JP2580164Y2 - 2サイクルエンジンのピストン - Google Patents

2サイクルエンジンのピストン

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JP2580164Y2
JP2580164Y2 JP1993036971U JP3697193U JP2580164Y2 JP 2580164 Y2 JP2580164 Y2 JP 2580164Y2 JP 1993036971 U JP1993036971 U JP 1993036971U JP 3697193 U JP3697193 U JP 3697193U JP 2580164 Y2 JP2580164 Y2 JP 2580164Y2
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JP
Japan
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piston
pin hole
side relief
pin
stroke engine
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隆英 辰巳
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は2サイクルエンジンのピ
ストンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンは、図3に示すよう
な構成のものが良く知られている。図3において、11
はシリンダ、12はシリンダヘッド、13は燃焼室であ
る。14はシリンダ11内を上下移動するピストン、1
5はピストン14とコンロッド(図示せず)を連結する
ためのピストンピンである。シリンダ11の周面におい
て、ピストン14の下死点の直上位置の周方向適当箇所
に排気ポート16が設けられ、排気ポート16とシリン
ダ11の中心を結ぶ方向に対してその両側に2対の掃気
ポート17、18が設けられ、さらに排気ポート16に
対向してブースタポート19が設けられている。これら
掃気ポート17、18及びブースタポート19は排気ポ
ート16とは反対側で単一の掃気入口部(図示せず)に
連通し、この掃気入口部を介して掃気ポンプ(図示せ
ず)に接続されている。
【0003】ピストン14は、図2に示すように、ピス
トン本体22の内周に一対のボス部23が突出形成さ
れ、これらのボス部23を貫通するようにピン穴24が
形成されている。ピン穴24のピストン本体22の外周
から適当距離の位置には環状溝26が形成され、この環
状溝26に係合させたサークリップ27にてピン穴24
に挿入嵌合したピストンピン15の抜け出しが防止され
ている。
【0004】さらに、ピン穴24の内周面には、図2
(b)に詳細に示すように、ピン穴24の軸芯を通る垂
直方向の中心線Oに対して両側に、潤滑と応力緩和のた
めに一対のサイドリリーフ28が凹設されている。この
サイドリリーフ28は、ピン穴24の軸芯を通る水平方
向の中心線から上方に20°〜30°の位置を中心にし
て15°〜25°程度の幅の断面円弧形状に、かつピン
穴24を軸芯方向に貫通して形成されている。
【0005】ピン穴24にこのようなサイドリリーフ2
8を設けることにより、潤滑油溜めとして機能してピン
穴24とピストンピン15の潤滑が円滑に成されるとと
もに、エンジン動作中のピストンピン15の変形がこの
サイドリリーフ28にて許容されることにより、ピスト
ンピン15とピン穴24の間に作用する過大な応力を緩
和することができる。
【0006】なお、実公昭61−21560号公報に
は、ピン穴の内周面に、ピストン本体の外周より内方に
向かう油溝を形成し、潤滑油を効率よくピン穴周面に送
るようにしたものが開示されている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところで、2サイクル
エンジンの掃気効率を上げるために、図3における掃気
ポート17又は18の開口面積を増加すると、ピストン
14の上下動作時にピストンピン15のピン穴24と掃
気ポート17又は18とが重なるようになり、掃気流が
サイドリリーフ28を通ってピストン14内に流入し、
クランクケース側に流出することになる。その結果、掃
気流によってサイドリリーフ28内の潤滑油が吹き飛ば
されて潤滑油不足をもたらし、ピストンピン15の焼付
発生頻度が高くなったり、また掃気流のクランクケース
への流出により見掛け上のブローバイガスが増大するな
どの問題が発生する。
【0008】なお、上記公報によれば、油溝がピン穴を
貫通して形成されていないのでこのような問題は生じな
いが、エンジン作動時にピストンピンがその外側端を支
点にして変形することによってピン穴のピストン内側部
分に特に過大な応力が発生するという問題があり、潤滑
面でも厳しい条件となるという問題がある。
【0009】本考案は、このような従来の問題点に鑑
み、掃気流がサイドリリーフを通ってクランクケース内
に流れ、ブローバイガスが増加したり、潤滑油が吹き飛
ばされて潤滑不良を生じたりすることがなく、かつエン
ジン作動時にピン穴のピストン内側部分に生じる過大な
応力を緩和できる2サイクルエンジンのピストンを提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案は、ピストン本体
の内周に一対のボス部を突出形成し、これらのボス部を
貫通するピン穴を形成し、ピン穴の内周面にサイドリリ
ーフを凹設した2サイクルエンジンのピストンにおい
て、ピン穴軸芯を通る垂直方向の中心線に対して両側
に、ピン穴軸芯方向にピン穴のピストン内側端からほぼ
中間部までの範囲にわたって形成されると共に、ピン穴
周方向にピン穴軸芯を通る水平方向の中心線より上方の
位置を中心位置として40°以上の角度範囲にわたって
形成されるサイドリリーフを備えたことを特徴とする。
【0011】
【作用】本考案によれば、サイドリリーフをピン穴のピ
ストン内側端から軸芯方向のほぼ中間部までの範囲に形
成しているので、ピストンピン及びピン穴の外周端が掃
気ポートを横切っても掃気流がサイドリリーフを通って
ピストン内に流入することはなく、従って掃気流にて潤
滑油が吹き飛ばされ、潤滑油不足によって潤滑不良を生
じるというようなことはなく、また見掛けのブローバイ
ガス量が増加するということもない。さらに、エンジン
作動時にはピストンピンがその外側端を支点にして変形
するため、ピン穴のピストン内側部分に特に過大な応力
が発生し、潤滑面でも厳しい条件となるが、この部分、
すなわちピン穴軸芯を通る水平方向の中心線より上方の
位置を中心位置として40°以上の角度範囲となる部分
に、サイドリリーフを形成しているので、過大な応力を
確実に緩和できて強度的な安全率が向上するとともにピ
ストンピンの焼付を防止することができる。
【0012】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図1を参照して説
明する。なお、本実施例のピストンが適用される2サイ
クルエンジンの全体構成は、従来例について図3を参照
して説明したものと同一であり、その説明を援用してこ
こでの説明は省略する。
【0013】図1に示すピストン1において、底部を上
向きにした有底筒状のピストン本体2の内周に一対のボ
ス部3が突出形成され、これらのボス部3を貫通してピ
ストンピンを挿通嵌合するピン穴4が形成されている。
ピン穴4のピストン本体2の外周から適当距離の位置に
は環状溝6が形成され、この環状溝6にサークリップ
(図示せず)を係合させることによってピストンピンの
抜け出しを防止するように構成されている。
【0014】そして、ピン穴4の内周面には、図1
(b)に示すように、ピン穴4の軸芯を通る垂直方向の
中心線Oに対して両側に、潤滑と応力緩和のために一対
の砲弾形状のサイドリリーフ8が凹設されている。この
サイドリリーフ8は、ピン穴4の軸芯方向にはピン穴4
のピストン内側端からほぼ中間部までの範囲に形成さ
れ、ピン穴4の周方向にはピストン内側端においてピン
穴軸芯を通る水平方向の中心線より下方位置から上方に
40°以上の角度範囲、好適にはピン穴4の軸芯を通る
水平方向の中心線より上方に20°〜30°(A°)の
位置を中心にしてその上下両側に20°〜35°(B
°)の範囲にわたって形成されている。
【0015】以上の構成によると、サイドリリーフ8を
ピン穴4のピストン内側端から軸芯方向のほぼ中間部ま
での範囲に形成しているので、ピストンピン及びピン穴
4の外周端が掃気ポートを横切っても掃気流がサイドリ
リーフ8を通ってピストン1内に流入することはない。
従って、掃気流にてサイドリリーフ8内に保持されてい
る潤滑油が吹き飛ばされ、潤滑油不足によって潤滑不良
を生じるというようなことはなく、また見掛けのブロー
バイガス量が増加するということもない。
【0016】さらに、エンジン作動時にはピストンピン
はその外側端を支点にして変形するため、ピン穴4のピ
ストン内側部分に特に過大な応力が発生し、潤滑面でも
厳しい条件となるが、この部分に周方向に40°以上の
広い角度範囲にわたってサイドリリーフ8を形成してい
るので、過大な応力を確実に緩和できて強度的な安全率
が向上するとともにピストンピンの焼付を防止すること
ができる。
【0017】
【考案の効果】本考案の2サイクルエンジンのピストン
によれば、以上のようにサイドリリーフをピン穴のピス
トン内側端から軸芯方向のほぼ中間部までの範囲に形成
しているので、掃気流がサイドリリーフを通ってピスト
ン内に流入することはなく、従って掃気流にて潤滑油が
吹き飛ばされ、潤滑油不足によって潤滑不良を生じると
いうようなことはなく、また見掛けのブローバイガス量
が増加するということもなく、さらにエンジン作動時に
ピストンピンがその外側端を支点にして変形しても、ピ
ン穴のピストン内側の過大な応力が発生し潤滑面で厳し
い条件となる所定部分にサイドリリーフを形成している
ので、この所定部分に発生する過大な応力を確実に緩和
でき、強度的な安全率が向上するとともにピストンピン
の焼付を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例における2サイクルエンジン
のピストンを示し、(a)は縦断正面図、(b)は
(a)のI−I矢視図である。
【図2】従来例における2サイクルエンジンのピストン
を示し、(a)は縦断正面図、(b)は(a)のII−II
矢視図である。
【図3】2サイクルエンジンの概略構成を示し、(a)
は縦断正面図、(b)は(a)のIII −III 矢視横断平
面図である。
【符号の説明】
1 ピストン 2 ピストン本体 3 ボス部 4 ピン穴 8 サイドリリーフ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン本体の内周に一対のボス部を突
    出形成し、これらのボス部を貫通するピン穴を形成し、
    ピン穴の内周面にサイドリリーフを凹設した2サイクル
    エンジンのピストンにおいて、ピン穴軸芯を通る垂直方
    向の中心線に対して両側に、ピン穴軸芯方向にピン穴の
    ピストン内側端からほぼ中間部までの範囲にわたって形
    成されると共に、ピン穴周方向にピン穴軸芯を通る水平
    方向の中心線より上方の位置を中心位置として40°以
    上の角度範囲にわたって形成されるサイドリリーフを備
    えたことを特徴とする2サイクルエンジンのピストン。
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