JPH0297603A

JPH0297603A - ケイ素鉄合金粉末、その製造方法および圧粉コア

Info

Publication number: JPH0297603A
Application number: JP63250536A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Cho; 勤長; Masao Shigeta; 重田　政雄; Kazuhiko Shibata; 和彦柴田
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1988-10-04
Filing date: 1988-10-04
Publication date: 1990-04-10

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本発明は、扁平状のケイ素鉄合金粉末およびその製造方
法と、このケイ素鉄合金粉末を用いた圧粉コアに関する
。

〈従来の技術〉スイッチング電源の出力平滑用、ノイズフィルター用ノ
ーマルモードチョーク等にチョークコイルが利用されて
いる。

チョークコイルとしては、カットコア、フェライトコア
、圧粉コア等が使用されている。

これらのうち、カットコアはギャップ部分で生じる磁歪
振動によりノイズを発生させるという欠点があり、フェ
ライトコアは飽和磁束密度が小さいという欠点がある。

これに対し、センダスト、パーマロイ、アモルファス合
金、ケイ素鉄合金等から形成される圧粉コアは、ギャッ
プのために生じるノイズをなくすことができるうえ、フ
ェライトに比べて飽和磁束密度を大きくできるという利
点がある。　特に、ケイ素鉄合金は、素材コストが安価
であるため、有利である。

一方、圧粉コアの透磁率を大きくするためには、圧粉体
の密度を大きくすると共に粉末のアスペクト比（粒径を
厚さで除した値）を大きくして反磁場の影響を小さ（す
る必要がある。

鉄粉は柔らかいため容易に扁平粉を得ることができるが
、鉄山体の初透磁率が小さいため、アスペクト比を太き
（しても満足できる初透磁率が得られない。

このため、鉄粉にケイ素を添加して得られるケイ素鉄合
金の粉末が用いられる。

〈発明が解決しようとする課題〉しかし、初透磁率を向上させようとしてケイ素添加量を
増加させた場合、ケイ素鉄合金は脆くなるため、振動ミ
ル、転勤ボールミル、スタンプミル等による粉末の扁平
化が困難となり、アスペクト比の大きなケイ鉄合金粉末
を製造することができない。

なお、ケイ素鉄合金を２５戸程度の厚さまで圧延したの
ち粉砕して扁平粉を得ることはできるが、圧延のコスト
が高く、しかもアスペクト比も十分とはならない。

本発明は、上記問題を解決し、飽和磁束密度が太き（、
高周波で大きな透磁率を有し、小型軽量化をはかること
ができる圧粉コアと、このような圧粉コア°を実現する
ケイ素鉄合金粉末およびその製造方法とを提供すること
を目的とする。

く課題を解決するための手段〉このような目的は、下記の本発明によって達成される。

すなわち、本発明は、下記（１）〜（７）である。

（１）扁平状の鉄粉と、ケイ素を含有する粉末およびケ
イ素に対し不活性な無機化合物粉末とを混合し、次いで
熱処理することによりケイ素を鉄粉中に熱拡散させて、
扁平状のケイ素鉄合金粉末を得ることを特徴とするケイ
素鉄合金粉末の製造方法。

（２）前記鉄粉の平均粒径な平均厚さで除した値が５以
上である上記（１）に記載のケイ素鉄合金粉末の製造方
法。

（３）前記無機化合物粉末が、アルミナ粉末またはシリ
カ粉末である上記（１）または（２）に記載のケイ素鉄
合金粉末の製造方法。

（４）上記（１）ないしく３）のいずれかに記載のケイ
素鉄合金粉末の製造方法により得られたことを特徴とす
るケイ素鉄合金粉末。

（５）表面に絶縁層を有する上記（４）に記載のケイ素
鉄合金粉末。

（６）上記（４）または（５）に記載のケイ素鉄合金粉
末と絶縁性粉末とを含有することを特徴とする圧粉コア
。

（７）圧粉後、８００℃以上の温度にて熱処理された上
記（６）に記載の圧粉コア。

以下、本発明の具体的構成を、詳細に説明する。

本発明では扁平状の鉄粉を用いる。　鉄粉の寸法、扁平
の度合いに特に制限はないが、本発明により得られるケ
イ素鉄合金粉末の寸法、アスペクト比は、用いる鉄粉の
寸法およびアスペクト比とほぼ同じになる。　したがっ
て、目的、用途に応じて、適当なケイ素鉄合金粉末が得
られるような形状、寸法を有するアクペクト比の鉄粉を
用いればよい。

例えば、本発明のケイ素鉄合金粉末な圧粉コアに用いる
場合、光回折法を利用した粒度分布測定によって定義さ
れる合金粉末の平均粒径は２０〜２００戸、好ましくは
４０〜１００Ｊ７１！１程度、その平均厚さは５〜２０
μ、好ましくは５〜１５−程度である。

また、平均径（平均短径）を平均厚さで除した値である
アスペクト比は３以上であることが好ましい。　アスペ
クト比が３未満であると反磁場の影響で高い透磁率が得
られず、また、粉末の主面が使用時の磁束方向と平行に
なるように金型へ充填することが困難となる。　なお、
アスペクト比は、好ましくは５〜３０．さらに好ましく
は１０〜２０程度である。　アスペクト比の算出に用い
る平均厚さおよび平均径は、走査型電子顕微鏡により測
定すればよい。

なお、このような理由から、鉄粉のアスペクト比も３以
上であることが好ましい。

扁平状の鉄粉は、粒状のアトマイズ鉄粉を、振動ミル、
転勤ボールミル、スタンプミル等を用いて、扁平状につ
ぶすことにより製造することが好ましい。

このような鉄粉と混合されるケイ素を含有する粉末は、
高純度ケイ素粉末であることが好ましい。

このような粉末の平均粒径は、好ましくは０．１〜３０
ｕ、より好ましくは０．５〜２０μである。　このよう
な粒径範囲であれば、鉄粉との接触面積を大きくするこ
とができる。

このような粉末は、例えば、高純度ケイ素塊を振動ミル
等で粉砕することにより製造することができる。

ケイ素に対し不活性な無機化合物粉末は、熱拡散させる
際の熱処理による鉄粉同士の拡散接合を防止するために
、鉄粉と混合される。

本発明において好ましく用いられる無機化合物粉末は、
金属ないし半金属の酸化物であり、特に、アルミナ粉末
またはシリカ粉末を用いることが好ましい。

無機化合物粉末の平均粒径は、好ましくはｌＯ〜３００
０ｕ、より好ましくは５００〜２０００−である。　こ
のような粒径範囲であれば、鉄粉同士の拡散を低く抑え
ることができる。

また、無機化合物粉末の形状は、鉄粉と接触する表面積
が大きいほど鉄粉同士の拡散の阻止に有利であることか
ら扁平形状が好ましいが、球状あるいは不定形状であっ
てもよい。

本発明では、上記のような鉄粉、ケイ素を含有する粉末
および無機化合物粉末を７字ミキサー等の混合機で混合
し、得られた混合物に熱処理を施す。

混合物中において、ケイ素を含有する粉末の含有量は、
鉄粉に対し０．５〜６．８ｗｔ％、特に１．０〜６．５
ｗｔ％であることが好ましい。

また、無機化合物粉末の含有量は、鉄粉に対し１００〜
５００ｗｔ％、特に２００〜３００ｗｔ％であることが
好ましい。

拡散熱処理時の保持温度は、１０００〜１３００℃、特
に１１００〜１２００℃であることが好ましい。

また、温度保持時間は、３０分〜１０時間、特に２時間
〜５時間であることが好ましい。

そして、熱処理時の雰囲気は、真空あるいは不活性雰囲
気であることが好ましい。

上記のような条件にて熱処理を施すことにより、鉄粉中
にケイ素が拡散し、扁平状のケイ素鉄合金粉末が得られ
る。

ケイ素鉄合金粉末中のケイ素の含有量は、０．５〜６．
８ｗｔ％、特に１〜６．５ｗｔ％であることが好ましい
。　ケイ素含有量が少いと初透磁率が小さくなり、ケイ
素含有量が多すぎると、脆くなり圧粉しにくくなる。

なお、拡散熱処理は、真空焼結炉、不活性ガス雰囲気の
バッチ炉、トンネル炉等を用いて行なうことができる。

以上のようにして得られたケイ素鉄合金粉末な圧粉コア
に用いる場合、粉末は必要に応じて絶縁層で被覆される
。

絶縁層としては、絶縁機能を有する材質であれば特に制
限はな（、水ガラス、シリカコロイド、シランカップリ
ング剤、リン酸亜鉛等を用いることができるが、後述す
る圧粉工程で温間ブレスを用いる場合、耐熱性、絶縁性
、絶縁層の厚さの点から、水ガラス、シリカコロイド等
が好ましく、これらのうち経済性の点で特に水ガラスを
用いることが好ましい。

水ガラスとは、アルカリ−ケイ酸系ガラスの濃厚水溶液
である。

絶縁層の厚さとしては、用いる材質にもよるが、０．１
〜２−程度であることが、充分な絶縁効果が得られ、し
かも圧粉コア中のケイ素鉄合金粉末の充填率を高め、透
磁率を向上させることができるので好ましい。　また、
絶縁層のケイ素鉄合金に対する重量は、０．１〜５ｗｔ
％程度であることが好ましい。

絶縁層被覆後、圧粉を行なう。　圧粉には冷間ブレス、
温間ブレスのいずれも用いることができるが、ケイ素鉄
合金粉末は常温でも塑性変形しやすいことから、量産性
のすぐれた冷間ブレスのほうが有利である。

また、ブレスの圧力保持時間は、１０〜３００秒間程度
、圧力は５〜１５ｔ／Ｃｍ２程度であることが好ましい
。

なお、ケイ素鉄合金粉末を金型に充填する際には、絶縁
性粉末を添加することが好ましい。

用いる絶縁性粉末に特に制限はな（、二硫化モリブデン
、雲母等の公知の絶縁性粉末を用いればよい。

二硫化モリブデンを用いる場合、ケイ素鉄合金粉末の充
填率を低下させずに必要な絶縁性を得るために、添加量
はケイ素鉄合金粉末に対し０．１〜５ｗｔ％程度である
ことが好ましい。

なお、上記の絶縁層と絶縁性粉末は、両方あってもよい
が、いずれか一方のみであってもよい。

このようにして得られた圧粉コアは、内部応力を緩和し
、磁気特性を向上させるために、熱処理が施されること
が好ましい。　熱処理時の保持温度は、８００℃以上、
特に９００〜１２００℃であることが好ましい。

また、温度保持時間は、０．２〜１０時間、特に１〜５
時間であることが好ましい。

そして、熱処理時の雰囲気は、真空中または不活性ガス
中であることが好ましい。

この後、通常、エポキシ樹脂等により塗装し、チョーク
コイル等用のコアとして用いる。

〈実施例〉以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに詳
細に説明する。

［実施例１］平均粒径４２鱗の粒状アトマイズ鉄粉を、１／４インチ
スチールボールを用いた振動ミル中で３０分処理するこ
とにより、平均粒径４４−１平均厚さ１１−、アスペク
ト比２０の鉄粉を作製した。

なお、平均粒径は光回折を用いた粒度分布測定器により
測定し、平均厚さおよびアスペクト比は走査型電子顕微
鏡により測定した。

次いで、得られた鉄粉を、平均粒径２０戸のケイ素粉末
およ゛び平均粒径１５００−の粒状アルミナ粉末と混合
し、Ａｒ雰囲気にて熱処理を行ない、拡散によりケイ素
鉄合金を得た。　なお、ケイ素粉末およびアルミナ粉末
の鉄粉に対する添加量は、それぞれ３ｗｔ％および２０
０ｗｔ％とじた。　また、熱処理時の保持温度は１１５
０℃、温度保持時間は２時間とした。

熱処理後、篩によりケイ素鉄合金粉末と無機化合物粉末
とを分離した。

得られたケイ素鉄合金粉末は、平均粒径４５μ、平均厚
さ１３μ、アスペクト比１８であり、ケイ素含有量は、
２．８ｗｔ％であった。

なお、含有量の測定は、化学分析により行なった。

このようにして得られたケイ素鉄合金粉末をケイ酸ソー
ダにて被覆し、絶縁層とした。　なお、絶縁層は、ケイ
素鉄合金に対し１ｗｔ％とじた。　　次に、この粉末を
、粉末に対し３ｗｔ％の雲母と混合し、金型に充填して
プレスにより圧粉し、外径１４ｍｍ、内径１０ｍｍ、高
さ５ｍｍのトロイダル状の圧粉コアを作製した。　プレ
スは常温で行ない、保持圧力は７　ｔ／ｃｍ”　　圧力
保持時間は１分間とした。

得られた圧粉コアに９００℃、１時間の熱処理を行ない
、圧粉コアサンプルＮｏ、１を得た。

このサンプルについて、飽和磁束密度を測定したところ
、１．６Ｔであった。

また、このサンプルについて、初透磁率の周波数特性を
測定した。　結果を第１図に示す。

［実施例２］実施例１に準じて、平均粒径４１μ、平均厚さ９ｐ＋ａ
、アスペクト比２０、ケイ素含有量４．５ｗｔ％のケイ
素鉄合金粉末を作製し、実施例１と同様にして圧粉コア
サンプルＮ０８２を作製した。

また、これと同様にして、平均粒径４７−１平均厚さ１
２ＪＪＪｌ、アスペクト比２０、ケイ素含有量６．５ｗ
ｔ％のケイ素鉄合金粉末を用いて、圧粉コアサンプルＮ
０１３を作製した。

これらについて、実施例１と同様にして初透磁率の周波
数特性を測定した。

結果を第１図に示す。

［比較例１］ケイ素鋼鈑を振動ミルにより粉砕して得たケイ素鉄合金
粉末を用い、その他は上記と同様にして圧粉コアサンプ
ルＮｏ、１１を作製した。

このケイ素鉄合金粉末は、平均厚さ２００μ、アスペク
ト比３であり、ケイ素含有量は３ｗｔ％であった。

なお、ケイ素鋼鈑を振動ミルにより粉砕してケイ素鉄合
金粉末を作製した場合、主面の長軸が１ｍ１１１以下で
アスペクト比３以上の粉末は作製不可能であった。

サンプルＮｏ、１１について、実施例１と同様にして初
透磁率の周波数特性を測定した。

結果を第１図に示す。

第１図に示される結果から、本発明の効果が明らかであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、周波数と初透磁率との関係を示すグラフであ
る。特許出願人　ティーデイ−ケイ株式会社〈発明の作用効
果〉本発明によれば、アスペクト比の大きなケイ素鉄合金粉
末が容易に得られるため、飽和磁束密度が高く、しかも
、透磁率の高い圧粉コアが実現する。また、本発明のケイ素鉄合金粉末は、圧粉コアに限らず
、電磁シールド等にも好適に用いることができる。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）扁平状の鉄粉と、ケイ素を含有する粉末およびケ
イ素に対し不活性な無機化合物粉末とを混合し、次いで
熱処理することによりケイ素を鉄粉中に熱拡散させて、
扁平状のケイ素鉄合金粉末を得ることを特徴とするケイ
素鉄合金粉末の製造方法。
（２）前記鉄粉の平均粒径を平均厚さで除した値が３以
上である請求項１に記載のケイ素鉄合金粉末の製造方法
。
（３）前記無機化合物粉末が、アルミナ粉末またはシリ
カ粉末である請求項１または２に記載のケイ素鉄合金粉
末の製造方法。
（４）請求項１ないし３のいずれかに記載のケイ素鉄合
金粉末の製造方法により得られたことを特徴とするケイ
素鉄合金粉末。
（５）表面に絶縁層を有する請求項４に記載のケイ素鉄
合金粉末。
（６）請求項４または５に記載のケイ素鉄合金粉末と絶
縁性粉末とを含有することを特徴とする圧粉コア。
（７）圧粉後、８００℃以上の温度にて熱処理された請
求項６に記載の圧粉コア。