JPH026252Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、アウタケーシングにインナケーブル
を摺動自由に挿通して操作力を伝達するようにし
たコントロールケーブルのアウタケーシングの端
末に固定した固定具を、パネル等の取付板に透設
した取付孔に挿入して固定する装置に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 コントロールケーブルのアウタケーシングの端
末に固定した固定具を取付板に透設した取付孔に
挿入して固定する方法としては、従来、固定具の
外周に取付部となる鍔を形成し、この鍔を取付板
に突き当てて、鍔と取付板をボルト及びナツトで
締め付けて固定する方法が採られているが、この
方法は、組付作業が面倒であるばかりでなく、ボ
ルト、ナツトを必要とすることからコストが高く
つく不具合があり、また、別の方法として、固定
具の外周に同じように鍔を形成するとともに、固
定具の挿入方向の前端部に取付孔の口縁に係止す
る鉤部を設けた複数の爪片を突成し、この爪片を
弾性変形させつつ取付孔内に押し込んで、爪片の
鉤部と鍔の間に取付孔の口縁を嵌めて固定する方
法もあるが、この方法は、組付けは簡単にできる
ものの、爪片の弾力を利用して固定していること
から固定力が弱く、固定具が外れやすい不具合が
あつた。

本考案は、叙上の点に鑑み、固定具を取付板に
強固に固定でき、しかも、簡単に組付けることが
できるようにした装置を提供することを目的とす
るものである。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案のコントロ
ールケーブルの端末固定装置は、アウタケーシン
グにインナケーブルを摺動自由に挿通したコント
ロールケーブルの前記アウタケーシングの端末に
固定した固定具を、取付板に透設した取付孔に挿
入して固定する装置において、前記取付孔を非円
形とし、前記固定具に、前記取付孔に嵌合する非
円形の係止部を形成するとともに、該係止部の挿
入方向の後側に、前記取付孔の径の小さい部分の
口縁が嵌まつて前記固定具の移動を規制する溝を
形成し、前記取付板の前記取付孔の周りに嵌合孔
を設け、前記係止部に、前記固定具を中心線周り
に一定角度回動したときに前記嵌合孔に嵌まる突
起を形成した構成としたものである。

作用及び効果 本考案は、上記の構成になり、固定具の係止部
を取付孔内に挿入し、溝の側面が取付板に当つた
ところで固定具を中心線周りに一定角度回動させ
て、係止部の突起を嵌合孔内に嵌めると、固定具
は、係止部の径の大きい部分が取付孔の径の小さ
い部分の外側に当接した状態に保持されて、固定
具が取付孔から脱出不能に固定されるのであつ
て、取付孔並びに固定具に形成した係止部を非円
形とし、係止部を一定角度回動した位置で保持し
て、取付孔の径の小さい部分の外側で係止部の径
の大きい部分を係止して脱出不能に固定するよう
にしたから、固定具を取付板に固定することがで
き、また、組付けに際して、固定具の係止部を取
付孔内に挿入して一定角度回動するだけで良いか
ら、簡単に組付けを行なうことができる効果を奏
する。

実施例 以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

本考案の第１実施例を示す第１図及び第２図に
おいて、１は、アウタケーシング２にインナケー
ブル３を摺動自由に挿通したコントロールケーブ
ルであつて、このコントロールケーブル１のアウ
タケーシング２の端末に、アウタケーシング２の
端末から突出したインナケーブル３の端末を挿通
する挿通孔６を形成した合成樹脂からなる断面円
形の固定具５が、鋳包み成形により固定されてお
り、この固定具５が、取付板７に透設された取付
孔８に挿入されて固定されるようになつている。

上記した取付板７に透設された取付孔８は、第
２図に示すように、対応する２つの短辺を円弧形
とした横方向に細長い略長方形をなし、この取付
孔８の長さ方向の中央部の上下両側が打ち抜かれ
て、取付孔８と同一幅で長さが短い同じく対応す
る短辺を円弧形とした略長方形の縦孔９が、取付
孔８と直角に交差して形成されているとともに、
取付板７の背面の縦孔９の上下両側に、嵌合孔１
１を透設した保持板１０，１０が夫々固着されて
おり、一方、前記した固定具５の前端部には、固
定具５の中心を挾む両側の外周部を平行に切除す
ることにより、取付孔８に嵌合する係止部１３が
形成され、この係止部１３の背面に縦孔９に嵌合
する嵌合部１４が形成されているとともに、係止
部１３の背面の長さ方向の両端部に、保持板１０
の嵌合孔１１に嵌合する突起１５，１５が突成さ
れており、さらに、係止部１３の背面側には段付
きの溝１７が全周にわたつて形成され、この溝１
７は、前側が、前記した取付孔８と縦孔９の交差
した部分の角部に当たらないように深さが深く、
後側で深さが浅くなつており、この溝１７の深さ
の浅い部分に、前面の外周部が突出したゴム製の
シールリング１８が嵌められて接着により固定さ
れている。

本実施例は上記の構造になり、インナケーブル
３の端末を取付孔８に挿入したのち、固定具５を
係止部１３が横を向く姿勢にして、係止部１３を
取付孔８内に挿入し、シールリング１８が取付板
７の前面に当つたのち、さらにシールリング１８
を弾縮しつつ突起１５が保持板１０の前方に到る
まで押し込み、しかるのち、固定具５を中心線周
りに90度回動して係止部１３が縦を向いたところ
で押込力を除去すると、シールリング１８の復元
弾力で係止部１３の背面が取付板７の背面に押し
付けられ、突起１５，１５が保持板１０の嵌合孔
１１に嵌合するとともに、係止部１３の嵌合部１
４が縦孔９に嵌まり、固定具５が中心線周りの回
動不能に、かつ、取付孔８からの脱出不能に固定
される。

固定具５を外す場合には、固定具５をシールリ
ング１８を弾縮しつつ押し込んで、突起１５を嵌
合孔１１から嵌合部１４を縦孔９から夫々脱出さ
せたのち、固定具５を中心線周りに90度回動し、
係止部１３を取付孔８に合わせて抜き出せば良
い。

第３図及び第４図は、本考案の第２実施例を示
し、取付板２７には、前記第１実施例と同様に、
対応する２つの短辺を円弧形とした横方向に細長
い長方形をなす取付孔２８が透設され、この取付
孔２８の中央部の上下両側が打ち抜かれて、取付
孔２８の円弧形の対辺の間隔よりも短い直径の円
形孔２９が形成されているとともに、取付板２７
の背面の円形孔２９の上下両側に、鉄板を円弧形
に曲成した保持板３０，３０が、取付孔２８の円
弧形の対辺と同一間隔をおいて固着され、各保持
板３０の中央部に嵌合孔３１が透設されており、
一方、固定具２５の前端面には、その中心を挾む
両側に、前記した取付孔２８と同一幅の略かまぼ
こ形をなす一対の係合片３２，３２が突成され、
各係合片３２，３２の先端側に、前記した保持板
３０，３０の内側に緊密に嵌合する円弧形の係止
部３３，３３が形成され、各係止部３３の外周面
の中央部に、保持板３０の嵌合孔３１に嵌合する
先端に丸味を付けた突起３５，３５が突成されて
おり、さらに各係止部３３の背面に、前記した円
形孔２９に嵌合する溝３７，３７が形成され、こ
の溝３７の後側の部分に、シールリング３８が嵌
められて接着により固定されている。

そして、第１実施例と同様にインナケーブル３
の端末を取付孔２８に挿通したのち、固定具２５
を係合片３２，３２が縦を向く姿勢にして係止部
３３，３３を取付孔２８に合わせ、突起３５，３
５を取付孔２８の円弧形の辺の口縁に当てて、係
合片３２，３２を対応間隔を狭めるように弾性変
形させつつ押し込み、シールリング３８が取付板
２７の前面に押し付けられたところで、係止部３
３，３３が取付板２７の背面に突出して係合片３
２，３２が元の姿勢に復帰して、かかる状態で固
定具２５を中心線周りに回動すると、固定具２５
は、係止部３３，３３を保持板３０，３０の内側
に、また、溝３７，３７を円形孔２９の内側に滑
らせつつ回動し、突起３５，３５が保持板３０，
３０の側面に当つたのちさらに回動を続けると、
係合片３２，３２が再び弾性変形しつつ突起３
５，３５が保持板３０，３０の内面に当接した状
態で回動し、固定具２５が90度回動したところ
で、突起３５，３５が嵌合孔３１，３１に嵌合
し、これとともに、係止部３３が保持板３０の内
側に、溝３７が円形孔２９に夫々緊密に嵌まつ
て、固定具２５が取付板２７に固定される。ま
た、固定具２５を外す場合には、突起３５，３５
を両側から押して係合片３２，３２の間隔を狭め
た状態で固定具２５を回動することによつて、突
起３５を嵌合孔３１から脱出させ、90度回動して
係止部３３，３３を取付孔２８に合わせて抜き出
せば良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の組付後の状態の
断面図、第２図はその組付前の状態の斜視図であ
り、第３図は第２実施例の組付後の状態の断面
図、第４図はその組付前の状態の斜視図である。 １……コントロールケーブル、２……アウタケ
ーシング、３……インナケーブル、５，２５……
固定具、７，２７……取付板、８，２８……取付
孔、１１，３１……嵌合孔、１３，３３……係止
部、１５，３５……突起、１７，３７……溝、１
８，３８……シールリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アウタケーシングにインナケーブルを摺動自由
   に挿通したコントロールケーブルの前記アウタケ
   ーシングの端末に固定した固定具を、取付板に透
   設した取付孔に挿入して固定する装置において、
   前記取付孔を非円形とし、前記固定具に、前記取
   付孔に嵌合する非円形の係止部を形成するととも
   に、該係止部の挿入方向の後側に、前記取付孔の
   径の小さい部分の口縁が嵌まつて前記固定具の移
   動を規制する溝を形成し、前記取付板の前記取付
   孔の周りに嵌合孔を設け、前記係止部に、前記固
   定具を中心線周りに一定角度回動したときに前記
   嵌合孔に嵌まる突起を形成したことを特徴とする
   コントロールケーブルの端末固定装置。