JPS6213284B2 - - Google Patents
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- JPS6213284B2 JPS6213284B2 JP54077566A JP7756679A JPS6213284B2 JP S6213284 B2 JPS6213284 B2 JP S6213284B2 JP 54077566 A JP54077566 A JP 54077566A JP 7756679 A JP7756679 A JP 7756679A JP S6213284 B2 JPS6213284 B2 JP S6213284B2
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Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
本発明はバインダーを使用せずに高密度炭素材
を製造する方法に関するものである。 現在、高密度炭素材は、放電加工用電極等の電
気化学用、坩堝、ボート材等の冶金用、シールリ
ング材等の機械用、更に原子炉材用等の極めて広
範囲にわたる分野において利用され、かつ開発が
進められている。 従来、かかる高密度炭素材を製造するには、骨
材コークスを超微粉砕し、バインダーピツチを添
加した後に、混練し、成形したものを焼成、含浸
および黒鉛化すると言う複雑な工程が必要であ
り、しかも得られる炭素材の密度はせいぜい1.75
〜1.85g/cm3程度で、高密度のものを得ることは
極めて困難であつた。 かかる複雑な工程の簡略化および生成する炭素
材の高密度化を目的として、バインダーを使用せ
ずに高密度炭素材を製造するいくつかの方法が提
案された。かかる方法の一例では、コールタール
ピツチを350〜500℃で熱処理し、この際ピツチ中
に発生する光学的異方性小球体をキノリン等で溶
剤抽出し、抽出液から溶剤を除去して得た残留物
を成形する(特開昭49−23792号)。しかし、この
方法では、光学的異方性小球体のピツチに対する
収率がせいぜい30%止まりと低く、抽出された光
学的異方性小球体のみでは成形圧を高めても満足
すべきかさ比重および強度を有する炭素材を得る
ことが難しく、更にはキノリン等の抽出溶剤を除
去するためにベンゼン、アセトン等による洗浄お
よび乾燥の工程を必要とし、しかもこうした処理
にもかかわらず溶剤の完全除去が困難で、成形性
が劣りまた焼成時に残存溶剤等に起因する割れお
よびクラツクが発生し易いといつた種々の欠点が
ある。 かかる方法の第2の例では、第1の例の方法に
おける収率の向上および成形体カーボンのかさ比
重および強度の向上を目的として、光学的異方性
小球体を軽油または中油で抽出して、高分子の粘
結成分であるβ成分(ベンゼン不溶(BI)で、
キノリン可溶(QS)な成分)を残存させる(特
開昭50−98491号)。この方法によれば、β成分の
残存による収率の向上および焼結性の増大による
高密度化が可能となるが、第1の例の方法の場合
と同様に乾燥工程のみでは溶剤の完全除去が難し
いことに加えて、成形体焼成時のβ成分のQI成
分への熱重合反応に際しての揮発分の発生のため
に、成形体の割れおよびクラツクの発生が著し
く、成形体の焼成が難しいといつた欠点がある。 さらに、第3の例では、光学的異方性小球体を
利用する第1および第2の例の場合より幾分高い
温度でコールタールピツチを熱処理し、得られる
低温乾溜コークスをベンゼン等の軽油で抽出した
後に、微粉砕し、成形する。この第3の例の方法
においても、第2の例の方法におけると同様に、
乾燥工程だけでは充分に除去し得ない溶剤あるい
は強い粘結性を有するβ成分の炭化結合反応に際
しての揮発分の発生のため、成形体の焼成時に成
形体の割れおよびクラツクの発生が起り易く、従
つて低温乾溜コークス製造時のβ成分の残存量を
規制する等の厳密な製造管理が必要とされ、安定
して高密度炭素材を得ることが困難である。 従つて、本発明の目的は、バインダーを使用せ
ずに高密度炭素材を得る従来方法の欠点を有して
おらず、しかも従来達成し得なかつたような高密
度を有する大型の炭素材を、極めて簡単に、また
非常に安定して製造する方法を得ようとするにあ
る。 かかる本発明の目的は、コールタールピツチを
350〜600℃の温度で熱処理し、該熱処理工程で生
成した熱処理ピツチをそのβ成分の全量又は一部
を抽出残ピツチに残すような条件下で溶剤抽出
し、得られる抽出残ピツチに不活性雰囲気又は還
元雰囲気において200〜450℃の温度での〓焼処理
を実施して、 ベンゼン不溶分(BI)>97重量% キノリン不溶分(QI)>95重量% なる〓焼品を得、これをそのままあるいは微粉砕
した後に、バインダーを使用することなく、1200
Kg/cm2以上の圧力で成形し、次いで焼成および黒
鉛化を行い、カサ密度1.9g/cm2以上の高密度炭
素材を得ることを特徴とする高密度炭素材の製造
方法により達成される。 本発明の方法では、まずコールタールピツチを
350〜600℃の温度で熱処理して熱処理ピツチを得
る。この際熱処理ピツチ中にはキノリン不溶分
(QI)が発生する。このQI成分はそれ自体焼結性
は弱く、従つてそれ自体で高密度炭素材を得るこ
とは難しい。熱処理温度が350℃以下の場合には
QI成分の発生は認められず、一方一般的には熱
処理温度が600℃を越すと熱処理ピツチの自己焼
結性が失なわれ、バインダーを使用することなく
成形体を得ることは難しい。また熱処理温度が比
較的低い場合にはQI成分は球形であるが、高温
になると合体を起し、配向性を有するコークスに
なるため、高温熱処理の場合には炭素材の特性を
等方的にし、強度を大きくするために後述のよう
に〓焼したものを微粉砕することが好ましい。 次いでこの熱処理ピツチを抽出過し、抽出残
留物を得る。この工程は成形体焼成時の割れおよ
びクラツクの原因となるベンゼン可溶分(BS成
分)を除去し、高分子の粘結成分を残存させるこ
とを目的とする。高密度の炭素材を得るにはβ成
分をできるだけ多く残した方が好ましい。使用す
る溶剤としてはベンゼンあるいはタール中油、タ
ール軽油等のβ成分を残存させることが可能なも
のが好ましい。また、この抽出工程は1〜2回の
操作で充分で、数種類の溶剤を使用する洗浄およ
び乾燥などの複雑な操作を必要としない。 このようにして得られる抽出残留物について
200〜450℃の比較的低い温度での〓焼処理を実施
する。この〓焼処理は本発明の方法における最も
重要な部分で、〓焼処理を行うことによつて初め
て大型の高密度炭素材を安定して得ることができ
る。かかる〓焼処理では、成形体焼成時の割れお
よびクラツクの原因となる抽出残留物中の残存溶
剤および微量に残存するピツチの揮発分の除去の
ほかに、β成分のQI成分への熱重合反応に際し
て発生する揮発分の除去が行われる。β成分は強
い粘結性を有し、成形体の高密度化に寄与する
が、〓焼せずにそのまま成形体に含有されている
場合には、これも成形体焼成時の割れおよびクラ
ツクの原因となり、安定して大型の焼成黒鉛化品
を得ることができない。しかし、成形前に上述の
ような比較的低い温度で〓焼処理を実施すると、
β成分は粘結性を失うことなくQI成分に転化
し、成形体焼成時の割れおよびクラツクの原因が
除かれる。 〓焼によりβ成分から移行したQI成分はコー
ルタールピツチの熱処理時に発生するQI成分と
は異なり、強い粘結性を有するものと思われる。
従つて成形体焼成時のバインダーの役割を果して
おり、抽出残留物中のβ成分含有量が多いほど、
得られる焼成黒鉛化品の密度が増大する。粘結性
を失うことなくβ成分をQI成分に転化させて成
形体焼成時の割れおよびクラツクを防止し、成形
体の密度を高め、かくして高密度の大型炭素材を
製造することができるようにするのが本発明の方
法における〓焼処理の重要な役割である。 〓焼品の必要な特性値は、 ベンゼン不溶分(BI)>97重量%(好ましくは
99重量%以上) キノリン不溶分(QI)>95重量%(好ましくは
97重量%以上) であり、これらの特性値を同時に満足し得ない〓
焼品においては成形体焼成時の割れおよびクラツ
クの発生率が高くなり、大型の高密度炭素材を得
ることは難しい。 また、〓焼処理は200〜450℃の温度で実施する
必要があり、200℃以下の温度では溶剤等に起因
する揮発分の除去およびβ成分のQI成分への転
化が充分には行われないため、上述の特性値を有
する〓焼品を得ることができず、成形体焼成時に
割れおよびクラツクが発生し易い。他方、〓焼温
度が450℃以上になると、〓焼品の粘結性が急速
に低下するので、成形体を得ることができない。
また、抽出残留物中のβ含有量により、得られる
成形体の密度を最大にする最適〓焼温度が存在
し、一般にはβ成分含有率が多いほど〓焼温度を
高くする必要がある。しかし、この場合でも〓焼
温度は450℃を越えてはならない〔特願昭53−
54943号(特公昭60−25364号)参照〕。 このようにして得られる〓焼品は、バインダー
を使用することなく、成形、焼成および黒鉛化が
可能で、割れおよびクラツクの発生が認められな
い大型の極めて高密度の炭素材をかかる〓焼品か
ら得ることができる。かかる高密度炭素材の製造
に際して、従来達成し得ないようなカサ密度1.9
g/cm3以上の高密度炭素材を得るためには、〓焼
品の成形圧は1200Kg/cm2以上を必要とする。 なお、本発明の方法では、コールタールピツチ
の代りに、石油系ピツチあるいは石炭を抽出脱灰
処理して得られる瀝青物を使用することができ
る。 次に本発明を実施例について説明する。 実施例 1 SP.(R.B)80℃(軟化点)、BI19重量%、QI4
重量%なるコールタールピツチをオートクレーブ
により440℃の温度で30分間熱処理して熱処理ピ
ツチを得た。この熱処理ピツチの特性値はBI:
49.3重量%、QI:29.4重量%であつた。この熱処
理ピツチ100重量部に対し300重量部のタール中油
(沸点140〜270℃)を添加し、140℃の温度で150
分間抽出を行い、加圧過して抽出残留物を得
た。この抽出残留物の特性値はBI:87.3重量%、
QI:7.4重量%であつた。この抽出残留物にN2の
不活性雰囲気中で380℃の温度で6時間〓焼処理
を実施した。〓焼処理により得た〓焼品の特性値
はBI:99.6重量%、QI:98.9重量%であつた。バ
インダーを使用せずに〓焼ピツチを金型によりφ
180×高さ40mmの大きさに成形した。成形圧力は
1500Kg/cm2とした。この成形品を1000℃で焼成
後、更に2700℃で黒鉛化した。得られたカーボン
ブロツクの特性値を第1表に示す。カーボンブロ
ツクには割れおよびクラツクの発生は全く認めら
れず、密度および強度も共に極めて大きかつた。 なお、この実施例に得られる抽出残留物は、〓
焼処理を実施することによつてはじめて成形、焼
成および黒鉛化によるカーボンブロツクの製造が
可能になつたのであつて、そのままあるいはアセ
トン、ベンゼン等の軽油による洗浄および通常の
乾燥処理(100〜150℃)を実施しても成形体には
焼成時に割れおよびクラツクが多発した。
を製造する方法に関するものである。 現在、高密度炭素材は、放電加工用電極等の電
気化学用、坩堝、ボート材等の冶金用、シールリ
ング材等の機械用、更に原子炉材用等の極めて広
範囲にわたる分野において利用され、かつ開発が
進められている。 従来、かかる高密度炭素材を製造するには、骨
材コークスを超微粉砕し、バインダーピツチを添
加した後に、混練し、成形したものを焼成、含浸
および黒鉛化すると言う複雑な工程が必要であ
り、しかも得られる炭素材の密度はせいぜい1.75
〜1.85g/cm3程度で、高密度のものを得ることは
極めて困難であつた。 かかる複雑な工程の簡略化および生成する炭素
材の高密度化を目的として、バインダーを使用せ
ずに高密度炭素材を製造するいくつかの方法が提
案された。かかる方法の一例では、コールタール
ピツチを350〜500℃で熱処理し、この際ピツチ中
に発生する光学的異方性小球体をキノリン等で溶
剤抽出し、抽出液から溶剤を除去して得た残留物
を成形する(特開昭49−23792号)。しかし、この
方法では、光学的異方性小球体のピツチに対する
収率がせいぜい30%止まりと低く、抽出された光
学的異方性小球体のみでは成形圧を高めても満足
すべきかさ比重および強度を有する炭素材を得る
ことが難しく、更にはキノリン等の抽出溶剤を除
去するためにベンゼン、アセトン等による洗浄お
よび乾燥の工程を必要とし、しかもこうした処理
にもかかわらず溶剤の完全除去が困難で、成形性
が劣りまた焼成時に残存溶剤等に起因する割れお
よびクラツクが発生し易いといつた種々の欠点が
ある。 かかる方法の第2の例では、第1の例の方法に
おける収率の向上および成形体カーボンのかさ比
重および強度の向上を目的として、光学的異方性
小球体を軽油または中油で抽出して、高分子の粘
結成分であるβ成分(ベンゼン不溶(BI)で、
キノリン可溶(QS)な成分)を残存させる(特
開昭50−98491号)。この方法によれば、β成分の
残存による収率の向上および焼結性の増大による
高密度化が可能となるが、第1の例の方法の場合
と同様に乾燥工程のみでは溶剤の完全除去が難し
いことに加えて、成形体焼成時のβ成分のQI成
分への熱重合反応に際しての揮発分の発生のため
に、成形体の割れおよびクラツクの発生が著し
く、成形体の焼成が難しいといつた欠点がある。 さらに、第3の例では、光学的異方性小球体を
利用する第1および第2の例の場合より幾分高い
温度でコールタールピツチを熱処理し、得られる
低温乾溜コークスをベンゼン等の軽油で抽出した
後に、微粉砕し、成形する。この第3の例の方法
においても、第2の例の方法におけると同様に、
乾燥工程だけでは充分に除去し得ない溶剤あるい
は強い粘結性を有するβ成分の炭化結合反応に際
しての揮発分の発生のため、成形体の焼成時に成
形体の割れおよびクラツクの発生が起り易く、従
つて低温乾溜コークス製造時のβ成分の残存量を
規制する等の厳密な製造管理が必要とされ、安定
して高密度炭素材を得ることが困難である。 従つて、本発明の目的は、バインダーを使用せ
ずに高密度炭素材を得る従来方法の欠点を有して
おらず、しかも従来達成し得なかつたような高密
度を有する大型の炭素材を、極めて簡単に、また
非常に安定して製造する方法を得ようとするにあ
る。 かかる本発明の目的は、コールタールピツチを
350〜600℃の温度で熱処理し、該熱処理工程で生
成した熱処理ピツチをそのβ成分の全量又は一部
を抽出残ピツチに残すような条件下で溶剤抽出
し、得られる抽出残ピツチに不活性雰囲気又は還
元雰囲気において200〜450℃の温度での〓焼処理
を実施して、 ベンゼン不溶分(BI)>97重量% キノリン不溶分(QI)>95重量% なる〓焼品を得、これをそのままあるいは微粉砕
した後に、バインダーを使用することなく、1200
Kg/cm2以上の圧力で成形し、次いで焼成および黒
鉛化を行い、カサ密度1.9g/cm2以上の高密度炭
素材を得ることを特徴とする高密度炭素材の製造
方法により達成される。 本発明の方法では、まずコールタールピツチを
350〜600℃の温度で熱処理して熱処理ピツチを得
る。この際熱処理ピツチ中にはキノリン不溶分
(QI)が発生する。このQI成分はそれ自体焼結性
は弱く、従つてそれ自体で高密度炭素材を得るこ
とは難しい。熱処理温度が350℃以下の場合には
QI成分の発生は認められず、一方一般的には熱
処理温度が600℃を越すと熱処理ピツチの自己焼
結性が失なわれ、バインダーを使用することなく
成形体を得ることは難しい。また熱処理温度が比
較的低い場合にはQI成分は球形であるが、高温
になると合体を起し、配向性を有するコークスに
なるため、高温熱処理の場合には炭素材の特性を
等方的にし、強度を大きくするために後述のよう
に〓焼したものを微粉砕することが好ましい。 次いでこの熱処理ピツチを抽出過し、抽出残
留物を得る。この工程は成形体焼成時の割れおよ
びクラツクの原因となるベンゼン可溶分(BS成
分)を除去し、高分子の粘結成分を残存させるこ
とを目的とする。高密度の炭素材を得るにはβ成
分をできるだけ多く残した方が好ましい。使用す
る溶剤としてはベンゼンあるいはタール中油、タ
ール軽油等のβ成分を残存させることが可能なも
のが好ましい。また、この抽出工程は1〜2回の
操作で充分で、数種類の溶剤を使用する洗浄およ
び乾燥などの複雑な操作を必要としない。 このようにして得られる抽出残留物について
200〜450℃の比較的低い温度での〓焼処理を実施
する。この〓焼処理は本発明の方法における最も
重要な部分で、〓焼処理を行うことによつて初め
て大型の高密度炭素材を安定して得ることができ
る。かかる〓焼処理では、成形体焼成時の割れお
よびクラツクの原因となる抽出残留物中の残存溶
剤および微量に残存するピツチの揮発分の除去の
ほかに、β成分のQI成分への熱重合反応に際し
て発生する揮発分の除去が行われる。β成分は強
い粘結性を有し、成形体の高密度化に寄与する
が、〓焼せずにそのまま成形体に含有されている
場合には、これも成形体焼成時の割れおよびクラ
ツクの原因となり、安定して大型の焼成黒鉛化品
を得ることができない。しかし、成形前に上述の
ような比較的低い温度で〓焼処理を実施すると、
β成分は粘結性を失うことなくQI成分に転化
し、成形体焼成時の割れおよびクラツクの原因が
除かれる。 〓焼によりβ成分から移行したQI成分はコー
ルタールピツチの熱処理時に発生するQI成分と
は異なり、強い粘結性を有するものと思われる。
従つて成形体焼成時のバインダーの役割を果して
おり、抽出残留物中のβ成分含有量が多いほど、
得られる焼成黒鉛化品の密度が増大する。粘結性
を失うことなくβ成分をQI成分に転化させて成
形体焼成時の割れおよびクラツクを防止し、成形
体の密度を高め、かくして高密度の大型炭素材を
製造することができるようにするのが本発明の方
法における〓焼処理の重要な役割である。 〓焼品の必要な特性値は、 ベンゼン不溶分(BI)>97重量%(好ましくは
99重量%以上) キノリン不溶分(QI)>95重量%(好ましくは
97重量%以上) であり、これらの特性値を同時に満足し得ない〓
焼品においては成形体焼成時の割れおよびクラツ
クの発生率が高くなり、大型の高密度炭素材を得
ることは難しい。 また、〓焼処理は200〜450℃の温度で実施する
必要があり、200℃以下の温度では溶剤等に起因
する揮発分の除去およびβ成分のQI成分への転
化が充分には行われないため、上述の特性値を有
する〓焼品を得ることができず、成形体焼成時に
割れおよびクラツクが発生し易い。他方、〓焼温
度が450℃以上になると、〓焼品の粘結性が急速
に低下するので、成形体を得ることができない。
また、抽出残留物中のβ含有量により、得られる
成形体の密度を最大にする最適〓焼温度が存在
し、一般にはβ成分含有率が多いほど〓焼温度を
高くする必要がある。しかし、この場合でも〓焼
温度は450℃を越えてはならない〔特願昭53−
54943号(特公昭60−25364号)参照〕。 このようにして得られる〓焼品は、バインダー
を使用することなく、成形、焼成および黒鉛化が
可能で、割れおよびクラツクの発生が認められな
い大型の極めて高密度の炭素材をかかる〓焼品か
ら得ることができる。かかる高密度炭素材の製造
に際して、従来達成し得ないようなカサ密度1.9
g/cm3以上の高密度炭素材を得るためには、〓焼
品の成形圧は1200Kg/cm2以上を必要とする。 なお、本発明の方法では、コールタールピツチ
の代りに、石油系ピツチあるいは石炭を抽出脱灰
処理して得られる瀝青物を使用することができ
る。 次に本発明を実施例について説明する。 実施例 1 SP.(R.B)80℃(軟化点)、BI19重量%、QI4
重量%なるコールタールピツチをオートクレーブ
により440℃の温度で30分間熱処理して熱処理ピ
ツチを得た。この熱処理ピツチの特性値はBI:
49.3重量%、QI:29.4重量%であつた。この熱処
理ピツチ100重量部に対し300重量部のタール中油
(沸点140〜270℃)を添加し、140℃の温度で150
分間抽出を行い、加圧過して抽出残留物を得
た。この抽出残留物の特性値はBI:87.3重量%、
QI:7.4重量%であつた。この抽出残留物にN2の
不活性雰囲気中で380℃の温度で6時間〓焼処理
を実施した。〓焼処理により得た〓焼品の特性値
はBI:99.6重量%、QI:98.9重量%であつた。バ
インダーを使用せずに〓焼ピツチを金型によりφ
180×高さ40mmの大きさに成形した。成形圧力は
1500Kg/cm2とした。この成形品を1000℃で焼成
後、更に2700℃で黒鉛化した。得られたカーボン
ブロツクの特性値を第1表に示す。カーボンブロ
ツクには割れおよびクラツクの発生は全く認めら
れず、密度および強度も共に極めて大きかつた。 なお、この実施例に得られる抽出残留物は、〓
焼処理を実施することによつてはじめて成形、焼
成および黒鉛化によるカーボンブロツクの製造が
可能になつたのであつて、そのままあるいはアセ
トン、ベンゼン等の軽油による洗浄および通常の
乾燥処理(100〜150℃)を実施しても成形体には
焼成時に割れおよびクラツクが多発した。
【表】
実施例 2
実施例1と同様のコールタールピツチをオート
クレーブにより460℃の温度で30分間熱処理して
熱処理ピツチを得た。この熱処理ピツチの特性値
はBI:70.3重量%、QI:47.9重量%であつた。こ
の熱処理ピツチ100重量部に対し500重量部のター
ル中油(沸点140〜270℃)を添加し、140℃の温
度で15分間抽出を行い、加圧過して抽出残留物
を得た。この抽出残留物の特性値はBI:87.8重量
%、QI:74.2重量%であつた。この抽出残留物に
コークスプリーズによる還元雰囲気中で400℃の
温度で3時間〓焼処理を実施した。〓焼処理によ
り得た〓焼品の特性値はBI:99.5重量%、QI:
99.0重量%であつた。この〓焼品を微粉砕し、次
いでバインダーを使用せずにラバープレスにより
φ130×高さ200mmの大きさに成形した。成形圧力
は1500Kg/cm2とした。この成形品を1000℃で焼成
後、更に2700℃で黒鉛化した。得られたカーボン
ブロツクの特性値を第2表に示す。このカーボン
ブロツクには割れおよびクラツクの発生は全く認
められず、密度および強度も共に極めて大きかつ
た。 なお、この実施例で得られる抽出残留物は、〓
焼処理を実施することによつてはじめて成形、焼
成および黒鉛化によるカーボンブロツクの製造が
可能になつたのであつて、そのままあるいはアセ
トン、ベンゼン等の軽油による洗浄および通常の
乾燥処理(100〜150℃)を実施しても成形体には
焼成時に割れおよびクラツクが多発した。
クレーブにより460℃の温度で30分間熱処理して
熱処理ピツチを得た。この熱処理ピツチの特性値
はBI:70.3重量%、QI:47.9重量%であつた。こ
の熱処理ピツチ100重量部に対し500重量部のター
ル中油(沸点140〜270℃)を添加し、140℃の温
度で15分間抽出を行い、加圧過して抽出残留物
を得た。この抽出残留物の特性値はBI:87.8重量
%、QI:74.2重量%であつた。この抽出残留物に
コークスプリーズによる還元雰囲気中で400℃の
温度で3時間〓焼処理を実施した。〓焼処理によ
り得た〓焼品の特性値はBI:99.5重量%、QI:
99.0重量%であつた。この〓焼品を微粉砕し、次
いでバインダーを使用せずにラバープレスにより
φ130×高さ200mmの大きさに成形した。成形圧力
は1500Kg/cm2とした。この成形品を1000℃で焼成
後、更に2700℃で黒鉛化した。得られたカーボン
ブロツクの特性値を第2表に示す。このカーボン
ブロツクには割れおよびクラツクの発生は全く認
められず、密度および強度も共に極めて大きかつ
た。 なお、この実施例で得られる抽出残留物は、〓
焼処理を実施することによつてはじめて成形、焼
成および黒鉛化によるカーボンブロツクの製造が
可能になつたのであつて、そのままあるいはアセ
トン、ベンゼン等の軽油による洗浄および通常の
乾燥処理(100〜150℃)を実施しても成形体には
焼成時に割れおよびクラツクが多発した。
【表】
実施例 3
実施例1と同様のコールタールピツチをオート
クレーブにより430℃の温度で60分間熱処理して
熱処理ピツチを得た。この熱処理ピツチの特性値
はBI:43.3重量%、QI:18.8重量%であつた。こ
の熱処理ピツチ100重量部に対し500重量部のター
ル軽油(沸点70〜130℃)を添加し、60℃の温度
で15分間抽出を行い、加圧過して抽出残留物を
得た。この抽出残留物の特性値はBI:91.5重量
%、QI:40.5重量%であつた。この抽出残留物に
コークスブリーズによる還元雰囲気中で410℃の
温度で6時間〓焼処理を実施した。〓焼処理によ
り得た〓焼品の特性値はBI:99.1重量%、QI:
98.1重量%であつた。バインダーを使用せずに〓
焼品をラバープレスによりφ150×高さ180mmの大
きさに成形した。成形圧力は1500Kg/cm2とした。
この成形品を1000℃で焼成後、更に2700℃で黒鉛
化した。得られたカーボンブロツクの特性値を第
3表に示す。このカーボンブロツクには割れおよ
びクラツクの発生は全く認められず、密度および
強度も共に極めて大きかつた。 なお、この実施例で得られる抽出残留物は、〓
焼処理を実施することによつてはじめて成形、焼
成および黒鉛化によるカーボンブロツクの製造が
可能になつたのであつて、通常の乾燥処理(100
〜150℃)を実施しても成形体には焼成時に割れ
およびクラツクが多発した。
クレーブにより430℃の温度で60分間熱処理して
熱処理ピツチを得た。この熱処理ピツチの特性値
はBI:43.3重量%、QI:18.8重量%であつた。こ
の熱処理ピツチ100重量部に対し500重量部のター
ル軽油(沸点70〜130℃)を添加し、60℃の温度
で15分間抽出を行い、加圧過して抽出残留物を
得た。この抽出残留物の特性値はBI:91.5重量
%、QI:40.5重量%であつた。この抽出残留物に
コークスブリーズによる還元雰囲気中で410℃の
温度で6時間〓焼処理を実施した。〓焼処理によ
り得た〓焼品の特性値はBI:99.1重量%、QI:
98.1重量%であつた。バインダーを使用せずに〓
焼品をラバープレスによりφ150×高さ180mmの大
きさに成形した。成形圧力は1500Kg/cm2とした。
この成形品を1000℃で焼成後、更に2700℃で黒鉛
化した。得られたカーボンブロツクの特性値を第
3表に示す。このカーボンブロツクには割れおよ
びクラツクの発生は全く認められず、密度および
強度も共に極めて大きかつた。 なお、この実施例で得られる抽出残留物は、〓
焼処理を実施することによつてはじめて成形、焼
成および黒鉛化によるカーボンブロツクの製造が
可能になつたのであつて、通常の乾燥処理(100
〜150℃)を実施しても成形体には焼成時に割れ
およびクラツクが多発した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 コールタールピツチを350〜600℃の温度で熱
処理し、該熱処理工程で生成した熱処理ピツチを
そのβ成分の全量又は一部を抽出残ピツチに残す
ような条件下で溶剤抽出し、得られる抽出残留物
に不活性雰囲気又は還元雰囲気において200〜450
℃の温度での〓焼処理を実施して、 ベンゼン不溶分(BI)>97重量% キノリン不溶分(QI)>95重量% なる〓焼品を得、これをそのままあるいは微粉砕
した後に、バインダーを使用することなく、1200
Kg/cm2以上の圧力で成形し、次いで焼成および黒
鉛化を行い、カサ密度1.9g/cm3以上の高密度炭
素材を得ることを特徴とする高密度炭素材の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7756679A JPS565310A (en) | 1979-06-21 | 1979-06-21 | Preparation of high density carbon material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7756679A JPS565310A (en) | 1979-06-21 | 1979-06-21 | Preparation of high density carbon material |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS565310A JPS565310A (en) | 1981-01-20 |
JPS6213284B2 true JPS6213284B2 (ja) | 1987-03-25 |
Family
ID=13637553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7756679A Granted JPS565310A (en) | 1979-06-21 | 1979-06-21 | Preparation of high density carbon material |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS565310A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0514835B2 (ja) * | 1988-01-27 | 1993-02-26 | Toa Gurauto Kogyo Kk |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5861168A (ja) * | 1981-10-06 | 1983-04-12 | Hitachi Chem Co Ltd | メカニカルシ−ル用カ−ボン材 |
JPS60200816A (ja) * | 1984-03-26 | 1985-10-11 | Kawasaki Steel Corp | 炭素材料の製造方法 |
-
1979
- 1979-06-21 JP JP7756679A patent/JPS565310A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0514835B2 (ja) * | 1988-01-27 | 1993-02-26 | Toa Gurauto Kogyo Kk |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS565310A (en) | 1981-01-20 |
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