JPS62243874A - 炭素繊維製造用前駆体繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維製造用前駆体繊維の製造方法

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JPS62243874A
JPS62243874A JP8433786A JP8433786A JPS62243874A JP S62243874 A JPS62243874 A JP S62243874A JP 8433786 A JP8433786 A JP 8433786A JP 8433786 A JP8433786 A JP 8433786A JP S62243874 A JPS62243874 A JP S62243874A
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oil
residual rate
fibers
heat
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JP8433786A
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猿山 秀夫
山崎 勝己
富弘 石田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は炭素繊維製造用前駆体繊維の製造方法。
特に品質および物性の優れた炭素繊維を製造するのに好
適であるとともに炭素繊維の製造に際して工程通過性が
著しく改善された炭素繊維製造用前駆体繊維(以下プリ
カーサという)の製造方法に間する。
(従来技術) 炭素繊維はそのプリカーサであるアクリル系。
レーヨン系、ピッチ系あるいはポリビニルアルコール系
繊維を200〜400℃の空気や、酸化窒素などの酸化
性雰囲気中で加熱焼成して酸化繊維に転換(耐炎化工程
)した後に窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気
中でさらに300〜2000℃の高温で加熱して炭化す
る(炭化工程)方法によって得られており、優れた物性
により多くの用途、特に複合材料に好適な強化繊維とし
て幅広く利用されている。
しかしながら、上記炭素繊維の工業的製造法においては
、前記プリカーサを酸化繊維に転換する耐炎化工程や、
さらに後続する炭化工程において。
単繊維同志で融着が発生ずるという障害が存在する。こ
の単繊維同志の融着が発生すると焼成が均一にできなく
なるために2毛羽や糸切れ等の発生原因となり、工程通
過性を阻む大きな原因となるばかりでなく9品質や物性
の優れた炭素繊維を製造することができなくなる。
そこでこのような単繊維間の融着を防止するために、こ
れまで多くの対策が開示されてきている。
例えばプリカーサを空気等の流体処理により、単繊維を
十分にほぐしてから焼成する方法(例えば特開昭58−
214516号公報)あるいは、特定の油剤。
特にシリコン系油剤を適用する方法(例えば特公昭60
−18334号、特公昭53−10175号、特公昭5
2−24136号、特公昭51−12739号、特開昭
60−99011号、特開昭58−214517号、特
開昭52−148227号各公報)2さらに耐熱性の改
善された。あるいは耐熱性を特定した油剤を適用する方
法(例えば特公昭58−5287号。
特開昭60−146076号、特開昭59−66518
号、特開昭58−120819号、特開昭55−103
313号各公報)等々である。 しかしながら上記の手
段はこれらを単独に、あるいは種々組み合せたとしても
単繊維間の融着を十分に防止することはできず、融着の
防止手段としては不十分なものであった。一方これとは
別に焼成工程における雰囲気の温度を下げることによっ
て融着を防止することは可能で誌るが。
この場合には同時に処理速度を遅くせざるをえず。
結果として生産効率が低下するため、工業的な生産手段
とはなりえない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は焼成過程において発生する単繊維同志の
融着を防止せしめ、高品質でまた同時に物性の非常に優
れた炭素繊維な得ことができる。
炭素繊維製造用前駆体繊維の製造方法を提供することに
ある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の上記i的は耐熱残存率rが20%以上である油
剤の1種あるいは2種以上を付与せしめることを特徴と
する炭素繊維製造用前駆体繊維の製造方法によって達成
することができる。
ここで耐熱残存率rは以下に定義されるものとする。す
なわち240℃の空気中で60分間熱処理した際の残存
率をrt(%)とし、さらに引続いて450℃の窒素中
で30秒間熱処理した際の残存率をr2(%)としたと
き、r=rlXr2/100  (%)である。
上記の定義に基づく耐熱残存率rの具体的な測定方法を
以下に述べる。
(1)油剤の前処理 耐熱残存率の測定に必要な前記の熱処理操作に入るまえ
に、油剤1gを直径が約60mm 。
高さが約20關のアルミ製の容器に採取し、オーブンの
中で105℃下5時間乾燥する。
(2)示差熱天秤(TGA)での測定 前記(1)の前処理で得られた絶乾油剤を直径5mm、
高さが511II11の円筒状のアルミニウム製容器(
パン)に15〜20mg採取して示差熱天秤(TGA)
により耐熱残存率を求める。
以下(3)〜(6)に測定条件等を記載する。
(3)下記の加熱条件で空気の気流下240℃まで昇温
し、さらに240℃で60分間処理したときの油剤の残
量から残存率を求める。このときの残存率をr1(%)
とする。
空気の流量:30 1/分 ・ 昇温速度 :10  ℃/分 (4)(2)において240℃で60分間の熱処理が終
了した後、240℃に保持したまま加熱雰囲気を空気か
ら窒素に変更し、5分間保持する。
窒素の流量:301/分 (5)下記の加熱条件で240℃から450℃まで昇温
し、450℃で30秒間保持し、て残存率r2(%)を
求める。
窒素の流ffi:30 1/分 昇温速度 :lO℃/分 (6)上記(1)、および(4)で求めた空気中での加
熱残存率率r1と、窒素中での加熱残存率r2とから油
剤の耐熱性残存率rを。
r=r1×r2(%)より求める。
[上記の加熱処理条件とTGA曲線との関係を模式的に
第1図に示した。測定上直接読みとれるのはrlと1・
の値であり、r2=r/r1(%)となる、] 本発明の特徴は耐熱性の優れた油剤成分を適用すること
にあり、さらにくわしくはこれまで公知の空気中での耐
熱性、あるいは耐酸化性が優れているだけでなく、実際
の焼成工程に準じた窒素中での耐熱性も、同時に優れて
いる油剤成分を適用することにある。
このような耐熱性を併せもつ油剤成分を適用することに
より、はじめて実際の焼成工程において単繊維同志の融
着を避けることができ、極めて優れた特性を有する炭素
繊維を得ることができるのである。
本発明で適用する耐熱性の優れた油剤成分は。
上述したように耐熱残存率rが20%以上、より好まし
くは30%以上である。さらに前記rの耐熱性を満足す
る範囲で、240℃の空気中で60分間処理した際の残
存率r1が30%以上、好ましくは40%以上である油
剤成分である。また、前記rおよびrlの耐熱性を満足
する範囲で、さらに450℃の窒素中で30秒間熱処理
した際の残存率r2が30%以上、好ましくは40%以
上である油剤成分を用いることがより好ましい。rおよ
びrl、r2の関係を第2図に示した。領域ABCPは
本発明の範囲(r≧20χ)を表す。また、領域GHI
 FPは本発明の範囲の中の、好ましい範囲の一例(!
・≧20.r1≧40.r2≧30 りを示し、領域G
 J K L PHは、同様に最も好ましい範囲(r≧
30.r□≧40゜r2≧40χ)を示している。
焼成工程のうちプリカーサを酸化繊維に変換する耐炎化
工程は200〜400℃の高温下における糸条の酸化処
理工程であり、糸条の表面に存在する油剤の耐熱性が悪
いと、糸条の表面に付与した油剤成分がこの工程で分解
、揮散してしまい、糸条の融着を防止できない。
前記耐炎化工程に後続する不活性雰囲気下の炭化工程に
おいては2例えばアクリル系繊維を焼成する場合、炭化
工程の前半においては耐炎化工程で形成されたナフチリ
ジン環同志による網目構造が形成され、炭化工程の後半
ではこの網目構造のより高次な構造が形成され、成長す
ると言われている。この炭化工程の前半においては、単
繊維同志は依然として融着しやすく、後半においてはじ
めて融着が生じなくなることを本発明者らは見出した。
このように油剤成分の単繊維に対する融着防止能力は耐
炎化工程だけでなく、炭化工程の前半部分においても不
可欠の特性であることを見出して9本発明に到達したも
のである。
油剤の熱劣化のうち、酸化雰囲気中での分解と不活性雰
囲気中での分解では、そのメカニズムが異なり、前者は
主に酸化分解反応によって進行し。
後者は同じく熱分解反応によって進行するものと思われ
る。したがって前者の酸化雰囲気中での耐熱性は、換言
すれば耐酸化性と言うこともできる。
この耐酸化性が優れているものが後者の不活性雰囲気中
での耐熱性(耐熱分解性とも言えよう)も同時に優れて
いるとは決して言えないのである。
このような意味から、炭素繊維製造用の前駆体繊維に適
した油剤成分としては、耐酸化性と同時に不活性雰囲気
中での耐熱性も、ともに優れていることが重要であり、
また必要な特性となるのである。
このように耐炎化工程での空気中での耐熱性と同時に、
不活性雰囲気としての窒素中での耐熱性を併せて有し、
かつ耐熱残存率rが上述したように20%以上、好まし
くは301以上である油剤成分を適用すると単糸間の融
着の無い性能の優れた炭素繊維が製造できるのである。
本発明で適用する油剤成分は耐熱残存率(以下rと記載
する)が本発明の範囲内であれば1種類でもよいし、あ
るいはrが本発明の範囲内にある2種類以上の成分を混
合して適用してもよい。
rの値が5z以上、好ましくは10 Z以上具なる成分
を2種類以上混合して適用すると、それぞれの単独成分
の平均の耐熱性から予測される性能よりも優れた性能を
示すと同時に各成分を単独で適用した場合よりも優れた
炭素繊維が得られるので特に好ましい。
すなわち、油剤単成分iの耐熱残存率をrj(%)とし
、また該成分の混合比率をp1(重量%)としたとき、
pIを5%以上、好ましくは10%以上とすると同時に
、耐熱残存率の加重平均4r’X (p’/1oo)を
20%以上、好ましくは30%以上とするのである。
plを5z未満とした場合には、混合の効果が現われず
、また混合油剤の耐熱残存率の加重平均の値を20%以
下とした場合には、耐熱性の異なる油剤成分の混合の効
果は有るものの、得られる炭素繊維の強度が低いものと
なワてしまうのである。
耐熱性の良い(rの値が大きい)油剤成分に。
これよりも耐熱性の劣る(rの値が小さい)油剤成分を
混合した場合には、得られる炭素繊維の特性が悪化する
との予測とは逆に、前者の耐熱性の優れた油剤成分を単
独で適用した場合よりも優れた特性が得られることは全
く予測できないことであり、M<べきことである。
混合成分からなる油剤を用いることにより、単独成分の
耐熱性や平均の耐熱性から予測される特性よりも優れた
特性が得られるということは、焼成中に生じる。プリカ
ーサ表面に存在する油剤成分の熱変性や揮散が、急激に
起こるよりも、むしろゆっくりと起こる方が良いことを
示すものと思われ、しかもそのうちの少なくとも1成分
は炭化工程の前半で、できるだけ糸条の表面に残存して
いることが有効であることを示しているものと思われる
このように耐熱性の優れた油剤成分を用いることはもち
ろんであるが、耐熱性の異なる成分を混合して用いる方
法によって、単独成分を用いる場合に比較してより高性
能な炭素繊維が得られるということは極めて特異なこと
であり、また驚くべきことである。
単独成分を混合する場合には、小さなrと大きなrを有
する油剤成分を混合し、rの範囲ができるだけ幅広くな
るように選択すると同時に、前記した熱変性や揮散が急
激に生じることを避けるために、異なったrの値を有す
る油剤成分を3種類以上混合することが特に好ましい。
またさらに好ましくは、混合する単成分のなかで、耐熱
性の最も優れた成分のrを50%以上、好ましくは60
%以上とすることが、特に優れた特性を有する炭素繊維
を製造するうえで有利である。
本発明に用いる油剤成分としては前述の耐熱性を示すも
のであれば特に限定されるものではないが、シリコン系
の油剤が好適である。かかるシリコン系の油剤成分とし
ては2例えばポリジメチルシロキサンおよび、アルキレ
ンオキサイド変性。
アミノ変性、エポキシ変性、およびこれらの組み合わせ
変性等の変性ポリジメチルシロキサン等があげられ、こ
れら油剤成分のなかから、予め前述の評価方法によって
耐熱性を評価して、前記の耐熱性を有する成分を選択し
て適用すれば良い。
本発明に適用する油剤成分をさらに詳しく説明すれば、
上記のシリコン系油剤の中で、25℃で測定した粘度が
100〜5ooooセンチストークスの範囲にあるもの
が適しており、また前記変性量については、シリコン原
子数に対する変性基のモル数の割合として、アルキレン
オキサイド変性についてはlO〜60 !、好ましくは
15〜50χであるものが適しており、またアミノ変性
、およびエポキシ変性については、 0.05〜20χ
、好ましくは0.1〜15 Kの範囲にあるものが適し
ている。これら油剤成分の粘度や変性割合と2本発明の
rとの関係は。
高粘度(高分子量)化するに従いrは増大し、また変性
割合が大きくなるとrは減少する。特にアミノ変性や、
エポキシ変性シリコンでは変性割合が20χを越えると
rが急激に減少して耐熱性が低下するので注意が必要で
ある。このようなことに注目して上記の油剤成分の中か
ら、前記した様に、耐熱性を評価してrが20%以上、
好ましくは30 !以上の油剤成分を選択して適用する
のである。
これら耐熱性の優れたシリコン系の油剤成分の他に、有
機系の耐熱性向上剤を適宜混合して、前述の耐熱性を満
足させた油剤成分を適用しても良い。このような有機系
の耐熱性向上剤の例として。
4.4′−チオ−ビス(3−メチル−6−第三ブチルフ
ェノール)、4.4ξブチリデン−ビス(3−メチル−
6−第三ブチルフェノール)、ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、テトラキ
ス[メチレン−3(3゜5−ジー第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネートコメタン等があげられ
る。
これらの油剤成分は適当な乳化剤を使用することζどよ
って水に乳化分散させて使用することもでき、また水や
有機溶媒等の適当な溶媒に溶解させた溶液としても適用
できる。
これら油剤成分の糸条に対する付与量は糸条の重量を基
準にして、単独成分を適用する場合および混合成分を付
与する場合のいずれの場合においても、0.1〜3重量
%、好ましくは0.3〜1.5重量%付与するのがよい
。付与量が0.1重量%未満では本発明の目的を達成で
きず、一方3重量%を越えると焼成時に油剤成分による
粘着性が増大したり。
また揮散物が工程中に沈積する等の障害が発生して、生
産性が低下するので好ましくない。
本発明の油剤成分が適用できるプリカーサとしては、ア
クリル系、レーヨン系、ピッチ系、およびポリビニルア
ルコール系等特に限定はされるものではなく、いずれの
繊維においても酸化繊維に変換する際、ならびに炭化処
理の際に発生する単繊維同志の融着を防止できるが、特
に、融着が発生し易いアクリル系wA維に対して適用す
ると、著しい効果が発揮される。
本発明で好ましく用いるアクリル系繊維はアクリロニト
リル(以下ANと称する)を主成分として含有し、好ま
しくは、94重量%以上、特に、好ましくは、97重量
%以上のANと、好ましくは6重量%以下、特に好まし
くは、3重量%以下の該ANと共重合性があって、耐炎
化反応を促進するビニル基含有化合物(以下ビニル系モ
ノマという)とANとの共重合体が用いられる。
耐炎化を促進する作用を有するビニル系モノマとしては
2例えばアクリル酸、メタアクリル酸。
イタコン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩、α(l−ヒドロキシルエチル)アクリロニトリ
ル、アクリル酸ヒドロキシルエステル等を挙げることが
できる。またこれらの耐炎化促進能を有するビニル系モ
ノマ以外にAN系重合体の紡糸性または、製糸性等を向
上させるために。
前記アクリル酸やメタクリル酸の恢級アルキルエステル
類、アリルスルボン酸、メタリルスルホン酸、スチレン
スルホン酸およびそれらのアルカリ金属塩、酢酸ビニル
や塩化ビニル等の第・3成分を共i金成分の総量が6重
量%以下、好ましくは3重量%以下となる範囲で共重合
させてもよい。
AN系の共重合体は公知の乳化懸濁、塊状、溶液等の公
知の重合法を用いて重合され、さらにこれらの重合体か
らアクリル系繊維を製造するに際してはジメチルホルム
アミドやジメチルスルホオキサイド、硝酸、ロダンソー
ダ水溶液等のポリマ溶液を紡糸原液として2通常の湿式
紡糸法、乾−湿式紡糸法、乾式紡糸法によって紡糸し、
繊維化することができる。特に乾−湿式紡糸法による場
合には、単繊維間の融着がより一層生じやすいので2本
発明の効果がより顕著にあられれる。
本発明の油剤は製糸工程で付与してもよいし製糸以後、
焼成工程に入る間に付与しても良いが。
プリカーサに均一に付与せしめるために製糸工程で付与
することが好ましい。特にアクリル繊維の場合には乾燥
緻密化前の水膨潤状態の糸条に付与することが好ましい
。付与の方法としては油剤の分散液や溶液に糸条を浸漬
した後に、ニップローラや圧縮空気を吹き付けることに
より所定の付着量にrA整する方法や、あるいは油剤で
湿潤されたローラに接触させる方法や、あるいは雲霧法
により霧状にして付与す之こともできる。
なお本発明においては、必要により静電気の発生を防止
したりその他の目的のために他の油剤成分を本発明のシ
リコン系油剤のほかに付与することもできる。
(発明の効果) 本発明の方法で得られる炭素繊維製造用前駆体繊維を適
用することにより、特定の耐熱性を示す油剤成分の効果
によって、耐炎化工程や炭化工程において発生する。繊
維同志の融着を大幅に回避することができ、工程通過性
に優れた。しかも高品質で高性能の炭素繊維を製造する
ことが可能になる。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例中、炭素繊維の性能(強度2弾性率)はJ
IS R−7601に準じて測定したエポキシ樹脂を含
浸したストランドの物性であり。
測定回数n=10の平均から求めた値である。また油剤
成分の付着量は、油剤付与後で乾燥緻密化前の繊維から
抽出法により求めた。
実施例−1 AN 99.3χ、イタコン酸0.7χの共重合体のジ
メチルスルフォオキシド(DMSO)溶液を紡糸原液に
用いた。この原液中の共重合体の濃度は20重量%であ
り、また共重合体の極限粘度は1.80であった。
この紡糸原液を直径0.15 mm、孔数3000の口
金を用いて、−星空気中に吐出させ、約3 manの空
間を通過させたのち、30χのDMSOの水溶液に導き
凝固させた。この凝固糸を水洗槽のなかで脱溶媒し、引
き続き温水中で4倍に延伸して、水膨潤状態のアクリル
繊維(以下浴延伸糸と称する)を得た。
該浴延伸糸にエチレンオキサイドを付加したポリジメチ
ルシロキサン[式(1)および(2)においてX=(C
2H40)aH,aは整数]、プロヒレンオ′キサイド
を付加したポリジメチルシロキサンC式(1)tjヨc
/(2)Cm;F;I’ 1”X = (C3HQO)
 b H。
bは整数]、アミノ変性ポリジメチルシロキサン[式(
1)および(2)においrX=NH2]。
エポキシ変性ポリジメチルシロキサン[式(1)剤成分
をそれぞれ単独で付与した。これら油剤成分は、25℃
で測定した粘度が50〜15000センチストークスの
範囲となるように、ポリジメチルシロキサンの重合度を
変え、また下記(1)、(2)式における変性割合[n
z/ (n1+n2+n3)]を変えたものである。プ
リカーサに対する油剤成分の付着量は、乾燥後のプリカ
ーサの重量に対して0.7〜0.9重量%の範囲となる
ように、付与条件を設定した。
(1)式: (2)式: ここでXは上述の置換基、Rはアルキレン基。
シクロアルキレン基、フェニレン基等の有機基およびこ
れらの置換有機基である。またn1sn2tn3は0以
上の整数(但し、n2≠0)である。
このようにして得られた油剤付与後の糸条を。
130℃の加熱ローラで乾燥緻密化処理を行った。
乾燥緻密化後の糸条を、更に3 kg/關2−Gの飽和
スチーム中で3倍に延伸した。
このようにして得られた前駆体繊維は、単糸デニール=
0.8 de、 )−タルデニール=2400 De 
強度=6.5〜7.0 g/d、伸度=10.5〜11
.2zテアツタ。
この前駆体繊維を、250〜280℃の温度勾配を有す
る耐炎化炉で耐炎化処理(処理時間=25分)シ。
次に、窒素雰囲気下で300〜1300℃の温度勾配を
有する炭化炉で焼成して、炭素繊維に転換した。
ここで適用した油剤成分の耐熱性、すなわち耐熱式゛存
率rを、加熱空気中での耐熱残存率1”l、および加熱
窒素中での耐熱残存率r2とともに第1表に示した。ま
た炭素繊維のストランド強度(Tsと略記)も同様に第
1表に示した。さらにここで得られたrとTsの関係を
第3図に示した。
耐熱残存率rの上昇とともに、ストランド強度Tsが増
大していることが判る。特に、r≧2ozの領域ではr
〈20χの領域に比較して、Tsの絶対値が高く、また
、rの上昇に伴うTsの増加割合が高いことが特徴的で
あることが判る。また9本発明の範囲、r≧20χにお
いても、特にr≧30χの領域では、Tsが3501<
g/nun2以上と高い値が得られており、この範囲の
耐熱性を示す油剤成分を適用すると、良好なストランド
強度が得られることが判る。
実施例−2 耐熱性残存率rの異なる油剤成分を混合して。
実施例−1と同様に水膨潤状態のアクリル繊維に付与し
た。この後、引続いて実施例−1と同様の方法によって
、スチーム延伸および焼成をおこない炭素繊維を得た。
なお油剤の混合割合は三者混合、王者混合いずれにおい
ても等量混合とした。
第1表の単独成分のrの値から計算して得られる混合油
剤の平均の耐熱残存率下と、このrの値をもとにして、
第2図のrとTsの関係から求められた予測ストランド
強度子]、および実測したストランド強度Ts、ならび
に丁1とTsとの差ΔTsを第2表に示した。
混合油剤を付与した場合には平均の耐熱残存率rから予
測される値よりも高いストランド強度が得られており、
また三者混合系よりも三者混合系の方が、この差が大き
いと同時にストランド強度の絶対値も高くなっている事
実が判る。
さらに、混合する油剤成分の耐熱残存率rに着目して、
混合効果を詳細に比較してみると、耐熱残存率の大きな
油剤成分のrが大きくなるにしたがい、あるいは、rの
幅が大きくなるにしたがい。
ストランド強度の向上幅(ΔTs)が増大している(M
l 〜M4. M9〜Mll)こと、またrの範囲が同
一で、しかも平均の耐熱残存率下がほぼ同一に設定され
た混合方法のもとで、三者混合よりも三者混合の方が高
いΔTsを示している(M2に対してr19゜M4に対
してMIO,M7に対してMl2. M8に対してMl
3)ことが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は油剤成分の耐熱残存率rの測定における。加熱
条件と加熱減量曲線(TGA曲線)の模式図である。第
2図は本発明の範囲を満足する耐熱残存率rと、空気中
ならびに窒素中の耐熱残存率rlt r2との関係を示
す図である。第3図は実施例−1における油剤成分の耐
熱残存率rと、炭素繊維のストランド強度Tsとの関係
を表わす図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)耐熱残存率(r)が20%以上である油剤の一種
    あるいは二種以上を付与することを特徴とする炭素繊維
    製造用前駆体繊維の製造方法。 但し、油剤の耐熱残存率(r)は以下に定義されるもの
    とする。 240℃の空気中で60分間処理した際の残存率をr_
    1(%)とし、さらにひきつづいて450℃の窒素中で
    30秒間熱処理した際の残存率をr_2(%)としたと
    き r=r_1×r_2/100(%)
  2. (2)耐熱残存率(r)が20%以上である油剤の二種
    以上を混合して付与する特許請求の範囲第(1)項にお
    いて、各単成分iの耐熱残存率をr^1(%)、混合比
    率をp^1(重量%)としたとき、各単成分間の耐熱残
    存率の差を5%以上とすると同時にΣ_ir^1×(p
    ^1/100)≧20(%)p^1≧5% とすることを特徴とする炭素繊維製造用前駆体繊維の製
    造方法。
  3. (3)特許請求の範囲第(2)項において前駆体繊維が
    アクリル系繊維である炭素繊維製造用前駆体繊維の製造
    方法。
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