JP2968377B2 - 炭素繊維用アクリル系前駆体糸条の製造方法 - Google Patents
炭素繊維用アクリル系前駆体糸条の製造方法Info
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Description
駆体の製造方法に関し、特に糸条の毛羽、糸切れの少な
い高強度炭素繊維用アクリル系前駆体糸条の生産性に優
れた製造方法に関するものである。
て炭素繊維用アクリル系原糸があり、この原糸としては
高強度、高配向度の繊維性能が要求される。
駆体糸条の製造方法として加圧水蒸気を使用して高倍率
延伸を行うことが知られている。更に繊維を緻密にし、
しかも加圧水蒸気中での延伸後の糸条の失透を発生させ
ないためには、紡糸洗浄後、一旦熱水中で延伸し、次い
で乾燥緻密化後、加圧スチーム延伸を行うのが好適な方
法として知られている。
の製糸速度をも増大させるため、生産性の向上にも寄与
する方法とされている。
維用前駆体糸条としてのアクリル繊維は単繊度が0.7 〜
1.5 デニールと極めて細いため、高倍率延伸により毛羽
の発生を伴い易く、特にスチーム延伸において毛羽発生
が多発し炭素繊維用アクリル系前駆体糸条として供し得
ず、これが高倍率延伸のネックにされている。
種々検討されてきたが、8〜10倍程度の延伸倍率に止
まっていて未だ充分な解決策が講じられていない。
検討した結果得られたものであり、その目的は全延伸倍
率として10〜25倍の高倍率延伸をしても、毛羽の発
生が少ない高強度の炭素繊維用アクリル系前駆体糸条が
得られる方法を提供することにある。
するため本発明は、アクリル系重合体溶液を紡糸し、熱
水浴中延伸して乾燥緻密化後に加圧スチーム延伸するに
際し、熱水浴中で3〜5倍になるよう延伸した後、加圧
スチーム中で2段階で延伸し、全延伸倍率が10〜25
倍で、且つその延伸条件が|n1 −n2 |<1.0、T
1 <T2 であることを特徴とする炭素繊維用アクリル系
前駆体糸条の製造方法を主要な構成としている。ここ
で、n1 は第一段加圧スチーム中の延伸倍率、n2 は第
二段加圧スチーム中の延伸倍率、T2 ,T2 はそれぞれ
第一段,第二段の加圧スチーム温度である。
する。本発明に使用するアクリル系重合体は少なくとも
95モル%のアクリロニトリルを含有し、コモノマーを
1種又は2種以上共重合させたものである。コモノマー
として本発明で使用される不飽和単量体としてはアクリ
ル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル類、アクリ
ルアミド、メタアクリルアミド、N−ヒドロキシメチル
アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニデン、酢酸ビニ
ル、2ビニルビリジン、アリルスルホン酸、メタアリル
スルホン酸、ビニルスルホン酸、パラスチレンスルホン
酸及びそれらの塩等があるが、勿論これらに限定される
ものではない。
2.5、好ましくは1.5〜2.2であることが必要で
ある。極限粘度が小さ過ぎる場合は高強度の繊維が得ら
れず、また大き過ぎる場合は紡糸原液の調整が困難で且
つ紡糸性が著しく劣るものとなる。
中に紡出したのち凝固液中に浸漬させてもよい。凝固液
としてはジメチルアセトアミド水溶液、ジメチルホルム
アミド水溶液、ジメチルスルホキシド水溶液等が用いら
れる。凝固した糸条は温水で洗浄され、充分に溶剤が除
去される。脱溶媒後の糸条は85〜100℃の熱水浴中
で3〜5倍延伸を行うことが必要である。
乾燥緻密化により糸条に失透が発生し、また大き過ぎる
場合は加圧スチーム中での延伸倍率が極めて小さくなり
全延伸倍率が低下し高配向度の繊維が得られない。
密化するため110〜180℃の加熱ローラにより0.
5〜5秒間乾燥緻密化処理がなされる。乾燥緻密化処理
に先立って糸条の融着防止と集束性保持のためオイリン
グを行うのが好ましい。乾燥緻密化後、第一段加圧スチ
ームにより延伸し、次いで第二段加圧スチームにより延
伸して10〜25倍の全延伸倍率を付与する。加圧スチ
ーム延伸を一段だけで行う方法に比較して、延伸を二段
階に分けて行い且つ延伸倍率の差を1より小さくし、更
には後段の延伸温度を前段より高く保持する方法は、毛
羽の発生が少なく高倍率延伸が可能となる。
範囲にする必要がある。1段のみで過度に延伸を行うと
きは、加圧スチーム延伸機中で各単繊維の延伸される場
所に斑が出易いため毛羽の発生が起こり易いものと推定
される。従って2段階に延伸を分割し且つ各段で同じ程
度の延伸倍率とすることにより単繊維間の延伸斑が減少
し、同時に延伸抵抗が増大する後段の加圧スチーム温度
を高くすることにより円滑な高倍率延伸が達成されるも
のと考えられる。
度、高配向の糸条を得ることは出来ず、また25倍より
高い場合は単糸切れによる毛羽の発生や繊維中にクレー
ズ、クラックの発生が見られる。
250℃の加熱ローラによる処理を行い、更には集束性
を向上させるためのオイリングを付加することができ
る。
する。
4.0重量%を共重合して得られた極限粘度2.1の共
重合体を20重量%含有するジメチルアセトアミド溶液
を70%で30℃のジメチルアセトアミド水溶液の凝固
浴に紡出し、85℃の温浴中を通過させて洗浄後、95
℃の熱水浴中で延伸し、110℃加熱ローラ上で乾燥し
たのちシリコン系油剤を付与し、143℃の加熱ローラ
上で乾燥緻密化を行った。続いて125℃の加圧スチー
ム延伸機中で延伸を行い、その破断倍率を調べた。熱水
浴中での延伸倍率と破断時のスチーム延伸倍率は表1に
示す通りであった。
乾燥緻密化により失透も認められず、且つ破断時全延伸
倍率も大きい。
加熱スチーム延伸を二段で行うように変更し、且つそれ
ぞれのスチーム延伸機温度は表2の条件として、巻取り
糸条の毛羽の発生状況を目視観察した。結果を表2に示
した。
段のそれを大とした方が毛羽発生の面から有利であり、
またそれぞれの延伸倍率差を大きくしない方が有利であ
ると言える。
段を115℃、第二段を130℃とし、各段での延伸倍
率を変更して糸条の繊維強度、繊維中のクレーズの発生
の有無、毛羽の発生程度を調べた。結果は表3の通りで
ある。
法によれば極めて高倍率の延伸が付与され且つ単糸切れ
による毛羽のない高強度高配向度のアクリル系繊維が得
られるようになり、炭素繊維用アクリル系前駆体糸条と
して従来得られなかった高品位のものが高生産性下に製
造することが可能となった。
Claims (1)
- 【請求項1】 アクリル系重合体溶液を紡糸し、熱水浴
中延伸して乾燥緻密化後に加圧スチーム延伸するに際
し、熱水浴中で3〜5倍になるように延伸した後、加圧
スチーム中で2段階で延伸し、全延伸倍率が10〜25
倍で、且つ |n1 −n2 |<1.0 T1 <T2 但し、n1 は第一段加圧スチーム中の延伸倍率 n2 は第二段加圧スチーム中の延伸倍率 T2 ,T2 はそれぞれ第一段,第二段の加圧スチーム温度 であることを特徴とする炭素繊維用アクリル系前駆体糸
条の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18617191A JP2968377B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 炭素繊維用アクリル系前駆体糸条の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18617191A JP2968377B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 炭素繊維用アクリル系前駆体糸条の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0533212A JPH0533212A (ja) | 1993-02-09 |
JP2968377B2 true JP2968377B2 (ja) | 1999-10-25 |
Family
ID=16183636
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18617191A Expired - Lifetime JP2968377B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 炭素繊維用アクリル系前駆体糸条の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2968377B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2252953T3 (es) * | 1998-07-22 | 2006-05-16 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Fibra precursora a base de acrilonitrilo para fibra de carbono y procedimiento para preparar la misma. |
JP4540083B2 (ja) * | 2000-10-04 | 2010-09-08 | 宇部日東化成株式会社 | ポリプロピレン系延伸繊維の製造方法 |
JP5012089B2 (ja) * | 2007-03-02 | 2012-08-29 | 東レ株式会社 | 炭素繊維前駆体繊維束およびその製造方法 |
-
1991
- 1991-07-25 JP JP18617191A patent/JP2968377B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0533212A (ja) | 1993-02-09 |
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