を短径部分より長径部分に移動
させてローラ４を具えた揺動杆３を上方に押上げ
てこの揺動杆３を基端部を支点として反時計方向
に回動させて、この揺動杆３の先端部に枢支した
着肉ローラ２をプレートシリンダ１より離脱され
ることとなる（第１図鎖線の状態）。

以上のような操作を順次繰返して行なつて着肉
ローラ２とプレートシリンダ１との着脱を行なう
こととなる。

この発明は上記のように構成したので、電気信
号によりソレノイドを作動し、これに連結された
カム機構を作動させて、軽い作動力でもつて着肉
ローラをプレートシリンダに着脱させることとな
り、作動力を著しく軽減することができるととも
に機械を自動化させることが可能となり、かつ既
存の印刷機にも簡単に組込むことが可能であるの
に加えて、構成が著しく簡単であつて、迅速かつ
確実に作動させることができて故障の少ない製品
を安価に供給することができるなどの優れた効果
を有するものである。

なお上記実施例において確動カム１６に設けた
長孔１９ａ，１９ｂは着肉ローラ着脱カム軸６よ
りの距離を長孔１９ａを短径にし、また長孔１９
ｂを長径にしたものについて述べているが、これ
に限定するものではなく、長孔１９ａを長孔１９
ｂより長径にして長孔１９ａの外側に長孔１９ａ
を形成するようにしてもよく、これにより第２揺
動レバー１３の突起１２に係合するカム部２１を
設けた揺動部材２０などを逆向きに設けることに
より同一の機能をもたせることができ、また確動
カム１６の揺動角度αは円盤１７のコロ１８を回
転中心からの距離を変更することにより、適宜の
角度とすることができ、これにともなつて上方の
長孔１９の大きさも同様に適宜の大きさにし、着
肉ローラ着脱カム５の回動角度を調整するもので
ある。さらに揺動部材２０に代えて第２揺動レバ
ー１３の下端部に取付けた突起１２を移動させる
機構であれば適宜のものが使用できることは言う
までもなく、しかも確動カム１６の長孔１９ａ，
１９ｂとすることなく、これと同じ形状をなす溝
を形成してこの溝内に突起１２を嵌合し、カム部
２１を先端部に具えた揺動部材２０を確動カム１
６と第２揺動レバー１３との間に配置するように
してもよいことは言うまでもない。さらに着肉ロ
ーラ着脱カム軸６に基端部を固着した第２揺動レ
バー１３の先端部にシリンダ等の作動部材を直接
取付けて作動部材により直接第２揺動レバー１３
を揺動させて着肉ローラ着脱カム軸６を回動させ
て着肉ローラ２とプレートシリンダ１との着脱を
行なうようにしてもよいことは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレートシリンダと着肉ローラとの原
理を示す概略説明図、第２図ａ，ｂはこの発明に
よる着脱装置の実施例のそれぞれプレートシリン
ダと着肉ローラとが離脱している状態を示す正面
図、第３図ａ，ｂはそれぞれプレートシリンダと
着肉ローラとが接触している状態を示す正面図、
第４図は復帰状態を示す正面図である。 １……プレートシリンダ、２……着肉ローラ、
３……揺動杆、４……ローラ、５……着肉ローラ
着脱カム、６……着肉ローラ着脱カム軸、１０…
…着脱装置、１１……第１揺動レバー、１２……
突起、１３……第２揺動レバー、１４……ピン、
１５……長孔、１６……確動カム、１７……円
盤、１８……コロ、１９ａ，１９ｂ……長孔、２
０……揺動部材、２１……カム部、２２……ソレ
ノイド、２３……ばね、２４……係合部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基端部を機枠に枢支し、かつ先端部に着肉ロ
   ーラを具えた揺動杆を、軸に取付けたカムにより
   その先端部の着肉ローラをプレートシリンダに当
   接、離脱するようにした印刷機において、前記軸
   に第１揺動レバーのの基端部を固着し、この第１
   揺動レバーの先端に、先端に突起を設けた第２揺
   動レバーの基端部を枢支し、前記軸には下方にそ
   の中心線が前記軸の中心を通る直線状長孔を有す
   る確動カムの上部が枢支され、この確動カムの長
   孔に常時回転円盤の側面に設けたコロが摺嵌し
   て、回転円盤の回転によつて確動カムは揺動し、
   また確動カムの上部には前記軸の中心を中心とし
   て、その中心からの距離が異り、かつ相互に連通
   している内外側円弧状長孔が設けられ、この内外
   側円弧状長孔に第２揺動レバーの側部に設けた突
   起が摺動可能に嵌合し、この突起には機枠に回動
   可能に枢支した揺動部材の先端のカム部のカム面
   が当接し、この揺動部材にばねを介して作動部材
   が連結され、この作動部材の不作動時には揺動部
   材が下方に位置して第２揺動レバーの突起は確動
   カムの外側円弧状長孔に嵌入し、作動部材の作動
   時には揺動部材が上方に回転して、そのカム部に
   より第２揺動レバーの突起は内側円弧状長孔に移
   動して嵌入し、第２揺動レバーの突起が確動カム
   の外側円弧状長孔に嵌入した際は、確動カムが揺
   動しても第２揺動レバーが揺動することなく、第
   ２揺動レバーの突起が確動カムの内側円弧状長孔
   に嵌入した際は、確動カムが揺動すると、それが
   第２揺動レバーに伝達されて第２揺動レバーも揺
   動することを特徴とする着肉ローラの着脱装置。