JPH02918Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は例えば測定器等のような電気機器の筐
体構造に関し、特に、樹脂製ハウジングの組立構
造に関する。

従来技術 最近、各種測定器等のような電気機器において
は、量産性や設計の自由度等の点から筐体を樹脂
成形する場合が多いが、細かい細工が必要な前面
パネルと容器状の機器ハウジングを一体成形する
ことは困難である。このため、従来では、回路基
板等を収容する容器状の樹脂製ハウジングと、多
数のスイツチ類や表示器、タ−ミナルプラグを組
付ける前面成形パネルとを別々に成形し、後から
両者をねじ止めまたは加熱溶着等の方法で一体化
している。

しかしながら、このような従来の組立構造で
は、樹脂製ハウジングと前面成形パネルとをねじ
等で止めるため、外観のよい筐体が得られないば
かりか、組立作業がやつかいで、加熱溶着による
場合は分解の必要が生じても、両者を分解できな
いといつた問題がある。そして、樹脂成形筐体は
絶縁性材料で構成されるため、外部磁界等から内
部素子類を保護するシ−ルド板を内装しなければ
ならない欠点もある。

考案の目的 本考案の目的は、以上に述べたような従来の分
割された樹脂成形筐体の問題に鑑み、何等の工具
を用いずに組立てることができ、内部シ−ルド板
を用いる必要がない構造を得ようとするものであ
る。

考案の構成 この目的を達成するため、本考案は、容器状に
成形される樹脂製ハウジングとこの樹脂製ハウジ
ングの一側面を覆つてこれに組付けられる樹脂製
の前面成形パネルとを有する電気機器筐体におい
て、前記樹脂製ハウジング及び前記前面成形パネ
ルの内面に予め導電メツキ処理を施こし、成形パ
ネル内側面の下方及び後方を開放した取付溝に挿
入できる一対の支持壁を、樹脂製ハウジングの前
側に一体成形し、成形パネルの側部フランジ内面
上部に、前記支持壁の上部を係止して成形パネル
の前後方向の移動を阻止する係止手段を一体成形
し、前記樹脂製ハウジングの前部と成形パネルの
下部との間に、両者を固定する固定爪を設けるこ
とを提案するものである。実施例 以下、図面について本考案の実施例の詳細を説
明する。

図示実施例は測定器の筐体に本考案を施こした
例であつて、同筐体は、図示を省略した回路基板
等を収容する容器状の樹脂製ハウジング１と、同
樹脂製ハウジング１の開放した前面を覆う前面成
形パネル２とを備えており、同成形パネル２に
は、図示しないけれども、スイツチ類、表示器、
タ−ミナルプラグ等の取付用開孔や取付座が精密
加工してある。そして、前記樹脂製ハウジング１
及び前面成形パネル２の両内面には、両者の組立
以前に導電メツキ処理が施こされる。

前記樹脂製ハウジング１はその前部両側に一体
成形する一対の支持壁３Ａ，３Ｂを有し、組立に
際して、これらの支持壁３Ａ，３Ｂは、前面成形
パネル２の内面側に形成する一対の取付溝４Ａ，
４Ｂに挿入される。これらの取付溝４Ａ，４Ｂは
下方及び後方を開放したものであるから、支持壁
３Ａ，３Ｂの前部上方から前面成形パネル２を支
持壁３Ａ，３Ｂに当てがうことにより、支持壁３
Ａ，３Ｂを取付溝４Ａ，４Ｂに挿入できる。

また、前記前面成形パネル２の左右側壁５Ａ，
５Ｂの内面には、前記支持壁３Ａ，３Ｂの先端頭
部３ａ，３ｂを係止できる突起６Ａ，６Ｂ即ち係
止手段が一体に成形してある。したがつて、樹脂
製ハウジング１と前面成形パネル２との組立時
に、支持壁３Ａ，３Ｂの先端頭部３ａ，３ｂが前
面成形パネル２の裏面と突起６Ａ，６Ｂの間に受
入れられると、前面成形パネル２の上部は前後方
向へも、左右方向へも移動できなくなる。

前記樹脂製ハウジング１は、その前端下部に、
上方に向いた複数の固定爪７Ａ，７Ｂ，７Ｃを一
体成形してあり、これらの固定爪７Ａ，７Ｂ，７
Ｃは前面成形パネル２の底面の係止孔８Ａ，８
Ｂ，８Ｃに挿入されるもので、これらの固定爪７
Ａ，７Ｂ，７Ｃの引掛りにより樹脂製ハウジング
１と前面成形パネル２が完全に固定関係におかれ
る。なお、図示例の係止孔８Ａ，８Ｂ，８Ｃは、
前面成形パネル２の前面に開口した工具穴９Ａ，
９Ｂ，９Ｃに連結しているが、これらは樹脂製ハ
ウジング１と前面成形パネル２の組立後に、これ
らを分解するための構成であるから、再分解を必
要としない場合には、工具穴９Ａ，９Ｂ，９Ｃは
省略できる。

図示実施例は、以上のような構造であるから、
樹脂製ハウジング１の前部上方から前面成形パネ
ル２を支持壁３Ａ，３Ｂに挿着し、前面成形パネ
ル２を下向きに強く押すだけで、筐体を組立てる
ことができる。この組立状態では、支持壁３Ａ，
３Ｂの内面の取付溝４Ａ，４Ｂへの接触や固定爪
８Ａ，８Ｂ，８Ｃの前面成形パネル２への接触に
よつて、樹脂製ハウジング１の内面並びに前面成
形パネル２の内面に形成した導電メツキ層が互い
に接触するので、内部回路素子等は外界から完全
に遮閉される。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、何等の工具を用いずに樹脂製ハウジングと前
面成形パネルを組立てることができるので、筐体
の組立工程を簡素化でき、樹脂製ハウジングと前
面成形パネルの導電メツキ層間の接触によつて内
部シ−ルド板を省略できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による電気機器筐体の組立状態
の全体斜視図、第２図は第１図の−線に沿う
断面図、第３図は第１図の−線に沿う断面
図、第４図は樹脂製ハウジングの前部斜視図、第
５図は前面成形パネルの裏面斜視図である。 １……樹脂製ハウジング、２……前面成形パネ
ル、３Ａ，３Ｂ……支持壁、４Ａ，４Ｂ……取付
溝４Ａ，４Ｂ、６Ａ，６Ｂ……突起、７Ａ，７
Ｂ，７Ｃ……固定爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器状に成形される樹脂製ハウジングとこの樹
   脂製ハウジングの一側面を覆つてこれに組付けら
   れる樹脂製の前面成形パネルとを有する電気機器
   筐体において、前記樹脂製ハウジング及び前記前
   面成形パネルの内面に予め導電メツキ処理を施こ
   し、成形パネル内側面の下方及び後方を開放した
   取付溝に挿入できる一対の支持壁を、樹脂製ハウ
   ジングの前側に一体成形し、成形パネルの側部フ
   ランジ内面上部に、前記支持壁の上部を係止して
   成形パネルの前後方向の移動を阻止する係止手段
   を一体成形し、前記樹脂製ハウジングの前部と成
   形パネルの下部との間に、両者を固定する固定爪
   を設けたことを特徴とする電気機器筐体の組立構
   造。