JPH0288414A - 弾性黒鉛体の製造方法 - Google Patents

弾性黒鉛体の製造方法

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JPH0288414A
JPH0288414A JP63237921A JP23792188A JPH0288414A JP H0288414 A JPH0288414 A JP H0288414A JP 63237921 A JP63237921 A JP 63237921A JP 23792188 A JP23792188 A JP 23792188A JP H0288414 A JPH0288414 A JP H0288414A
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泰弘 山田
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下村 誠司
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Koa Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は炭素材料に関し、特に軽量、耐熱性であり、か
つ、弾性にすぐれた粒状黒鉛体の製造方法に関する。
〔発明の背景〕
一般に炭素材料は、軽量、耐熱性、高弾性率等の他の材
料に見られない特性を持っているが、ブロック体では多
孔質なものでも剛性であり、一方、繊維、シート、フィ
ルムのように、細いかあるいは薄いものでは変形可能な
ものになる。しかし、これら炭素材料はそれ自体弾性体
としての性質は有しズはいない。従来、弾性を持つ炭素
材料としては膨張黒鉛から製造されるシートが知られて
いる。しかし、このシートに圧縮荷重を加えた後、荷重
を除いて求められる回復率は小さいものである(斎藤、
工業材料、29巻34ページ、1985年参照)。
本発明者らは先に、圧縮荷重を加えた後、荷重を除いて
求められる回復率の大きい粒状弾性黒鉛体の製造方法を
提供している(特願昭61−285493号および特願
昭62−164808号)。この発明の要旨は、特願昭
61−285493号明細書において、硝酸もしくは硝
酸と硫酸との混酸で処理した炭素質メソフェースまたは
生コークスを、また、特願昭62−164808号にお
いては、硝酸もしくは硝酸と硫酸との混酸で処理した炭
素質メソフェースまたは生コークスをアルカリ水溶液中
で溶解させ、次いで、酸水溶液で析出させて得られるア
クアメソフェースを約300℃で加熱処理して膨張、発
泡させ、これを2400℃以上の温度で黒鉛化処理する
ものであった。確かに、これらの方法によって得られる
黒鉛体は優れた回復率を有するものであるが、前者の方
法では、硝酸もしくは硝酸と硫酸との混酸での処理、後
者のそれでは硝酸もしくは硝酸と硫酸との混酸で処理後
、更に溶解、析出処理が工程上必要であった。そして、
両者に共通な操作である硝酸もしくは硝酸と硫酸との混
酸での処理は、原料にニトロ基の導入と副反応である酸
化反応によるカルボン酸基、水酸基が同時に導入される
というものである。このことから、約300℃の熱処理
時に生ずる膨張、発泡現象は、ニトロ基による原料の溶
融とカルボン酸基と水酸基の分解で発生するガスによる
と推定された。すなわち、これらの方法においては、弾
性黒鉛体を製造するためにはニトロ基、カルボン酸基等
の存在が必要な要件であると考えられていた。
いずれにしても、上述した従来の製造方法は、工程操作
が比較的繁雑であり、時間的にも長時間を要するもので
あった。
〔発明の概要〕
本発明は従来法で採用されている工程を、より合理的か
つ迅速な工程にし、これにより製造工程の簡略化と製造
コストの低減化が図られ、しかもすぐれた弾性特性を有
する黒鉛体を得るための方法を提供することを目的とし
ている。
上述したように、従来の製造方法においては、その工程
は、硝酸もしくは硝酸と硫酸との混酸での処理、可溶化
ならびに析出処理、膨張・発泡処理および黒鉛化処理と
いう一連の操作からなるが、本発明者の研究によれば、
原料となる炭素質材料に硝酸を接触させるとともにこれ
を急速に昇温しで加熱処理することによって、実質的に
単一の工程で材料の膨張・発泡を生じさせることができ
、これを黒鉛化処理することによって良好な特性の弾性
黒鉛体を得ることができることを見出した。
本発明の弾性黒鉛体の製造方法は、上記知見に基づいて
完成されたものであり、より詳しくは、炭素質材料に硝
酸を接触させて急速に加熱することによって膨張・発泡
処理を行ない、次いで得られた膨張・発泡炭素質材料を
黒鉛化することを特徴としている。
以下、この方法について詳細に説明する。
〔発明の詳細な説明〕
炭素質材料 原料である炭素質材料としては炭素質メソフェースおよ
び(または)コークスが好ましく用いられる。炭素質メ
・ソフェースは重質歴青物を約350〜500℃で熱処
理した時に生成する光学的異方性体であり、かつ、有機
溶剤に不溶な成分である。しかも、水素を2重量%以上
含有しているものが用いられる。これら炭素質メソフェ
ースの原料として用いられる重質歴青物はコールタール
ピッチ、石炭液化物の石炭系ピッチ、石油の蒸留残さ油
、ナフサの熱分解時に副生するナフサタールピッチ、ナ
フサ等の流動接触分解法(FCC法)で副生するFCC
デカントオイル等の石油系ピッチ、PvC等の合成高分
子の熱分解で得られるピッチ等であり、炭素化処理によ
って易黒鉛化性炭素を与えるものであれば特に種類は問
わない。
これらのピッチ類は約350〜500℃で熱処理する。
この熱処理によって、炭素質メソフェースを生成させる
。炭素質メソフェースの生成は熱処理物を偏光顕微鏡下
で観察することによって容易に知ることができる。すな
わち、炭素質メソフェースは光学的等方性相であるピッ
チ中に光学的異方性相として識別される。
炭素質メソフェースを生成させる熱処理条件は、熱処理
したピッチから分離される炭素質メソフェースの元素組
成によって決められる。元素の内、特に水素の含有量が
2重量%以上になるようにすることが好ましい。
したがって、熱処理条件を厳しくしてピッチ類を全量固
化させたセミコークスでは水素量が2%以下となり、混
酸で処理後、熱処理しても体積増加がほとんど生じない
ため、過度の熱処理は避ける必要がある。
熱処理したピッチから炭素質メソフェースの分離は沈降
法または(および)溶剤分別法で行う。
すなわち、熱処理したピッチを、このピッチが溶融状態
において、静置すると炭素質メソフェースが下方に沈降
するので、この部分のみを採取する。
また、溶剤としてキノリン、ピリジン等の有機溶剤、ア
ントラセン油やクレオソート油等の芳香族化合物を多量
に含有する芳香族系油に熱処理したピッチを溶解、分散
させ、これらの溶剤の不溶性成分として得ることが出来
る。
分離して得られ炭素質メソフェースは粉状、塊状である
が、これをそのまま用いることは好ましくない。それは
、炭素質メソフェースと硝酸との処理は比較的短時間で
あるため、粒度が数im以上と大きい場合は反応が不十
分となり、膨張、発泡の程度が小さくなる恐れがあるた
めである。一方、粒度が約50μm以下になると、膨張
、発泡の程度が好ましくなく、得られる弾性体の性能が
低下する。したがって、好ましい粒度範囲としては約1
〜2smから100μmの範囲である。
膨張・発泡処理 本発明においては、上記の様な炭素質メソフェースに硝
酸を接触させて急速に加熱することにより膨張・発泡を
起こさせる。この処理の具体的方法は以下の通りである
まず、上記の炭素質メソフェース1gに対して、好まし
くは30〜70%濃度の硝酸を0.5ml以上加え、あ
らかじめ200〜400℃に加熱した炉中に入れ、好ま
しくは2分間以上、更に好ましくは10分間以上保持す
る。用いる硝酸の濃度、は上記の様に30%以上である
ことが好ましい。
この濃度が30%未満になると、炭素質メソフェースの
膨張、発泡の程度が小さくなるので好ましくない。また
、硝酸の量が0.5ml未満では、反応が十分良好に進
行しないため炭素質メソフェースの膨張ないし発泡の程
度が小さくなるので好ましくない。
上記の様な炭素質メソフェースと硝酸の熱処理時におい
て次の様な現象が起こる。すなわち、容器に採取した炭
素質メソフェースに硝酸を加えた時、わずかに褐色のガ
スが発生する。これをあらかじめ加熱した炉中に入れる
とさらに褐色のガスが多量に発生し、ついで白色の水蒸
気と思われるものが発生し、その量が徐々に減少する。
そして、その後白色のガスが急激に発生するが、このガ
スの発生がなくなると反応が終了する。この白色のガス
が発生するとき、炭素質メソフェースは膨張、発泡する
。試料容器を炉に入れて、ガスの発生が終了するまでの
時間は、用いる硝酸の濃度とその量および熱処理温度に
よっても異なるが、熱処理温度が300℃の場合、容器
を炉中に入れてから、通常約3〜4分間で終了する。こ
の場合、ガスの発生が終了した後、更に長時間保持して
も得られる弾性黒鉛体の性状には特に影響しない。また
、この処理によって、炭素質メソフェースが膨張、発泡
した処理物は乾燥した状態で得ることができる。形状の
変化はこの処理でほぼ決定され、黒鉛化処理を行っても
同等変化しない。
以上の様に、製造工程をより合理的かつ迅速な工程にし
、これにより製造コストの低減化が図られた弾性黒鉛体
を得るためには、炭素質メソフェースと硝酸を接触させ
て200〜400℃の温度で急激に加熱することが好ま
しい。この場合熱処理温度が200℃未満では、反応に
要する時間が長時−間となり、迅速な製造工程とならな
いので好ましくない。また熱処理温度が400℃を超え
ると、硝酸と炭素質メソフェースが反応しないうちに硝
酸が分解して窒素酸化物ガスとなって系外に排出されて
しまうので好ましくない。また、加熱温度を徐々に高く
すること(すなわち、昇温をゆっくりにした場合)は、
反応が達成される以前に硝酸が分解して窒素酸化物ガス
となって系外に排出されることとなるので、加熱に際し
ては昇温をできるかぎり急激に行うことが肝要である。
黒鉛化処理は通常2000℃以上の温度で行うことが望
ましい。なぜなら、これ以下の温度では後述する圧縮後
の回復率が小さいものしか得られないからである。20
00℃以上の温度で処理したものは温度によらず回復率
の大きいものとなる。
このようにして得られたものが弾性体であるかどうかは
次の様な試験により確認することができる。
内径10會■のステンレス製シリンダー状金型に、得ら
れた試料量1gを入れ、周囲からたたいて最密充填にな
るようにした後、上部から押し棒を挿入し、100gの
荷重を加え、この時の試料の高さを測定し、この値をh
oとする。ついで、所定の荷重を加え、試料の高さを測
定し、その値をhlとする。そして荷重を除き、そのと
きの試料の高さをn1定し、その値をh2とする。これ
らの値から、次式によって、充填密度、圧縮率および回
復率を求めることができる。
充填密度(gud> −(試料量ffi(g))/ (
h oπr 2)     ・<1)圧縮率(%)−(
(ho−h、)/ho)X100      −(2)
回復率(%)−((h  −h  )/ (ho−h、
))X100 −(3)本発明の方法によれば、式(1
)がら求められる充填密度がLOglc!以下であり、
式(2)における圧縮率が10〜90%の時の、回復率
が50%以上である弾性黒鉛体を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明の方法を更に詳細に説明す
る。
実施例1 コールタールピッチ500gに対してキノリンを約15
00ml加え、約90℃に加熱し、溶解させた。これを
遠心沈降機によって、不溶成分を沈降させ、上澄みを定
性ろ紙によって、減圧ろ過した。ろ液を減圧蒸留してキ
ノリンを除き、フリーカーボンを含有しないピッチを得
た。このピッチ300gを5001のガラス製円筒状容
器に入れ、窒素ガス気流中、かくはんしながら、450
℃まで加熱し、この温度で45分間保持した。時間経過
後、直ちに室温まで冷却して熱処理ピッチ273gを得
た。熱処理ピッチ200gに対してキノリン6004+
加え、約90℃に加熱して、溶解、分散させた。これを
遠心沈降機により、不溶成分を沈降させ、上澄みを除き
、不溶成分に新たなキノリンを加え、約90℃に加熱し
た後、遠心沈降機で不溶成分を沈降させた。この操作を
5回繰り返した後、不溶成分はベンゼン、次いでアセト
ンで十分に洗浄してキノリンを除き、約70℃で乾燥し
て、炭素質メソフェース98gを得た。
次いで、この炭素質メソフェース50gを200−1の
キノリンに入れ、約250℃に加熱して、キノリンを還
流させながら3時間保持した後、遠心機で不溶成分を沈
降させ、上澄みを除いた。不溶成分にキノリンを加え、
約90℃に加熱した後、遠心機で不溶成分を沈降させ、
上澄みを除いた。
この操作を8回繰り返した後、不溶成分にベンゼン、次
いでアセトンで十分洗浄してキノリンを除き、約70℃
で乾燥して、炭素質メソフェース44g得た。
このようにして調製した炭素質メソフェースのうち、前
者の方法で調製したものを炭素質メソフェース(A)、
後者のそれを炭素質メソフェース(B)とし、それらの
性状を第1表に示す。
第1表 (A) (B) 93、1 3、6 1、8 92.3 3.4 1.4 0.25〜0.5mmの粒度に調整した炭素質メソフェ
ース(A)5gを300+el容jlのガラス製円筒形
フラスコに入れ、70%濃硝酸10m1を加え、溜出孔
を持つ蓋をかぶせた後、直ちに300℃に加熱した炉中
に入れた。この状態で10分間保持した後、フラスコを
炉から取り出し、冷却させた。得られた熱処理物の量は
4.01gであり、収率は80.2vt%であった。こ
れを黒鉛製ルツボに入れ、タンマン炉でアルゴン気流中
、2800℃まで加熱し、60分間保持して黒鉛化処理
した。得られた黒鉛化物の量は3.59gであり、収率
は炭素質メソフェースに対して71.7シt%であった
黒鉛化物1.31gを内径10amのステンレス製シリ
ンダー状金型に入れ、100gの荷重を加え、その時の
高さを計測した(h o)。これから式(1)にしたが
って充填密度を計算した所、0.59g/mであった。
ついで、荷重を630Kg/cシ加え、その時の高さを
計測した(hl)。
そして、この荷重を除いて、再び、高さを計測した(h
2)。得られたhl、h2から式(2)および(3)に
よって、圧縮率、回復率を求めた所、圧縮率は72%で
あり、回復率は72%であった。
上記炭素質メソフェース(A)および0.25〜0. 
5s■の粒度に調整した炭素質メソフェース(B)を用
い、硝酸の濃度とその量、熱処理温度、黒鉛化温度を変
え た場合の収率を第2表に、充填密度、圧縮率および回復
率を第3表に示す。
第2表 (%)  (ml) 炭素質メソフェース 炭素質メソフェース 比較例 7030 (”C)  (mIn) (A) 300 10 84゜ 300 10 84゜ 300 10 91゜ 200 45 77゜ (B) 300 10 95゜ 300 10 95゜ 300 10 95゜ 300 10 96゜ 400 10 85゜ 200 45 95゜ (vL%)    (”C)   (vt%)70゜ 77゜ 73゜ 71゜ 75゜ 79゜ 80゜ 76゜ 73゜ 74゜ 第3表 2   0.60   636   70   703
   0.55   629   70   634 
  0.87   646   61   655  
 0.33   661   84   546   
0、.67   633   63   6370.6
1   644   64   55比較例  0.6
g    643   56   428   0.8
4   646   54   609   0.74
   635   60   6010   0.60
   638   69   66実施例2 あらかじめ減圧蒸留により、沸点約500℃以下の低沸
点成分を除去したFCCデカントオイル2Kgを5リツ
トルの容器に入れ、窒素ガス気流中、かくはんしながら
500℃まで加熱し、2時間保持した後、加熱とかくは
んを停止し、放冷した。
内部の温度が400℃に達した時、加熱によってこの温
度に保持しながら、放冷を開始して合計3時間経過後、
容器下部に設けた抜き出し孔より、約1.6Kgのピッ
チ状物を取り出した。このピッチ状物にキノリンを約2
倍量加え、90℃に加熱して溶解、分散させた。次いで
、遠心分離器で不溶成分を分離し、この不溶成分に新た
なキノリンを加えて加熱した後、遠心分離した。この操
作を5回繰り返した後、不溶成分はベンゼン、アセトン
で十分洗浄し、乾燥した。得られた不溶成分の量は1.
2Kgであり、偏光顕微鏡によって組織を観察したとこ
ろ、全面、流れ構造の異方性相であった。そこで、この
不溶成分を炭素質メソフェースとして用いた。
このようにして調製した炭素質メソフェースの元素組成
は炭素93.2vt%、水素3.8vt%、窒素0.7
vt%であった。
この炭素質メソフェースを粉砕し、0.25〜0.5m
sのものを採取し原料とした。実施例1と同様にして、
硝酸と種々の条件で熱処理した後、黒鉛化処理した。処
理条件と収率をまとめて第4表に示す。
黒鉛化処理物を実施例1.と同様の装置と方法によって
、充填密度、圧縮率および回復率を測定した。得られた
結果をまとめて第5表に示す。
第4表 (”C)  (sin) (vt%) 80.9 88.5 85.1 83.3 80.9 80.9 83.9 87.8 (’C) (vt%) 58.1 59.6 60.6 64.1 65.3 67.1 61、1 55.7 第5表 番号 (g/crd) 12  0.40 13  0.84 14  0.96 15  0.65 16  0.46 比較例  0.50 17  0.22 18  0.71 (にg/cd)    (%)   (%)実施例3 デイレードコーカー法で得られた生コークスを粉砕し、
0.35〜0.15ml1mのものにした。
このコークスの元素組成は炭素91.8vt%、水素3
、 6vt%、窒素1.4vt%であった。このコーク
ス5gと70%濃度の硝酸5mlとを実施例1と同様に
して、300℃、10分間熱処理した。このものの収率
は86.2vt%であった。ついで2800℃で30分
間黒鉛化処理した。黒鉛化物の収率は原料に対して60
.3vt%であった。この黒鉛化物を実施例1と同様に
して充填密度、圧縮率および回復率をa?J定した。そ
の結果、充填密度は0.95g/cdであり、荷重が2
20 Kg/ c+fのとき圧縮率は52%、回復率は
73%であった。
比較例1 実施例3に用いたと同じ試料に約3倍量のキノリンを加
え、還流させながら1時間処理した。ついで、遠心沈降
器にかけ、不溶成分を沈降させた後、上澄みを取り除い
た。これに新しいキノリンを加え、約90℃に加熱して
、遠心沈降器にかけ、不溶成分を沈降させ、上澄みを除
いた。この操作をキノリンがわずかに着色する程度にな
るまで繰り返した後、ベンゼン、アセトンで洗浄後、乾
燥した。このようにして得られたものの元素組成は炭素
94.8vt%、水素1.8vt%、窒素1,6vt%
であった。この5gと70%濃度の硝酸5mlとを実施
例1と同様にして、300℃、10分間熱処理した。こ
のものの収率は83.8wt%であった。ついで、28
00℃、60分間黒鉛化処理した。黒鉛化物の収率は原
料に対して79.6vt%であった。この黒鉛化物を実
施例1と同様にして充填密度、圧縮率および回復率をf
ll定した。
その結果、充填密度は1.32g/cIlであり、荷重
が630Kg/cシのとき圧縮率は28%、回復率は2
596であった。
比較例2 実施例1で用いた炭素質メソフェースを含有する熱処理
ピッチを粉砕し、0.25〜0. 5m11のものを採
取した。この5gと70%濃度の硝酸5mlとを実施例
1と同様にして、300℃、10分間熱処理した。この
ものの収率は74.9vt%であった。これを、280
0℃、60分間黒鉛化処理した。黒鉛化物の収率は炭素
質メソフェースに対して52. 7vt96であった。
この黒鉛化物を実施例1と同様にして充填密度、圧縮率
および回復率を測定した。その結果、充填密度は0.1
6g/cIj1であり、荷重が440Kg/cdのとき
圧縮率は87%、回復率は38%であった。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、炭素質材料を硝酸で処理し、黒
鉛化処理するという簡単かつ迅速な処理によって、圧縮
回復率が高く、弾性限界の大きい弾性黒鉛体を製造する
ことができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、炭素質材料に硝酸を接触させて急速に加熱すること
    によって膨張・発泡処理を行ない、次いで得られた膨張
    ・発泡炭素材料を黒鉛化することを特徴とする、充填密
    度が1.0g/cm^3以下であり、かつ圧縮率10〜
    90%における回復率が50%以上である弾性黒鉛体の
    製造方法。 2、炭素質材料が、水素の含有量2重量%以上の炭素質
    メソフェースおよび(または)コークスからなる、請求
    項1の方法。 3、炭素質材料と接触させる硝酸の濃度が 30%以上である、請求項1の方法。 4、炭素質材料と接触させる硝酸の量が、炭素質材料1
    gに対して0.5ml以上である、請求項1の方法。 5、前記急速加熱処理において、被加熱物を200〜4
    00℃の温度に2分以上保持する、請求項1の方法。 6、炭素質材料に硝酸を接触させて得られた膨張・発泡
    炭素材料の黒鉛化温度が、2000℃以上である請求項
    1の方法。
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