JPH029425Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動販売機あるいは自動両替機等
（以下、自動販売機等と呼ぶ。）の商品あるいは金
種等を選択する押釦スイツチ装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来の自動販売機等の押釦スイツチ装置は、自
動販売機等の機体の前部にスイツチを設け、この
スイツチと別個の押釦を機体の前面に設けた構造
で、押釦を操作してスイツチを作動するようにな
つており、そして、自動販売機等が屋外に設置さ
れることも考慮して、押釦を配設した機体前面の
孔から雨水が入つても、スイツチに雨水が進入し
ないようにするために、押釦とスイツチの間に別
体の排水シユートを設けている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述した従来の構造の場合、押
釦スイツチ装置を自動販売機等の機体に組付ける
際に、スイツチと押釦を別々に取付けなければな
らず、しかも、排水シユートも別に取付けるの
で、作業が面倒で、また使用状態でも、スイツチ
に雨水が直接的に進入するのは排水シユートで防
止できるものの、スイツチ部分の湿気は増してし
まうので、スイツチに結露が発生し易く、故障の
原因となつていた。

本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、自動販売機等の押釦スイツチ装置において、
自動販売機等の機体に対する組付けを容易にする
とともに、スイツチの防水性を向上することを目
的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の自動販売機等の押釦スイツチ装置６０
は、自動販売機あるいは自動両替機等の機体たと
えば操作パネル６１等に取外し自在に設けられる
支持枠体１と、この支持枠体１に設けられたスイ
ツチ７と、上記支持枠体１に接触して設けられて
スイツチ７を防水状態に被覆した防水性を有する
弾性体から成るカバー体３１と、上記スイツチ７
に対向してカバー体３１に一体または別体に設け
られ操作者の押圧操作によりスイツチ７に移動し
てスイツチ７を作動するとともに押圧解除により
カバー体３１の弾性でスイツチ７から移動してス
イツチ７を復帰する作動部たとえばカバー体３１
に一体に形成した作動突部３３等とを具備したこ
とを特徴とするものである。

〔作用〕

本考案の自動販売機等の押釦スイツチ装置６０
は、支持枠体１、スイツチ７、カバー体３１及び
作動突部３３等の作動部とで押釦スイツチ装置６
０をユニツト化し、カバー体３１によりスイツチ
７の防水を行なうものである。

〔実施例〕

本考案による自動販売機等の押釦スイツチ装置
の実施例を第１図ないし第６図を参照して説明す
る。

１は合成樹脂から成るほぼ矩形状の支持枠体
で、この支持枠体１は前面に矩形に連続した無端
状の突縁２を有し、この突縁２の内側に凹部３が
形成されているとともに、この凹部３の内面に複
数の係止爪４及び複数の位置決め片５が突設され
ており、この各係止爪４及び各位置決め片５によ
り、矩形のプリント配線基板６を上記凹部３内に
位置決め保持し、このプリント配線基板６の前面
にはスイツチ７及び一対のランプあるいはLED
等の表示素子８，９が設けられているとともに、
その後面には複数のピンコンタクトを植設したコ
ネクタ１０が設けられ、このコネクタ１０と上記
スイツチ７及び各表示素子８，９が電気的に接続
されている。

そして、上記支持枠体１前面の突縁２の上側辺
部及び下側辺部の外側には嵌合溝１２が形成さ
れ、また、この支持枠体１の後部には、複数の係
止爪１３が突設されているとともに、上記コネク
タ１０に対応した開口部１４が形成されている。

１７は矩形状の取付板で、この取付板１７は、
上記支持枠体１の各係止爪１３及び開口部１４に
対する係止孔１８及び挿通孔１９を有しており、
その各係止孔１８に支持枠体１の各係止爪１３を
挿通することにより、支持枠体１に取付けられ
て、その挿通孔１９を支持枠体１の開口部１４を
介してプリント配線基板６のコネクタ１０に対向
させている。

２１は遮光性及び光反射性を有する合成樹脂か
ら成るほぼ長円形状の制光体で、この制光体２１
は上記プリント配線基板６のスイツチ７及び各表
示素子８，９に対応した挿通孔２２及び一対の光
導孔２３，２４を前後方向に有し、このうちの表
示素子８，９に対応した光導孔２３，２４の後端
縁はスイツチ７に対応した挿通孔２２の後端縁よ
りも後方に突設されている。

３１はシリコンゴム等の防水性及び透光性を有
する弾性体から成るほぼ矩形状のカバー体で、こ
のカバー体３１は、前面に突出して後面を凹陥さ
せた長円形状の膨出部から成る保持部３２を有
し、この保持部３２の内底部から後方に作動部と
しての作動突部３３が突設されており、この保持
部３２内に上記制光体２１を挿入して、制光体２
１の挿通孔２２に作動突部３３を挿通することに
より、制光体２１を保持部３２内に弾性的に位置
決め保持している。

なお、この制光体２１の位置決め保持は、この
実施例の場合、保持部３２だけで行なえるが、た
とえば、制光体２１及び保持部３２が円形の場
合、作動突部３３を多角形等の異形にして、作動
突部３３だけで制光体２１を位置決め保持するこ
とができる。

そして、上記カバー体３１の外側後部には外形
を上記支持枠体１と等しくして矩形に連続した無
端状の突縁３５が突設されているとともに、この
突縁３５の上側辺部及び下側辺部の内側には嵌合
突条３６が上記支持枠体１の突縁２の嵌合溝１２
に対応して形成され、この突縁３５を支持枠体１
の突縁２の外周に弾性的に被嵌して、突縁２の嵌
合溝１２に嵌合突条３６を弾性的に嵌合すること
により、支持枠体１の前面にカバー体３１が気密
状に装着され、このカバー体３１により上記スイ
ツチ７及び各表示素子８，９を設けたプリント配
線基板６の防水が行なわれるとともに、このカバ
ー体３１に保持された制光体２１の各光導孔２
３，２４に各表示素子８，９が遊嵌し、さらに、
制光体２１の挿通孔２２から突出した上記作動突
部３３の先端部がスイツチ７に対向している。

また、上記カバー体３１の外周には連続した無
端状の突条３８が上記支持枠体１の外径よりもや
や大きく突設されている。

４１は透光性を有する合成樹脂から成る長円形
状の表示板で、この表示板４１には上記制光体２
１の各光導孔２３，２４に対応した円形の図形か
ら成る販売表示部４２及び売切の文字から成る売
切表示部４３を残して遮光部４４が印刷等により
形成されている。

５１は透光性を有する合成樹脂から成るほぼ矩
形状の操作体で、この操作体５１は、上記支持枠
体１及びカバー体３１の外形よりも小さく形成さ
れ、前面に突出して後面を凹陥させた長円形状の
膨出部から成る操作部５２を有し、この操作部５
２の内面には複数の突条５３が前後方向に形成さ
れており、操作部５２を上記カバー体３１の保持
部３２の外側に嵌合して、各突条５３を保持部３
２の外側に圧接することにより、保持部３２に弾
性的に保持され、予め操作部５２の内底部に上記
表示板４１を挿入しておくことにより、表示板４
１を透光性を有するカバー体３１の保持部３２の
前面に位置決め保持し、表示板４１の透光性の販
売表示部４２及び売切表示部４３を上記制光体２
１の対応する各光導孔２３，２４に対向させてい
る。

したがつて、表示素子８，９等とともにスイツ
チ７を設けたプリント配線基板６を保持した支持
枠体１と、制光体２１、表示板４１及び操作体５
１を保持しかつ作動突部３３を一体形成したカバ
ー体３１とで、押釦スイツチ装置６０が１つのユ
ニツトとして、カバー体３１の弾性を利用してカ
バー体３１を中心に結合して構成され、しかも、
そのスイツチ７及び各表示素子８，９はカバー体
３１により防水されている。

６１は合成樹脂から成るほぼ矩形状の操作パネ
ルで、この操作パネル６１は、自動販売機の機体
の一部を構成するもので、自動販売機の前部のた
とえば扉６２に形成した開口部６３に装着され、
後面に複数の取付部６４を有している。

そして、上記操作パネル６１の各取付部６４
は、上記支持枠体１及びカバー体３１の外形とほ
ぼ等しい第１の凹部６５と、上記操作体５１の外
形より大きい第２の凹部６６を、垂直な段部６７
を介して２段階に形成したもので、その第２の凹
部６６の底部つまり操作パネル６１の前面板部６
８に上記操作体５１の外形より小さく操作体５１
の操作部５２より大きい挿通孔６９が形成されて
いるとともに、その段部６７に矩形状に連続した
無端状の突条７０が形成され、さらに、第２の凹
部６６の底部の下側部つまり挿通孔６９の下側部
に位置して、前面板部６８に排水口７１が前方に
向かつて下降傾斜状に形成されている。

そうして、上記操作パネル６１の各取付部６４
にそれぞれ上記カバー体３１を中心に結合してユ
ニツト化した押釦スイツチ装置６０が後方から挿
入され、押釦スイツチ装置６０の支持枠体１に取
付けた取付板１７がねじ７５で操作パネル６１の
後面に固定され、これによつて、自動販売機の操
作パネル６１に複数の押釦スイツチ装置６０が取
付板１７及びねじ７５により取外し自在に取付け
られ、さらに、各押釦スイツチ装置６０のプリン
ト配線基板６のコネクタ１０には自動販売機の制
御回路からのコネクタ７６が取付板１７の挿通孔
１９及び支持枠体１の開口部１４を介して接続さ
れている。

この状態では、押釦スイツチ装置６０の操作体
５１の操作部５２が操作パネル６１の前面板部６
８の挿通孔６９から操作自在に突出するととも
に、操作体５１の外側部が前面板部６８の後面に
当接して操作体５１が挿通孔６９の前方に脱落す
ることがなく、しかも、操作体５１の外側部がカ
バー体３１を介して支持枠体１の突縁２に対向す
るので、操作体５１の操作ストロークが決定さ
れ、そして、カバー体３１の突条３８が操作パネ
ル６１の第１の凹部６５の側面に弾性的に当接す
るとともに、カバー体３１の外側前面部が操作パ
ネル６１の段部６７の突条７０に弾性的に当接す
るので、操作体５１の操作部５２が突出した操作
パネル６１の前面板部６８の挿通孔６９から水滴
や湿気が入つても、排水口７１から排出され、ス
イツチ７及び各表示素子８，９を設けたプリント
配線基板６の防水は勿論の事、操作パネル６１の
後方部分たとえば自動販売機内部の制御回路や配
線等の電気機器の防水性も確保できる。

そうして、自動販売機に金銭を投入すると、そ
の金額で購入できる商品に対応した押釦スイツチ
装置６０の一方の表示素子８が発光し、この光が
制光体２１の一方の光導孔２３及びカバー体３１
の保持部３２を介して表示板４１の販売表示部４
２に照射され、販売表示部４２が点灯した中から
所望の商品に対応したものを選択してその操作体
５１の操作部５２を押圧すると、カバー体３１の
作動突部３３がスイツチ７に移動してスイツチ７
を作動し、これによつて、選択されなかつた商品
に対応した押釦スイツチ装置６０の表示素子８の
発光が止まるとともに、選択した所望の商品の投
出が開始され、商品が投出されると、点灯を続け
ていたその商品に対応した押釦スイツチ装置６０
の表示素子８の発光も止まる。

そして、この際、操作体５１の操作部５２の押
圧を解除すると、カバー体３１が弾性により元の
形状に復帰して、その作動突部３３がスイツチ７
から前方に移動してスイツチを復帰させる。

また、押釦スイツチ装置６０のプリント配線基
板６の他方の表示素子９は、対応した商品が売切
の場合に発光し、この光が制光体２１の他方の光
導孔２４及びカバー体３１の保持部３２を介して
表示板４１の売切表示部４３に照射される。

なお、この実施例では、押釦スイツチ装置６０
に、表示素子８，９、制光体２１、表示板４１及
び操作体５１等を設けたが、実施に際しては、こ
れらの１つないし全部を省略したり、あるいは必
要に応じて他の部品を付加したりすることがで
き、そして、支持枠体１、スイツチ７及びカバー
体３１の構造や形状も適宜に変更することがで
き、たとえば、カバー体３１に一体に形成した作
動突部３３も、作動部としてカバー体と別体に形
成し、この作動部とカバー体とを組合わせるよう
にしてもよい。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案によれば、支持枠体、
スイツチ、カバー体及び作動部とで、カバー体の
弾性を利用して押釦スイツチ装置をユニツト化で
きるので、自動販売機や自動両替機の機体に容易
に押釦スイツチ装置を組付けることができ、しか
も、故障等の際にも、ユニツト化した押釦スイツ
チ装置を交換するだけでよいので、メンテナンス
も極めて容易となり、その上、支持枠体に設けた
スイツチはカバー体により防水され、雨水等の水
滴だけでなく湿気からも保護されるので、結露の
心配もなく、スイツチ部分の故障も少なくでき
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は自動販
売機の一部の分解斜視図、第２図はその押釦スイ
ツチ装置部分の分解斜視図、第３図は自動販売機
の一部の正面図、第４図は第３図の−視断面
図、第５図は第３図の−視断面図、第６図は
第４図の部分拡大図である。 １……支持枠体、７……スイツチ、３１……カ
バー体、３３……作動部としての作動突部、６１
……自動販売機の機体の一部を構成する操作パネ
ル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動販売機等の機体に取外し自在に設けられる
   支持枠体と、 この支持枠体に設けられたスイツチと、 上記支持枠体に接触して設けられてスイツチを
   防水状態に被覆した防水性を有する弾性体から成
   るカバー体と、 上記スイツチに対向してカバー体に一体または
   別体に設けられ操作者の押圧操作によりスイツチ
   に移動してスイツチを作動するとともに押圧解除
   によりカバー体の弾性でスイツチから移動してス
   イツチを復帰する作動部と を具備したことを特徴とする自動販売機等の押釦
   スイツチ装置。