JPH0718112Y2 - 自動販売機等の押釦式スイッチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、とくに各種商品の自動販売機或いは自動両
替機等（以下この明細書において自動販売機等と称す
る）の押釦式スイッチ装置に関する。

（従来の技術） 従来、自動販売機の商品の販売を行わせるための押釦式
スイッチ装置は、いずれもかなりの厚みを有し、これを
取り付けるため商品見本陳列窓を構成する合成樹脂製の
前面パネルに各商品見本の陳列棚に対応させてその下部
に帯状の窪所から成る取付部を上下方向に渡って複数段
設け、この窪所状の取付部内に押釦式スイッチ装置を嵌
め込んで固定したものが公知である。

（考案が解決しようとする課題） ところが、この押釦式スイッチ装置を嵌め込むための複
数の取付部を構成する窪所を設けた前面パネルを製作す
ることは、そのために加熱状態でのプレス作業を必要と
し製作コストが高くつく他、操作パネルに歪みが生じた
り、組み込みに時間を要するという問題があった。

この考案の目的は、特別な前面パネルを設けなくとも、
単なる平板状の前面パネルに簡単に装着できるように構
成した、自動販売機等の押釦式スイッチ装置を提供せん
とするにある。

（課題を解決しようとするための手段） 上述した目的を達成するためにこの考案は、自動販売機
の押釦式スイッチ装置を、基板と、この基板の前部に設
けられたスイッチ操作部と、前記基板の後部に突設され
たソケット部と、このソケット部の挿通孔を設けたフラ
ットな取付面を有する前面パネルを含み、ソケット部を
挿通孔へ嵌入させて基板を前面パネルの取付部の前面へ
固着させると共に、スイッチ操作部を、基板上に取り付
けられた回路基板と、この回路基板上に設けられたスイ
ッチと、同じく回路基板上に取り付けられたチップ状の
発光ダイオードと、前記回路基板の上部を覆ってその内
部を防水状態に被覆する防水性と弾性を有する内カバー
と、この内カバーの内側に前記発光ダイオードに対応し
て設けられた反射鏡体と、前記内カバーの外側に設けら
れた押釦カバーと、この押釦カバーと前記内カバーとの
間に介挿された表示板と、前記押釦カバーを操作係止さ
せる挿通孔を有し前記基板上を覆う外カバーとから構成
したものである。

この考案はさらに、基板に同時に複数のスイッチ操作部
を設けることができる。

そして、この考案は、上述した構造の押釦式スイッチ装
置を複数個長手方向へ連結させることによって構成され
ており、互いの連結部分を構成する外カバーには一方に
係合突片を他方にこの係合突片を係合させる係合部を設
けることができる。

（作用） 平板状の基板の前後にスイッチ操作部とソケット部を突
設させると、ソケット部を前面パネルの挿通孔へ挿入さ
せて基板を前面パネルのフラットな取付面へ固着させる
のみで押釦式スイッチ装置を組み付けることができる。
また、スイッチ操作部は、部品点数が少ない上に、より
小型かつ薄型にすることができ、内部へ雨水の浸入を防
いで外部露出型であっても全天候性で使用することが可
能である。その際に、基板に複数のスイッチ操作部を設
けると、一つの基板の取り付けで同時に複数のスイッチ
が組み付けられることになるものである。

さらに、互いに長手方向へ連結される外カバー及び又は
基板の一端に係合突片を、他端に係合片を設けると、特
定個所の故障の際に、全部を取り外さなくとも故障した
部分のみを取り外し、また取り付けることができるもの
である。

（実施例） 図面はこの考案の一実施例を示し、第１図において、１
は自動販売機等の商品見本陳列窓を構成する前面パネル
であり、２、２、２は押釦式スイッチ装置を示してい
る。

第２図乃至第４図はこの押釦式スイッチ装置の詳細を示
す。図面によれば横長の矩形体を呈している合成樹脂製
かつ平板状の基板３の一側には、コネクター４、４・・
・を保持するソケット部５、５・・・が突設されてお
り、このソケット部５、５・・・を前面パネル１のフラ
ットな取付面1bに設けた挿通孔６、６、６・・・へ嵌入
させている。基板３はその中央部に設けた取付部８を前
面パネル１の取付面1bに設けた取付孔1aへ嵌入させ、取
付ビス７によって該前面パネル１へ固着されている。基
板３の他側にはスイッチ操作部９が隆設されており、こ
のスイッチ操作部９は基板３上に固着された回路基板10
と、この回路基板10上に間隔を空けて取り付けられた例
えば２個のタクトスイッチから成るスイッチ11、11と、
このスイッチ11、11の各々の両側に取り付けられたチッ
プ型の発光ダイオード12、12・12、12と、基板３上にス
イッチ11、11と発光ダイオード12、12・12、12を囲んで
設けられた断面が略凸型を呈した防水性と弾性を有しか
つ光透過性材質の内カバー13、13と、この内カバー13、
13の内側に取り付けられた反射鏡体14、14と、内カバー
13、13の外側に取り付けられた光透過性材質の押釦カバ
ー15、15と、この押釦カバー15、15と内カバー13、13と
の間に介挿された光透過性材質の表示板16、16と、押釦
カバー15、15を挿通係止させる挿通孔17a、17aを有し基
板３上を全体として覆う外カバー17とから構成されてい
る。尚、スイッチ11は実施例のものに限定されず、その
他の種々の公知のスイッチに代えることができる。

反射鏡体14、14は発光ダイオード12、12・12、12に対応
して底の浅い反射鏡14a、14a・14a、14aを有し、この反
射鏡14aの互いに対をなすもの同志の中央部に、内カバ
ー13、13より突設した突起13a、13aを挿通させる挿通孔
14b、14bを設けてある。外カバー17の一端部には係合突
片17bが、他端部にはこの係合突片17bを係止する係合部
17cが設けられている。

したがって、基板３を平板状とし、その上に回路基板10
を固定させ、発光ダイオード12、12・12、12をチップ状
の小型のものとしたので、基板３を含めたスイッチ操作
部９の厚さは約9,5mmと極めて薄型となり、基板３より
スイッチ操作部９が突出してもさほどに目障りなものと
はならない。

故障時には故障した個所の取付ビス７を外して外カバー
17の係合部17c側を手で持って引っ張ると、係合突片17b
がもう一つの係合部17cより外れ、他に基板を外すこと
なく故障した部分だけを取り外し、また、装着させるこ
とができるものである。この状態を示したものが第５図
である。

スイッチ操作部９においては、自動販売機にコインを投
入させると、商品が売り切れになっていない場合には、
表示板16、16・・・の矢印マークに対応して設けた発光
ダイオード12、12・・・が点灯して商品が販売中である
ことを表示するので、矢印が点灯したもので希望する商
品に対応して設けた押釦カバー15、15・・・のひとつを
押すと、内カバー13の弾力に抗して押し込まれ、突起13
aがスイッチ11を押圧してONさせ、該当する商品を図示
してない商品取出口へ送出させる。押釦カバー15に対す
る押圧力を解くと、内カバー13はその弾力により自動復
帰し元の状態に戻る。その際に押釦カバー15の係合片15
aと挿通孔17aとが係合するので、押釦カバー15が外カバ
ー17より飛び出してしまうことはない。

商品が売り切れの場合には、各表示板16、16・・・の売
切れと表示した部分に対応して設けた各発光ダイオード
12が点灯し、押釦カバー15を押圧しても商品が送り出さ
れてくることがない。

反射鏡14a、14aは発光ダイオード12、12をチップ状の小
型のものとした場合には、高さを設けなくとも反射鏡と
して充分に機能する。内カバー13は防水性であり、外カ
バー17に設けた突状17dと段部17eにより基板３にしっか
りと押圧されているので雨水等が回路内部へ浸透するこ
とがない。

（効果） 以上詳細に説明したようにこの考案によれば、基板を前
面パネルのフラットな取付面へ取り付けるのみで良いの
で、前面パネルの構造を簡単にでき、製作コストを下げ
ることができる上に、スイッチ製作部を薄型に構成でき
るので、前面パネルの前面へ取り付けても前方へあまり
突出せずに外観上もすっきりとしたものにすることがで
きるものである。

また、一つの基板上に複数のスイッチ操作部を設ける
と、前面パネルに対する組み付けをそれだけ短時間に行
うことができ、製作コストを下げることができるもので
ある。

さらに、外カバーの一端に係合突片を他端にこの係合突
片を係合させる係合部を設けると、押釦式スイッチを一
体となった一本の長い帯状のものとしなくても、途中で
連結させることが可能となり、作業性が向上すると共
に、故障時において他のものを取り外すことなく、該当
する基板のみを取り外すことができ、作業能率が増大す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はこの考案を
実施した自動販売機の一部正面図、第２図はこの考案に
係る押釦式スイッチ装置の一部を示す正面図、第３図は
この押釦式スイッチ装置の平面断面図、第４図は第３図
をスイッチの部分から割って見た右側断面図、第５図は
基板と前面パネルとの間の着脱方法を説明するための説
明図である。 １……前面パネル 1a……取付孔 1b……取付面 ３……基板 ５……ソケット部 ６……挿通孔 ７……取付ビス ９……スイッチ操作部 10……回路基板 11……スイッチ 12……発光ダイオード 13……内カバー 14……反射鏡体 15……押釦カバー 16……表示板 17……外カバー 17a……挿通孔 17b……係合突片 17c……係合部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基板と、この基板の前部に設けられたスイ
   ッチ操作部と、前記基板の後部に突設されたソケット部
   と、このソケット部の挿通孔を設けたフラットな取付面
   を有する前面パネルとを含み、前記ソケット部を前記挿
   通孔へ嵌入させて前記基板を前記前面パネルの前記取付
   面の前面へ固着させると共に、前記スイッチ操作部を、
   前記基板上に取り付けられた回路基板と、この回路基板
   上に設けられたスイッチと、同じく前記回路基板上に取
   り付けられた発光ダイオードと、前記回路基板の上部を
   覆ってその内部を防水状態に被覆する防水性と弾性を有
   する内カバーと、この内カバーの内側に前記発光ダイオ
   ードに対応して設けられた反射鏡体と、前記内カバーの
   外側に設けられた押釦カバーと、この押釦カバーと前記
   内カバーとの間に介挿された表示板と、前記押釦カバー
   を挿通係止させる挿通孔を有し前記基板上を覆う外カバ
   ーとから構成したことを特徴とする、自動販売機等の押
   釦式スイッチ装置。
2. 【請求項２】基板には同時に複数のスイッチ操作部が設
   けられていることを特徴とする、実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の自動販売機等の押釦式スイッチ装置。
3. 【請求項３】押釦式スイッチ装置が実用新案登録請求の
   範囲１又は２に記載した構造のものを複数個長手方向へ
   連結させることによって構成されており、互いの連結部
   分を構成する外カバーには、一方に係合突片を他方にこ
   の係合突片と係合する係合部を設けたことを特徴とす
   る、実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載の自
   動販売機等の押釦式スイッチ装置。