JPH03107564A - エンジンの鍛造ピストン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、エンジン、特に２サイクルエンジンに用いら
れる鍛造ピストンに関するものである。

（発明の背景） エンジンのピストンは軽量化することが望ましく、その
ためにピストンの内面あるいは外面に開０する肉取り用
の凹部あるいは孔を形成したものが種々提案されている
。しかしピストンの上下動により掃気ポートおよび排気
ポートを開閉する２サイクルエンジンでは、ピストンの
外周面にこのような軽量化の為の凹部や孔を開口させる
場合には、掃・排気ポートとの干渉に配慮する必要があ
るため凹部や孔の大きさに制限が生じ、軽量化の効果が
十分得られないという問題があった。またこの凹部や孔
はシリンダにより閉じられて閉空間を形成することにな
るため、ピストンの冷却性の点からも望ましくない。

一方２サイクルエンジンでは、通常ピストンには圧縮方
向の圧力が引っ張り方向の力に比べて著しく大きくなる
。このためこのピストン圧縮方向の力に対する強度を太
き（確保しつつ軽量化を図ることが必要になる。

（発明の目的） 本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、軽
量化のための孔と掃・排気ポートとの干渉が起りにくく
することができ、冷却性が良好であり、またピストン圧
縮方向の強度を大きく確保しつつピストンの大幅な軽量
化が可能な、２ザイクルエンジン用の鍛造ピストンを提
供することを目的とするものである。

（発明の構成） 本発明によればこの目的は、ピストン内底からピストン
スカート下縁に向って延びる一対の縦長のピンボス部を
ピストン内面に備え、前記両ピンボス部にピストンピン
を貫通支持するピン孔を設けたエンジンの鍛造ピストン
において、前記ピンボス部には前記ピン孔とピストン内
底との間にあって前記ピン孔に平面視ほぼ直交してピス
トン内面に開口する肉取り孔を設けたことを特徴とする
エンジンの鍛造ピストンにより達成される。

ここに肉取り孔は、ピストン外周面からピンボス部に進
入するドリル孔により形成することができ、この場合ド
リル孔はピストン外周面に開口したままであっても、ま
たこのドリル孔を溶接などにより塞いでもよい。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例を一部断面した正面図、第２
図はそのＩＩ　−ＩＩ線で一部を断面した側面図、第３
図は平面図である。

この図においてピストンｌＯはアルミ合金の鍛造により
作られ、その外周面上部にはピストンリングが係合する
リング溝１２が切削加工により形成されている。ピスト
ン１０の内面にはピストン内底１４からピストンスカー
ト１６の下縁に向って延びる一対の縦長のピンボス部１
８．１８が対称位置に形成されている。このピンボス部
１８．１８にはピン孔２０．２０が同一軸線上に形成さ
れ、このピン孔２０．２０に挿入されたピストンピン（
図示せず）にコンロッド（図示せず）が支持される。

２２．２２はピンボス部１８．１８に機械加工により形
成した肉取り孔であり、ピン孔２０とピストン内底１４
との間でピン孔１．１８に平面視直交しかつ水平に位置
している（第３図）。またこの肉取り孔２２はピンボス
部１８の厚さ、すなわちピン孔２０の長さ方向の中間付
近に位置する。この肉取り孔２２は、ピストン１０の外
周からこの外周を貫通してドリルの刃をピンボス部１８
に到達させることによって形成する。この時ピストン１
０の外周に開口するドリル孔２４は、溶接による肉盛り
部２６によって塞がれる。この結果ピンボス部１８を横
断し両端がピストン１０の内部に開口する肉取り孔２２
が形成される。

従ってエンジンの運転中においては、クランク室（図示
せず）内の潤滑オイルがこの肉取り孔２２に流入・出し
、ピストンｌＯの冷却性が向上する。

このように肉取り孔２２をピンボス部１８にピン孔２０
にほぼ直交するように形成した結果、ピン孔２０は、そ
の両端の上部が２つの壁２８．３０により支持されるこ
とになる。このように２つの壁２８．３０はピン孔２０
の剛性、特にピストン圧縮方向の力に対する強度を十分
に大きく確保することができる。

この実施例では、ドリル孔２４を溶接により塞いでいる
ので、ドリル孔２４が掃・排気ポートと干渉することが
ない。しかし本発明は、このトリク孔２４を塞がずに開
けたままのものであってもよい。この場合比較的小径の
ドリル孔２４との干渉を避けるように掃・排気ポートを
形成すればよく、設計による対応が容易である。

第４図は第２の実施例を一部断面した正面図である。前
記第１〜３図の実施例は肉取り孔２２がピンボス部１８
を貫通してその両端がピストンｌＯの内部に開口してい
るが、この第４図の実施例のピストンＩＯＡでは肉取り
孔２２Ａはその一端のみがピストンＩＯＡ内部に開口し
ている。またピストンＩＯＡ外周に開口する孔２４Ａは
溶接により形成した肉盛り部２６Ａで塞がれている。

第５図は第３の実施例を一部断面して示す正面図である
。この実施例はピストンＩＯＨの外周にドリル孔を明け
ることなく、スカート１ｂの下方からピンボス部１８の
ピン孔２０と内底１４との間に向って斜めにドリルを進
入させることにより、肉取り孔２２Ｂを形成したもので
ある。この実施例によれば、ピストン外周にドリル孔が
形成されないので、ドリル孔と掃・排気ボー］・どの干
渉を考慮する必要がなく、ドリル孔を溶接により塞ぐ作
業も不要である。なおこの肉取り孔２２Ｂは、各ピンボ
ス部１８に１つ設けるものに限らず、仮想線で示すよう
に他の肉取り孔２２Ｃを同様に形成し、両者２２Ｂ、２
２Ｃをピンボス部１８内で連通さぜるようにしてもよい
。また肉取り孔２２Ｂと前記第１〜４図に示した肉取り
孔２２．２２Ａとを組合せてもよい。

なお第４〜５図においては第１〜３図と同一部分に同一
符号を付したのでその説明は繰り返さない。

肉取り孔を正面図４．５図等においてピン孔２０に対し
て左右非対称に形成する場合には、エンジンの爆発行程
で圧縮力が加わらない側に肉取り孔を形成するのが望ま
しい。例えば爆発行程で第５図のようにコンロッド３２
がピン孔２ｏの右側に位置する場合には、ピン孔２ｏに
は左上方向への圧力が加わるから、右側に肉取り孔２２
Ｂを形成するのが望ましい。また肉取り孔は、前記各実
施例のようにピン孔２０に連通させないのがピンボス部
１８の剛性向上の点からは望ましいが、本発明はこれを
連通させたものを含む。

（発明の効果） 本発明は以上のように、ピストン内面にピンボス部を縦
長に突設した鍛造ピストンにおいて、このピンボス部に
ピン孔とピストン内底との間にあってピン孔にほぼ直交
しかつピストン内面に開口する肉取り孔を設けたもので
あるから、ピン孔は肉取り孔の両側に形成される２つの
壁によってその上方が支持されることになり、ピン孔の
十分な強度を確保しつつピストンの大幅な軽量化が可能
になる。また、肉取り孔にはクランク室内の潤滑オイル
や混合気が流出・入するからピストンの冷却性が向上す
る。また肉取り孔を形成する際にドリル孔などがピスト
ン外周面に形成されたとしても、その面積は小さくでき
るから掃・排気ボートとの干渉を避けるのは容易であり
、このドリル孔を溶接などによって塞げば、このような
干渉も全く配慮する必要がなくなる。

４、

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を一部断面した正面図、第２
図はそのＩＩ　−ＩＩ線で一部を断面した側面図、第３
図は平面図である。第４図は第２の実施例を一部断面し
た正面図、第５図は第３の実施例の正面図である。 １０、ＩＯＡ、ＩＯＢ・・・ピストン、１４・・・ピス
トン内底、 １６・・・ピストンスカート、 ］８・・・ピンボス部、 ２２．２２Ａ〜Ｂ・・・肉取り孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ピストン内底からピストンスカート下縁に向って延びる
   一対の縦長のピンボス部をピストン内面に備え、前記両
   ピンボス部にピストンピンを貫通支持するピン孔を設け
   たエンジンの鍛造ピストンにおいて、 前記ピンボス部には前記ピン孔とピストン内底との間に
   あって前記ピン孔に平面視ほぼ直交してピストン内面に
   開口する肉取り孔を設けたことを特徴とするエンジンの
   鍛造ピストン。