JPH0270920A - 過給機付きエンジンを備えた自動二輪車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エンジンの軸出力によって駆動される機械式
の過給機を備えた自動二輪車に関する。

（従来の技術〕 エンジンの軸出力によって駆動される機械式の過給機、
いわゆるスーパーチャージャは、ターボ過給機のような
作動遅れが生じることもなく、良好なスロットルレスポ
ンスが得られることから、最近、この過給機付きエンジ
ンを自動二輪車に搭載することが試みられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、この過給機は一般にクランク軸の軸出力によ
って駆動されるために、このクランク軸からの動力伝達
のことを考慮すると、なるべくクランクケースに近接し
た場所に設置することが望ましい。

しかしながら、特に並列多気筒エンジンを搭載した自動
二輪車にあっては、フレームによって囲まれた限られた
空間部分に、上記エンジンを始めとして気化器やエアク
リーナ等の補機類が所狭しと配置されているために、こ
のエンジン回りのスペースにそれ程余裕がなくなってき
ている。

このため、クランクケースの近くに過給機の設置スペー
スを確保することが甚だ困難となり、過給機のレイアウ
トに無理が生じて、車体の雷心位置に悪影響を及ぼす虞
れがあり得る。それとともに、エアクリーナと気化器を
結ぶ吸気管路が長くなったり、複雑に折れ曲がることが
あり、その分、管路抵抗が大きくなって、効率の良い過
給を行なう上での妨げとなるといった問題がある。

したがって、本発明は、過給機をエンジンの略中央付近
にコンパクトに配置することができ、マスの集中化を図
れるとともに、吸気管路の取り回しも無理なく容易に行
なえる過給機付きエンジンを備えた自動二輪車の提供を
目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本発明においては、クランクケースの前部に立
設したシリンダブロックおよびシリンダヘッドを鉛直線
に対し前傾させて設け、このシリンダヘッドの上方に燃
料供給装置とエアクリーナを上下に並べて配置するとと
もに、このエアクリーナと燃料供給装置とを結ぶ吸気管
路に、エンジンの軸出力によりて駆動される機械式の過
給機を設け、この過給機は上記シリンダブロックの後面
に隣接するクランクケース上に配置したことを特徴とし
ている。

〔作用〕

この構成によれば、シリンダヘッドに連なる燃料供給装
置やエアクリーナが、このシリンダヘッドの上方に位置
されるので、シリンダブロックの後面に隣接するクラン
クケース上には、このシリンダヘッドを前傾させたこと
と相まって広いスペースを確保することができる。した
がって、このクランクケース上に開いたスペースに過給
機を無理なく配置できるから、過給機がエンジンの外側
に大きく突出することもなく、コンパクトで纏まりの良
いレイアウトとすることができる。しがも、この過給機
の設置位置はシリンダブロックの後面に隣接しているか
ら、比較的重量のある過給機自体をエンジンの略中央付
近に位置させることができ、車体の重心位置をより中央
に寄せることができる。

また、吸気管路によって結ばれるエアクリーナ、過給機
および燃料供給装置がシリンダヘッドの上方から後方に
かけての範囲内に互いに隣接して配置されるから、この
吸気管路の全長を短く抑えることができ、その分、吸気
管路の取り回しを容易に行なえるとともに、管路抵抗も
小さく抑えることができる。

〔実施例〕

以下本発明の第１実施例を、第１図ないし第３図にもと
づいて説明する。

第１図中符号ｌは自動二輪車の車体を構成するフレーム
であり、このフレームｌにはエンジン２が搭裁されてい
る。本実施例のエンジン２は４サイクル水冷四気筒エン
ジンであり、そのクランクケース３内には車体の幅方向
に沿うクランク軸４が支持されている。クランクケース
３の前部上面には四つの気筒を並設したシリンダブロッ
ク５が立設されており、このシリンダブロック５内のピ
ストン６とクランク軸４とがコンロッド７を介して連結
されている。

シリンダブロック５およびこのシリンダブロック５に重
ねられたシリンダヘッド８は、第２図に示すようにクラ
ンク軸４の中心を通る鉛直線Ｘ。

−Ｘ１に対し、進行方向前方側に向って大きく前傾され
ている。そして、シリンダヘッド８には吸気弁９によっ
て開閉される吸気口１０と、排気弁１１によって開閉さ
れる排気口１２が各気筒毎に形成されている。吸気口ｌ
Ｏはシリンダヘッド８の後面において上向きに開口され
ており、この吸気口１０に燃料供給装置としてのダウン
ドラフト形の気化器１３が接続されている。気化器１３
はシリンダヘッド８の上方に位置されており、この気化
器１３の上方に配置した単一のサージタンク１４に連な
っている。

このため、シリンダブロック５よりも後方に突出するク
ランクケース３上には、比較的広、い空間１５が確保さ
れている。

また、サージタンク１４の前面にはエアクリーナＩＧが
連結されている。エアクリーナ１Ｂはシリンダヘッド８
の真上に位置しており、このエアクリーナｌ（ｉとサー
ジタンク１４の互いに重なり合う側壁には、これらエア
クリーナＩＧとサージタンク１４とを連通させる連通孔
１７が開口されている。この連通孔１７に・は、エアク
リーナｌＧ側からサージタンク１４に向う空気の流通の
みを許容するリード弁１８が設けられている。そして、
エアクリーナ１６は吸気管路１９を介してサージタンク
１４に連なっており、この吸気管路１９の途中にはエア
クリーナ１６で浄化された吸入空気をサージタンク１４
に圧送する機械式の過給機２０が設けられている。

過給機２０はシリンダブロック５の後方の空間１５に収
められており、この過給機２０の外郭を構成するケーシ
ング２１がシリンダブロック５の後面に連なるクランク
ケース３上にボルト締めされている。

ケーシング２１内には、スクリュー状をなす二本のロー
タ２２が収容されている。ロータ２２はクランク軸４と
平行に設けられており、その外周面に形成した図示しな
い凹部と凸部とを噛み合せた状態でケーシング２１に回
転自在に支持されている。そして、このケーシング２１
はロータ２２が上下方向に重なり合う姿勢に縦置きされ
ており、その下側のロータ２２の回転軸２３がクランク
ケース３内に導入されて、エンジン２の軸出力によって
駆動される。

このロータ２２の駆動経路については第３図に示されて
いる。すなわち、クランクケース３の内部にはクランク
軸４と平行に動力伝達軸２５が軸支されており、この動
力伝達軸２５はクランク軸４の後方上部に位置されてい
る。動力伝達軸２５の右端部外周には従動鎖車２Ｇのボ
ス部２［ｉａが回転自在に支持されており、このボス部
２６ａの外周には駆動ハブ２７のボス部２７ａがスプラ
イン係合されている。

駆動ハブ２７の左端面には衝撃吸収用のダンパ２８を介
して増速大鎖車２９が連結されている。この増速大鎖車
２９は動力伝達軸２５の外周にスプライン係合されてい
る。そして、従動鎖車２Ｇとクランク軸４上に設けた駆
動歯部３０との間には、チェーン３１が巻回されており
、このチェーン３１を介して従動路４１２６が回転され
ると、従動鎖車２Ｇの回転が駆動ハブ２７および増速大
鎖車２９を介して動力伝達軸２５に伝えられ、この動力
伝達軸２５とクランク軸４とが等速度で回転される。動
力伝達軸２５の左端部はシリンダブロック５の後方のク
ランクケース３上において、車体の左側方に露出してお
り、この動力伝達軸２５の左端部は交流発電機３２の発
電機軸３３に同軸的に連結されている。このため、交流
発電機３２はシリンダブロック５の後方において、クラ
ンクケース３上に位置されているとともに、このクラン
クケース３の左側に偏って設けられている。

そして、この交流発？ｌ１ｆｉ３２の上方に上記過給機
２０が配置されており、この過給機２０の回転軸２３は
クランクケース３の上面に上向きに突設した膨出部３４
内に導入されている。回転軸２３の導入端部には増速小
鎖車３５がスプライン係合されており、この増速小鎖車
３５と増速大鎖車２９との間には、チェーン３Ｇが巻回
されている。このため、過給機２０のロータ２２はクラ
ンク軸４に連動する動力伝達軸２５の軸出力によって回
転駆動されるとともに、この動力伝達軸２５の回転速度
が例えば二倍に増速されて伝えられる。

なお、クランクケース３の後端部には、交流発電機３２
の後方に位ｊｕシてスタータモータ３７が組み込まれて
いる。スタータモータ３７のモータ軸３８は、枢軸３９
上に回転自在に設けた減大歯車４０と噛み合っており、
この減大歯車４０と一体に回転する減小歯車４１は、上
記駆動ハブ２７のボス部２７ａ上に回転自在に設けた他
の減大歯車４２と噛み合っている。

この減大歯車４２はスタータモータ３７側からの動力伝
達のみを許容する一方向クラッチ４３を介して駆動ハブ
２７に結合されている。このため、スタータモータ３７
からの駆動力は、互いに噛み合う各歯車４０、４１．４
２を介して一旦動力伝達軸２５に伝達され、ここからチ
ェーン３１を介してクランク軸４に伝えられる。

一方、上記過給機２０のケーシング２１の前面には、ロ
ータ２２の軸方向一端側に位置して吸入口４５が開口さ
れており、この吸入口４５は上記吸気管路１９を構成す
る上流側吸気配管４Ｂを介してエアクリーナＩＧの下面
に連なっている。ケーシング２１の後面には、吸入口４
５とはロータ２２の軸方向反対側に偏った位置に、加圧
された吸入空気を送り出す吐出口４７が開口されている
。吐出口４７は下流側吸気配管４８を介して上方のサー
ジタンク１４に連なっており、この下流側吸気配管４８
の途中には、加圧された吸入空気を冷却する水冷式のイ
ンタークーラ４９が設けられている。インタークーラ４
９は第１図および第２図に示すように、サージタンク１
４とエアクリーナＩＧの上面に跨がって設置されており
、このサージタンク１４に隣接している。

また、インタークーラ４ｇは冷却水配管５０を介してシ
リンダヘッド８の前方のサブラジェータ５１に連なって
いる。サブラジェータ５１はエンジン冷却用のラジェー
タ５２とは独立しており、吸入空気の冷却系とエンジン
２の冷却系とが互いに独立した別系統となっている。冷
却水配管５０の途中には、冷却水を循環させるウォータ
ポンプ５３が設けられている。ウォータポンプ５３はシ
リンダヘッド８の右側面に取付けられており、そのイン
ペラ５４が排気弁１１を開閉駆動する排気用カム軸５５
によって回転腫動される。

なお、サージタンク１４の後側であり、かつ過給機２０
の上側には燃料タンク５Ｇが配置されており、この燃料
タンク５６、サージタンク１４、エアクリーナ１６およ
びインタークーラ４９の周囲は、従来一般的なタンク形
状を形作るカバー５７によって覆われている。

このような構成の過給機付きエンジンにおいて、動力伝
達軸２５の軸出力が増速大鎖車２９、チェーン３１およ
び増速小鎖車３５を介してロータ２２に伝わると、二本
のロータ２２が噛み合いながら逆向きに回転し、エアク
リーナ１Ｇで浄化された吸入空気を吸入口４５から吸込
むとともに、この吸入空気を加圧して吐出口４７から下
流側吸気配管４８内に送り出す。

この加圧された吸入空気はインタークーラ４９を介して
サージタンク１４に導かれるとともに、ここから各気筒
の気化器１３に分配され、このことにより過給が開始さ
れる。

ところで、上記構成においては、シリンダブロック５や
シリンダヘッド８を大きく前傾させて、このシリンダへ
ラド８の吸気口１ｏに連なる気化器１３やサージタンク
１４およびエアクリーナＩ６をシリンダヘッド８の上方
に配置したので、シリンダブロック５の後面に連なるク
ランクケース３上に広い空間１５を確保することができ
、この空間１５に過給機２０を無理なく配置することが
できる。

このため、過給機２０がエンジン２の外側に大きく突出
することもなく、コンパクトで纏まりの良いレイアウト
とすることができる。それとともに、比較的重量のある
過給機２０がクランク軸４に近いエンジン２の略中央付
近に位置するので、車体の重心位置をより中央に寄せて
、マスの集中化を図ることができ、操縦性や安定性をよ
り向上させることができる。

また、エアクリーナＩＱ、過給機２０および気化器１３
が、前傾されたシリンダヘッド８の上方から後方にかけ
ての範囲内にきわめて近接して並置されるから、吸入空
気を過給機２０に導く上流側吸気配管４Ｇや、加圧され
た吸入空気を気化器１３に導く下流側吸気配管４Ｂの全
長を短くすることができる。

このため、吸気配管４８．４８の取り回しを無理なく行
なえるとともに、管長が短くなる分だけ管路抵抗を小さ
く抑えることができ、効率の良い過給が可能となる。

また、本実施例のように、クランク軸４に連動する動力
伝達軸２５によって過給機２０の回転軸２３を駆動すれ
ば、クランク軸４と回転軸２３との間の増速比を大きく
とることができる。

なお、本発明は上述した第１実施例に制約されるもので
はなく、第４図および第５図に本発明の第２実施例を示
す。

この第２実施例においては、過給機２０の回転軸２３が
クランクケース３上の膨出部３４に対し、右側方から導
入されており、この過給機２０が交流発電機３２の右側
に位置されている。したがって、シリンダブロック５の
後面に連なるクランクケース３上には、過給機２０と交
流発電機３２とが車体の幅方向に並べて設けられている
。

このような第２実施例によると、比較的重量のある過給
機ｚＯと交流発電機３２とが、クランクケース３上にお
いて車体の幅方向に振り分けられるので、エンジン２の
左右方向の重量バランスも良好に保つことができ、マス
の集中化と相まって、操縦性や安定性がより向上する利
点がある。

また、第６図および第７図には本発明の第３実施例が示
されている。

この第３実施例においては、クランク軸４の左端部に交
流発電機６０が直接連結されている。また、クランク軸
４上の駆動歯部３０は、その歯数が従動鎖車２６の歯数
よりも多く設定されており、動力伝達軸２５にはクラン
ク軸４の回転数が例えば二倍に増速されて伝えられるよ
うになっている。そして、この動力伝達軸２５の左端部
に、″過給機２０の回転軸。

２３が同軸的に連結されており、この回転軸２３はクラ
ンク軸４の軸出力によって直接回転駆動される。

なお、図中符号０１は過給機２０のケーシング２１をク
ランクケース３に固定するボルトを示す。

この第３実施例の（を成によると、交流発電機６０がシ
リンダブロック５の後方のクランクケース３上から、こ
のクランクケース３の前端左側部に移るので、その分、
シリンダブロック５の後方の空間１５が広くなり、過給
機２０を余裕を以て配置することができる。

なお、上述した各実施例では過給機の下流側にインター
クーラを設けたが、このインタークーラを省略して過給
機と気化器とを直接接続しても良く、また、気化器の代
わりに燃料噴射装置を用いても良い。

〔発明の効果〕

以上詳述した本発明によれば、クランクケース上に生じ
た空間を過給機の設置空間として有効に活用できるので
、過給機を無理なく配置できるとともに、この過給機が
エンジンの外側に大きく突出することもなく、コンパク
トで纏まりの良いレイアウトとすることができる。それ
とともに、比較的重量のある過給機がエンジンの略中央
付近に位置するので、マスの集中化を図ることができ、
操縦性や安定性の向上に寄与する。

しかも、過給機とエアクリーナおよび燃料供給装置とが
近接するので、吸入空気を過給機に導いたり、加圧され
た吸入空気を燃料供給装置に導く吸気管路の全長を短く
することができ、この吸気管路の取り口しを無理なく行
なえるとともに、管長が短くなる分だけ管路抵抗を小さ
く抑えることができ、効率の良い過給が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明の第１実施例を示し、第１
図は自動二輪車の側面図、第２図（よ過給機付きエンジ
ンの側面図、第３図は過給機の駆動系路の断面図、第４
図および第５図は本°発明の第２実施例を示し、第４図
は過給機付きエンジンの側面図、第５図は過給機の駆動
系路の断面図、第６図および第７図は本発明の第３実施
例を示し、第６図は過給機付きエンジンの側面図、第７
図（よ過給機の駆動系路の断面図である。 ２・・・エンジン、３・・・クランクケース、５・・・
シリンダブロック、８・・・シリンダへ・ソド、１３・
・・燃料供給装置（気化器）、１６・・・エアクリーナ
、１９・・・吸気管路、２０・・・過給機。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. クランクケースの前部に立設したシリンダブロックおよ
   びシリンダヘッドを鉛直線に対し前傾させて設け、この
   シリンダヘッドの上方に燃料供給装置とエアクリーナを
   上下に並べて配置するとともに、このエアクリーナと燃
   料供給装置とを結ぶ吸気管路に、エンジンの軸出力によ
   って駆動される機械式の過給機を設け、この過給機は上
   記シリンダブロックの後面に隣接するクランクケース上
   に配置したことを特徴とする過給機付きエンジンを備え
   た自動二輪車。