JPH0310562B2 - - Google Patents

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JPH0310562B2
JPH0310562B2 JP58080061A JP8006183A JPH0310562B2 JP H0310562 B2 JPH0310562 B2 JP H0310562B2 JP 58080061 A JP58080061 A JP 58080061A JP 8006183 A JP8006183 A JP 8006183A JP H0310562 B2 JPH0310562 B2 JP H0310562B2
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JP
Japan
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boron nitride
nitride
sample
present
metal
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JP58080061A
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JPS59207811A (ja
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Hiroyuki Nakae
Toshiaki Matsuda
Naoki Uno
Yukio Matsunami
Takeshi Masumoto
Toshio Hirai
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は金属窒化物を含有する性質の改善され
た窒化ホウ素に関するものである。 窒化ホウ素は耐熱性、化学的安定性、耐熱衝撃
性、電気絶縁性などに極めて優れているため、電
気絶縁材、固体潤滑材、ルツボ等の工業材料用に
多用されている。特に化学気相析出法により製造
された窒化ホウ素は高品質のため非常に高価であ
るにもかかわらず、化学実験用ルツボや半導体も
しくは特殊合金製造用ルツボとしての用途が拡大
している。 しかし、化学気相析出法によつて製造した窒化
ホウ素は基板面と平行にそのC面{(002)面}が
配向するために、特に層はく離性が顕著であり、
その使用にあたつては外部からの機械的刺激に対
して細心の注意が必要であつた。また、はく離に
至らないまでも表面からの押圧により内部に層方
向に平行にクラツクが発生し支障をきたすことも
少なくない実状にあつた。 本発明者らはこのような気相析出法窒化ホウ素
の欠点を改善する方法を検討した結果、気相析出
合成中においてホウ素以外の金属窒化物を少量添
加、含有せしめると、このような層はく離が低減
もしくは解消されることを見出し、本発明に到達
した。 本発明は、気相析出法により合成され、乱層構
造もしくは六方晶窒化ホウ素と2重量%以上10重
量%未満の割合で含有された金属窒化物とからな
ることを特徴とする層はく離性の改善された窒化
ホウ素組成物。である。 本発明において、窒化ホウ素に固有ともみなさ
れてきた層状はく離性を低減もしくは解消せしめ
る作用が発現される理由は、その微細組織の構造
に起因していると考えられる。そして、この構造
は気相析出法の特徴をたくみに生かすことによつ
て現出したものである。即ち、気相析出法では、
気体から中間生成物を経由してもしくは経由する
ことなく、固体表面に固相を析出させるプロセス
をとるため、極めて微細な分散組織を有する複合
セラミツクスを製造できる。この場合、マトリツ
クス相を形成するに至る分子種(本発明では窒化
ホウ素分子)と分散相を形成するに至る分子種
(金属窒化物分子)は共析出する。粉末焼結法に
よる複合体に比べて分散相の大きさは極めて微細
でありまたその均一性は極めて高いものとなる。
原理的には分子オーダーの複合化も可能である。
そのため予想もできない新規な性質が現出するの
である。 さて、本発明窒化ホウ素の組織構造について
は、その密度挙動からみて、多結晶窒化ホウ素相
に存在する各種のボイド(例えば窒化ホウ素の微
結晶など微小粒界部に存在するボイド)部分へ窒
化物相が侵入している構造をとつていると推定さ
れる。 本発明において、金属窒化物としては例えば次
の如きものである。即ち、Si3N4、AlN、TiN、
Be3N2、GeN、HfN、TaN、Ta2N、CrN、
Cr2N、Mo2N、YN、ThN、Ba3N2、Sr3N2
VN、NbN、ZrNなどである。TiN、VN、NbN
及びZrNなどのように一定の量論組成を示さない
ものも含まれる。窒化ホウ素のもつ耐熱性を損な
わないためには1500℃以上の融点をもつ窒化物が
好ましい。 金属窒化物の含有量は2重量%以上10重量%未
満である。下限値より少ないと層はく離性改善の
効果が発揮されなくなり、また上限値をこえると
窒化ホウ素自体の性質が弱められ窒化物の性質が
現われてくるからである。金属窒化物の種類によ
り最適量は若干異なるが、これは目的、用途に応
じて選定すればよいことである。また、これらの
含有割合は化学分析等による元素定量にもとずい
て決定される。 層はく離性の改善された窒化ホウ素は、
Si3N4、TiN、AlN中でもSi3N4を金属窒化物と
して含有する場合に特に好適である。耐熱性、機
械的性質、電気絶縁性にすぐれ窒化ホウ素の諸性
質を低下せしめないからである。一方、窒化物の
種類を選ぶことによつて、窒化ホウ素本来の性質
を損うことはなく層はく離性を改善し、加えて添
加した窒化物の有する性質を付加できることは当
然である。例えば、TiNの場合には熱伝導性や
電気伝導性を、またAlNの場合には圧電特性を
具備する窒化ホウ素を与える。 窒化ホウ素の相構造も重要な因子である。基本
的には非晶体と結晶体とを問わない。つまり層は
く離性は非晶質の場合にもありうる。しかし、い
わゆる乱層(turbostratic)構造の窒化ホウ素か
ら六方晶(hexagonal)構造の窒化ホウ素を含む
層組織の発達した窒化ホウ素の場合程本発明の効
果が顕著に発揮される。従つて本発明における窒
化ホウ素は乱層構造の窒化ホウ素もしくは六方晶
の窒化ホウ素とする。X線回析パターンの(002)
面のピーク角度(2θ)で示すとき:2θ=23〜26.7
好ましくは2θ=25〜26.7の範囲にあるような窒化
ホウ素である。 一方、添加金属窒化物の相構造については非晶
質、結晶質のいずれでもよいが、高温安定構造が
好ましい。例えば、Si3N4の場合非晶質に加えα
型結晶、β型結晶の結晶相が知られているが、高
温安定型であるβ型結晶が最も好ましい。 本発明の窒化ホウ素組成物の最大の特徴はその
層はく離性が減少していることであるが、その他
にも表面硬度の向上、耐湿性の向上にも顕著な改
善効果を示している。特に後者は非晶質窒化ホウ
素もしくは高度な乱層構造を示す窒化ホウ素をマ
トリツクスとする場合にその効果が著しいもので
ある。 さて、本発明の窒化ホウ素組成物の製造法の一
例につき述べる。合成用原料としては、例えば、
次の如きものを用いる。ホウ素源化合物として
は、BCl3などのハロゲン化物、B2H6などの水素
化物、B2O3などの酸化物系化合物、B3N3H6(ボ
ラジン)やB3N3H3Cl3(B−trichloroborazole)
などの含窒素硼素系化合物;窒素源化合物として
はN2、NH3、尿素などを用いる。また、金属窒
化物を構成する金属源化合物としては、SiCl4
TiCl4、AlCl3など金属塩化物、SiH4などの水素
化物、金属アルミニウムなどの金属粉末を用い
る。液体原料の場合には、H2などのキヤリアガ
スによるバブリング方式で気化させる。固体の場
合には所望の蒸気圧を有する温度に加熱する。ま
た、金属を塩素ガス等と反応させて気体化する場
合もある。 反応はキヤリアガスとしてH2、Arなどを流し
通常減圧炉中で行なう。また温度は1000〜2000℃
が普通であり、基板をこの温度に加熱する。基板
としては、グラフアイト、石英、シリコン、ニツ
ケルやモリブデンなどの金属などが用いられる。 本発明の窒化物含有窒化ホウ素を製造する際に
は、窒素源過剰の条件で行なうことが好ましい。
窒化ホウ素結合は極めて強固であるから速やかに
窒化ホウ素生成に至る。そのため窒素源が不十分
になる場合には金属窒化物の金属が遊離状態で窒
化ホウ素マトリツクス中に含まれることになり、
化学的熱的に極めて劣る材料を与えることになる
からである。 本発明においては、上記のような化学気相析出
法が最も好ましい製造法であるが、各種の気相合
成法は全て適用可能である。スパツター法やイオ
ンプレーテイング法を含むいわゆる物理的気相析
出法、プラズマ等を応用した各種化学気相析出法
など気相系から固体を作製する方法は適宜選定し
使用できる。 本発明の窒化ホウ素組成物はその用途に応じて
種々の形態を適宜にとりうる。即ち、膜状、板
状、成形物などいずれも可能である。例えば、ル
ツボ等の成形物を直接析出法で作ることも可能で
あるし、保護膜としてのコーテイングとすること
も可能である。本発明の窒化ホウ素組成物は、耐
熱性、耐蝕性、熱衝撃抵抗性などの特徴を生かし
て、溶融塩や腐蝕性ガスに対する保護膜、電気絶
縁材料や半導体関連材料として電気・電子工学用
途、板、管、フエルト状やフアイバー状として高
温断熱材用途等に多用されるものである。 実施例 1 BCl3、NH3およびSiCl4を原料とし、H2をキヤ
リアガスとして化学気相析出用減圧炉に導入し
た。それぞれのガス流量は下記のとおりであつ
た。 BCl3……150ml/min NH3……120ml/min SiCl4……20ml/min H2……300ml/min なお、SiCl4はキヤリアガスをバブリングする
方法で気化させた。これらのガスを減圧炉内中央
部に設けた、1800℃に加熱した黒鉛基板面に吹き
つけた。真空排気系の圧力調整コツクの開閉を調
節して炉内圧力を約10Torrに保持した。 以上の条件で約3時間析出させた後、ガス導入
と基板加熱をやめ、炉内を真空排気、冷却した。 冷却完了後表面に析出物が付着している黒鉛基
板を取り出し、析出物を基板からはがし、切断研
磨して8×15×0.7mmの板状試料を得た。 この試料は、4.2重量%のSi3N4をβ−結晶とし
て含む乱層構造の窒化ホウ素組成物であつた。 比較例 1 SiCl4を全く添加しなかつた以外は上記実施例
1と同一の条件で窒化ホウ素を析出させ試料を得
た。 上記実施例1によつて得た試料と比較例1によ
つて得た試料について、密度、元素分析、X線回
析について測定した結果を第1表に示す。 ただし、層はく離性は、試料をエポキシ樹脂に
埋め込み、研磨して、厚み方向を面出したのち、
微小硬度計を用いてダイアモンド圧子を荷重
500grで15秒間押圧した結果である。
【表】 第1図は実施例1の製品の層はく離性を示し、
第2図は比較例1の製品の層はく離性を示す顕微
鏡写真である。これら図面に示されているとお
り、比較例の試料では、層方向に無数のクラツク
が発生して層はく離性が極めて著しいのに対し
て、この発明の実施例の試料では全くクラツクの
発生は認められず、層はく離性が著しく低減して
いることがわかる。 実施例 2 実施例1と同様にして9.5重量%のSi3N4をβ型
結晶として含有する乱層構造の窒化ホウ素組成物
試料を作成した。ただし、黒鉛基板の加熱温度を
1600℃とし、また、SiCl4の流量は100ml/minと
した。 比較例 2 実施例2においてSi3N4を全く添加しなかつた
以外は同一の条件で窒化ホウ素を析出させ試料を
得た。 上記の実施例2および比較例2によつて得た試
料について上記と同様の評価を行なつた。ただし
層はく離性評価における押圧荷重は300grとした。
結果を第2表に示す。
【表】
【表】 第3図は実施例2の製品の層はく離性を示し、
第4図は比較例2の製品の層はく離性を示す顕微
鏡写真である。これら図面に示されているとお
り、比較例の試料では、層方向に無数のクラツク
が発生して層はく離性が極めて著しいのに対し
て、この発明の実施例の試料では全くクラツクの
発生は認められず、層はく離性が著しく低減して
いることがわかる。 実施例 3 実施例1と同様な装置によつてTiN含有窒化
ホウ素組成物を化学気相析出法により作製した。
この場合は基板温度を1800℃とし、キヤリアーガ
スとしてはN2を用いた。Ti源としてはTiCl4を用
い、BCl3およびNH3は実施例1と同様であつた。 得られた析出物の密度は2.07gr/cm3、TiN含有
量2.5重量%であつた。窒化ホウ素マトリツクス
の(002)面の2θ角度のピークは26.0°であり、か
なり六方晶構造に近いものであつた。この試料に
ついて実施例1と同様の層はく離性を試験したと
ころ、若干のクラツクが認められたが、比較例の
窒化ホウ素試料に比較して格段に少なかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の試料の、第2図は比較例1
の試料の、第3図は実施例2の試料の、第4図は
比較例2の試料のそれぞれ結晶の構造を示す顕微
鏡写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 気相析出法により合成され、乱層構造もしく
    は六方晶窒化ホウ素と2重量%以上10重量%未満
    の割合で含有された金属窒化物とからなることを
    特徴とする層はく離性の改善された窒化ホウ素組
    成物。
JP58080061A 1983-05-10 1983-05-10 層はく離性の改善された窒化ホウ素組成物 Granted JPS59207811A (ja)

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JP2006216897A (ja) 2005-02-07 2006-08-17 Toshiba Corp 半導体装置及びその製造方法
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58145665A (ja) * 1982-02-24 1983-08-30 平井 敏雄 透光性Si―N―B系非晶質材料およびその製造方法

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