JPH028045B2 - - Google Patents

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JPH028045B2
JPH028045B2 JP9775182A JP9775182A JPH028045B2 JP H028045 B2 JPH028045 B2 JP H028045B2 JP 9775182 A JP9775182 A JP 9775182A JP 9775182 A JP9775182 A JP 9775182A JP H028045 B2 JPH028045 B2 JP H028045B2
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JP
Japan
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yarn
fusion
carbon fiber
swollen
water
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JP9775182A
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JPS58214517A (ja
Inventor
Akira Okuda
Shigetake Shiromoto
Tomimasa Higuchi
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は炭素繊維前駆体糸条の製造方法に関
し、特に単糸間の融着および擬似融着の少ない炭
素繊維前駆体糸条の製造方法に関するものであ
る。 アクリル系重合体の溶媒溶液を紡糸、水洗、延
伸、乾燥して繊維状の前駆体を製造し、これを焼
成して炭素繊維あるいは黒鉛繊維(以下単に炭素
繊維と称する)を得る方法は広く知られている。
本発明はこの炭素繊維を得べく焼成する前のアク
リル系繊維、即ち炭素繊維前駆体糸条の製造方法
に関するものである。 従来から、炭素繊維前駆体糸条はアクリル系重
合体の有機または無機溶媒溶液を凝固浴中に紡出
し、水洗後、延伸浴中で延伸するかあるいは延伸
浴中で延伸後、水洗し、しかる後糸条を乾燥緻密
化して製造されるのが一般的であつた。そして乾
燥緻密化工程において糸条に集束性、平滑性、制
電性を持たせる目的で高級アルコール系および/
または高級脂肪酸系の工程油剤を付与するのが普
通である。 一方、炭素繊維、特に高強度の炭素繊維を得る
ためには前駆体糸条の各単糸を極めてきびしい条
件で耐炎化処理したのち炭化処理あるいは更に黒
鉛化処理する必要があり、そのためには前駆体糸
条の各単糸が融着することなく完全に分繊されて
いる必要があるが、工程油剤として従来の高級ア
ルコール系および/または高級脂肪酸系油剤を使
用すると続く乾燥緻密化工程において糸条の単糸
間で融着あるいは擬似融着が生じる欠点があつ
た。 すなわち、前駆体糸条の中に単糸間融着あるい
は擬似融着が僅かでもあると、それが因となつて 炭素繊維の表面欠陥(表面キズ)が発生し、
高強度糸が得られない。 耐炎化処理工程では糸条のローラ巻付きを始
めとする工程トラブルが生じる。 炭素繊維の高強度化にとつて不可欠とされる
緊張もしくは伸長処理が毛羽発生などにより所
望どおり施せない。 等の問題が生じるようになる。 本発明者らは上記従来技術の欠点を解消すべく
検討した結果、本発明に至つたものであり、した
がつて、本発明の目的は単糸間の融着あるいは擬
似融着の少ないアクリル系炭素繊維前駆体糸条の
製造方法を提供することにある。 上記目的を達成するための本発明の構成は、少
くとも92重量%のアクリロニトリルを含有するア
クリル系重合体の溶液を紡糸、延伸、乾燥して炭
素繊維前駆体糸条を製造する際、前記延伸後の下
記(1)式で示される膨潤度が150〜230%である糸条
に、下記(2)式で示され、かつ25℃における粘度が
5〜500ポイズの水溶性シリコーン系油剤を付与
することを特徴とする炭素繊維前駆体糸条の製造
方法。 膨潤度(%)=〔膨潤糸を遠心脱水器を用いて3000rpm
×15分間脱水後の重量〕−膨潤糸の乾燥重量/膨潤糸の
乾燥重量 ×100 ……(1) ただし、 R1〜R3、R5〜R6:H、−CH3、−C2H5又は−
C6H5 R4:−(CH2o (n=1〜10の整数) X、Y:それぞれ1〜15の整数 A:(C2H4O)n(C3H6O)oR7 m、nは0〜10の整数(ただし、m+n≧1) R7はH、−COCH3、−COC2H5 以下、本発明の詳細と好ましい態様について説
明する。 本発明に使用するアクリル系重合体はアクリロ
ニトリルが92重量%以上からなる重合体である必
要がある。したがつて、アクリロニトリルのホモ
ポリマーであつても良いが8重量%以内で他のモ
ノマーと共重合されていてもよい。コモノマーと
してはアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの
エステル類、イタコン酸、アクロレイン、スチレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸およびそ
れらの塩類等を挙げることができるが、好ましい
のはイタコン酸であり、好ましい共重合量は0.01
〜5重量%である。 アクリル系共重合体溶液の溶媒は特に限定され
ないが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルアセトアミド、塩化亜鉛水溶
液、チオシアン酸塩水溶液、硝酸等が使用でき
る。 本発明において最も特徴的なことは延伸後、膨
潤度が150〜230%である糸条に特定の水溶液シリ
コン系油剤を付与することである。 延伸後の糸条の膨潤度は共重合組成、凝固条
件、延伸浴温度および延伸条件等によつて左右さ
れるが本発明においては糸条が膨潤しており、油
剤を付与した時、油剤が繊維構造の中に入りにく
い状態の糸条を選んでいる。即ち膨潤度が230%
を越える糸条に油剤を付与した場合には、油剤が
繊維中に入りこみ、後の乾燥緻密化工程等で融着
あるいは擬似融着を起こし易く、さらに焼成工程
では、浸入油剤に起因するボイドまたは、欠陥部
分が生じ炭化糸の強度が低下する。また、膨潤度
230%を越える糸条は紡糸時に単糸切れし易く、
炭素繊維用前駆体としての強度も低いものであ
る。一方膨潤度を150%未満に下げると延伸性の
低下および原糸表面の粗化がおこり、ひいては最
終炭化糸の強度が低下する。従つて延伸後の膨潤
度の範囲は150〜230%好ましくは170〜210%にす
る必要がある。 付与される油剤は、前記(2)式で示され、かつ25
℃における粘度が5〜500ポイズの水溶性シリコ
ン油剤であり、これによつて本発明の目的を達成
できる。 つまり水溶性シリコン油剤は、離型性に優れ乾
燥緻密化前の膨潤度が150%以下の膨潤糸および
乾燥緻密化後の糸条に適用された例は知られてい
るが、膨潤度が150%以下になると延伸性が低下
し毛羽が多発して炭化系の強度、品位が低下す
る。また、単糸間の融着あるいは、擬似融着は主
として乾燥緻密化時に起こるため緻密化した後の
糸条にシリコン系油剤を付与してもそれ程効果は
期待できなかつた。 ところが本発明では、延伸後、乾燥緻密化前特
に膨潤度が150〜230%の範囲にある糸条に、特定
のシリコン系油剤を付与するため、シリコン系油
剤の繊維内への浸透がなく糸条の開繊性が極めて
良くなり、緻密化時に融着あるいは擬似融着が起
こらないのである。また、本発明のシリコン系油
剤は、側鎖に2価の炭化水素基{(CH2o}を介
して、 −(C2H4O)n(C3H6O)oR7というエーテル結合
が導入されているため、油剤浴中での乳化・分散
性の優れた水系エマルジヨンが得られ、プリカー
サへの均一付着性が優れており、従つて、糸条の
各単糸に均一に付与することが可能であり、さら
に親水性が高いため静電気の発生も少なく操業上
有利である。 本発明におけるシリコン系油剤の付着方法は特
に限定されないが、バイブロランナー、鼓形ガイ
ドあるいは強制吹付け装置またはキスロールを用
いて糸条に油剤を均一に付与することが重要であ
る。本発明のシリコン油剤は、これを水に溶解
し、1〜10重量%溶液として使用することが好ま
しく、溶液の温度は15〜45℃が適当である。特に
溶液の温度は45℃を越えると油剤が繊維構造の中
に入り込みやすくなるので好ましくない。また、
本発明においては、水溶性シリコン油剤と同時に
他の油剤を併用することも可能である。 以上の方法によつて得られる本発明のアクリル
系炭素繊維前駆体糸条はそれ自体融着がなく、ま
た、後の焼成工程において融着、擬似融着を発生
することが極めて少ないものである。 なお、本発明で言う融着とは単糸が軟化し、隣
接する単糸と接着し、その接着境界が面状であつ
たり、接着境界がなくなつている状態のものであ
り、擬似融着とは単糸の軟化あるいは油剤のしみ
出しにより単糸間が接着し、その接着境界が点状
のものである。 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例1および比較例1 アクリロニトリル99.7モル%及びイタコン酸
0.3モル%からなるアクリロニトリル系重合体の
19.5%ジメチルスホキシド(以下DMSOと称す
る)溶液を紡糸口金(紡出孔数3000孔径0.06mm)
を通して65℃に温調された55%DMSO水溶液中
に吐出し凝固させた。ついで60℃の温水浴中で洗
浄し、沸騰水中で4.5倍延伸して、水膨潤アクリ
ル系繊維フイラメントを得た。このフイラメント
の膨潤度を測定した結果、膨潤度200%であつた。
この膨潤糸条に表1に示した工程油剤を付着させ
表面温度が130℃に加熱されたシリンダーローラ
ー上を通過させて乾燥緻密化処理を行なつた。次
いで加圧スチーム延伸機を用いて2.8倍延伸し、
単糸デニール1dの炭素繊維用プリカーサーを得
た。このプリカーサーを245〜265℃の範囲で温度
勾配を有する熱風雰囲気の耐炎化炉に42分間滞留
する様に連続的に供給し耐炎化処理を行なつた。
次いで300〜950℃で2分間、1250℃で1分間窒素
雰囲気中で炭素化処理を行なつた。得られた炭素
繊維の物性を表1に示した。
【表】 水溶性シリコン油剤を付与した原糸は融着がな
く、また焼成して得た炭化糸の物性は大巾に上昇
する。これに対して、特にジメチルポリシロキサ
ン(水分散性シリコン油剤)はシリンダーローラ
上で静電気の発生が著しく、毛羽の多い原糸しか
得られず、またこの原糸を焼成して得た炭化糸も
物性の低いものしか得られなかつた。 実施例2および比較例2〜3 アクリロニトリル99.7モル%およびイタコン酸
0.3モル%からなるアクリロニトリル系重合体
19.5%をDMSOに溶解してなる紡糸原液を紡糸口
金(紡出孔数3000、孔径0.06mm)を通じて表2に
示した凝固液に吐出、凝固させた。ついで60℃温
水浴中に洗浄し沸騰水中で4.5倍延伸して、それ
ぞれ表2に示した膨潤度の水膨潤アクリル系繊維
フイラメントを得た。この膨潤糸条を50%のポリ
エチレンオキサイド付加ジメチルシリコーン(オ
イル粘度30ポイズ)20部およびステアリルアルコ
ールエチレンオキサイド20モル付加物80部からな
る5%油剤水溶液中を通過せしめ、次いで表面温
度が130℃に加熱されたシリンダーローラー上を
通過させて乾燥緻密化を行なつた。この緻密化糸
を加圧スチーム延伸機を用いて2.8倍延伸し、単
糸デニール1dのプリカーサーを得た。このプリ
カーサを245〜265℃の温度範囲で温度勾配を有す
る熱風雰囲気の耐炎化炉に42分間滞留する様に、
連続的に供給し耐炎化処理を行なつた。次いで
300〜950℃で2分間、1250℃で1分間窒素雰囲気
中で炭素化処理を行ない、その物性を表2に示し
た。 なお、比較例4の原糸は延伸性が悪く毛羽が多
発したため、耐炎化途中で糸切れがおこり、焼成
不可能であつた。
【表】 比較例 5 実施例1と同様に紡糸、水洗、延伸して得た膨
潤度200%の膨潤糸に工程油剤としてオレイルア
ルコールエチレンオキサイド20モル付加物を繊維
重量に対し2%付与させ、次いで表面温度が130
℃に加熱されたシリンダーローラー上を通過さ
せ、乾燥緻密化処理を行なつた。次いで加圧スチ
ーム延伸機を用いて2.8倍延伸した後、表面温度
180℃のホツトローラー上でヒートセツトし実質
的にボイドのない単糸デニール1dの原糸を得た。
この原糸に50%のエチレンオキサイド付加ジメチ
ルシリコーン(オイル粘度30ポイズ)を繊維重量
に対して1%付着せしめ、次いで実施例1と同様
に耐炎化炭化処理を行なつた。 得られた炭化糸の物性はストランド強度350
Kg/mm2、ヤング率24.0t/mm2で実施例1および2
で示した本発明の炭化糸物性に比較して満足すべ
きものではなかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少くとも92重量%のアクリロニトリルを含有
    するアクリル系重合体の溶液を紡糸、延伸、乾燥
    して炭素繊維前駆体糸条を製造する際、前記延伸
    後の下記(1)式で示される膨潤度が150〜230%であ
    る糸条に、下記(2)式で示され、かつ25℃における
    粘度が5〜500ポイズの水溶性シリコーン系油剤
    を付与することを特徴とする炭素繊維前駆体糸条
    の製造方法。 膨潤度(%)=〔膨潤糸を遠心脱水器を用いて3000rpm
    ×15分間脱水後の重量〕−膨潤糸の乾燥重量/膨潤糸の
    乾燥重量 ×100 ……(1) ただし、 R1〜R3、R5〜R6:H、−CH3、−C2H5又は−
    C6H5 R4:−(CH2o (n=1〜10の整数) X、Y:それぞれ1〜15の整数 A:(C2H4O)n(C3H6O)oR7 m、nは0〜10の整数(ただし、m+n≧1) R7はH、−COCH3、−COC2H5
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EP0223199B1 (en) * 1985-11-18 1992-05-27 Toray Industries, Inc. Process for producing high-strenght, high-modulus carbon fibers
JPS62243874A (ja) * 1986-04-14 1987-10-24 東レ株式会社 炭素繊維製造用前駆体繊維の製造方法

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