JPH11238613A - 複合磁性材料およびその製造方法 - Google Patents

複合磁性材料およびその製造方法

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JPH11238613A
JPH11238613A JP8568898A JP8568898A JPH11238613A JP H11238613 A JPH11238613 A JP H11238613A JP 8568898 A JP8568898 A JP 8568898A JP 8568898 A JP8568898 A JP 8568898A JP H11238613 A JPH11238613 A JP H11238613A
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勇治 御堂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チョークコイルなどに用いられる高性能な金
属系圧粉磁芯に関するもので、コア損失が低く透磁率が
高くかつ良好な直流重畳特性を有する複合磁性材料を提
供することを目的とする。 【解決手段】 磁性粉末とスペーシング材からなる混合
物を圧縮成形した際に得られる複合磁性材料であって、
スペーシング材により磁性粉末同士の隣り合う距離を制
御することで、コア損失が低く透磁率が高くかつ優れた
直流重畳特性を有する複合磁性材料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョークコイル等
に用いられる高性能な金属系複合磁性材料に関し、特に
磁芯用の軟磁性材料として用いられる複合磁性材料およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子機器の小型化が進み、
小型で高効率の磁性材料が要求されており、高周波で用
いられるチョークコイルとしては、フェライト磁芯や圧
粉磁芯が使用されている。これらのうち、フェライト磁
芯は飽和磁束密度が小さいという欠点を有している。こ
れに対して、金属磁性粉を成形して作製される圧粉磁芯
は、軟磁性フェライトに比べて著しく大きい飽和磁束密
度を有しているため小型化に有利であるが、透磁率およ
び電力損失についてはフェライトより優れているとはい
えず、そのためチョークコイルやインダクターに使用す
るコアでは、コア損失が大きい分コアの温度上昇が大き
くなるため、小型化が図りにくいものであった。
【0003】圧粉磁芯のコア損失は、通常ヒステリシス
損失と渦電流損失よりなるが、渦電流損失は、周波数の
二乗と渦電流が流れるサイズの二乗に比例して増大する
ので、磁性粉末表面に電気絶縁性樹脂等を覆うことによ
り渦電流の発生を抑制するようにしている。一方、ヒス
テリシス損失は、圧粉磁芯の成形密度をあげるために通
常5ton/cm2以上の成形圧力を加える必要があ
り、そのため磁性体として歪みが増大するとともに透磁
率が劣化して、ヒステリシス損失が増大してしまうもの
であった。これを回避するために、必要に応じて歪みを
解放するために成形後熱処理を施すことが行われるが、
高温の熱処理が必要な場合は、磁性粉末を絶縁し、しか
も粉体同士の結着を保つために絶縁性の結着剤が不可欠
であった。
【0004】従来圧粉磁芯の結着剤として使用されるエ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂等のほと
んど有機系樹脂は歪みを開放するために高温熱処理を施
すとその耐熱性が低く熱分解されるために使用が不可能
であり、無機系バインダー等を使用する必要がある。無
機バインダーとしては、珪酸塩系水ガラス、特開平1−
215902号公報に記載のアルミナセメント、特開平
6−299114号公報に記載のポロシロキサン樹脂、
特開平6−342714号公報に記載のシリコーン樹脂
および特開平8−45724号公報に記載のシリコーン
樹脂と有機チタン混合等の提案がなされている。
【0005】また、直流重畳特性を確保するために従来
のフェライト等の磁芯は、磁路を妨げる垂直方向に数1
00μmのギャップを設けることにより、直流重畳時の
インダクタンスL値の低下を低減している。しかし、こ
のような広いギャップは、うなり音の発生源となる他、
ギャップからの漏洩磁束が特に高周波数で巻線に銅損失
の著しい増加をもたらすものであった。一方、圧粉磁芯
は透磁率が低いためにギャップ無しで使用し、そのため
にうなり音また漏洩磁束による銅損失は小さい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来ギャップ入り磁芯
は、直流重畳電流に対してインダクタンスL値はあると
ころより急激に低下するのに対し、圧粉磁芯は直流重畳
電流に対してなだらかに低下するが、これは、圧粉磁芯
の内部に存在する磁気スペースに分布幅があるためと考
えられる。このため、優れた直流重畳特性を確実に確保
するためには必要最低限以上の大きさの磁気スペースが
必要となり、磁芯全体として透磁率の低下は避けられな
い。また、高周波数でコア損失が大きい場合、見掛け上
直流重畳時は良好であるが、これは損失が大きいほど見
掛けの透磁率が増加するためで、低コア損失で良好な直
流重畳特性を両立することは難しい。
【0007】本発明は上記従来の欠点を除去し、低いコ
ア損失で透磁率が高くかつ良好な直流重畳特性を有する
複合磁性材料を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、磁性粉末Aとスペーシング材Bからなる混
合物を圧縮成形した際に得られる複合磁性材料であっ
て、スペーシング材Bにより磁性粉末A同士の隣り合う
距離δが制御されていることを特徴とする複合磁性材料
である。
【0009】ここで、磁性粉末Aの透磁率がスペーシン
グ材Bより大きいことが好ましく、磁性粉末A同士の隣
り合う距離δが、磁性粉末の平均粒径をdとすると、1
-3≦δ/d≦10-1である関係を全体の磁性粉末の7
0%以上で満足していることが好ましい。
【0010】本発明によれば、高い周波数でも低いコア
損失で透磁率が高くかつ良好な直流重畳特性を有する複
合磁性材料を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
磁性粉末Aとスペーシング材Bからなる混合物を圧縮成
形した際に得られる複合磁性材料であって、スペーシン
グ材Bにより磁性粉末A同士の隣り合う距離δが制御さ
れていることを特徴とする複合磁性材料であり、スペー
シング材Bを用いることにより、磁性粉末A同士に必要
最低限のスペース長を確保するとともに、全体としては
磁気スペース分布幅を狭めることで高透磁率を維持した
まま、優れた重畳特性を実現できる。また、磁性粉末を
確実に隔離することより渦電流損失も低減できる。
【0012】請求項2に記載の発明は、磁性粉末Aの透
磁率がスペーシング材Bより大きいことを特徴とする請
求項1記載の複合磁性材料であり、磁性粉末Aより透磁
率が小さなスペーシング材Bを用いることで、スペーシ
ング材が磁気スペースとなり磁性粉末同士の距離δを変
化させ、複合磁性材料の透磁率、直流重畳特性を制御す
ることができる。
【0013】請求項3に記載の発明は、磁性粉末A同士
の隣り合う距離δが、磁性粉末の平均粒径をdとする
と、10-3≦δ/d≦10-1である関係を全体の磁性粉
末の70%以上で満足していることを特徴とする請求項
1記載の複合磁性材料であり、スペーシング材Bの種
類、粒径、粒度分布等でδを変化させ、複合磁性材料の
透磁率、直流重畳特性を制御することができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、磁性粉末Aとし
て、Fe系、FeSi系、FeAlSi系、FeNi
系、パーメンジュール、アモルファス、ナノ微結晶の強
磁性体のうちの少なくとも1種類以上を含んでいること
を特徴とする請求項1記載の複合磁性材料であり、これ
らの金属磁性体は、飽和磁束密度、透磁率ともに高く、
アトマイズ粉、粉砕粉等で安易に手に入り高性能な複合
磁性材料が得られる。
【0015】請求項5に記載の発明は、磁性粉末Aの平
均粒径が100μm以下の請求項1記載の複合磁性材料
であり、渦電流の低減に効果的である。
【0016】請求項6に記載の発明は、スペーシング材
Bとして、Al23,MgO,TiO2,ZrO,Si
2,CaOの無機物のうち少なくとも1種類以上含む
ことを特徴とする請求項1記載の複合磁性材料であり、
これらの無機物は、熱処理でも磁性粉末と反応しにくく
スペーシング材として効果的である。
【0017】請求項7に記載の発明は、スペーシング材
Bとして用いる無機物の平均粒径が10μm以下である
ことを特徴とする請求項1記載の複合磁性材料であり、
磁性粉末A同士の隣り合う距離δの分布を小さくでき、
直流重畳特性が良化する。
【0018】請求項8に記載の発明は、スペーシング材
Bが有機物である請求項1記載の複合磁性材料であり、
有機物により磁性粉末A同士の隣り合う距離δを制御で
き、複合磁性材料の透磁率、直流重畳特性を制御するこ
とができる。
【0019】請求項9に記載の発明は、スペーシング材
Bとして用いる有機物がシリコン樹脂粉末、あるいはフ
ッソ樹脂粉末、あるいはベンゾクアナミン樹脂粉末のい
ずれかである請求項1記載の複合磁性材料であり、耐熱
性が高いために熱処理工程後もスペーシング材としての
効果を維持出来る。
【0020】請求項10記載の発明は、スペーシング材
Bが、一般式
【0021】
【化3】
【0022】但し、上記一般式においてXはアルコキシ
シリル基、Yは有機官能基、Zは有機ユニットである。
で示される請求項1記載の複合磁性材料であり、スペー
シング材として磁性粉末Aを覆うとともに結合剤の弾性
を低下させ粉末性成形性を向上する。
【0023】請求項11記載の発明は、スペーシング材
Bが金属粉末である請求項1記載の複合磁性材料であ
り、金属粉末により磁性粉末A同士の隣り合う距離δを
制御でき、複合磁性材料の透磁率、直流重畳特性を制御
することができる。また、金属材料は圧縮成形時に変形
しやすく磁性粉末A同士を結着する効果も期待できるた
めに圧縮成形物の強度が高い。
【0024】請求項12記載の発明は、スペーシング材
Bとして用いる金属粉末の平均粒径が20μm以下であ
ることを特徴とする請求項1記載の複合磁性材料であ
り、磁性粉末A同士の隣り合う距離δの分布を小さくで
き、直流重畳特性が良化する。
【0025】請求項13記載の発明は、スペーシング材
Bとして、次のa,b,cのうち少なくとも2種類以上
含むことを特徴とする請求項1記載の複合磁性材料であ
る。
【0026】aはAl23,MgO,TiO2,Zr
O,SiO2,CaOのうち少なくとも1種類以上の無
機物。
【0027】bはシリコン樹脂粉末、あるいはフッソ樹
脂粉末、あるいはベンゾクアナミン樹脂粉末、あるいは
以下の一般式で示される化合物のうち少なくとも1種類
以上の有機物。
【0028】
【化4】
【0029】但し、上記一般式においてXはアルコキシ
シリル基、Yは有機官能基、Zは有機ユニットである。
【0030】cは金属粉末。スペーシング材Bにより磁
性粉末A同士の隣り合う距離δを制御するため、スペー
シング材の種類の組合わせにより複合磁性材料の透磁
率、直流重畳特性を制御することができる。
【0031】請求項14記載の発明は、請求項1記載の
複合磁性材料を絶縁性含浸剤で含浸したことを特徴とす
る複合磁性材料であり、強度の向上、金属磁性体の防
錆、表面高抵抗化などに有効である。
【0032】請求項15記載の発明は、空孔率が全体の
5vol%以上50vol%以下である複合磁性材料を
絶縁性含浸剤で含浸したことを特徴とする請求項14記
載の複合磁性材料であり、コア内部まで含浸剤が入り込
み機械的強度、信頼性ともに向上する。
【0033】請求項16記載の発明は、磁性粉末Aとス
ペーシング材Bからなる混合物を圧縮成形後、熱処理す
る複合磁性材料の製造方法であって、スペーシング材B
により磁性粉末A同士の隣り合う距離δが制御されてい
ることを特徴とする複合磁性材料の製造方法であり、成
形時に受けた歪みを除去し、ヒステリシス損失を低減で
きる。
【0034】請求項17記載の発明は、スペーシング材
Bが熱処理温度よりその融点が高い金属粉末である請求
項16記載の複合磁性材料の製造方法であり、熱処理時
に溶融も起こらないためにスペーシング材として有効で
あり、磁性粉末A同士の隣り合う距離が制御できる。
【0035】請求項18記載の発明は、熱処理を350
℃以上の温度で行うことを特徴とする請求項16記載の
複合磁性材料の製造方法であり、圧縮成形後の成形物を
350℃以上の温度で熱処理することで、ヒステリシス
損失を低減する。
【0036】以下、本発明の一実施の形態について説明
する。 (実施の形態1)使用した金属磁性粉の純鉄は純度9
9.6%、Fe−Al−Siはセンダスト組成であるS
i−9%、Al−5%、残部Fe、Fe−SiはSi−
3.5%、残部Fe、Fe−NiはNi−78.5%、
残部Fe、パーメンジュールはCo−50%、残部Fe
であり、それぞれ平均粒径100μm以下のアトマイズ
粉であり、Fe基アモルファス粉はFe−Si−B合
金、ナノ微結晶磁性粉はFe−Si−B−Cu合金を液
体急冷法でリボンを作製後、粉砕してそれぞれ平均粒径
100μm以下の粉体を得た。スペーシング材に用いた
無機物は5μm以下の粒径を用いた。
【0037】混合工程 金属磁性粉末100重量部に対しスペーシング材1重量
部と結着剤としてブチラール樹脂3重量部と結着剤溶解
用溶剤としてエタノール1重量部を混合攪拌機にて混合
した。なお、酸化性の高い金属粉末を用いる場合は窒素
など非酸化性雰囲気に制御しながら混合工程を行うこと
が好ましい。
【0038】造粒工程 混合工程終了後、その混合物から溶剤を脱気乾燥する。
乾燥後の混合物を粉砕し成形機に導入出来る流動性を確
保するために造粒し、造粒粉を作製した。
【0039】成形工程 この造粒粉を一軸プレスにて、10t/cm2の加圧力
で3秒間加圧成型し、外径25mm、内径15mm、厚
み約10mmのトロイダル形状の成形体を得た。
【0040】熱処理工程 その後、窒素雰囲気中で熱処理を施した。なお、温度保
持時間は0.5時間とした。
【0041】(表1)に示すような金属磁性粉、スペー
シング材の種類、および熱処理温度でサンプル1〜18
(実施例)とサンプル19〜22(比較例)を作製し
た。このようにして得られたサンプルについて透磁率、
コア損失、直流重畳を測定した。透磁率は、LCRメー
ターで周波数10kHzで測定し、コア損失は交流B−
Hカーブ測定機を用いて測定周波数50kHz、測定磁
束密度0.1Tで測定を行い、直流重畳特性は測定周波
数50kHzで直流磁界が1600A/mの時のL値の
変化率で示している。
【0042】評価結果を(表1)に示す。
【0043】
【表1】
【0044】ここで高調波歪み対策用チョークコイル
は、電流測定周波数50kHz、測定磁束密度0.1T
でコア損失1000kW/m3以下、透磁率は60以
上、直流重畳は70%以上が選定の基準となる。
【0045】なお、δ/dはSIMSとXMAを用いて
測定した。サンプル19は、δ/dの測定値が10-3
り小さかったが、それ以外のサンプルは、10-3≦δ/
d≦10-1である関係を全体の磁性粉末の70%以上で
満足していた。
【0046】(表1)の結果より明らかなように、磁性
粉末として、Fe系、Fe−Si系、Fe−Al−Si
系、Fe−Ni系、パーメンジュール、アモルファス、
ナノ微結晶、またスペーシング材として、Al23,M
gO,TiO2,ZrO,SiO2,CaOの無機物が効
果があることがわかる。
【0047】また、磁性粉末とスペーシング材からなる
混合物を圧縮成形後、350℃以上の温度で熱処理する
ことによって、透磁率、コア損失、直流重畳特性ともに
効果があることがわかる。
【0048】また、特定の磁性粉末においては圧縮成形
後の熱処理が無く特性を確保できるが、さらに特性を向
上するためには350℃以上の温度で熱処理することが
好ましい。
【0049】本発明は、磁性粉末Aとスペーシング材B
からなる混合物を圧縮成形した際に得られる複合磁性材
料であって、スペーシング材Bにより磁性粉末A同士の
隣り合う距離δが制御されていることを特徴とする複合
磁性材料である。一般に、圧粉磁芯のインダクタンスL
値は、直流重畳電流に対してなだらかに低下している。
これは、圧粉磁芯の内部に存在する磁気スペースに分布
幅があるためと考えられる。圧粉磁芯は樹脂等の結着剤
で磁性粉同士を隔離しているが成形時のプレス等によ
り、その隔離距離、磁気スペース長に分布幅ができ、磁
気スペース長が短い、あるいは接している所より磁束が
短絡し飽和を始めるために、このような直流重畳特性を
示す。このため、従来の圧粉磁芯は優れた直流重畳特性
を確保するためには結着剤量を増加する等の手法で必要
最低限以上の磁気スペース長を確実に設けたが、そのた
め磁芯全体としては透磁率の低下は避けられなかった。
【0050】本発明は、スペーシング材Bを用いること
により、必要最低限のスペース長を確保するとともに、
全体としては磁気スペース分布幅を狭めることで高透磁
率を維持したまま、優れた直流重畳特性を実現できる。
また、磁性粉末を確実に隔離することより渦電流損失も
低減できる。
【0051】なお、実施の形態以外の磁性粉末あるいは
組成比であっても、磁性粉末AとしてFe系、Fe−S
i系、Fe−Al−Si系、Fe−Ni系、パーメンジ
ュール、アモルファス、ナノ微結晶の強磁性体のうち少
なくとも1種類以上を含有する混合粉末、あるいは合
金、固溶体でも同様の効果があることは言うまでもな
い。これらの金属磁性体は、飽和磁束密度、透磁率とも
に高く、また製造方法たとえばアトマイズ粉法、粉砕粉
法、超急冷法等の製造方法にはよらず同様な効果があ
る。またこれ以外の磁性材料でも、また、球状、扁平状
等の粉体形状によらず同様な効果があることは言うまで
もない。
【0052】スペーシング材Bとして、Al23,Mg
O,TiO2,ZrO,SiO2,CaOの無機物の粉体
は熱処理でも磁性粉末と反応しにくく、これ以外の無機
物たとえばガラス等の粉末であっても、また扁平状の粉
体であっても同様な効果があることは言うまでもない。
【0053】さらに、上記のスペーシング材Bを少なく
とも1種類以上を含んだ混合粉末あるいは複合酸化物、
窒化物等でも同様の効果があることも言うまでもない。
【0054】磁性粉末Aとスペーシング材Bからなる混
合物を圧縮成形後、熱処理することで成形時に生じる歪
みを開放することができる。圧縮成形では5t/cm2
以上の成形圧力がかかると、磁性体に歪みが生じ透磁率
が劣化し、ヒステリシス損失が増大する。そこで、必要
に応じ歪みを解放するために成形後に熱処理を施し、ヒ
ステリシス損失を低減することが好ましい。
【0055】ここでの熱処理においては、金属磁性体の
材質により歪取り温度は異なりFe−Al−Si系では
600℃以上、Fe系では700℃以上、アモルファ
ス、ナノ微結晶等では高温では結晶化してしまうために
350℃以上600℃以下の熱処理が好ましい。また、
非酸化性雰囲気で熱処理することがさらに望ましい。
【0056】(実施の形態2)(表2)に示すような金
属磁性粉とスペーシング材とし、一軸プレスの成形圧力
10t/cm2、熱処理温度を720℃とする他は実施
の形態1と同様にサンプル23〜27(実施例)とサン
プル28,29(比較例)を作成し、評価を行った。
【0057】評価結果を(表2)に示す。
【0058】
【表2】
【0059】(表2)の結果より明らかなように、磁性
粉末の平均粒径が100μm以下で効果があることがわ
かる。また、スペーシング材の平均粒径が10μm以下
で効果があることがわかる。
【0060】ここで渦電流損失は、周波数の二乗と渦電
流が流れるサイズの二乗に比例して増大するために、磁
性粉末の表面を絶縁体で覆えば、渦電流は金属磁性粉体
の粒径に依存するため、微細な方が渦電流損失は低減す
る。たとえば、高調波歪み対策用チョークコイルは、電
流測定周波数50kHz、測定磁束密度0.1Tでコア
損失1000kW/m3以下、またより好ましくは50
0kW/m3以下が望まれている。そのためには、50
kHz以上の渦電流損失を低減するためには、理論計算
より少なくとも平均粒径100μm以下であることが必
要で、より好ましくは50μm以下である。また、金属
磁性粉体の表面に5nm以上の酸化皮膜が形成されてい
れば、さらに絶縁性は確実となりより渦電流損失の低減
に効果的である。
【0061】本実施の形態では、磁性粉末Aの隣り合う
距離δをスペーシング材Bにより制御するが、圧縮成形
するためスペーシング材Bが混合前の粒径を保っている
のではなく成形後粉砕される可能性がある。しかしなが
ら、スペーシング材Bの平均粒径が10μm以上になる
とたとえ圧縮成形時に粉砕されて細かくなるもののその
バラツキは大きく磁気スペースδの分布幅が大きくなる
ので好ましくない。
【0062】(実施の形態3)金属磁性粉末(Fe−A
l−Si)はセンダスト組成であるSi−9%、Al−
5%、残部Feで平均粒径100μm以下のアトマイズ
粉を用いた。スペーシング材として有機物は平均粒径3
μm以下のシリコン樹脂粉末、フッ素樹脂粉末、ベンゾ
クアナミン樹脂粉末および以下に示すような有機化合物
Cを用いた。
【0063】
【化5】
【0064】但し、上記一般式において、Xはアルコキ
シシリル基、Yは有機官能基、Zは有機ユニットであ
る。
【0065】さらに、混合工程で用いる結着剤を1重量
部とし、熱処理温度を750℃とする他は実施の形態1
と同様にサンプル30〜33(実施例)とサンプル34
(比較例)を作製し、評価を行った。
【0066】評価結果を(表3)に示す。
【0067】
【表3】
【0068】なお、サンプル34は、δ/dの測定値が
10-3より小さかったが、それ以外のサンプルは10-3
≦δ/d≦10-1である関係を全体の磁性粉末の70%
以上で満足していた。
【0069】(表3)の結果より明らかなように、スペ
ーシング材として有機物の添加による効果がわかる。
【0070】有機物により磁性粉末A同士の隣り合う距
離δを制御でき、複合磁性材料の透磁率、直流重畳特性
を制御することができる。
【0071】ここで、磁性粉末A同士の隣り合う距離δ
をスペーシング材Bにより制御するために、その粒子径
は重要であり、より微粒子なものが好ましい。また、有
機粉末は圧縮成形時に変形しやすく磁性粉A同士を結着
する効果も期待できるために圧縮成形物の強度が高い。
【0072】ここで本実施の形態に有機物として用いた
粉末は、シリコン樹脂粉末、あるいはフッソ樹脂粉末、
あるいはベンゾクアナミン樹脂粉末のいずれかであり、
耐熱性が高いために熱処理工程後もスペーシング材とし
ての効果を維持出来る。本実施の形態に用いた他にも微
粒子で耐熱性が高いものであれば使用可能で同様の効果
があることは言うまでもない。
【0073】また、有機化合物Cはスペーシング材とし
て磁性粉末Aを覆うとともに結合剤の弾性を低下させ粉
末性成形性を向上するとともに粉末成形後の成形体のス
プリングバックも抑制出来る。また、耐熱性も高いので
熱処理後もスペーシング材としての効果を保持する。こ
こで、この有機化合物Cの分子量は数万以下さらに、よ
り好ましくは5000程度である。
【0074】ここで、有機物は有機化合物Cと基本構成
が同様であれば末端の官能基を変更するなどしても同じ
ような効果を示すことは言うまでもない。
【0075】また、これらの有機物の添加量は磁性粉末
100重量部に対して0.1〜5重量部がスペーシング
材として有効であり磁性粉末A同士の隣り合う距離が制
御できる。有機化合物が0.1重量部より少ないとスペ
ーシング材として有効で無く、また、5重量部より多い
と磁性粉末の充填率が低下するために磁気特性が低下す
る。
【0076】(実施の形態4)スペーシング材を有機化
合物Cとし一軸プレスの成形圧力を調整しσ/dを変更
する他は実施の形態3と同様にサンプル35〜37(実
施例)とサンプル38,39(比較例)を作製し、評価
を行った。
【0077】評価結果を(表4)に示す。
【0078】
【表4】
【0079】(表4)の結果より明らかなように、良好
な直流重畳特性と透磁率を両立するためには、10-3
δ/d≦10-1である関係を満足していることが必要で
ある。
【0080】ここで、一般に磁性粉末の真の透磁率をμ
r、磁芯の実効透磁率をμeとすると、次の式のような
関係が示される。
【0081】μe≒μr/(1+μr・δ/d) δ/dの下限は、最低限必要な直流重畳特性より決ま
り、δ/d上限は必要な透磁率で決まってくる。良好な
特性を実現するためには10-3≦δ/d≦10-1である
関係を全体の磁性粉末の70%以上で満足していること
が必要であり、より好ましくは、10-3≦δ/d≦10
-2である。
【0082】本発明は、スペーシング材Bの種類、粒
径、粒度分布等を変化させることで、δを制御し複合磁
性材料の透磁率、直流重畳特性を制御することができ
る。
【0083】(実施の形態5)スペーシング材を平均粒
径10μm以下のTi,Siとし、熱処理温度を750
℃とする他は実施の形態1と同様に(表5)に示すよう
な金属粉末の組成、スペーシング材の種類でサンプル4
0〜45(実施例)とサンプル46(比較例)を作製
し、評価を行った。
【0084】評価結果を(表5)に示す。
【0085】
【表5】
【0086】サンプル46は、δ/dの測定値が10-3
より小さかったが、それ以外のサンプルは、10-3≦δ
/d≦10-1である関係を全体の磁性粉末の70%以上
で満足していた。
【0087】(表5)の結果より明らかなように、磁性
粉末として、Fe系、Fe−Si系、Fe−Al−Si
系、Fe−Ni系、パーメンジュールにスペーシング材
として、金属Ti,Siの添加による効果がわかる。
【0088】なお、上記のスペーシング材以外の金属材
料でも磁性粉末と熱処理中に反応しにくいものであれば
同様の効果があり金属粉末を混合して用いても同様の効
果があることは言うまでもない。
【0089】本発明では、金属により磁性粉末A同士の
隣り合う距離δを制御でき、複合磁性材料の透磁率、直
流重畳特性を制御することができる。例えば、Ti,S
i,Al,Fe,Mg,Zrなどの金属が挙げられる。
【0090】金属は圧縮成形時に変形しやすく磁性粉末
A同士を結着する効果も期待できるために圧縮成形物の
強度が高く、磁性粉末A同士の隣り合う距離δを制御で
き、複合磁性材料の透磁率、直流重畳特性を制御するこ
とができる。
【0091】(実施の形態6)金属磁性粉末はFe−A
l−Siはセンダスト組成であるSi−9%、Al−5
%、残部Feの平均粒径100μm以下のアトマイズ
粉、スペーシング材はAlを用い、一軸プレスの成形圧
力8t/cm2とし、(表6)に示すように熱処理温度
を変更する他は実施の形態5と同様に47,48(実施
例)とサンプル49(比較例)を作製し、評価を行っ
た。
【0092】評価結果を(表6)に示す。
【0093】
【表6】
【0094】(表6)の結果より明らかなように、Al
の融点660℃を越える温度で熱処理を行うと金属の溶
融が起こりスペーシング材効果がなくなり特性が大幅に
劣化する。融点より低い熱処理温度であると良好な特性
を示す。
【0095】スペーシング材として融点が熱処理温度よ
り高い金属粉末を用いることにより、実施の形態5にお
ける効果と同時に、熱処理時に溶融も起こらないために
スペーシング材として有効であり、磁性粉末A同士の隣
り合う距離を精密に制御でき、必要最低限の磁気スペー
ス長を確保するとともに、全体としては磁気スペース分
布幅を狭めることで高透磁率を維持したまま、良好な直
流重畳特性を実現でき、磁性粉末同士を確実に隔離する
ことにより渦電流損失も低減できる。
【0096】(実施の形態7)スペーシング材はTiを
用い、スペーシング材の平均粒径を(表7)のようにま
た、熱処理温度を750℃にする他は実施の形態6と同
様にサンプル50〜52(実施例)とサンプル53(比
較例)を作製し、評価を行った。
【0097】評価結果を(表7)に示す。
【0098】
【表7】
【0099】(表7)の結果より明らかなように、スペ
ーシング材の平均粒子径が20μm以下で効果があるこ
とが分かる。
【0100】本発明では、圧縮成形の工程を経て複合磁
性材料を得るためにスペーシング材Bが混合前の粒径を
保っているのではなく成形後金属粒子が変形し圧延され
磁気スペースが小さくなる可能性がある。しかしなが
ら、スペーシング材Bの平均粒径が20μm以上になる
とたとえ圧縮成形時に変形し磁気スペースが小さくなる
としてもそのバラツキは大きく磁気スペースδの分布幅
が大きくなるので好ましくない。
【0101】(実施の形態8)スペーシング材として粒
径5μmのAl23、粒径10μmのTi、粒径1μm
のシリコン樹脂粉末、有機化合物Cを(表8)に示すよ
うな組み合わせでスペーシング材総量として1重量部に
なるように等量ずつ配合し、一軸プレスの成形圧力10
t/cm2、熱処理温度を700℃とする他は実施の形
態7と同様にサンプル54〜59(実施例)とサンプル
60(比較例)を作製し、評価を行った。
【0102】評価結果を(表8)に示す。
【0103】
【表8】
【0104】サンプル60は、δ/dの測定値が10-3
より小さかったが、それ以外のサンプルは、10-3≦δ
/d≦10-1である関係を全体の磁性粉末の70%以上
で満足していた。
【0105】(表8)の結果から明らかなように、各ス
ペーシング材の組み合わせにおいて効果があることが分
かる。
【0106】本実施の形態では2種類の組み合わせを示
したが、これ以外にさらに多くの種類を組み合わせても
有効であり、他のどのような組み合わせでも同様の効果
を得られることは言うまでもない。
【0107】スペーシング材として無機物、有機物、金
属のうち少なくとも2種類以上含み、スペーシング材の
種類の組み合わせにより複合磁性材料の透磁率、直流重
畳特性を制御することができる。
【0108】(実施の形態9)スペーシング材として粒
径5μmで組成がNi−78.5%、残部FeのFe−
Niを用い、粉体の熱処理条件を変更することで透磁率
を1500,1000,900,100,10に調整し
たものを用い、一軸プレスの成形圧力7t/cm2とし
た他は実施の形態8と同様にサンプル61〜63(実施
例)とサンプル64,65(比較例)を作製し、評価を
行った。
【0109】なお、金属磁性体として用いたFe−Al
−Siの透磁率は1000であった。
【0110】評価結果を(表9)に示す。
【0111】
【表9】
【0112】(表9)の結果から明らかなように、スペ
ーシング材が必ずしも非磁性でなくてもスペーシング材
の透磁率が金属磁性粉の透磁率より小さいことで、スペ
ーシング材が結果として磁気スペースとなり磁性粉末A
同士の距離δを変化させることで、複合磁性材料の透磁
率、直流重畳特性を制御することができる。
【0113】(実施の形態10)金属磁性粉末としてF
e−Ni(Ni−78.5%、残部Fe)の平均粒子径
100μm以下の粒度分布の異なる粉砕粉、スペーシン
グ材は平均粒径10μm以下のTiを用い、熱処理温度
を680℃とし含浸材を(表10)に示すようにし、一
軸プレスの成形圧力と金属磁性粉の粒度分布により空孔
率を変更する他は実施の形態1と同様にサンプル66〜
69(実施例)とサンプル70〜72(比較例)を作製
し、評価を行った。
【0114】破断強度はヘッドスピード0.5mm/m
inで3点曲げ試験で測定した。評価結果を(表10)
に示す。たとえば、高調波歪み対策用チョークコイルは
破断強度が20N/mm2以上が好ましい。
【0115】
【表10】
【0116】(表10)の結果より明らかなように、熱
処理後の空孔率が全体の5vol%以上50vol%以
下である複合磁性材料を、絶縁性含浸剤で含浸すること
により機械的強度が向上していることがわかる。また、
信頼性試験に於いても問題がなかった。
【0117】絶縁性含浸剤で含浸することでコア強度を
向上することができる。さらに、絶縁性含浸剤で含浸す
ることは金属磁性体の防錆、表面高抵抗化等にも有効で
ある。含浸の方法としては、通常の浸漬のほかに真空含
浸や加圧含浸を行うことでコア内部に含浸剤が入り込む
ことでさらに効果を高めることができる。
【0118】含浸の効果を高めるには、熱処理後の空孔
率が全体の5vol%以上50vol%以下であること
が重要である。一般に空孔率が全体の5vol%以上に
なるとオープンボアになるため、コア内部まで含浸剤が
入り込み機械的強度、信頼性ともに向上する。また、空
孔率が50vol%以上になると磁気特性が劣化するた
めに好ましくない。
【0119】絶縁性含浸剤として、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、塩化ビニル樹脂、ブチラール樹脂、有機シ
リコン樹脂、無機シリコン樹脂などの汎用の樹脂を使用
目的に応じて用いることができる。材料選定の基準とし
ては、対半田耐熱、ヒートサイクル等の熱衝撃に強いこ
と、抵抗値などが挙げられる。
【0120】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、コア損失が低く透磁率が高くかつ良好な直流重畳特
性を有する複合磁性材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合磁性材料の製造方法を示すフロー
チャート

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末Aとスペーシング材Bからなる
    混合物を圧縮成形した際に得られる複合磁性材料であっ
    て、スペーシング材Bにより磁性粉末A同士の隣り合う
    距離δが制御されていることを特徴とする複合磁性材
    料。
  2. 【請求項2】 磁性粉末Aの透磁率がスペーシング材B
    より大きいことを特徴とする請求項1記載の複合磁性材
    料。
  3. 【請求項3】 磁性粉末A同士の隣り合う距離δが、磁
    性粉末の平均粒径をdとすると、10-3≦δ/d≦10
    -1である関係を全体の磁性粉末の70%以上で満足して
    いることを特徴とする請求項1記載の複合磁性材料。
  4. 【請求項4】 磁性粉末Aとして、Fe系、FeSi
    系、FeAlSi系、FeNi系、パーメンジュール、
    アモルファス、ナノ微結晶の強磁性体のうちの少なくと
    も1種類以上を含んでいることを特徴とする請求項1記
    載の複合磁性材料。
  5. 【請求項5】 磁性粉末Aの平均粒径が100μm以下
    の請求項1記載の複合磁性材料。
  6. 【請求項6】 スペーシング材Bとして、Al23,M
    gO,TiO2,ZrO,SiO2,CaOの無機物のう
    ち少なくとも1種類以上含むことを特徴とする請求項1
    記載の複合磁性材料。
  7. 【請求項7】 スペーシング材Bとして用いる無機物の
    平均粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項
    1記載の複合磁性材料。
  8. 【請求項8】 スペーシング材Bが有機物である請求項
    1記載の複合磁性材料。
  9. 【請求項9】 スペーシング材Bとして用いる有機物が
    シリコン樹脂粉末、あるいはフッソ樹脂粉末、あるいは
    ベンゾクアナミン樹脂粉末のいずれかである請求項1記
    載の複合磁性材料。
  10. 【請求項10】 スペーシング材Bが、一般式 【化1】 で示される請求項1記載の複合磁性材料。但し、上記一
    般式においてXはアルコキシシリル基、Yは有機官能
    基、Zは有機ユニットである。
  11. 【請求項11】 スペーシング材Bが金属粉末である請
    求項1記載の複合磁性材料。
  12. 【請求項12】 スペーシング材Bとして用いる金属粉
    末の平均粒径が20μm以下であることを特徴とする請
    求項1記載の複合磁性材料。
  13. 【請求項13】 スペーシング材Bとして、次のa,
    b,cのうち少なくとも2種類以上含むことを特徴とす
    る請求項1記載の複合磁性材料。aはAl23,Mg
    O,TiO2,ZrO,SiO2,CaOのうち少なくと
    も1種類以上の無機物。bはシリコン樹脂粉末、あるい
    はフッソ樹脂粉末、あるいはベンゾクアナミン樹脂粉
    末、あるいは以下の一般式で示される化合物のうち少な
    くとも1種類以上の有機物。 【化2】 但し、上記一般式においてXはアルコキシシリル基、Y
    は有機官能基、Zは有機ユニットである。cは金属粉
    末。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の複合磁性材料を絶縁性
    含浸剤で含浸したことを特徴とする複合磁性材料。
  15. 【請求項15】 空孔率が全体の5vol%以上50v
    ol%以下である複合磁性材料を絶縁性含浸剤で含浸し
    たことを特徴とする請求項14記載の複合磁性材料。
  16. 【請求項16】 磁性粉末Aとスペーシング材Bからな
    る混合物を圧縮成形後、熱処理する複合磁性材料の製造
    方法であって、スペーシング材Bにより磁性粉末A同士
    の隣り合う距離δが制御されていることを特徴とする複
    合磁性材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 スペーシング材Bが熱処理温度よりそ
    の融点が高い金属粉末である請求項16記載の複合磁性
    材料の製造方法。
  18. 【請求項18】 熱処理を350℃以上の温度で行うこ
    とを特徴とする請求項16記載の複合磁性材料の製造方
    法。
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