JPH0263035B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば自動車用座席などの製法に関
するものである。

まず、従来の座席の製法、例として自動車用座
席についてその概要を説明する。

座席の表層となる表皮とワデイング（うすいウ
レタンフオーム）と裏基布とを準備し、高周波融
着型にこれらをセツトし、必要部分を高周波その
他の加熱手段により加熱して融着する。

次にこれを取り出して、その周囲を所要の形状
に裁断して身ごろ部（座面）を完了する。

次いで予め裁断したまち部（座面周囲の端面）
を前記身ごろ部に玉ぶち（装飾、補強用）と共に
縫い付けてトリムカバーを完了する。

前記トリムカバーに、クツシヨン材としての詰
物であるウレタンモールド、ばねフレーム、その
他の部分を取付け手作業により総組立、調整を行
つて座席を完成する。

前記従来の座席の製法においては、融着型に部
材をセツトする迄に人員を多くしている。例えば
高周波融着型の場合は、相方から手を出して作業
するのでテーブルに向い合つて計４人の人員を要
する。

次に表皮、ワデイング、裏基布とを前記融着型
で融着後、周囲を所要形状に裁断するにはメス付
ミシンを使用するが、これにも人手を要し、前記
トリムカバーを完了するのに縫製作業にまた人手
を要し、最後に手作業の総組立によつて座席を完
成するが、いずれの工程においても熟練した作業
者を多く必要とし、生産上、品質上多くの問題が
発生する欠点を有するものであつた。

本発明はこれら従来製法の欠点を解消せんとし
て提案するもので、座席用トリムカバー、次いで
座席を製作するに当つて高周波融着後の外周裁断
を廃止した合理的な座席の製法を提供するのを目
的とする。

以下、本発明の好適な一実施例について第１図
ないし第４図を参照して詳細に説明する。

第１図より第４図において、符号１は表皮、２
はワデイング、３は裏基布、４はまち部、５は玉
ぶち、６はトリムカバー、７は詰物であるモール
ド８は玉ぶち位置決め部で、高周波融着型９では
なく、玉ぶちの位置を決めて動かない様に固定す
る部分、１０は台である。

まず、表皮１の多数を重ねてプレスなどで所要
形状に裁断する。また、予め裁断したまち部４を
前記表皮１と玉ぶち５と共に縫い付けるか適宜加
熱して融着する。次にこれらを反転させて高周波
型９と玉ぶち位置決め部８にセツト（第１図）す
る。

一方、ワデイング２と裏基布３との要所を予め
接着材を塗布して後接着し、プレス等により所要
形状に裁断する。これ等を前記表皮１を下にし、
裏基布３を上にして（第２図）セツトし、高周波
型９の加熱により、表皮１、ワデイング２、裏基
布３とを融着して第３図に示すようにトリムカバ
ー６は完了する。

他方、表面に薄皮のないウレタンモールド７の
要所には予め接着材を吹付けておき、次に前記ト
リムカバー６を第４図に示すように接着する。前
記トリムカバー７に接着材を吹き付ける代りにト
リムカバー６の裏基布３に接着材を吹付けるか、
あるいは両方に吹付けてもよい。

次に図示省略したが、座部側端面であるまち部
４を反転（第２、第３図ではセツトの関係上、さ
がつている）させ、ばねフレームその他の付属部
品を取付ける総組立により座席は完成する。

前記説明に更に追補すると、第１図において、
高周波型９の各部（第１図では４ケ所）が表皮１
に接する面は同一平面であるが、同一平面でない
場合は、図示省略したが、高周波型９に対応する
高周波上型も同一平面でない対応した面とした高
周波型９とすればよい。

また、図示は省略したが、裏基布３と図示しな
い上型との間には絶縁紙が介在させてある。さら
に、ワデイング２が融点の低い高周波用ワデイン
グでない普通の何等処理されていない一般の高融
点のウレタンの場合は、前記絶縁紙の上に通常の
加熱用ヒータが設置されて融解を促進する。

モールド７は、接着されるので、その表面の全
部または少くとも接着される部分は、皮が無いも
のを使用する。

前記説明においては、融着は一例として高周波
加熱による融着としたが、超音波その他の加熱手
段による融着でも良いことは勿論である。

また、場合によつては、第４図のモールド７の
接着作業は、図示は省略したが、トリムカバー６
の融着作業とモールド７とトリムカバー６との接
着作業工程を分割して生産量を上げる場合など
は、第３図による融着作業と第３図の高周波型９
を台１０に一体化したものを第４図とした別の接
着型で工程を分けて行つてもよい。

前記では、ワデイング２と裏基布３を予め接着
するとしたが、面積が小さい場合などは接着する
必要はない。但しワデイング２と裏基布３は予め
プレスなどで外周は裁断成形しておくことにす
る。

また、モールド７はその代りに外周その他の形
状を成形したスラブ材を使用してもよい。裏基布
３は場合によつては省略する場合もある。

次に本発明製法によると下記のような作用効果
を有する。

表皮１、ワデイング２、裏基布３は当初重ねて
プレス裁断されるので、形状は正確で従来のよう
に融着後１ケ宛手作業で切るより省力化され品質
も向上する。このようにプレス裁断した表皮１、
ワデイング２、裏基布３を融着後まち部４、玉ぶ
ち５を結合してもよい。

高周波型にセツトする場合、ワデイング２と裏
基布３が一体となり、従来例の高周波型にセツト
する人員４人が２人となり、また従来のメス付ミ
シンの手作業による裁断が不要となる。

従来、トリムカバーは図示は省略したが、ばね
フレームなどに固定するための吊り部材が必要で
あり、これらは、ホツクリンガーなどを手作業に
よりばねフレームに固定していたが、本発明によ
ると、トリムカバー６をモールド７に直接接着さ
せるので吊り部材などが不要となり、組立作業が
大巾に低減される。

以上により、高周波作業のトリムカバー製作よ
り、座席の完成までが一つの型を基準として行わ
れるので、仕掛が無くなり、コンベアー作業の欠
点が無くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は表皮、玉ぶち、まち部を高周波型にセ
ツトした時の断面図、第２図は表皮、ワデイン
グ、裏基布、まち部をセツトした時の断面図、第
３図はトリムカバー完成時の型断面図、第４図は
モールドにトリムカバーを接着した時の型の断面
図である。 １……表皮、２……ワデイング、３……裏基
布、４……まち部、５……玉ぶち、６……トリム
カバー、７……ウレタンモールド、８……玉ぶち
位置決め部、９……高周波融着型、１０……台。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 予め表皮とまち部および玉ぶちとを結合して
   おき、これを反転させて高周波などによる融着型
   の融着部と玉ぶち位置決め部にセツトし、さらに
   これに必要形状に外周を成形したワデイングと裏
   基布とを重ねて所要部分を熱融着し、これらを必
   要部分または全体に薄皮のないウレタンモールド
   もしくは成形したスラブに接着し、さらにバネフ
   レームに組付けることを特徴とする座席の製法。