JP4048230B2 - 炭素繊維用前駆体繊維およびその製造方法 - Google Patents

炭素繊維用前駆体繊維およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素繊維用前駆体繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維は、その比強度、比弾性率が高い特徴を生かしてあらゆる用途に展開されてきている。特にポリアクリロニトリル(以下、PANと略す)系前駆体繊維を出発原料とした炭素繊維は比強度が高く加工性も優れているため、広く利用されている。
【0003】
炭素繊維は、その前駆体繊維を酸化性雰囲気中で220〜300℃に加熱(耐炎化処理)して耐炎化繊維に転換後、不活性雰囲気中で1000℃以上に加熱(炭素化処理)して得られるが、前駆体繊維の単繊維間が接着していたり、高温での耐炎化処理時に単繊維間が接着したりすると、毛羽の発生で操業性の悪化と共に強度低下が著しくなる。この単繊維間の接着は軽微なものでも、炭素繊維の製造に際しては大きな影響を与えるので極めて重要である。この単繊維間の接着問題を解決するため前駆体繊維の製造工程において、耐熱性、離型性に優れた各種変性シリコーン油剤を前駆体繊維に付与する多数の提案がなされており、炭素繊維の強度が飛躍的に向上してきた。しかしながら、シリコーン系油剤は加熱されることによって架橋による樹脂化が進行し、その粘着物が前駆体繊維の製造工程や耐炎化処理工程の繊維搬送ローラーやガイドなどの表面に堆積して、繊維が巻き付いたり引っかかったりして断糸などの操業性低下を引き起こす原因にもなっていた。また、耐炎化処理工程で酸化ケイ素が多量に発生して設備内に堆積し操業性を悪化させ、さらに、炭素化工程においては、不活性雰囲気として窒素を使う場合には窒化ケイ素を生成し、断糸の原因となったり、炉の損傷を速めるなどの問題が生じていた。
【0004】
このようなシリコーン系油剤の有する問題を解決するために、例えば国際公開WO97/09474には、耐熱性が極めて高い非シリコーン系油剤を用いることが提案されている。しかしながら、非シリコーン系油剤は、離型性が乏しく単繊維間の接着を防止する効果が僅かであり、そのような油剤単独の使用では、低物性の炭素繊維となるか、断糸によって炭素繊維が製造出来ないと言う問題が生じる。また、特開2001−316983号には、ビニルポリマーの変性体を含む油剤を使用することが提案されているが、この場合もシリコーン系油剤に匹敵するような離型性がなく、かかる油剤単独では低物性の炭素繊維となるか、断糸によって炭素繊維が製造できないと言う問題があった。このような問題点を補うために単にシリコーン系油剤と混用したとしても、非シリコーン系油剤を主剤としている限り、満足できる強度や品質を有する炭素繊維を得ることは困難であった。
【0005】
本発明者らは、上記の問題点に鑑み、シリコーン系油剤を前提としつつも、シリコーン成分の使用量を減少して、炭素繊維製造における操業性を改善し、且つ高強度の炭素繊維を得るため、鋭意検討を繰り返して本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐炎化処理工程や炭素化処理工程での操業性に優れ、且つ得られる炭素繊維の強度にも優れた炭素繊維用前駆体繊維およびその製造方法並びに炭素繊維の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の炭素繊維用前駆体繊維は、前記課題を解決するために、次の構成を有する。すなわち、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が85質量%以上、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以上30質量%以下である、アミノ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンを含む変性シリコーン成分と、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が70質量%以上であり、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以下である下記式1で表される非シリコーン成分とを含み、かつ、前記変性シリコーンと前記非シリコーン成分との質量比が20〜50:50〜80である油剤が付与されてなることを特徴とする炭素繊維用前駆体繊維である。
【化3】
Figure 0004048230
(R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ炭素数1〜22のアルキル基、AOはアルキレンオキサイド、n、mは1〜30の整数)
【0008】
また、本発明の炭素繊維用前駆体繊維の製造方法は、前記課題を解決するために、次の構成を有する。すなわち、アクリル系重合体を湿式または乾湿式紡糸して後水洗して得られる水膨潤繊維に、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が85質量%以上、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以上30質量%以下である、アミノ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンを含む変性シリコーン成分と、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が70質量%以上であり、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以下である下記式1で表される非シリコーン成分とを含み、かつ、前記変性シリコーンと前記非シリコーン成分との質量比が20〜50:50〜80である油剤を付与した後、乾燥することを特徴とする炭素繊維用前駆体繊維の製造方法である。
【化4】
Figure 0004048230
(R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ炭素数1〜22のアルキル基、AOはアルキレンオキサイド、n、mは1〜30の整数)
【0009】
さらに、本発明の炭素繊維の製造方法は、前記課題を解決するために、次の構成を有する。すなわち、上記した炭素繊維用前駆体繊維を焼成して炭素繊維を得ることを特徴とする炭素繊維の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の炭素繊維用前駆体繊維は、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が85質量%以上、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以上30質量%未満である、アミノ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンを含む変性シリコーン成分と、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が70質量%以上であり、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以下である下記式1で表される非シリコーン成分とを含む油剤が付与されている。
【化5】
Figure 0004048230
(R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ炭素数1〜22のアルキル基、AOはアルキレンオキサイド、n、mは1〜30の整数)
【0011】
変性シリコーン成分のr1が85質量%未満であったり、r2が10質量%未満であると、耐炎化工程や炭素化初期の工程(前炭素化)で加熱された際に、単繊維間が融着する程度が著しくなり、炭素繊維の引張強度が十分に発現しない。変性シリコーン成分のr1は大きい方が好ましく、実質的に100質量%であることが最も好ましい。一方、変性シリコーン成分のr2が30質量%を越えると、シリコーン油剤の残存物によって単繊維間が固着され、前炭素化工程で前駆体繊維の分解物の排出が阻害されるためか、得られる炭素繊維の引張強度が低下したりする。
【0012】
また、非シリコーン成分のr1が70質量%未満では、耐炎化工程で加熱された際に、単繊維間が融着する程度が著しくなり、得られる炭素繊維において十分な引張強度が発現しない。非シリコーン成分のr1は大きいほど好ましく、実質的に100質量%であることが最も好ましい。一方、非シリコーン成分のr2が10質量%を越えると、油剤の炭化物によって単繊維間が非常に強く固着され、例えば炭素化工程の前期で前駆体繊維の分解物の排出が阻害されるために、得られる炭素繊維自体の引張強度が低下するし、また得られた炭素繊維に、繊維強化複合材料とするためマトリックス樹脂を含浸した場合に、単繊維間にマトリックス樹脂が十分行き渡らないためか、得られた繊維強化複合材料の物性が大きく低下する。従って、変性シリコーンの場合とは異なり、非シリコーン成分のr2は小さいほど好ましく、実質的に0質量%であることが最も好ましい。
【0013】
ここで、各成分のr1およびr2は、熱重量−示差熱分析(TG−DTA)法により次のようにして求めることができる。すなわち、絶乾した成分約10mgを試料として白金パンに載置し、TG−DTA装置を用いて、空気雰囲気で室温から速度10℃/分で定速昇温し、温度が240℃となった時点で2時間保持し、続いて雰囲気を窒素に変更して後、速度10℃/分で定速昇温し、温度が470℃になった時点で1時間保持する。ここで、試料の初期質量に対する、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率(質量%)をr1、試料の初期質量に対する、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率(%)をr2とする。なお、後述する実施例では、TG−DTA装置として、理学社製サーモフレックスTAS300(TG 8101D)を用いた。
【0014】
さらに、本発明においては、油剤中の変性シリコーン成分と非シリコーン成分との質量比(質量%)を20〜50:50〜80とする。変性シリコーン成分の質量比が20質量%未満では、変性シリコーンの高耐熱性、高離型性の特徴を十分に発揮できないため、得られる炭素繊維の引張強度が十分に発現しない。一方、変性シリコーン成分の質量比が50質量%を越えたり、非シリコーン成分の質量比が50質量%未満であると、前駆体繊維におけるシリコーンを減少させ操業性を改善し、且つ高強度の炭素繊維を得ると言う本発明の目的を達成できない。
【0015】
本発明における油剤に用いる変性シリコーン成分や非シリコーン成分は、それぞれの単繊維間接着防止効果と操業性向上効果に対する優れた特性を発揮すると同時に、双方の欠点を補完する特性が要求される。特に変性シリコーン成分は、非シリコーン成分の欠点を補完するために耐熱性、離型性、前駆体繊維との親和性、非シリコーン成分との親和性などをバランス良く設計することが重要となる。したがって、変性シリコーン成分として、例えば単にアミノ変性シリコーン単独で、分子量や変性量を調整しても変性シリコーン成分に要求される前記特性を得ることが困難なことが多いので、各種の変性シリコーンを混合して用い、その混合割合を適正化するのが良い。本発明においては、変性シリコーン成分として、アミノ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンの少なくとも3種の変性シリコーンの混合物を用いると良い。これにより、より高強度の得られ易く、操業性の良好な炭素繊維用前駆体繊維となる。その作用は必ずしも明確にはなっていないが、次のように推測される。すなわち、変性シリコーンは、その変性基によって特性が異なり、例えばアミノ変性シリコーンは離型性に優れ、前駆体繊維との親和性が高く付着性が良いがゲル化し易く、ローラなどへ堆積し易く操業上の問題を起こしやすい特性を有しているし、脂環式エポキシ変性シリコーンは前駆体繊維との親和性は低いがゲル化し難いため、操業上の問題を起こし難く、さらに離型性も優れる特性を有しているし、ポリエーテル変性シリコーンは耐熱性や離型性の特性は劣るが変性シリコーン混合系および非シリコーン成分との混和性を整える特性を有しているものと考えられる。このような各変性シリコーンの混合割合を適正化することによって、バランス良く高度な耐熱性、離型性、前駆体繊維との親和性の特性を発揮して単繊維間の接着を防止して、且つ操業上の問題も解決できるような、前記耐熱特性を有する変性シリコーン成分とすることができる。特に、アミノ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンの混合割合は質量比(質量%)で40〜90:5〜40:5〜20であることがさらに好ましい。
【0016】
ここで、アミノ変性シリコーンとしては、そのオイル粘度が500〜10000mm/sec、アミノ当量が500〜5000g/モルであるものを用いることが好ましく、脂環式エポキシ変性シリコーンとしては、そのオイル粘度が500〜50000mm/sec、エポキシ当量が500〜10000g/モルであるものを用いることが好ましく、ポリエーテル変性シリコーンとしては、そのオイル粘度が50〜1000mm/sec、ポリエーテル変性量が質量比で30〜70質量%であるものを用いることが好ましい。ここで、オイル粘度とは、温度25℃において、キャノンフェンスケ粘度計を用いガラス管中の落下速度から計算された動粘度を意味する。
【0017】
本発明で用いる非シリコーン成分は、室温および空気中120〜240℃で120分加熱された後でも流動性を有していることが、変性シリコーン成分がロールなどへ堆積し操業性を悪化させる特性を改善する効果を顕著に発揮できるので好ましい。非シリコーン成分として、乾燥状態で硬い樹脂や、加熱によって反応し堅い樹脂になるようなものを用いると、前駆体の単繊維間を強く固着させ、続く耐炎化工程で前駆体繊維束内への酸素拡散を阻害するなどの悪影響がでることがある。例えば、ポリエチレンワックスのような、室温および空気中120〜240℃120分加熱後でロウ状であるような物質は、変性シリコーン成分と混合すると、油剤皮膜の粘着性が強くなり、ロールなどへの堆積物が増加して操業性が悪化することもある。
【0018】
上記したとおり、非シリコーン成分のr1は高いほど好ましいが、r2は小さい(炭化物残さが少ない)ほど好ましいという相反する特性が要求されるものである。このような特性を有する具体例化合物として、本発明においては基本構造が記式1で示されるような芳香族エステルが適用できることを見出したものである。このような芳香族エステルは、室温や空気中120〜240℃で120分加熱した後でも液状を保持しており、ロールへの堆積物も少なく、続く耐炎化工程で晒される温度条件においても耐熱性に優れ、且つ炭素化後の炭素化物残さが少ないため適用される。
【0021】
本発明の炭素繊維用前駆体繊維は、アクリル系重合体を湿式または乾湿式紡糸して後水洗して得られる水膨潤繊維に、前記した油剤を付与した後、乾燥することにより製造することができる。アクリル系重合体としては、通常は、アクリロニトリルを95質量%以上と、アクリロニトリルと共重合可能な単量体とを共重合したアクリル系共重合体を用いる。アクリル系共重合体におけるアクリロニトリル共重合比率が95質量%未満では、炭素化減量が大きくなりすぎることがある。かかるアクリル系重合体は、有機や無機の溶媒に溶解した状態で紡糸原液として調整される。紡糸原液の安定性の観点から、溶媒としてはジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましく使用される。
【0022】
かかる紡糸原液を、湿式または乾湿式紡糸により凝固浴に導入し繊維化する。凝固浴から引き出された繊維は、通常、十分に水洗した後に温水または熱水中で延伸するか、温水または熱水中で延伸した後に十分水洗されて水膨潤繊維となる。水膨潤繊維における膨潤比(水膨潤繊維中の水とアクリル系重合体との質量比)は、一般にはボイド量の指標であり、膨潤比が大きいと水膨潤繊維内部に油剤が浸入して乾燥緻密化工程で緻密化を阻害し、欠陥となって炭素繊維の強度が十分に発現しないことがあるので、膨潤比は2.5以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下となるように調製するのが良い。膨潤比は小さいほど好ましいが、通常は0.4以上あれば十分である。
【0023】
次いで、このような水膨潤繊維に、前記したような油剤を付与する。油剤の付与手段としては、油剤を適正な乳化剤を使用して水分散液にして調整し、その水分散液を、例えば浸漬法、噴霧法、タッチロール法、ガイド給油法などで水膨潤繊維に付与する。繊維への油剤の付着量は、乾燥繊維に対する質量比で0.1〜5質量%になるように、水分散液における油剤の濃度や、ニップロールなどによる水分散液の絞りで調整することが好ましい。
【0024】
油剤が付与された水膨潤繊維を次いで乾燥する。通常、乾燥手段としては、熱風乾燥、ホットロール乾燥などが適用され、乾燥温度条件としては、120〜200℃が適用される。
【0025】
次いで必要に応じて加圧水蒸気中で延伸して所望繊度の前駆体繊維を得る。
【0026】
このようにして得られた本発明の炭素繊維用前駆体繊維を焼成することにより炭素繊維を製造することができる。焼成は、通常、耐炎化処理後、炭素化処理することにより行われる。先ず前駆体繊維を空気などの酸化性雰囲気中で220〜300℃に加熱(耐炎化処理)して、比重1.3〜1.4の耐炎化繊維に転換する。ここでの加熱温度は低温から高温に向けて複数段階に分けて処理するのが均一な耐炎化繊維を得る上で好ましく、さらに毛羽の発生を伴わない範囲で高い延伸比で繊維を延伸するのが、炭素繊維の性能を十分に発現させる上で好ましい。次いで得られた耐炎化繊維を窒素などの不活性雰囲気中で1000℃以上に加熱(炭素化処理)することにより、炭素繊維に転換される。ここで、400〜550℃の温度範囲において大きな減量を伴ない炭素化するので、急激な変化は炭素繊維の性能を悪化させる原因となるため、前記温度範囲での昇温速度は好ましくは1500℃/分以下、より好ましくは750℃/分以下、さらに好ましくは150℃/分以下とする。昇温速度は低いほど好ましいが、コストアップになるのでコストパフォーマンスによって決められるべきものである。炭素化処理の最高処理温度は炭素繊維の目的とする弾性率によって設定される。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて、さらに具体的に説明する。なお、本実施例中、ストランド強度、ストランド弾性率は、炭素繊維束に下記組成の樹脂を含浸させ130℃35分間硬化させて得られるストランドをJIS R−7601に準じて引張試験することにより求めた。
【0028】
・エポキシ樹脂ERL−4221 100部
(ユニオン・カーバイド社製)
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(BF3 ・MEA) 3部
・アセトン 4部
(実施例1)
アミノ変性シリコーン(オイル粘度2000mm/sec、アミノ当量1800g/モル)70質量%、脂環式エポキシ変性シリコーン(オイル粘度7000mm/sec、エポキシ当量3500g/モル)20質量%およびポリエーテル変性シリコーン(オイル粘度100mm/sec、ポリエーテル変性量50質量%)10質量%からなる変性シリコーン成分と、前記した式1において、R1、R2、R3、R4がメチル基、AOはエチレンオキサイドで、n、mがそれぞれ1である芳香族エステルを非シリコーン成分として、質量比で40:60となるよう混合し、さらに乳化剤を添加して油剤の水分散液Aを調整した。変性シリコーン成分のr1は96質量%、r2は25質量%であり、非シリコーン成分のr1は75質量%、r2は5質量%であった。
【0029】
アクリロニトリル99.3質量%とイタコン酸0.7質量%からなり、極限粘度が1.6であるアクリル系共重合体を、DMSO中で溶液重合した後、PHが8〜8.5になるまで攪拌しながらアンモニアガスを吹き込み、共重合体濃度が20.5質量%である紡糸原液を得た。
【0030】
この紡糸原液を、孔直径0.1mmの6000ホールを有する口金から一旦空気中に吐出して、約4mmのエアーギャップを経て凝固浴に導く乾湿式紡糸法で繊維を形成した。凝固浴はDMSO40質量%で温度は5℃とした。
【0031】
凝固浴から引き出した繊維束を緊張を保持しながら30〜65℃に順次温度を上げながら多段の水洗槽によりDMSOを除去した。次いで90℃の熱水浴中で3倍に延伸して膨潤比0.8の水膨潤繊維束を得た。この水膨潤繊維を、前記水分散液に浸漬した。油剤の水分散液において、繊維に対する油剤付着量が1.0質量%になるように油剤濃度を調節した。
【0032】
次いで油剤が付与された繊維を、緊張を保持しながら、表面温度が160℃のホットロールに接触させて乾燥した後、圧力0.44MPaの加圧水蒸気中で4倍に延伸して、単繊維の繊度が1.11dtexで6000フィラメントの前駆体繊維を得た。この前駆体繊維における繊維に対するケイ素含有量は0.105質量%と、後述する比較例1に対して約50%と少なかった。また、前駆体繊維を製造する製糸工程でのロール類への油剤の堆積はほとんどなく、工程通過性は良好であった。
【0033】
得られた前駆体繊維を250℃、次いで260℃の加熱空気雰囲気中で延伸比が1.0の緊張下で耐炎化処理を行い、比重1.35の耐炎化繊維を得た。耐炎化工程でのロールへの油剤の堆積はなく、工程通過性は良好であった。
【0034】
次いで窒素雰囲気中で最高温度950℃の前炭素化炉で延伸比が0.98で処理した後、窒素雰囲気中で最高温度1400℃の炭素化炉で張力を0.1Nとして炭素化して炭素繊維を得た。前駆体繊維におけるケイ素含有量が少ないため、耐炎化炉への酸化ケイ素の堆積も減少した。得られた炭素繊維は、ストランド強度が5.59GPa、ストランド弾性率が270GPaと極めて高性能なものであった。試験結果をまとめて表1に示した。
(実施例2)
油剤の水分散液における、変性シリコーン成分と非シリコーン成分との質量比を25:75に変更した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。ロールなどへの油剤の堆積は極めて少なく工程通過性は全く問題なく良好であり、得られた炭素繊維は、ストランド強度が5.50GPa、ストランド弾性率が271GPaと高性能なものであった。試験結果をまとめて表1に示した。
(実施例3)
油剤の水分散液における、変性シリコーン成分と非シリコーン成分との質量比を50:50と変更し、油剤の付着量を繊維質量に対し0.6質量%となるよう調整した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。ロールなどへの油剤の堆積は極めて少なく工程通過性は全く問題なく良好であり、得られた炭素繊維は、ストランド強度が5.65GPa、ストランド弾性率が275GPaと高性能なものであった。試験結果をまとめて表1に示した。
(実施例4)
変性シリコーン成分を、アミノ変性シリコーン(オイル粘度2000mm/sec、アミノ当量1800g/モル)40質量%、脂環式エポキシ変性シリコーン(オイル粘度7000mm/sec、エポキシ当量3500g/モル)30質量%およびポリエーテル変性シリコーン(オイル粘度100mm/sec、ポリエーテル変性量50質量%)30質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。
【0035】
ロールなどへの油剤の堆積は極めて少なく工程通過性は全く問題なく良好であり、得られた炭素繊維は、ストランド強度が5.42GPa、ストランド弾性率が268GPaと高性能なものであった。試験結果をまとめて表1に示した。
(比較例1)
変性シリコーン成分を、r1が99質量%でr2が27質量%であるアミノ変性シリコーン(オイル粘度2000mm/sec、アミノ当量1800g/モル)単独に変更した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。
製糸工程や耐炎化工程でのロールへ油剤の堆積に起因する単繊維巻き付きが時々発生した。前駆体繊維のケイ素含有量も多く、耐炎化炉の設備内への酸化ケイ素の堆積も多かった。得られた炭素繊維は、単繊維毛羽による品位の低下はあったが、樹脂含浸ストランド強度は5.83GPa、弾性率は277GPaというものであった。試験結果をまとめて表1に示した
(比較例2)
非シリコーン成分を、r1が17質量%でr2が3質量%であるネオペンチルポリオールエステルに変更した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。製糸工程や耐炎化工程でのロールへの繊維の巻き付きはなかったが、炭素化工程において、単繊維間の接着が顕在化して毛羽の増加が認められた。得られた炭素繊維は、ストランド強度が4.32GPa、ストランド弾性率が260GPaと性能の劣るものであった。試験結果をまとめて表1に示した。
(比較例3)
非シリコーン成分を、耐熱残存率r1が76質量%でr2が16質量%であるエポキシ樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。油剤付与した後、乾燥すると、繊維束が固着され、その後の加圧水蒸気中での延伸性が極めて悪化して、毛羽が多発した。得られた炭素繊維は品位が極めて悪く、ストランド強度が3.53GPa、ストランド弾性率が260GPaと性能の劣るものであった。試験結果をまとめて表1に示した。
(比較例4)
変性シリコーン成分を、アミノ変性シリコーン(オイル粘度500mm/sec、アミノ当量4000g/モル)50質量%、脂環式エポキシ変性シリコーン(オイル粘度6000mm/sec、エポキシ当量4000g/モル)40質量%およびポリエーテル変性シリコーン(オイル粘度100mm/sec、変性量50質量%)10質量%と変更した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。なお、変性シリコーン成分のr1は96質量%、r2は8質量%であった。
【0036】
ロールなどへの油剤の堆積は極めて少なく工程通過性は全く問題なく良好であったが、得られた炭素繊維は、ストランド強度が4.76GPa、ストランド弾性率が269GPaと十分な性能を発現していなかった。試験結果をまとめて表1に示した。
(比較例5)
油剤の水分散液において、変性シリコーン成分を使用せず、非シリコーン成分単独のものに変更した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維を得た。油剤付与後の乾燥で単繊維間の接着が著しく、加圧水蒸気中での延伸で毛羽が多発した。毛羽巻き付きを除去しながら耐炎化処理を行った後、炭素化処理を試みたが、前炭素化工程で断糸して炭素繊維を得ることができなかった。
(比較例6)
変性シリコーン成分と非シリコーン成分の質量比を15:85とした以外は実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。
【0037】
変性シリコーン量が少ないためロールなどへの油剤の堆積は極めて少なく工程通過性は全く問題なく良好であったが、炭素繊維の樹脂含浸ストランド強度は4.56GPa、弾性率は265GPaと性能を十分発現していなかった。試験結果をまとめて表1に示した。
(比較例7)
非シリコーン成分を、分子量が2600で酸価が17KOHmg/gであるポリエチレンワックスに変更した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。なお、使用したポリエチレンワックスのr1は87質量%、r2は0質量%であった。ロールなどへの油剤の堆積が顕著であり工程通過性に問題が多かった。得られた炭素繊維は、ストランド強度が5.14GPa、弾性率は272GPaであったが、品位に劣るものであった。試験結果をまとめて表1に示した。
(比較例8)
変性シリコーン成分を、アミノ変性シリコーン(オイル粘度2000mm/sec、アミノ当量1800g/モル)単独のものに変更した以外は、実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。なお、使用したアミノ変性シリコーンのr1は99質量%、r2は27質量%であった。工程通過性には特に大きな問題はなかったが、得られた炭素繊維は、ストランド強度が4.85GPa、ストランド弾性率が270GPaと実施例1で得られた炭素繊維よりもストランド強度に劣っていた。試験結果をまとめて表1に示した。
【0038】
【表1】
Figure 0004048230
【0039】
なお、表中、○は「単繊維巻き付きが全くない」、△は「単繊維巻き付きが時々ある」、×は「常時単繊維巻き付きがある」を意味する。
【0040】
【発明の効果】
シリコーンの使用量を減少してシリコーンに起因する様々な操業性の悪化を改善し、且つ高強度の炭素繊維を得ることができる。

Claims (5)

  1. 空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が85質量%以上、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以上30質量%以下である、アミノ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンを含む変性シリコーン成分と、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が70質量%以上であり、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以下である下記式1で表される非シリコーン成分とを含み、かつ、前記変性シリコーンと前記非シリコーン成分との質量比が20〜50:50〜80である油剤が付与されてなることを特徴とする炭素繊維用前駆体繊維。
    Figure 0004048230
    (R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ炭素数1〜22のアルキル基、AOはアルキレンオキサイド、n、mは1〜30の整数)
  2. アミノ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンの質量比が40〜90:5〜40:5〜20である請求項に記載の炭素繊維用前駆体繊維。
  3. アクリル系重合体を湿式または乾湿式紡糸して後水洗して得られる水膨潤繊維に、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が85質量%以上、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以上30質量%以下である、アミノ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンを含む変性シリコーン成分と、空気中240℃で2時間保持後の質量残存率r1が70質量%以上であり、窒素雰囲気中470℃で1時間保持後の質量残存率r2が10質量%以下である下記式1で表される非シリコーン成分とを含み、かつ、前記変性シリコーンと前記非シリコーン成分との質量比が20〜50:50〜80である油剤を付与した後、乾燥することを特徴とする炭素繊維用前駆体繊維の製造方法。
    Figure 0004048230
    (R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ炭素数1〜22のアルキル基、AOはアルキレンオキサイド、n、mは1〜30の整数)
  4. 前記変性シリコーン成分が、アミノ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンを含み、かつ、それらの質量比が40〜90:5〜40:5〜20である請求項に記載の炭素繊維用前駆体繊維の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の炭素繊維用前駆体繊維を焼成して炭素繊維を得ることを特徴とする炭素繊維の製造方法。
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