JPH0263794A - 熱転写記録用受像シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、熱転写記録用受像シートに関し、特に熱昇華
性染料を利用した熱転写記録用の受像シートの改良に関
するもので、記録感度に優れ、且つ記録像の保存性が著
しく改善された受像シートを提供するものである。

「従来の技術」 入力信号と同時に記録像の得られる熱記録方式は、装置
が比較的簡単で安価なうえに低騒音であるため、ファク
シミリ−１計算機用端末プリンター、測定機器用プリン
ター等多方面に利用されている。

これらの熱記録方式に使用される記録媒体としては、加
熱により物理的、化学的変化を起して発色する記録層を
設けた所謂発色タイプ感熱記録紙が最も一般的に使用さ
れている。しかし、発色タイプ感熱記録紙は製造工程中
や保存中に不要な発色を起しやすく、又記録された像の
保存安定性にも劣っており、有機溶剤や化学薬品等との
接触によって褪色現象を起してしまう。

そのため、発色タイプ感熱記録紙に代る記録媒体として
、有色の色材そのものを利用した記録媒体を用いる記録
方式が提案されており、例えば特開昭５１−１５４４６
号公報には、常温では固体又は半固体状である色材を紙
、ポリマーフィルム等の支持体上に塗布しておき、支持
体上の色材と記録紙とを接触させ、熱記録ヘッドにより
支持体上の色材を加熱して選択的に記録紙に色材を転移
させて記録像を得る方式が提案されている。

この記録方式では支持体上の色材を熱によって溶融、蒸
発、昇華せしめ、記録紙に転移させて粘着、吸着、染着
によって記録像を得るものであり、記録紙として普通紙
が利用できる特徴があるとされている。そして、特に色
材として昇華性染料を用いる記録方式では階調性に優れ
た画像が得られるため、フルカラー記録用途への応用が
試みられている。

しかし、記録紙として普通紙を用いた場合には、特に染
着が起り難く、記録像の色濃度が低いばかりでなく、経
時によって著しい褪色現象を起してしまう。そのため、
特開昭５７−１０７８８５号公報、特開昭５９１６５６
８８号公報、米国特許筒３．６ＯＬ４８４号公報等に記
載の如く熱可塑性樹脂を主成分とする受像層を形成した
受像シートが使用されている。

「発明が解決しようとする課題」 熱可塑性樹脂を主成分とする受像層を形成することによ
って、記録感度や保存性は一応改良されるが必ずしも充
分ではなく、光の照射によって記録像が褪色したり、受
像シートと色材転写層との不要な熱融着を起こす等のト
ラブルが発生するなどの問題がある。

そのため、受像シートと色材転写層との不要な熱融着を
防止するために、例えば特開昭６０−３４８９８号公報
、特開昭６０−２１２３９４号公報には受像層中に離型
剤を添加する方法が提案されており、特開昭５９−１６
５６８８号公報には受像層上に離型層を設ける方法が提
案されている。しかし、離型剤として液状や半固体状の
ケイ素系化合物、フッ素系化合物、ワックス類、高級脂
肪酸、高級脂肪酸の金属塩等を使用した場合には、得ら
れる受像シートの画像形成後の保存性が悪く、画像がブ
リードしたり、特にカラー画像を得るために黄色、赤色
、青色、黒色等の色材転写シートを順に印字した場合に
は、色の再現性が悪くなったり、印字を重ねていくにつ
れて受像シートと色材転写層との不要な熱融着が起こり
やすくなったりする。また、反応硬化性のケイ素化合物
等を用いた場合には、受像層塗布後に加熱硬化や活性エ
ネルギー線による硬化処理が必要であり生産性に問題が
ある。

かかる現状に鑑み、本発明者は有色の色材、特に熱昇華
染料を熱転移させる記録方式に用いて有用な熱転写記録
用受像シートの改良について鋭意研究の結果、受像層を
特定の組成からなる塗液で形成することによって、記録
感度に優れ、極めて鮮明で色濃度の高い記録像が得られ
るのみならず、受像シートと色材転写層との不要な熱融
着が起こらず、生産性に優れ、しかも記録後の保存性に
も優れた特性を発揮する受像シートを完成するに至った
。

「課題を解決するための手段」 本発明は、支持体上に色材転写シートからの転写像を受
理する受像層を設けてなる熱転写記録用受像シートにお
いて、該受像層が芳香族系のシリコーン変性エポキシ樹
脂を主成分とすることを特徴とする熱転写記録用受像シ
ートである。

「作用」 本発明の受像シートにおいて、受像層を構成する主成分
である芳香族系のシリコーン変性エポキシ樹脂とは、芳
香族系のエポキシ樹脂をシリコーン樹脂で変性した化合
物である。

その製造方法としては、例えば芳香族系のエポキシ樹脂
とメトキシポリシロキサンを、ドデシルヘンゼンスルフ
ォン酸等の存在下で反応させ、エポキシ樹脂の水ｆ１１
基とメトキシ基の反応によってメタノールを放出させて
縮合反応を進める方法等がある。

なお、反応に用いられるエポキシ樹脂は昇華性染料を効
率的に染着する必要があるため、芳香族系、特にビスフ
ェノールＡとエピクロルヒドリンとの縮合反応により得
られる、いわゆるビスフェノールＡ型エポキシ樹脂が望
ましく用いられる。

得られた縮合物をさらにエポキシ樹脂の硬化剤であるア
ミン系化合物、酸無水物、ルイス酸錯化合物、フェノー
ル樹脂、アミン樹脂等と反応させて硬化させることもで
きる。硬化された樹脂は耐薬品性、耐候性に非常に優れ
、特に色材転写層との不要な熱融着に極めて優れた性能
を発揮する。

このような効果の得られる理由については、必ずしも明
らかではないが、受像層塗布後の乾燥工程中に、母体で
あるエポキシ樹脂ポリマ一部分が受像層内部に配列し、
反面、低いエネルギー感応性を示すシリコーン基が受像
層表面に配向するためではないかと推定される。

なお、上記の如き硬化剤のなかでも、アミン系化合物は
、常温で硬化作用を発揮するので、受像層形成後の加熱
硬化処理や活性エネルギー線による処理が不必要となる
ため、特に好ましく用いられる。

本発明で使用する芳香族系のエポキシ樹脂は、それ自体
で昇華性染料に対する染着能を有しているが、より染着
能を高めるために、その他の熱可塑性樹脂、例えばポリ
エステル、ポリスチレン、ポリウレタン、酢酸ビニル系
共重合体、アクリル系共重合体、アセテート樹脂、ナイ
ロン樹脂等を併用−することも可能である。

受像層を形成する塗液中には、筆記性を向上させる等の
目的で、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、天然珪酸類、合成珪酸類、酸化チ
タン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、尿素ホルムアル
デヒド樹脂粉末等の無機や有機の顔料を添加したり、受
像層の改質、他機能の付与を目的として、例えば紫外線
吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、離型剤、滑剤等の各
種助剤を添加することもできる。また、本発明の特徴を
損なわない範囲で他の合成樹脂類を併用することも可能
である。

受像層形成塗液の支持体への塗布量は受像シートの使用
目的等に応じて適宜調節されるが、一般に４〜１５ｇ／
ｎ（程度の範囲で塗布される。支持体としては、例えば
普通紙、合成紙、合成樹脂フィルム等が適宜選択して用
いられるが、熱特性に優れているため普通紙の使用が好
ましい。なお、ここでいう普通紙は、例えばセルローズ
パルプを主成分とし、紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、
無機や有機の填料等を添加して普通に抄造して得られる
紙、これに酸化澱粉等をサイズプレスしたり、クレー等
の顔料を主成分とするプレコート層を設けて表面物性を
改良した紙等が含まれるが、アート紙、コート紙、キャ
ストコート祇等の如く表面の平滑性に優れた紙が特に好
ましく用いられる。

また、合成ゴムラテックス等で形成したゴム弾性層、発
泡剤、中空カプセル等で形成したミクロポーラス層等を
設けて密着性や熱転写効率を高めた紙も好ましく用いら
れる。

か（して得られる本発明の熱転写記録用受像シートは、
特に色材転写シートとして熱昇華性染料を含有するシー
トを用いた場合の受像シートとして、極めて優れた性能
を発揮するものであり、記録感度に優れ、極めて鮮明で
色濃度の高い記録像が得られるのみならず、受像シート
と色材転写層との不要な熱融着が起こらず、生産性に優
れ、しかも記録像の保存性にも優れた特性を発揮するも
のである。

本発明でいう熱昇華性染料とは、通常の取り扱い条件下
では受像シートと接触しても色材の転移を起さないが、
例えば６０℃以上の加熱によって初めて溶融、蒸発、昇
華等によって色材の転移を起すような染料を意味し、例
えばアゾ系、ニトロ系、アントラキノン系、キノリン系
等に代表される分散染料、トリフェニルメタン系、フル
オラン系に代表される塩基性染料、油溶性染料等積々の
染料の中から適宜選択して使用される。

また、本発明の熱転写記録用受像シートは、例えば熱印
字ユニット等の熱板、サーマルヘッド等により接触加熱
する熱記録方式のみならず、赤外線ランプ、ＹＡＧレー
ザ−、炭酸ガスレーザー等の熱線輻射による非接触加熱
方式による熱記録等にも有用である。

「実施例」 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが
、勿論これらに限定されるものではない。

また、特に断らない限り例中の部及び％は、それぞれ「
重量部」及び「重量％」を表す。

実施例１ ビスフェノールＡ型エポキシ樹脂（商品名：エピコート
１００１．エポキシ当量：４５０〜５００９分子量：約
９００．油化シェルエポキシ社製）１００部に、メトキ
シポリシロキサン（商品名：ＭＳ６５０ミツドランドシ
リコン社製）２０部加え、さらに０．１％のドデシルベ
ンゼンスルフォン酸を触媒として添加した混合液を２２
０〜２２５°Ｃに保ち、約４５分でメタノールを放出さ
せてシリコーン変性エポキシ樹脂を得た。なお、温度コ
ントロールに十分注意しないと反応中にゲル化が起きる
恐れがある。

得られたシリコーン変性エポキシ樹脂のエポキシ基当量
は、６００〜７００であった。

上記シリコーン変性エポキシ樹脂（濃度６０％）１００
部に、硬化剤（商品名：エピキュアＨ−２゜油化シェル
エポキシ社製）１０部と、溶媒としてトルエンを加えて
濃度３０％の受像層形成用塗液を調製した。

この塗液を市販のアート紙上にＳＢＲラテックスを１５
ｇ／ｒ４塗布乾燥した支持体上に、乾燥重量が５ｇ／ｒ
ｒｆとなるように塗布乾燥して受像層を形成した後に、
鏡面仕上げした金属ロールと弾性ロールから成るスーパ
ーキャレンダーで平滑化処理（線圧２００　ｋｇ／ｃｍ
）を行い熱転写記録用受像シートを製造した。

実施例２ 実施例１のシリコーン変性エポキシ樹脂１００部に、硬
化剤（商品名：エビキュアＨ−２）１０部、ポリエステ
ル樹脂（商品名：バイロン２０ＳＳ。

濃度３０％、東洋紡績社製）２００部と、溶媒としてト
ルニジを加えて濃度３０％の受像層形成用塗液を調製し
た。この塗液を使用した以外は実施例１と同様にして熱
転写記録用受像シートを製造した。

比較例１ 受像層形成用塗液の調製において、シリコーン変性エポ
キシ樹脂の代わりに、エポキシ樹脂（商品名；エピコー
ト１００１、油化シェルエポキシ礼装）を使用した以外
は実施例１と同様にして熱転写記録用受像シートを製造
した。

比較例２ 比較例１の熱転写記録用受像シートの受像層表面に、シ
リコーン樹脂（商品名：信越シリコーンＫＳ７０５Ｆ、
信越化学社製）１００部、シリコーン樹脂硬化剤（商品
名：信越シリコーンカタリストＰＳ。

信越化学社製）４部、シリコーン樹脂硬化促進剤（商品
名：信越シリコーン力タリストＰＤ、信越化学社製）２
部、トルエン１００部からなる塗液を乾燥重量が０．３
ｇ／ｎ（となるように塗布乾燥し、１００°Ｃで２分間
加熱硬化処理して熱転写記録用受像シートを製造した。

比較例３ 受像層形成用塗液の調製において、シリコーン変性エポ
キシ樹脂の代わりに、ポリエステル樹脂（商品名：バイ
ロン２０ＳＳ、　ｆｉ度３０％、東洋紡績社製）を使用
した以外は実施例１と同様にして熱転写記録用受像シー
トを製造した。

比較例４ 比較例１の熱転写記録用受像シートの代わりに、比較例
３の熱転写記録用受像シートを使用した以外は比較例２
と同様にして熱転写記録用受像シートを製造した。

かくして得られた７種類の熱転写記録用受像シートにつ
いて、以下の如く品質比較試験を行った。

即ち、青色熱昇華性染料（ソルベントブルー１０５）１
部、エチルセルロース１゜５部、イソプロピルアルコー
ル１０部、エタノール５部をサンドミルで混合粉砕分散
して調製した平均粒子径１μｍの染料インキを、厚さ６
μｍの耐熱処理ポリエステルフィルムの非処理面上に乾
燥塗布量が１ｇ／１１（となるように、グラビアベタ印
刷して色材転写シートを作成した。

次に、色材転写シートと熱転写記録用受像シートの塗布
面を重ね合せ、色材転写シートの背面から感熱ヘッドに
より熱を印加しく１２Ｖ、２〜８ｍ５ｅｃ）受像シート
の受像面上に熱転写記録像を形成し、融着現象の発生状
況、熱ブリード適性、印字耐光性、記録濃度を以下の如
く評価してその結果を表に記載した。

〔融着現象〕

感熱ヘッドにより熱を印加した際に発生する融着現象の
程度で評価した。

〔熱ブリード適性〕

５０°Ｃで４８時間処理した後の印字のブリードを２５
倍のルーパで観察して評価した。

〔印字耐光性］ ガラス透過光にｌＯ日間曝した後の画像濃度の変化から
評価した。

〔画像濃度］ 記録像の濃度をマクベス濃度計で測定した。

なお、比較例１及び比較例３の受像シートでは記録の際
に受像シートと色材転写層が熱融着してしまい以後の品
質比較試験をすることができなかった。

また、評価基準は以下のとおりとした。

〔評価基準〕

○・・・・・・・・・・・・・・・△・・・・・・・・
・・・・・・・×優れている・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・劣っている表 「効果Ｊ 表の結果から明らかなように、本発明の実施例で得られ
た熱転写記録用受像シートは、優れた記録適性と記録画
像性質を有していた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 支持体上に色材転写シートからの転写像を受理する受像
   層を設けてなる熱転写記録用受像シートにおいて、該受
   像層が芳香族系のシリコーン変性エポキシ樹脂を主成分
   とすることを特徴とする熱転写記録用受像シート。