JPH028093B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明はＵ字溝等コンクリート類製品の連結方
法に関するものである。

＜従来技術＞ 従来、Ｕ字溝等にコンクリート類製品の連結方
法としては、各コンクリート類製品を接続面間に
若干の空隙を残して敷設し、この空隙をモルタル
等の目地材で埋めたものがある。

この方法は、各コンクリート類製品の位置決め
が正確とならず、また連結部の強度も十分でな
い。また、コンクリート類製品の一端の内周面を
他端の外周面形状となるように段差を形成したも
のがあり、この段差部で各コンクリート類製品を
重ね合わせ、目地材で接続固定する方法がある。

さらにまた、コンクリート類製品の接続面の近
傍外壁面にナツトを埋設し、両コンクリート類製
品間に亘る接続板にボルトを挿通してナツトに螺
着し、目地材で目地を埋めて接続する方法があ
る。

これは強度は充分であるが、施工現場でいちい
ちボルトを取り付けなければならず、また接続板
の穴位置とナツトの位置がなかなか一致せず、そ
の施工に手間がかかるばかりでなく、ボルトを回
すスパナー等の工具が紛失することも多く発生
し、 さらに、一般に鉄製で形成されている接続板や
ボルトは、コンクリート類製品の外表面に露出し
ているために、長い間に腐食し、耐久性に劣ると
いう欠点があつた。

＜発明の目的＞ かくして本発明はかかる従来の欠点に対処する
ために創案されたものであつて、Ｕ字溝等のコン
クリート類製品の連結施工が容易かつ安全、正確
に出来、もつて作業性にすぐれ、しかも長時間使
用してもその耐久性を損なうことがなく、 さらには排水溝等に使用する場合においても、
その接続箇所からの漏水を確実に防止することが
できるコンクリート類製品の連結方法を提供する
ことを目的とするものである。

＜発明の構成＞ 本発明によるコンクリート類製品の連結方法
は、相隣るコンクリート類製品における一方側の
コンクリート類製品の接続端面に、外側に開口す
る略角筒状の連結溝条を複数設け、 相隣る他方側のコンクリート類製品の接続端面
には、前記連結溝条に嵌入する突出接続片を連結
溝条に対向して複数設けてなり、 前記他方側のコンクリート類製品を、その両側
壁略中央部に穿設してある差込孔に吊上げ反転治
具の差込棒を各々差込んで吊上げると共に、 前記一方側のコンクリート類製品との接続位置
まで移送し、かつ吊上げた状態で微調整しつつ、
前記複数の突出接続片を、他方側のコンクリート
類製品の連結溝条に各々嵌入し、 その後、前記連結溝条近傍の側壁から係止棒を
差込んで連結溝条を略直角に貫挿すると共に該連
結溝条内に嵌入している突出接続片を貫挿て相隣
るコンクリート類製品同士を連結し、 次いで前記連結部に目地材を充填してシールし
て構成してなるものである。

＜実施例＞ 以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明す
る。

第１図は本発明による連結方法の一実施例を示
す概略図である。

第１図において符号ＡはＵ字溝を示す。該Ｕ字
溝Ａの一方側の接続端面Ｂには外側に開口し、か
つ断面略長方形状をなす略角筒状の連結溝条１…
が所定位置に複数形成されている。

ところで、この連結溝条１…の形成についてで
あるが、一端に開口を有する断面略角筒状の受け
材１６を埋設して形成しても構わないし、あるい
はＵ字溝Ａの一方側の接続端面に直接断面略角筒
状の溝条を穿設して連結溝条としても構わない。

次に、前記Ｕ字溝Ａの他方側の接続端面Ｃに
は、前記した一方側の接続端面Ｂに形成された複
数の連結溝条１…に嵌入する突出接続片２…が複
数形成されている。

そしてこの突出接続片２…は連結溝条１…が形
成された位置と対向する位置に各々形成されてい
るものである。

ところで、この突出接続片２は埋設部３と突出
部４とを備えており、埋設部３はアンカー筋５と
共にＵ字溝Ａ内に埋設され固定されている。

また、突出部４には透孔６が穿設されている。

またこのＵ字溝Ａの両側壁７，７の略中央部に
は差込孔８，８が各々穿設されており、後述する
吊上げ反転治具Ｄの差込棒９，９を挿入し、前記
Ｕ字溝Ａを吊上げて移送しうる様構成されている
ものである。

尚、差込孔８と差込棒９には各々ネジ山を形成
して両者が螺合状態になるように構成しても構わ
ない。

以上において当該Ｕ字溝Ａ…の連結状態につき
述べる。

先ず、所定の設定位置までＵ字溝Ａを吊上げ反
転治具Ｄで吊上げて移送し、設置する。この際、
順次連結しうる側に連結溝条１…を向けておく。

次いで、連結すべきＵ字溝Ａを再び前記吊上げ
反転治具Ｄで吊上げる。

尚、連結すべきＵ字溝Ａが裏返しに載置されて
いる場合には、吊上げ反転治具Ｄによつて反転さ
せ、表向きにする。

しかして、前記吊上げ反転治具Ｄであるが、該
吊上げ反転治具Ｄは前記Ｕ字溝Ａの両側壁７，７
に穿設された差込孔８，８に差込まれる差込棒
９，９と、 この差込棒９，９を水平方向に突出させて保持
する差込棒保持具１０，１０と、 この差込棒保持具１０，１０と連結し、前記Ｕ
字溝Ａを吊上げる一対の吊上げ杆１１，１１と、 この一対の吊上げ杆１１，１１が連結する横架
材１２と、この横架材１２から延在する吊上げ部
材１３，１３とを有して構成されているものであ
る。

前述した様に、予め設置してあるＵ字溝Ａの一
方側の接続端面Ｂ側に連結すべきＵ字溝Ａを移送
するのであるが、この際、Ｕ字溝Ａの他方側の接
続端面Ｃを連結方向に向けていくものとする。

しかして、吊上げてある連結すべきＵ字溝Ａを
徐々に降下して、予め設置してあるＵ字溝Ａの連
結溝条１…に、連結すべきＵ字溝Ａの突出接続片
２…を対向させる。

ところで連結すべきＵ字溝Ａは両側壁７，７の
略中央に穿設された差込孔８，８に吊上げ反転治
具Ｄの差込棒９，９が差込まれて吊上げられてお
り、前記連結溝条１…に連結すべきＵ字溝Ａの突
出接続片２…を対向させるための微調整は簡単に
かつ微少の力で行なえるものである。

しかして、床ならしをした後、吊上げてあるＵ
字溝Ａの突出接続片２…を予め設置してあるＵ字
溝Ａの連結溝条１…内に差込む。

次いで連結溝条１…が形成されているＵ字溝Ａ
の側壁７，７から係止棒１７，１７を各々挿入
し、連結溝条１内の突出接続片２の透孔６に貫挿
させて相隣るＵ字溝Ａ，Ａ同士を連結する。

そして吊上げてあるＵ字溝Ａを地面に降下させ
る。

しかして、さらに連結すべきＵ字溝Ａを吊上げ
反転治具Ｄで吊上げ、前述した方法と同様の方法
で順次連結していくのである。

尚、前記係止棒１７を差込んだ後は、モルタル
等の目地材１４をこの箇所に充填しておくと共
に、相隣るＵ字溝Ａ，Ａの接続端面Ｂ，Ｃ間には
第１図、第４図、第５図に示すように防水パツキ
ン１５を介在させておくものとする。

ところで、防水パツキン１５についてである
が、第１図に示すように、おのおのの接続端面
Ｂ，Ｃに防水パツキン１５用の溝条を設け、その
溝条に前記防水パツキン１５を収納しても構わな
いし、第４図、第５図に示すような形状に防水パ
ツキン１５を形成しても構わないものである。

そして最後に相隣るＵ字溝Ａ，Ａの接続端面
Ｂ，Ｃ間にモルタル等の目地材１４を充填してシ
ールしておく。

ところで、図面第２図に本発明によつて連結さ
れるマンホールＥを示す。

該マンホールＥも前述したＵ字溝Ａと同様の方
法で容易に連結することが出来るものである。

さらに本発明による連結方法により当該マンホ
ールＥを垂直方向に連結することも出来る。

即ち、連結溝条１…を有する接続端面Ｂを上方
に向けて予めマンホールＥを設置しておく。次い
で連結すべきマンホールＥを吊上げ反転治具Ｄで
吊上げ、前記予め設置してあるマンホールＥの上
方まで移送する。

その後、吊上げてあるマンホールＥを回転さ
せ、突出接続片２…を有する接続端面Ｃを下方に
向けて前記接続端面Ｂと対向させる。

そして突出接続片２…を各々連結溝条１…内に
嵌入して、最後にモルタル等の目地材１４を充填
するものであるる。

図面第３図は本発明によつて連結されるボツク
スカルバートＦを示す。該ボツクスカルバートＦ
も前述した実施例の如く水平方向及び垂直方向に
連結することが可能である。

尚、ここではＵ字溝Ａ、マンホールＥ及びボツ
クスカルバートＦをあげて説明したが、これらの
製品に限定されるものではなく、各種のコンクリ
ート類製品の連結方法に適用されるものである。

＜発明の効果＞ かくして本発明は以上の構成よりなる。そして
本発明による連結方法であれば、比較的重量が重
く、かつ特に正確な施工が要求されるコンクリー
ト類製品の連結接続施工を吊上げ反転治具を用い
てきわめて容易にかつ正確、安全に出来、もつて
作業能率を大幅に向上させることが出来るもので
ある。

しかも長期間使用したとしてもその耐久性を損
なうことがなく、さらに排水溝等に使用する場合
においてもその接続箇所からの漏水を確実に防止
することができる。

等のすぐれた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による連結状態を示す概略図、
第２図、第３図は本発明によるマンホール、ボツ
クスカルバートを示す斜視図、第４図、第５図は
連結部における防水パツキンの変形例を示す概略
図である。 Ａ…Ｕ字溝、Ｂ…一方側の接続端面、Ｃ…他方
側の接続端面、Ｄ…吊上げ反転治具、Ｅ…マンホ
ール、Ｆ…ボツクスカルバート、１…連結溝条、
２…突出接続片、３…埋設部、４…突出部、５…
アンカー筋、６…透孔、７…側壁、８…差込孔、
９…差込棒、１０…差込棒保持具、１１…吊上げ
杆、１２…横架材、１３…吊上げ部材、１４…目
地材、１５…防水パツキン、１６…受け材、１７
…係止棒。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 相隣るコンクリート類製品における一方側の
   コンクリート類製品の接続端面に、外側に開口す
   る略角筒状の連結溝条を複数設け、 相隣る他方側のコンクリート類製品の接続端面
   には、前記連結溝条に嵌入する突出接続片を連結
   溝条に対向して複数設けてなり、 前記他方側のコンクリート類製品を、その両側
   壁略中央部に穿設してある差込孔に吊上げ反転治
   具の差込棒を各々差込んで吊上げると共に、 前記一方側のコンクリート類製品との接続位置
   まで移送し、かつ吊上げた状態で微調整しつつ、
   前記複数の突出接続片を、他方側のコンクリート
   類製品の連結溝条に各々嵌入し、 その後、前記連結溝条近傍の側壁から係止棒を
   差込んで連結溝条を略直角に貫挿すると共に該連
   結溝条内に嵌入している突出接続片を貫挿し、も
   つて相隣るコンクリート類製品同士を連結し 次いで前記連結部に目地材を充填してシールし
   てなることを特徴とするコンクリート類製品の連
   結方法。